スタンダードサイズの画面に納められた佐渡島の美しい自然や金山跡の現実離れした地形は、額縁に入れられた絵画のような、窓越しに見る景色のように見えた。余計なものが入る隙がない感じ。ストーリーは一応あるよう>>続きを読む
笑ってホロッとしてちょっとハラハラして、安定のキャストで安心して観られた。人生100年どう生きるかどう過ごすか。客席も自分も含めて高齢者が多く、高齢者あるある、老夫婦あるあるには皆さん思い当たることも>>続きを読む
なんか怖かった。光と影、音の使い方がじわじわくる。冒頭、医療器具を買い叩くときの吉井の無表情の不気味さ。ネット社会とか転売ヤーとかの怖さもあるけど、何かに火をつけられたら止まらなくなる人間の闘争本能、>>続きを読む
僕がモノにとりつくとしたら何になりたいかな、もしかしたら僕の持っているものにも誰かの想いがとりついているのかな、その人が今の僕を見たらどう思うかな、なんてことを考えながら観た。4つの物語はそれぞれ違っ>>続きを読む
イスラエルとパレスチナの問題はとても根が深く複雑で、分かりにくいと思っていた。この映画は一人のイタリア人医学生の体験を追う形なので、当時のガザの状況を、一部ながらも見ることができた。爆撃のないときは普>>続きを読む
わずか60年前には、自由の国アメリカでさえも女性の役割や価値?がこんなにも軽視されていたんだな。ジェーンの中絶を決めるのにおじさんばっかりで何も考えずに反対しているのに呆れた。ジェーンにとっては病気を>>続きを読む
予告編を見て面白そうなミステリーだと思ったのだが… これはミステリー? コメディー? ホラー? サスペンス? SF? ファンタジー? ラストもなんかちゃんと着地したんだか崩れたんだかで、なんとも釈然と>>続きを読む
思春期、反抗期、親がうざったくてカッコ悪く感じて違う家に生まれたかった、なんて感じること、そのくせ両親が大好きで感謝もしている。僕にも覚えがある。さすがにあんなひどい言い方はしなかったけど。この映画は>>続きを読む
うわあ、床屋(理髪店ではない!)のおばちゃんだ。店の中の備品や設備もクルクルも、昔ながらのすごい安心感。そして常連客といつものおしゃべりをして丁寧に髪を切り床を掃いてタオルを洗って干すおばちゃん! 昔>>続きを読む
マラソンや駅伝ってどうしてあんなに感動してしまうんだろう。ただ走っているだけなのに。この映画のラスト15分はただただ見とれてしまった。あんなに美しく力強く走るっていいな。ゆっくり走るなら俺にもできるか>>続きを読む
実際に養護施設や乳児院で育った経験のある若者8人のそれぞれの経験談と、それを重ねたような役柄のドラマの構成。彼等は明るく淡々と話しているけど、その内容はとても深刻だと思った。虐待や捨て子、経済的な困窮>>続きを読む
「アイヌ」とは「人間」という意味だと知った。カムイからお借りしたこの場所で生まれ静かに暮らしているだけ、なんて慎ましく穏やかな考え方だろう。日本のような自然の中ではこの考え方が合っているように思う。自>>続きを読む
いかにも東映娯楽時代劇。ド派手で賑やかなこと。ストーリーなんかいつも同じ、スターの活躍と決め台詞といかにも悪人をスパスパ成敗することと見事な立ち回りでスカッと気が晴れればそれでいいのだ。一時期東映時代>>続きを読む
これは三谷さんの原点である舞台劇だ。ラストのミュージカルシーンも舞台の観客サービスのカーテンコールだ。三谷さんの舞台作品にあまり馴染みのない人には世界観に乗りにくいかもしれない。
三谷さんは黒澤明監督>>続きを読む
柳家金語楼さんといえば僕にはNHKの「ジェスチャー」。顔芸も全身を使う動きもとても面白かった記憶がある。あとは江利チエミさんの「サザエさん」シリーズとか、昔の映画で見るくらいかな。この映画も16㍉フィ>>続きを読む
正直、股旅ものって何がいいのか分からない。一宿一飯の義理とかで縁も所縁もまして恨みなんかもない人を殺すなんて不条理もいいとこ。どんな格好をつけようと人殺しは人殺し。まあ確かに錦之助さんはかっこいいけど>>続きを読む
とても気持ちよく見終えた。タイムスリップのギャップでおろおろする様子を見て笑ったり、ラストの迫力のある対決シーンでドキドキしたりももちろんある。でも一番は、どんな時代でも自分の信念に基づきしっかり生き>>続きを読む
なんだか冬の北国のお日さまのようなあたたかさとちょっと頼りなさが心に染みる映画だ。アイスダンスがどんどん上達していくときの楽しさ、タクヤとさくらがふたりで合わせる時の美しさ。男の子のひと冬の恋の物語だ>>続きを読む
チャイコフスキーは同性愛者で、世間体を繕うために結婚したがその結婚生活は悲惨なもので、その時期に作曲されたのが「悲愴」だったと、以前NHKの音楽番組で言っていた。その、世間体のために当て馬にされた女性>>続きを読む
誰もが何かしら悩みを抱え不安を感じながらも仲間を作り深く関わるようになり一緒に何かにぶつかっていく、これもまた青春映画の王道ものだった。でも、派手に何かやらかすわけでもなく劇的な展開もなく、静かに展開>>続きを読む
ストーリーはスポーツ青春映画の王道を行くものだった。とにかくプレイキンのパフォーマンスの素晴らしさ、スポーツとしての強さとしなやかさ、踊る肉体の美しさは目を見張る思いだった。ただ、最後の勝敗を決める技>>続きを読む
目の前で病気で苦しむ子供や老人を救うのか、彼らに手を差し伸べることは自分達を苦しめ祖国を踏みにじるナチスに協力することになるので放っておくか。その良心と憎悪の葛藤をセアン少年の目線で綴っていてよかった>>続きを読む
思わぬ拾い物的な不思議な魅力の映画だった。活きのいい若きヒロインが姉のためにしゃかりきになって走り回るのが小気味いい。アクション自体はそれほど大したことないしリナもそんなに強くはないけど、夢に向かって>>続きを読む
なんか分からなかった。突然の展開に意識が追い付いていかれず、ポカンとしてしまった。恐怖というよりはショックと言った方が合ってるかもしれない。45分の中で怒涛のように押し寄せた感じ。もう一回見たらまた違>>続きを読む
冒頭、一心にマンガを描いているマモルがかっこよく見えた。編集者との頓珍漢なやり取りでマモルの人となりも見えてくる。「人生に後悔はつきもの、ああしておけばよかったという後悔と、どうしてあんなことをしてし>>続きを読む
ラヴェルの「ボレロ」、あまりにも有名で記憶に残る曲だけど、作曲者のラヴェルについてはほとんど知らなかった。曲も「マ・メール・ロア」や「ダフニスとクロエ」を聴いたことがあるのと「展覧会の絵」の編曲を知っ>>続きを読む
映画が始まってからエンドロールが終わっても、心臓がバクバクいっている。圧倒された。韓国映画のエネルギーがすごい。権力を握るのに全知全能をかける全斗換は、弁は立つしすごい人たらしなんだろうけどバケモノだ>>続きを読む
自然の美しさに対して人間世界のなんともおぞましいこと。あの戦場には希望も夢も一欠片もない。地獄という言葉では足りないくらいの実情を見せつけられた。劇映画とは分かっていても今夜はゆっくりと寝られそうもな>>続きを読む
Amazonや宅配便をあまり考えず便利に使っているけど、世界や日本の物流システムって怖いほどスムーズに動いているんだな。企業は利益を上げるためにコストを押さえ、下請けいじめや派遣切りになっていく。企業>>続きを読む
50年前の人達が思い描いた近未来2022年の姿、なるほど。自然破壊が進み人が溢れ食料不足は壊滅的で極度の格差社会。現在の現実から見て笑って済まされないところもある。「PLAN75」という映画を思い出し>>続きを読む
とても健全でわかりやすくて、道徳の啓発映画のようで、この手の映画を観ると自分の心の汚れ具合がわかり恥ずかしくなってしまう。35年前とはいえ知的障がいをもつ人達への理不尽な差別や誤解とか、現在の障がいを>>続きを読む
韓国では半地下にも住めない貧しい人達がビニールハウスを住まいにしているというのは本当なのか、という思いで観た。でも僕には、失明した夫と認知症の妻だけで暮らしている老夫婦の姿が切実だった。主人公の望むも>>続きを読む
ビリー・ワイルダー監督の作品って小っちゃなウィットが効いていてそれがお洒落にきまっていて好きだな。この映画でもパリからの手紙を読むところとか料理教室の授業の様子とかオリーブの実のところとか、ニヤッとし>>続きを読む
イタリアって足元掘れば簡単に遺跡が出るんだ。昔の日本もそうだったんだろうけど、日本はそれを壊したり塗りつぶしたりして時代を重ねてきたんだろうな。密閉されてた古代の墓所の壁画が外気に触れたとたん色褪せて>>続きを読む
絵に描いたような悪理事長の悪政や支配に反旗を翻す志のある生徒たち。高嶋政宏さんの憎々しげでコミカルなのはさすが。虚栄と虚飾に満ちた生徒も心の中では正しいものを求めている。そう、生徒は純粋で力強く未来へ>>続きを読む
自分が何者かわからず踠いて、「これだ!」と思うものに出会ったらひたすらまっしぐらに進み、失敗も挫折も経験しながら目指していく。これもまた青春映画の王道。勝敗のはっきりしない美術の世界だけど、芸大受験と>>続きを読む