papandaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

papanda

papanda

映画(1128)
ドラマ(5)
アニメ(0)

君の忘れ方(2024年製作の映画)

3.7

恋人が亡くなった喪失感から立ち直る主人公というドラマチックな物語を想像していたら、とても静かな映画だった。主人公が幸福そうなのははじめの数分だけで、出てくる人みんな大切な人(多くは恋人や妻や夫)を急に>>続きを読む

雪の花 ―ともに在りて―(2025年製作の映画)

3.6

これはまたおっそろしく生真面目な映画だった。楷書できっちり書かれた書を見ているみたい。台詞も俳優さん達の演技も固いというか背筋がピンッと伸びきった感じ。そこが小泉堯史監督らしいのだけど。でも、コロナの>>続きを読む

アンダーニンジャ(2025年製作の映画)

3.1

原作は知らない。最初の設定がいまいち分からず、誰と誰と誰が何のために戦っているのか、なぜあの高校なのか、さっぱり分からないまま観ていた。ギャグの繰り返しが鼻につくし、無駄に長いように感じた。ラストで人>>続きを読む

366日(2025年製作の映画)

3.8

沖縄の美しい風景に心清い美男美女、そして難病ものときては、感動させよう泣かせようの意図丸見え。それに乗っかってみようじゃないか、という感じで観た。出てくる人みんな好い人ばっかりだな。僕は相手の幸福があ>>続きを読む

港に灯がともる(2024年製作の映画)

4.1

在日三世で苦労した祖父母や両親、そして阪神・淡路大震災での塗炭の苦労。その話を聞かされて育ち、じゃあ自分はどうしろっていうの? 聞き流すわけじゃないけど、今を精一杯生きるしかないのかな。親子といっても>>続きを読む

勇敢な市民(2023年製作の映画)

3.8

面白かった。こういう顔を隠したヒーロー・ヒロインものは、主人公の見た目と実力のギャップが大きければ大きいほど、悪役がイケメンで強くて陰惨で陰湿で陰険であればあるほど、面白くなる。この映画、見た目は超キ>>続きを読む

妖星ゴラス(1962年製作の映画)

4.0

特撮も物語も昭和感満載。死を覚悟しながら任務を全うする侍スピリット。緻密なデータと映画の大嘘。懐かしい昭和の名優達がこのあまりにもバカバカしく荒唐無稽な物語を真剣に演じているのがとてもリアリティを感じ>>続きを読む

劇場版 アナウンサーたちの戦争(2023年製作の映画)

4.0

自分の思いや考えを伝えるのに使う言葉、相手を説得するのにも言葉、言葉で笑わせたり感動させたりする芸能もある。戦時中その言葉の専門家達が言葉で戦意を高揚させたり、嘘の情報で国民感情を操作したり、国のため>>続きを読む

室町無頼(2024年製作の映画)

4.0

「あんのこと」の次の入江監督の作品はどんなものかという興味があったが、これは思い切ってエンタメに振り切っていた。次から次へととにかくごちゃごちゃあって、一回観ただけでは整理がつかない。金と人と物がふん>>続きを読む

サンセット・サンライズ(2025年製作の映画)

4.2

晋作の人懐こく楽天的で真面目な人柄は、菅田将暉さん本人かと思うくらいはまってた。震災の話を聞くのに釣りの手を止めて居ずまいを正してきちんと聞こうとする姿勢は、地元の人達に受け入れてもらうのに絶対必要な>>続きを読む

銀嶺の果て(1947年製作の映画)

4.0

まず真っ先に自然の大きさと過酷さに目が行く。当時ろくな防寒具も防寒着もなかっただろうに、あのものすごい山のなかでどうやって撮影したのか、ただただ驚く。
この映画は谷口千吉さんの初監督作品、三船敏郎さん
>>続きを読む

キツツキと雨(2011年製作の映画)

4.0

久しぶりに観たが面白い。冒頭の役所さんの「ハ?」の繰り返しの間と表情がなんとも可笑しい。樵の克彦が武骨で一本気だけど家族や仲間思いですこぶる人がいいのが素直にわかる。一方の幸一は映画オタクがそのまま大>>続きを読む

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

3.9

まずは映像の美しさん驚いた。冒頭の大波のシーンは北斎の版画みたいだし、波を割るところは「十戒」のモーゼみたい。ストップモーションアニメということだけど、細かな動きや表情、激しいアクション、異形のもの達>>続きを読む

釣りバカ日誌8(1996年製作の映画)

3.7

西田敏行さんの追悼上映で久しぶりに観た。22作あるシリーズの中でこの作品が上映されるのは、この作品の舞台が西田さんの故郷の福島県だからだろう。この作品で東日本大震災とおぞましい原発事故以前の長閑で美し>>続きを読む

海底軍艦(1963年製作の映画)

4.0

久しぶりに大きなスクリーンで観た。色も音もとてもクリアで観やすいけど、昔の名画座の色褪せてコマ飛びや音飛びのあるフィルム上映も懐かしい。
大海原、古代の帝国、超高性能潜水艦、これだけお膳立てが揃ったら
>>続きを読む

ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

3.6

この手の映画は正直苦手。映画として他人事で見ていてもなんか鬱陶しいのに、ああいう人が身近にいたら絶対に近づかないだろうな。まして家族だったらたまんない。まあそう思わせるのも河合さんや金子さん達の演技に>>続きを読む

私にふさわしいホテル(2024年製作の映画)

3.6

面白いとは思った。あのバイタリティはすごい。でも、特に前半、全く共感できなかった。自分を評価しない作家や編集者に対して邪魔をしたり足を引っ張ったり、見ていて気分悪くなった。そいつらを唸らせるほどの作品>>続きを読む

不思議の国のシドニ/日本のシドニー(2023年製作の映画)

3.1

仕事で仕方なく出た旅で自分の中に隠れていた感情に気付いて新たな一歩を踏み出す、という映画らしい。それよりもここで描かれるニッポンやニッポンジンへの違和感が半端なかった。外国の人が外国人の目線で日本や日>>続きを読む

I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ(2022年製作の映画)

3.9

こんな奴身近にいたらイヤだな、という感じ。自分のことしか考えてないし自分の言いたいことは言うけど人の言うことはろくに聞かないし周囲を見下してるし現実をちゃんと考えてないのに夢と妄想だけはでかくて。バイ>>続きを読む

市民捜査官ドッキ(2024年製作の映画)

4.1

これは拾い物だった。面白い! これが実話が元というのにも驚く。店も蓄えも全て失くして詐欺にまであって、子供たちと引き離されて、もう無我夢中、藁にでも縋る気持ちで詐欺組織を探すドッキさんの必死なこと。捜>>続きを読む

イル・ポスティーノ 4K デジタル・リマスター版(1994年製作の映画)

4.2

とてもカラッとした空気の具合、空や海の色、人の気質、南イタリアって感じがいい。小さな島の青年の純粋さと初老の詩人の強さを秘めた柔らかさの対比もいい。ふたりが親密さを深めていく様子と青年の恋の成り行き。>>続きを読む

ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い(2024年製作の映画)

3.8

背景や空飛ぶ鷹、草原を走る馬などがとてもきれいだった。実写版の雰囲気を味わいたくて字幕版を観た。ポスターから白のサルマンが出ることは分かっていたが、その声を実写版と同じクリストファー・リーさんで聴かれ>>続きを読む

うちの弟どもがすみません(2024年製作の映画)

3.5

たまにはこういう若い人達がキュンキュンしてる映画もいいかな。年寄りはなんか昔過ぎてとっくに忘れてたことを思い出してちょっと嬉しくなる。それにしても美形ばかりの家族、実に羨ましい。年齢や学年の設定がよく>>続きを読む

大きな家(2024年製作の映画)

4.2

施設で暮らす子供たちはかわいそう、という先入観は間違っていると頭では分かっている。家よりも施設の方が安全に暮らせるという家庭があることも。でも、どこかで血の繋がりは何よりも強いのではないかと思ってしま>>続きを読む

釣りバカ日誌(1988年製作の映画)

3.8

まあ西田さんも三國さんも若い! この二人のコンビは第1作から絶妙。三國さんの顔、この第1作ではことさら厳つく作ってあるけど、西田さんの人懐こい笑顔との対比がいい。そして石田えりさんのみちこさんの豪快な>>続きを読む

小学校~それは小さな社会~(2023年製作の映画)

4.2

日本は平和だな、とてもいい意味で。小学校1年生は社会性を学び、6年生は自分の課題を見つけその解決策を探り、先生方は仕事にやりがいを感じつつも時に悩みチームとして取り組み成長していく。靴の踵を揃えるとか>>続きを読む

ラブ・アクチュアリー 4Kデジタルリマスター(2003年製作の映画)

3.9

これは正にクリスマスのための映画だ。いろいろな愛や恋がモザイクみたいに散りばめられてひとつの大きな絵になっている。長年の友への友情、秘めた恋、不倫の恋、嘘から生まれた恋、初めての恋、言葉を越えた恋、等>>続きを読む

激流(1952年製作の映画)

3.6

昭和27年当時のダム建設現場。工事のための労働者、彼らを目当ての飲食店や飲み屋。彼らは工事が終わるとあっという間にいなくなる。そしてダムの湖底に沈む村の貧しい人達。ダム建設は安定した電力の供給や水害の>>続きを読む

はたらく細胞(2024年製作の映画)

4.0

予告を見てキワモノめいた映画を想像していたが、これがなかなかの拾い物だった。身体のことについてもかなり勉強になる。骨髄移植ってあんなふうにやるのか。身体の内側世界と外側世界どちらのドラマでもウルッとし>>続きを読む

映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」(2024年製作の映画)

3.6

誰でもみんな清い心もあれば妬みや欲望などの醜い心も持っている、それをどうするかは本人次第。銭天堂は切っ掛けをくれるけどそれをどう生かすかは本人次第。自分よりも上手な友達を見て妬ましく思い、友達を蹴落と>>続きを読む

お坊さまと鉄砲(2023年製作の映画)

4.2

この村の人達、ブータンの人達が望む「幸福」ってすごく素朴なこと、みんな仲良く笑顔でいられること、なのかな。模擬選挙の練習で指導員が、「対立する党や党員を本気で憎んで怒鳴れ」と言っていたけど、憎しみを煽>>続きを読む

くすぶりの狂騒曲(2024年製作の映画)

4.0

正直、お笑いにはほとんど興味がない。落語は大好きだけど。だけど、何かを目指して必死に頑張る人の姿が見たくてこの映画を観た。自分達の求めるものを目指して突き進むか、客のニーズに合わせるか、一所懸命頑張っ>>続きを読む

ぼくとパパ、約束の週末(2023年製作の映画)

4.0

そうかこれは実話がもとになっているのか。道理でリアルな感じがすると思った。自閉症の人やその家族を描いたドラマや映画もいろいろあるけど、自閉症の人にとって周囲の音がどう聴こえるか、身体に触られた時どう感>>続きを読む

ホワイトバード はじまりのワンダー(2024年製作の映画)

4.2

草なぎ剛さんがシャイロックを演じる「ヴェニスの商人」の後で観たせいか、どうしてユダヤ人があんなに忌み嫌われるのか、重くのしかかる感じがする。身体に障がいがあって苛められていてサラに名前さえ覚えてもらえ>>続きを読む

森繁よ何処へ行く(1956年製作の映画)

3.7

久しぶりに森繁さんの映画を見た。妻を事故で亡くし男手ひとつで育てた娘を嫁がせる男を演じていて、改めて森繁さんは演技派の俳優なのだなと思った。社長シリーズのコメディもいいけど、こういう滋味のある役柄もい>>続きを読む

正体(2024年製作の映画)

4.2

わずか18歳で人生を潰されてしまうなんて。その大もとは警察部長のあのたった一言。そして巨大な組織がひとりの人間を潰し殺す。逃亡して初めて友達ができ酒を飲み仕事をし好きな人ができる。生きている実感。でも>>続きを読む