いしやまさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

いしやま

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マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

3.9

ここまでガッツリメロドラマだとは思っていなかった。
もてる武器を存分に駆使しながら力強く生きるハンナ・シグラ演じるマリアの変化がよく描かれている。女の強さとそこに甘え翻弄される男の情けなさ。

虚栄のかがり火(1990年製作の映画)

3.8

なぜここまで点が低いんだろう。確かに話は地味だし見所は少ないし話の納得感もイマイチだが、そこまでかな。
デ・パルマ監督作としてのギミック(冒頭の長回しとか)は十分楽しめた。俳優陣も豪華なので、デ・パル
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恐怖の報酬(1953年製作の映画)

3.4

期待が高すぎたか。前半部分があって後半に深みが出るのはわかるが、ノッてくるまでが長すぎると思う。
後半は見所が多いが、思っていたような緊張感ではなかったかな。撮影は過酷だったと思う。

フィラデルフィア(1993年製作の映画)

3.6

差別・偏見を扱った重要作だと思うが、1時間分くらい無理やりカットした?と思うような不可解な部分がある。被告側弁護士も法廷にいきなり現れるだけでキャラ立ちしていないし。
カメラ目線のアップを多用した演出
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バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ジメジメして薄気味悪いイギリスの感じがバシバシでたサスペンス。「バルカン超特急」にはプロットも似ているが、空気感もイギリス時代のヒッチコック作品を思わせる。
真犯人が判明するシーンの演出はゾクゾクする
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プリズナーズ(2013年製作の映画)

4.4

ドゥニ最高傑作の呼び声も高い本作。確かに完成度が高い。
こういう系は謎を深めて散々楽しませた挙句、結論を出さず真相を闇に葬る作品も多いが、本作はそうでないのも支持される要因か。
ギレンホール最高。「ナ
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或る殺人(1959年製作の映画)

4.2

長尺の法廷ものだが、事件の審理そのものの面白さもさることながら、デューク・エリントンのジャズと作品全体に滲み出る人間臭さが粋な映画に仕立てている。
法廷ドラマという以上に人間ドラマでしょうね。「探偵は
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カビリアの夜(1957年製作の映画)

3.9

すばらしいラストを観て、中盤少々退屈して何となくで観ていた自分を、遡って少し後悔する。そんな作品のひとつ。
路上で威勢よく喚くカビリアを見るためにまた観ると思います。

ザ・ビートルズ:Get Back(2021年製作の映画)

3.8

本人たちも言っているように、エプスタインを失ったのがすべてだったんだろう。
仲悪いイメージばっかりだったのはガラッと変わった。レノンはずっとふざけてるけどカリスマ性えぐい。
7時間超みて、音楽センスが
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ノスタルジア(1983年製作の映画)

3.0

これはムズかった。こちらの力不足。
記憶がなくなりかけの二次会みたいな感じで、要所は覚えているんだけど2時間あった感じがしない。記憶的には15分くらい。うつらうつらしながら観たせいです。。

浅草キッド(2021年製作の映画)

3.4

ちょい不気味な特殊メイクの現在たけしは必要だったのかな。。
大泉くんの熱演が光る後半は面白いが、そもそもの実話の力が結構ある感じがした。

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

3.9

予告編を見て大体の展開が見えたと感じていたので見ずにいたが、最新作に向けて観ると楽しめた。
ヒーロー映画としての展開よりも青春映画としての側面が面白い。
セリフなしで伝える後半の機内でのワンシーンには
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ブレージングサドル(1974年製作の映画)

3.8

メル・ブルックスの笑いは日本人には伝わりにくいと思うが、これは面白かった。
ジョークはブラックすぎて現代では全然アウトだと思うが。。
ラストは想像以上の展開に。

南部の唄(1946年製作の映画)

3.3

有名アトラクションのネタになっていてメイン楽曲も超有名だが、ディズニーが封印している曰く付きの作品。
愚かな親ほど、子どもの可能性を広げてくれる周囲のコミュニティから子どもを隔絶しようとする。メッセー
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カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)

3.8

アメリカ映画ながらヨーロッパ映画的な雰囲気の作品。内容で見ると「欲望」や「ミッドナイトクロス」(最後のシーンはそのままオマージュされていた)を思い出さずにはおれない。
ミステリー的なものというよりは中
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(1965年製作の映画)

3.9

桜田門外の変が題材。
あまり喜八感はなく。しかし宿命的で見応えのある作品。
同じ年に「赤ひげ」と「血と砂」も公開されているそうな。何たる年。

血と砂(1965年製作の映画)

4.9

これまで見た中で一番格好良い三船。
反戦とコメディと人間ドラマ。不要なものは何もない。

(1954年製作の映画)

3.7

かなりぶりの再見。
良い話なんだけど涙が出たりめちゃめちゃ感情移入したりといったところまでいかないというのが1回目と共通しての感想か。
一方でジェルソミーナとザンパノというキャラクターの力や、作品とし
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飢餓海峡(1965年製作の映画)

3.8

三國と健さんの対峙。力ある。
描き方がかなり丁寧で、少しずつ物語をビルドアップしていき中盤で一気に走り出すが、終盤はだいぶ間延びする印象。全体あと30分短ければ。。
親父にお金握らせるシーンは絶品でし
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青春群像(1953年製作の映画)

3.4

まだあんまりフェリーニ感はない気がする。
そんなに青春感もなく。どこまでこの男たちの感じに共感できるかなのかな。個人的にはまったく。ファウストがドイヒーすぎる。
サンドラ役の女優さんがとてもきれい。

フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)

4.1

男子の妄想と家族。ノスタルジー。
ウディ・アレンの「ラジオ・デイズ」はまさにこれが下敷きか。
変に美化しようという感じもしないし、ただ悪意がなくて暖かい。ニーノ・ロータの音楽がよく合う。

エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)

3.3

ロシア近代史をネットでざっと見てから鑑賞したものの、どちらかというと歴史上の人物のエピソードとか人となりみたいな部分の方が予習としては重要かな。
そのへんがないと、楽しめないとは言わないが、何分の1し
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ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

3.6

単に温かいドキュメンタリーというだけでもない、陰もあるかんじ。奇術師のマジックとお店の日常とのモンタージュはどういう狙いなのか自分にはよくわからなかった。
しかしきっとこれを見れば小売店を営みたくなる
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エンディングノート(2011年製作の映画)

3.7

1時間半前に知った男性がこの世を去りゆく姿を捉えたホームビデオを見ているだけなのに、なぜこんなに泣けるんだろう。
ひとつは、時間の流れや重みを感じさせるからだと思うし、もうひとつは、誰にでもありうる一
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シナのルーレット(1976年製作の映画)

4.0

話は至ってシンプル。よく動きよく回るカメラがバシバシの画を次々に見せてくれる。
キャラ立ちも強く全員の怪しさ(妖しさ?)がその画をさらに補強する。特にカテキョのトラウニッツ最高。会話は詩的だがわけわか
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エレファント・マン(1980年製作の映画)

3.7

テーマとは裏腹に意外とライトなタッチで進んでいき、重々しくはない。
リンチらしさという点では薄めだが、狂気は興行主役のフレディ・ジョーンズがだいぶ背負ってくれている。
リンチにはこのあと、頓挫したデュ
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ハロウィン(1978年製作の映画)

3.4

衝撃の冒頭シークエンスはオモロ。
そのあとドナルド・プレザンスの導入もいいが、中盤はさっきまで怖がってた人がケロッとしてたりで脚本も微妙だしシンプルに退屈。
最後の30分はそれなりだけど、、当時の予告
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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

3.5

これだけのメンツ(ギーガー、メビウス、フォス、オバノン、ピンク・フロイド、ダリ、ミック・ジャガー)を集めたのはホドロフスキーの人間力に他ならないのに、ホドロフスキーがいたから映画会社に忌避されたという>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.9

なんだろう。完成度は高いし面白いのに、何か物足りない。
「ブレードランナー2049」にあってリンチ版「DUNE」にあって本作にないものは悪趣味さとか気色悪さかな。SFには結構大事な要素だと思う。
アト
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砂の惑星(1984年製作の映画)

3.8

ドゥニ版に向けた予習も兼ねて。映画としての質感はフラッシュ・ゴードン的。
端折られすぎて話についていけないのが一番の難点なので、逆にドゥニ版を見てからこっちみた方が楽しめるかも?初見だと意味わからない
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三匹の侍(1964年製作の映画)

3.8

五社監督自身がフジテレビで手がけていたテレビシリーズの映画化と言う位置付けらしいが、七人の侍的な構図ながらバイオレンス色が強かったり、他の侍映画とはちょっと違うことも多くて面白かった。
正義感の強い丹
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点と線(1958年製作の映画)

3.5

公開当時はヒットしたようだが、映画にするにはトリックとかちょっと地味かも。志村はいるが役者陣も華少なめ。

女咲かせます(1987年製作の映画)

3.7

VHSみたいな画質のストリーミングで。
松坂慶子が最高にチャーミング。そこに尽きる。
是非デジタルリマスターを。

13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

3.9

ファスビンダー。
主人公がトランスだからこんな絶望の中にいるのかというとそうではないと思う。自殺を現実的なオプションとして当たり前に考えているからこそ、今にも首を吊ろうとしている人と平然と喋れる。
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砂の器(1974年製作の映画)

4.5

構成も面白いし演者もいいし、何より音楽が良い。丁寧によく作られている。
メインテーマに載せて過去が明かされる後半の一連は涙なしでおれない。

大誘拐 RAINBOW KIDS(1991年製作の映画)

4.0

最初ロケットスタートして終盤失速する(というか祭り状態でとっ散らかる)印象の強い喜八作品の中では、最初から最後まで首尾一貫してライトな面白さを維持していたと思う。
嶋田久作は喜八作品の常連みたいな雰囲
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