teramovoさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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東京画(1985年製作の映画)

3.5

ヴィムヴェンダースが"小津安二郎の日本"を探しに日本に来るドキュメンタリー

他所から来た人が映す日本はいつも視点がおもしろい。食品サンプルやパチンコ、地下鉄の路線図。普段気にしないこれらにフォーカス
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ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

3.7

面白すぎるって。コメディとミュージカルのバランスが良い。

謎の女がエイム悪いのもモールの中を鬼のように爆走するカーチェイスも最高。
一番好きなのは納税しに行くシーン、笑い止まらんかった。

警察が馬
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.8

いやー、分かりやすくてありがたい。2人の空間に完全に持っていかれる。

今村夏子のピクニックが分からない人になってしまう。理想と現実の差を感じてしまう。もうこれで十分なぐらいお互いのベクトルがズレてて
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嫌われ松子の一生(2006年製作の映画)

3.2

こちらあみ子をポップにした作品。ポップすぎる。ポップすぎて、チープすぎる。
安いCGと色温度とカット割り、回想の入り方が嫌い。8mmっぽい映像をもっと効果的に使えたはず。あとワークがMVぐらい激しい。
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怪物(2023年製作の映画)

3.8

面白かった。あっという間の2時間だった。でも今年一番面白かったかと言われるとそうではなかった。それは説明っぽさが省かれた台詞と雰囲気が原因だと思う、全然大衆向けじゃない。

子供が親に気を遣い、親は感
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誰も知らない(2004年製作の映画)

3.8

ますます大人になることが怖い。

親が子供の人生を掌握しているにも関わらず、背伸びしている子供を1人の大人としてみる。初めは余裕がある背伸びも時間が経てばキツくなる。脚立も欲しくなる、頑張った後は美味
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.6

このスチールの感情的なアングルが大好きで、観た。
後々調べると何枚かスチールがあって、マエストロとしてのリディア・ターの写真、ターの内面が表現された写真などスチール写真としても素晴らしい上に物語を知る
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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.4

ドラマサイズがちょうど良かったのか、ピンと来なかった。
特に後半、パリへ行き美波が出てきたあたりから説明くさいというか、チープさを感じる。山村仁左衛門を誰も知らないという流れを何回も擦り、怪奇現象が起
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セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

3.2

バンドマンがパンでフレームインしてくる変な映画。

最初の長回しやお風呂、ラブホのシーンなどキメキメのフィックスがかっこいい。でも、バンドマンがフレームインしてくる。なんでここにおるねんレベルの場所で
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.1

終盤、興奮と感動と情け無さでずっと泣いていた。

好きなシーンは電車の中で大が雪祈に「俺らも頑張らないとな」みたいな事言うシーン。「え、俺?」と小声で雪祈が返事した後、大が「お前のソロはワンパターンに
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ジャズ大名(1986年製作の映画)

3.7

映画館で爆音で観たい。

戦争も世直しもジャズがあればいいの精神が良いな。

これに含意されている文脈を綺麗に読み解くことはできなかったけど、ことごとく血が出ないのでコメディを相当大事にしている作品な
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激突!(1971年製作の映画)

4.0

面白すぎる。2軒目のガソスタが好きすぎた。

煽り運転をここまでエンタメに昇華できるのはすごすぎる。

車内を映す時だけ流れる車内の音楽やラジオが滑稽さを際立たせてくれる。BGMはホラーの様な煽り方で
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独裁者たちのとき(2022年製作の映画)

-

ふらっと映画館によって作品を選んで、ふらっと行った事を後悔した。

まず前提知識としてチャーチルやムッソリーニ、スターリンの顔を知っておくべきだった。
顔と名前の一対一対応もできない人間が知る由も無く
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.9

黒澤明の原作を観てから行って良かった。

映像はイギリスということもあって英国の田舎っぽさと黒を基調とした重厚な建築物に見惚れてしまった。特に役所の螺旋階段が好きだった。

原作との違いを探しながら映
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生きる(1952年製作の映画)

3.8

谷川俊太郎「生きる」を思い出した。
そう感じた人間はドンズバこの世代の人だろう。久しぶりに詩を読んだらこの作品と同様に人道的で人間の本来性を感じさせてくれる詩だった。

ゴンドラの唄は正直、ジェネレー
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桜桃の味(1997年製作の映画)

-

「同情はできても人の痛みは感じ取れない」

ラストシーン以外が好き。
絶対交通事故が起きてしまうアングルなのに起きないのがハラハラする.だから伏線かも…みたいな感覚で話に集中でき,アングルに慣れるが故
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ローマの休日(1953年製作の映画)

-

王女のお茶目さを印象付けるカットが好き。

スカートの中とか、トラックの裏に入るシーンだとか。
橋上のシーンは最高。
アービングのカメラ目線で撮ったり、無茶苦茶な感じも。

王女の冒険って良いコピー。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.9

「ベタへの回帰という安心感」

結末の提示がこんなに人間ドラマに役立つのかとびっくりした。

感動的なシーンもありながら、カオスが綺麗に纏まってることが1番ヤバくて、食らった。

バラエティ番組に馴染
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.0

ノーマークだったけど観たことあった。

登場する男性の像が世代ごとに共感できる環境にいて、日本の古き良きなのか、それとも敗戦国だからまだ共感できてしまうのか、自分としては後者だと感じた。ミソジニー的な
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.7

OMSBとhi'specが出てるから観た。
クラブのシーンでは音箱の良さが存分に出ていた。お二人が監修しただけある、楽しそうな空間でした。

モラトリアムの中で求め合いながらあってもいいけどなくてもい
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.3

あみ子の人間らしさに惚れ込んでしまう。

シネマイクスピアリの舞台挨拶公演にいった。この映画をオランダにて上映した際、あみ子の行動に笑う人がちらほら居たという事が面白かった。あと写真撮影で監督に向けて
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SING/シング(2016年製作の映画)

-

私が子供ならば最高の映画体験だっただろうな。キャラクターの描き方が粗過ぎて誰にも感情移入できないし、カメラワークぐわんぐわんでアニメーションすごいけど、見にくかった。
好きだったのはイカ使った演出と最
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ゆれる(2006年製作の映画)

4.0

弟にとって兄は最初にできるライバルでありながら縋りついてしまう存在なのかもしれない。

事後、兄弟の心境の揺れ方は見事だ。ムラ文化の強い地元で助けることのできなかった稔、一部始終を観ていなかったことか
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ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)

3.0

今までミュージカル映画に抵抗はなかったんですけど、けっこうキツかった。

最初は舞台を映画にそのまま持ってきた本場感に期待したんですけど、舞台の良さは説明っぽい口調で観客の想像力を膨らませることによっ
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亀は意外と速く泳ぐ(2005年製作の映画)

3.7

三木聡監督大好きだ。

ナレーションで日々の違和感や小さな気付き、幸せを当てるのもめちゃくちゃわかるし、街中の変な人たちにスポットを当てるのも好きだ。

すずめがウキウキでサングラスをしていることを注
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エル・トポ(1970年製作の映画)

3.8

遺伝子の捩れ、環世界、性的指向の肯定、規範、唯一神、血縁、そしてホモサピエンス以降進化し、可能性を形にし続けた現在の人間の否定。

なんだこれ。微々たる部分しか読めなかったけど、随所から意味が溢れ出て
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勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

3.7

窃盗暮らしのミシェルとアメリカ人女性として自立を目指すパトリシアの恋愛劇。

パトリシアの部屋でミシェルが抱きたいとゴネ続ける様が現代にも通ずる男女の攻防戦だった。関係は重いけど軽くて、純愛のようで、
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25時(2002年製作の映画)

3.6

回想シーンはナチュレルとの出会いだけ、それがモンティには何よりも大事な過去だったのかもしれない。

入所するまでの25時間は疑いと怖さと信頼を繰り返す深く重い時間で、観てるこっちまで辛い時間だった。
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ちひろさん(2023年製作の映画)

4.3

血の繋がりが知っているにつながるとは限らないし、知っていることが理解しているとは限らない。

なんちゃって。

・好きだったポイント
まず初めに今泉力哉監督のファンとしては映画館で観てよかったと感じた
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気狂いピエロ(1965年製作の映画)

3.4

映画とは何かを知りたかった

「戦場のようであり、愛、憎しみ、行動、暴力、死、つまり感動である。」

それがラスト20分には詰まっていた。
作為であったりをしっかりと残す作品で無く、MVみたいな音楽の
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その街のこども 劇場版(2010年製作の映画)

3.8

脚本渡辺あや音楽大友良英の安心感は凄いな。当事者の震災に対する想いと畏怖、この映画は生半可な気持ちで見たくないなと思いながらTSUTAYAで借りてしまった、生半可な気持ちだったかもしれない。でも良かっ>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

4.2

不良のウニとウニ周りのコミュニティ、そして1994年の韓国。

みてて最近観たベルファストみたいだと思った。調べると監督キム・ボラは当時中学生、ベルファストだった。

ベルファストと違うところは暗いこ
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バリー・リンドン(1975年製作の映画)

3.7

レドモンドバリーの栄華と零落。

これまで観たキューブリックの世界観とは違い、淡々といい映画を作れる姿を見せつけられた。ピカソが写実的な絵画を描けるように、キューブリックも基礎力を十二分に持っているこ
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男はつらいよ 柴又慕情(1972年製作の映画)

3.5

吉永小百合がマドンナ!

福井の旅は楽しそう。バターから有り金を渡すところまで良い。
線路を歩くシーンでフィックスかと思ったら無茶なズーム。びっくりでした。

ロケのシーンが自然光と16mmの相性が抜
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そばかす(2022年製作の映画)

3.6

「アセクシャル/アロマンティックの主人公」
精神的に自立している彼女が旧友と再会し、心の扉を開く。アラサーから始まるカテゴライズするなら青春群像劇。

三年ぐらい前にNHKのノーナレでドラマ「恋せぬふ
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.8

現在のベルファストの空撮から塀を越えると1969年に。
宗教間の争いに深く干渉していない未来のある子供達の遊び声がその路地には響き渡っていた。

まず家族や近所、学校、コミュニティの中で描かれる小さな
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