jazzの部屋さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ファイブ・バンボーレ(1970年製作の映画)

3.4

「そして誰もいなくなった」を基にしたジャッロ映画。
ほぼアガサクリスティな本作はジャッロ的形式美よりモダンなセットとBGMが際立った作品で展開はクラシックなサスペンス。
しかし謎解きと言うより翻弄され
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血みどろの入江(1970年製作の映画)

3.8

ある入江で起きた殺人事件を描いた作品。
マリオハーヴァ監督の前作よりパワーアップした殺戮描写は後のスラッシャーホラーに影響力を感じた。
序盤のジャッロ的形式美から斜め上に行く展開は予想以上でラストシー
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呪いの館(1966年製作の映画)

3.5

ある田舎町で起きる連続殺人それは不可解な事件だった。
田舎町と建物を使った心霊ホラーな本作は古典的だが現代においても共通する演出を垣間見た。
個人的には心霊要素と人怖いが共存しているストーリーの良さと
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ナイブス・オブ・ジ・アベンジャー(1966年製作の映画)

3.5

復讐を誓う男とバイキングの物語。
マリオハーヴァ監督の数少ないアクション史劇で物語はかなりシンプルだがわりと飽きのこない構成は良かった。
アクションシーンは現代ほどスタイリッシュではないがリアル路線と
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ブラック・サバス/恐怖!三つの顔(1963年製作の映画)

3.8

三つの短編構成からなるホラーオムニバス。
ジャッロの花型らしい構成の1作目、ハーヴァ監督のデビュー作を再解釈したような2作目、サスペリアの様な怪奇物の3作目。
個人的には1作目の「電話」が好きだが3作
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知りすぎた少女(1963年製作の映画)

4.0

ノラは訪れたローマで殺人を目撃する。
ジャッロの原点と呼ばれる名作。
起点と終点までの真実に対する懐疑的なフェイクの入れ方は痺れた。
恐怖描写の煽りの上手さとレティシア・ロマンの画面映えはこれぞジャッ
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血ぬられた墓標(1960年製作の映画)

3.5

17世紀に魔女として処刑された王女の呪いを描いた作品。
本作はマリオバーヴァ監督のデビュー作。
魔人ドラキュラなどを彷彿させる古典ホラーで今となっては教科書的な映画の印象。
しわしわになる演出と戻る演
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アリス・スウィート・アリス(1977年製作の映画)

3.8

ある姉妹の妹カレンが殺害されるが容疑は姉のアリスだが…
古典的な手法のスラッシャーサスペンスで中盤までのストレートな流れからの反転は面白い。
犯人が分かる瞬間のゾゾっとくる演出は最高。
やはりこの手の
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山女(2022年製作の映画)

3.8

18世紀後半、冷害で苦しむ村の物語。
村社会におけるヒエラルキーや民間信仰における自然崇拝を描いた作風は柳田國男をリスペクトしている。
慈悲深くも残酷なまでに広がる大地に翻弄される人々の様は苦しくも力
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ブレインデッド(1992年製作の映画)

4.0

知る人ぞ知るB級名作ゾンビホラー。
終始コメディホラー色の強い本作は中盤ぐらいまではソフトな描写で責めるが終盤にかけてのエンジンの入り方は最高。
パーティーズオーバーからのマキシマム血糊合戦はもはやダ
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ハロウィン THE END(2022年製作の映画)

3.7

ハロウィン(2018年)3部作の3作目。
ローリーとマイケルの攻防の最終ラウンドを描いた本作は前作のkillsに比べるとキルレベルは低めだがまとまった終演でした。
恐怖の伝達により人を変えていく様は社
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.9

ボディアートが流行った近未来の物語。
これは進化なの?退化なのか?
退廃的未来観はクローネンバーグの憂いにも見えるが彼自身の戸惑いにも思えた。
肉体を切り開く事で自らを曝け出す様はその人物の備わってい
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ミンナのウタ(2023年製作の映画)

3.7

ある鼻歌がジェネレーションズを襲うホラー映画。
序盤の探偵パートの流れは冗長に感じたが中盤以降のジャンプスケアはなかなか良くて正直ビビった。
あとメンディーの驚き方が可愛かった。
「さなぁ〜いい加減、
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花様年華(2000年製作の映画)

3.9

隣人となったチャウとチャンは既婚者であるがある時から惹かれ合う。
個人的に不倫をこんなに美しく描写する作品はあまり観たことがない。
不倫を形としてハッキリと描かれる作品は数多くあるが精神性だけで2人を
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男たちの挽歌 II(1987年製作の映画)

4.0

スケールアップしたシリーズ2作目。
香港パートとニューヨークパートそれぞれに見せ場が多く面白すぎた。
前作を踏襲したホーとキッドの兄弟愛と度量デカいケンがロンの面倒をみる描写の数々には仁義を感じずには
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男たちの挽歌(1986年製作の映画)

4.0

三合会の抗争を描いた香港ノワールの名作。
兄貴と弟を中心に描いたコンビ物の本作はクールなマークと人情深いホーの関係性はアツい。
金を燃やしてタバコを吸うシーンは印象深いがホー兄貴の聖人キャラは嫌いにな
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死霊のはらわた ライジング(2023年製作の映画)

3.8

ロサンゼルスを舞台に死霊の脅威を描いた作品。
劇場鑑賞を渇望していた本作は紆余曲折あってソフト鑑賞になってしまったがシリーズお約束の展開といやらしさは健在だ。
偏愛枠としては間違いなく好きな映画ですが
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キングダム 運命の炎(2023年製作の映画)

4.0

春秋戦国時代を描いたシリーズ3作目。
前半の秦王嬴政の回想は良い物語だが全体のテンポ感としてはあまり良くなかった。
しかし中盤からの合戦と飛信隊の活躍するシーンは面白い。
個人的に山崎賢人の信の完成度
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.8

シリーズ7作目。
全世界を揺るがすほどの存在を巡る物語。
前作以上にてんこ盛りのアクションここまで来るとトムが心配になってくる。
新規キャストを活躍させることで新たなステージへと向けた本作はやはり面白
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アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)

3.6

アイスクリーム屋を中心に人々の交差を描いた作品。
物語自体はシンプルだが実験的な表現と話法が特徴的な1作。
松本まりかを軸にした物語はそれなりに引き込まれる部分はあったが吉岡里帆を軸にした方は心情描写
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ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

3.9

前作と引き続きシンジケートとの攻防を描いた作品。
二転三転するエージェント達の化かし合いは相変わらず面白い。
後半に連れてアクションはこれでもかってくらいの全部盛りはもはや芸術の域に足している。
引き
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ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

4.0

謎の組織シンジケートの正体を追う物語。
MIC6の登場やあらゆる諜報員の陰謀が描かれているが面白くないわけない。
個人的にシリーズで最も濃く感じた本作はトップクラスに好き。
バイクでのカーチェイスは必
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ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011年製作の映画)

3.9

今回は核兵器を使用しようとするテロリストとの攻防。
別の勢力のスパイや殺し屋の絡み合いがよりエンタメとしてのわちゃわちゃ感が面白い。
ブルジュ・ハリーファに登るシーンは手に汗握る名シーン。
引き続きミ
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ミッション:インポッシブル3(2006年製作の映画)

3.7

シリーズ3作目。
JJエイブラムスが監督を務めた本作はスパイ映画らしくミリタリー要素がより強い作風になっている。
個人的に気に入っている要素としては他作品に比べてイーサンの追い詰められ方がギリギリで面
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ミッション:インポッシブル2(2000年製作の映画)

3.7

シリーズ2作目。
前作と作風が変わりムード描写が多くアクションもパワーアップしている。
アクロバット格闘は特徴的で本作の色にもなっている。
00年代特有のミディアムヘアなイーサンとそのキャラ性はなんか
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.9

Xの前日譚を描いた作品。
パールはシリアスキラーになった理由が明かされる本作。
物語はかなりシンプルでシリアスキラー物としては丁度良くて面白かった。
しかし登場人物が少ないのでパールの壊れ演出をもっと
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ミッション:インポッシブル(1996年製作の映画)

3.8

CIAの諜報員イーサンハントの活躍を描いた作品。
マジマジちゃんと観たことなかったが思ったよりミステリー路線な1作目には印象が変わった。
デ•パルマ監督って事もあり陰謀を描いた展開の上手さは楽しめた。
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

シリーズ2作目。
マルチバースにメタ描写を絡めた物語は今まで提示していない斬新な切り口な1作。
スクラップブックの様なアニメーションとブラックカルチャーを彷彿とさせるBGMが特徴的。
面白かったがしか
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

バリーアレンことフラッシュの活躍を描いた作品。
ジャスティスリーグから遂にフラッシュ単独作品となった本作。
スピードフォースを活かした演出はファンタスティックで画面映えの良さはたまらない。
物語に関し
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ノスタルジア(1983年製作の映画)

3.8

自殺した作曲家の取材でイタリアに訪れた作家と郷愁を描いた作品。
絵画の様に美麗な描写はタルコフスキー節の効いた幻想映画。
個人的に郷愁と言うテーマには乗り切れなかったので他作品に比べて弱いが断片的な記
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(1974年製作の映画)

4.0

ある男の幼少期の回想を描いた作品。
深層心理に結びついた記憶とロシアの歴史を抽象的でかつ万華鏡如く描いた本作はたいへん興味深い。
基本となる筋がないので物語として面白いと言うよりはカウンセリングをされ
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テリファー 終わらない惨劇(2022年製作の映画)

3.8

アートザクラウンの狂気を描いたシリーズ第2弾。
キルレベル120%な本作はこれでもかってぐらいの殺戮描写は素晴らしい。
しかし2時間越えの上映時間は冗長に感じてしまったのは裏目に出た印象。
全体として
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裏切りのサーカス(2011年製作の映画)

3.8

イギリス秘密情報部MI6とソ連の情報戦を描いた作品。
重厚感のある物語、渋い役者とその演出に痺れた。
内通者が誰なのか探りを入れて行く過程の緊張感と誰も彼もが怪しく思えてくるストーリーテリングは面白い
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救命士(1999年製作の映画)

3.7

NYを舞台に救命士として生きる男の葛藤を描いた作品。
固いタイトルから想像を超えてくる独特の高揚感がある物語だ。
タクシードライバーにも通ずる部分もあるが方向性の違う現代的パラノイアを抱える主人公像は
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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.8

最も黒い絵にまつわる物語。
リアリティラインの意識は良くも悪くも作用しており今作は冗長な場面も多々目立った。
しかしジョジョのあるテーマを引き継ぎながらも劇場版として1本の作品になっているのは高評価。
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エクソシスト2(1977年製作の映画)

3.0

前作から4年後のリーガンと神父を描いた正統続編。
悪魔の正体とメリン神父の過去が明かされる本作は前作に比べてあらゆる面で荒唐無稽になった印象。
リーガンの超能力と悪魔のイナゴストームのバトルはもう別次
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