たくさんの映画レビュー・感想・評価 - 32ページ目

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ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-(2020年製作の映画)

3.8

祖母の愛情と教えに人生を救われたJD・ヴァンスの回顧録を基にした話で、JDが精神を病んだ母親との関係を見つめ直して前に進む姿にジーンときた。

名門イェール大学のロースクールに通うJDが、食事会でテー
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悪人伝(2018年製作の映画)

3.7

はみ出し者の熱血刑事とヤクザのボスがお互い反目し合いつつ連続殺人犯逮捕でつながっていく話で、B級っぽい暑苦しさと速い編集テンポのエンタメ要素のバランスがいい感じだった。なによりマ・ドンソクの無骨な魅力>>続きを読む

ワイルド・ローズ(2018年製作の映画)

3.7

家族を顧みず夢を叶えようとする才能あふれたカントリー歌手の葛藤を描いてて、ジェシー・バックリーの題名通りの粗暴さが「ジュディ」での地味なお付き役と180度違ってて驚いた。劇中歌も吹き替え無しとのことで>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.6

男女3人の微妙な三角関係を怠惰な日常の一コマを切り取るようにして描いてて、人の心ってやっかいだよなーというリアリティがあった。季節が夏というのも作品の怠惰な雰囲気に合ってたね。

柄本佑(役名が無い)
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オー!(1968年製作の映画)

3.8

ここ最近観てきたジャン・ポール・ベルモンド主演作の中では、「プロフェッショナル」と並んで彼の持ち味である軽妙なカッコよさがハマってて良かった。危険な状況にありながらネクタイ選びに余念がないところとか、>>続きを読む

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.0

期待せず観たけど良かった!
予告編でてっきりブッ飛んだ青春モノと思ってたら、繊細で静けさの漂う上質な作品だったので驚いたね。脚本がとにかくリアルで、役者の演技力も相まってまるでドキュメンタリーを見てる
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犬鳴村(2020年製作の映画)

3.1

ジャパニーズ・ホラーとしての湿った質感はなかなかだったんだけど、役者の演技のグダグダ感が邦画のレベルの低さを露呈してる感じで今一つ。三吉彩花はこんな演技下手だったっけ?ってくらい観ててキツかった。>>続きを読む

Mank/マンク(2020年製作の映画)

3.6

ハリウッドの脚本家ハーマン・マンキーウィッツの半生を、彼が「市民ケーン」の脚本を書き上げるまでの様子と過去の回想を織り交ぜながら描く。全編とにかく会話に次ぐ会話の応酬でデヴィッド・フィンチャーと思えな>>続きを読む

国葬(2019年製作の映画)

3.6

セルゲイ・ロズニツァ特集で観賞。
独裁者スターリンの国葬の様子を残された記録フィルムで構成したドキュメンタリーで、インタビューや説明など作品を補足する要素が一切無く、なかなかの忍耐力を要した。

撮影
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ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

3.5

尺の短さとあまりの地味さに面食らった。
ロイ・アンダーソン監督はこないだ観た「散歩する惑星」で人間の滑稽さの独特な切り取り方と撮影手法に関心を持ったんだよね。本作でもいろいろ困り事を抱えた人々を固定カ
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大頭脳(1968年製作の映画)

3.6

ベルモンド傑作選で観賞。
雑音に邪魔されまくる奇妙なテーマ曲とLSDの幻覚を連想させるタイトルロールからいきなりインパクト大で、冒頭で5年前の列車強盗犯のブレインが脳味噌が大き過ぎて首で支えられないと
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シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!(2018年製作の映画)

4.0

面白かった!
19世紀末に生まれた戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」の創作の裏側と初演の舞台をコメディタッチで描いてて、現実世界の友人の代筆をアイデアの源泉として台本を書き進めていく前半から、流麗なカ
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ハミングバード・プロジェクト 0.001 秒の男たち(2018年製作の映画)

3.3

証券取引の通信速度を極限まで高めるプロジェクトに命を懸ける男たちの話で、ジェシー・アイゼンバーグお得意の高速のセリフ回しがいろんな意味で時間との闘いにかけるキャラにハマってたんだけど、全体にサラサラ流>>続きを読む

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

3.9

1968年のシカゴの民主党大会に合わせてベトナム反戦暴動を煽ったとして共謀罪に問われた7人の裁判劇で、政治的な重い話を軽快なテンポと巧みな編集で最後まで飽きさせず見せてくれた。
冒頭で示される通り、こ
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ジャン=ポール・ベルモンドの 恐怖に襲われた街(1973年製作の映画)

3.7

ジャン・ポール・ベルモンド傑作選で観賞。肉体を駆使したベルモンドの際どいアクションが観応えあったね。

歪んだ道徳心から若い女性を脅迫して殺害し続ける男をルテリエ警部が追うメインの話に、彼が追い続けて
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続·ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画(2020年製作の映画)

3.6

前作でカザフスタンを世界の晒し者にした罪に問われたボラットが、減刑のためトランプ政権下のアメリカに貢ぎ物を捧げに行くミッションを負う筋立てで、相変わらず無知蒙昧なボラットが突撃ロケで一般人を翻弄してい>>続きを読む

ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習(2006年製作の映画)

3.5

最近「2」が公開されたとのことで、予習として公開当時話題になって未見の1作目を初観賞。
カザフスタンの片田舎に住む無知なボラットがアメリカ文化を取材しに行くドキュメンタリー風の作りで、彼がどう見ても洗
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大盗賊(1961年製作の映画)

3.7

「ジャン・ポール・ベルモンド傑作選」で観賞。悪徳な盗賊団から抜け出して義賊団を結成するカルトゥーシュの活躍を描いてて、全編軽やかな活劇調が楽しい。ベルモンドの若々しい魅力と、クラウディア・カルディナー>>続きを読む

犬どろぼう完全計画(2014年製作の映画)

3.6

ほのぼのとした雰囲気で軽く楽しめる作品。ホームレスのシングルマザーの娘が家を買うために迷い犬の謝礼金目当ての犬泥棒をしようとするという、文面だけだとなかなかキツい話。

ジソを表情豊かに捉えるカメラが
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ザ・ハント(2020年製作の映画)

3.9

面白かった!
トランプ激怒でアメリカでの公開が一時中止となったいわく付きの作品で、金持ちが貧乏人を狩るという現在のアメリカの分断を皮肉るような描き方にトランプが怒るのも分かる。B級映画っぽくサクサク進
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散歩する惑星(2000年製作の映画)

4.0

未来に希望のない閉塞した世界を寓話的に描いてて、ディストピアを淡々とした日常で見せていく手法がなんとも独特。
様々な報われない男たちが滑稽さのオンパレードみたく登場して笑っちゃうんだけど、その背景で街
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プロフェッショナル(1981年製作の映画)

4.0

いや~良かった!
「ジャン・ポール・ベルモンド傑作選」の企画で上映中の日本劇場未公開作を鑑賞。ほとんどゴダール作品でしか知らなかった彼が、こんなハードボイルドでどこかコメディタッチの洒落た作品に出てた
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罪の声(2020年製作の映画)

4.5

めちゃめちゃ良かった!
原作はけっこう前に読んでいて、これ以上ないくらいの見事な映画化に140分釘付けになった。
何より役者陣の演技がみな自然で素晴らしく、特に小栗旬が映画でこんなに役にハマってるのを
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レベッカ(1940年製作の映画)

3.6

つい最近リメイク版が公開されたということで、大昔に観た本作をアマプラで再鑑賞。ジョーン・フォンテインの素朴な美しさに見惚れて最後まで観ちゃったね。やっぱりヒッチコックは女優を美しく撮るセンスが素晴らし>>続きを読む

ウルフウォーカー(2020年製作の映画)

3.8

17世期のアイルランドを舞台にウルフウォーカーの伝説をめぐる人間と狼の対立を描く話で、紙芝居みたいな単純化された絵で雰囲気豊かに表現してた。軍隊が武力で大自然を制圧しようとするところは「ナウシカ」そっ>>続きを読む

ある船頭の話(2019年製作の映画)

3.5

失われゆく人と自然との関係への郷愁を、川沿いの山村の橋梁建設事業とそれによって職を失いつつある一人の老船頭の生き様に象徴させて描く話。フィルムっぽさと深い緑の色調による郷愁漂う映像に「長江哀歌」を思わ>>続きを読む

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

3.8

炭治郎と煉獄のダブル主役で、前半の無限列車での死闘と後半の煉獄の涙なしに見られない展開でそれぞれ凄まじい山場があり、一粒で二度美味しい感じで楽しめた!
なんたって戦闘シーンの作画が凄まじすぎて、テレビ
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朝が来る(2020年製作の映画)

4.2

河瀬直美監督らしいドキュメンタリータッチが120%活きてて素晴らしかった!この監督さんは「殯の森」で躓いて、「あん」も樹木希林を今ひとつ活かせてない感じで苦手だったけど、本作は飛び抜けた傑作と思った。>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

4.0

テレビドラマの再編集版ということであまり期待してなかったんだけど、すごく良かった!元がテレビドラマと思えないほど深みのある映像に、主役二人の抜群の演技力が活きてて自然と引き込まれた。蒼井優の奥様言葉が>>続きを読む

薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

3.7

上海の怪しい薬売りが、貧窮を脱するためインドの白血病ジェネリック薬の闇販売に手を染めていく実話を基にした話で、前半のコミカルなエンタメ展開から後半の感動展開にやられた。病気をめぐって最初無知だった男が>>続きを読む

わたしは金正男を殺してない(2020年製作の映画)

3.8

2017年の金正男暗殺の実行犯二人の公判を追っていく背筋の凍るようなドキュメンタリー。何も知らない二人の若い女性が殺人犯に仕立て上げられていく恐ろしさを、本人や弁護団の証言や監視カメラ映像で裏付けてい>>続きを読む

地獄門(1953年製作の映画)

3.8

平安時代末期に平清盛に仕えた男が人妻に恋慕する菊池寛原作の話で、カンヌのパルムドール受賞作。
冒頭が歴史モノっぽい戦国絵巻で始まるのでちょっと苦手かなーと思ってたら、恋に狂った一人の男の醜態に収束して
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台風家族(2019年製作の映画)

3.0

父の葬儀でひさびさに集まった子どもたちが遺産相続でいがみ合いながらも関係を再構築していくっていう、「最初の晩餐」にちょっと似た話。
前半の「登場人物全員クズ」みたいな描き方から後半でお涙頂戴になるギャ
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博士と狂人(2018年製作の映画)

3.8

オックスフォード英語大辞典の編纂をめぐる二人の男の友情を実話を基に描いてて、ジーンと来たね。

前半が辞書編纂の過程とその苦労を見せていく「舟を編む」みたいな展開で、あらゆる言葉のあらゆる時代での使わ
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狂った一頁(1926年製作の映画)

3.5

アマプラで鑑賞。
初めての衣笠貞之助監督作でいきなりものすごいハードなのに当たっちゃった。激しい豪雨からのめまぐるしいカットの切り替わりと画面のオーバーラップの中で幻想的な異国のダンスが始まり、やがて
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或る夜の出来事(1934年製作の映画)

4.0

資産家の娘の結婚騒動にひょんなことから遭遇した敏腕新聞記者のボーイミーツガールモノで、数十年前に観て「古いモノクロなのにこんな楽しい映画があるんだ!」っていうワクワクした感覚を確かめるために再見して、>>続きを読む