平太郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

ウィッカーマン(1973年製作の映画)

3.4

「ミッドサマー」の元ネタということで鑑賞してみたが、こちらはゴア描写はなく謎解きミステリー要素の強いスリラー作品という印象。前半、ミュージカルっぽい演出を取り入れたり、わいせつ行為の描写がコントっぽか>>続きを読む

白いリボン(2009年製作の映画)

3.8

第一次世界大戦前夜、ドイツの片田舎を舞台に次々と起こる不可解な事件を通して人間の悪意や憎しみ、不信感を浮かび上がらせるミヒャエル・ハネケ節炸裂の作品。
モノクロで描かれているのでその分、最後まで非現実
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遊星からの物体X ファーストコンタクト(2011年製作の映画)

3.7

「遊星からの物体X」の前日譚。
続編にありがちな、とってつけた感は拭えないが、前作に対するリスペクトも十分に感じれた。
映像技術の進歩によりクリーチャーの造形やバトルシーンが派手になっているが、それに
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遊星からの物体X(1982年製作の映画)

4.5

「エイリアン」と双璧をなすSFホラーの金字塔。初見は幼い頃に観たテレビのロードショー。当時、大変な衝撃を受けたのを覚えているが、映像技術が進化した現代、改めて鑑賞してもそれは色褪せてはいなかった。
C
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アクアマン(2018年製作の映画)

3.4

ザック・ワイルドみたいなビジュアルのアクアマンと海底世界のCGは素晴らしかったけど、それ以外で感動する要素は無かった。DCユニバースには興味が無いので小ネタによる加点も特になし。

渇き(2009年製作の映画)

3.5

ホラーで官能ロマンなのにコメディでもある掴みどころがない作品。
韓国特有のエグ味を残しつつ映像美にこだわっている点や、下駄顔のソン・ガンホが二枚目的な役どころをつとめているところも脳がバグるポイント。
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.5

個人的にモキュメンタリー形式はあまり好きでないので、少し残念に感じた。
後半の除霊の儀式のあたりから映画的には盛り上がっていくが、個人的に一番怖かったシーンは前半の遊戯施設で子供を突き飛ばすシーン。シ
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羅生門(1950年製作の映画)

3.7

無意識なのか故意なのかは分からいが、自分に都合の良い証言をする登場人物たちに人間の闇の部分がリアルに表現されていると感じた。ラストに捨て子を連れて帰ろうとする志村喬にさえ、疑いを持ってしまったのは仕方>>続きを読む

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)

3.8

オシャレな女スパイものだと思って、それほど期待していなかったが、期待以上の出来だった。
何よりも良かったのはアクションシーン。長回しによるカメラワークが迫力満点で、それを可能にしたシャーリーズ・セロン
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哀しき獣(2010年製作の映画)

3.7

前作「チェイサー」が良かったので期待したが、前作同様、カットが異様に多いのが気になった。特にアクションシーンだが、画面が見にくい上に登場人物の位置関係も掴みづらいデメリットを感じた。
キャストでは鬼神
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最愛の子(2014年製作の映画)

3.5

実話を元にした作品なので重みのある作品だが、一つだけ気になる部分があり、最後まで入りこめなかった。それは3年という年月で他人の子に対し親子の絆はここまで重くなるのか、という点。
調べたら実際の事件は子
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コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

3.6

再鑑賞。ジム・ジャームッシュの中では人気のある作品だが、個人的にはそれほど思い入れはない。
11話からなるオムニバスだが、好きなのはセンスの良さを感じる「双子」と、可笑しさの中にある哀しさを見事に表現
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

3.7

胸糞映画を求めて鑑賞。
胸糞というより、気持ち悪くなった。これが、かなり正常な反応だと思う。
ただ、一番最初に被害にあったユマ・サーマンだけは自業自得だと感じたのも正常な反応だと思う。倫理的にはもちろ
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桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

3.9

原作のイメージを壊さず、映画的な特性を活かした視覚や聴覚に訴えてくる演出が見事だった。
登場人物の実在感も素晴らしく、キャスティングも完璧だと感じた。
キラキラ輝いていたと美化してしまいがちな学生時代
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ロビンソンの庭(1987年製作の映画)

3.1

「てなもんやコネクション」を観た流れで、こちらも再鑑賞。
当時は凄く尖った作品だと感じたが、今観ると若い監督の気負いが気恥しく感じてしまう。
サブスクによって過去のカルト作を気楽に味わえるのは喜ばしい
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てなもんやコネクション(1990年製作の映画)

3.4

久しぶりの再鑑賞。
釜ヶ崎のドキュメンタリータッチな映像は今見ても素晴らしい。
アンチメジャーなカルト作であるにかかわらず、画面から異様な景気の良さを感じるのは当時のバブル景気の影響かと感じ、感慨深か
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.0

第二次世界大戦末期、ナチス政権下のドイツに住む少年ジョジョの過酷な生活を悲壮感を出さずにコミカルに描くことに挑んだ意欲作。
ナチスの愚行を茶化すコメディ映画と思い、嫌な予感をしていたが、それは危惧だっ
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逆噴射家族(1984年製作の映画)

3.2

念願のマイホームを手にいれた家族の崩壊をハチャメチャかつシュールに描いたコメディ作品。
地下室を掘りだすまではテンポもよかったが、そこからは同じことの繰り返しで冗長に感じた。カルト的な人気をはくした本
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THE NET 網に囚われた男(2016年製作の映画)

3.7

休戦中の国家間の思惑に人生を翻弄される朴訥な漁師の無情な物語。
首輪を外されても何処にも行くことが出来ない調教された犬のような哀しい主人公を演じたリュ・スンボムが素晴らしかった。
ストーリーに意外性は
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嘆きのピエタ(2012年製作の映画)

3.6

債務者を身体障害者にして保険金を回収する鬼畜な主人公だったが、自分を捨てた母親らしき女が現れてきてから物語は動きだす。
主人公は女を母親として受け入れるが、その描写がいささか唐突な印象があった。上映時
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お姉ちゃん、弟といく(2010年製作の映画)

3.1

禁断の恋を含む三角関係を描いたエロチックコメディ。ラストの展開は好みじゃなかったが、若き日の江口のりこは実に魅力的に感じた。

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

3.7

勉強一筋だった優等生の二人が卒業式の前夜、青春を取り戻すためにハメを外す姿を描いた青春コメディ。
LGBTQや人種差別に対して実によく配慮されており、下ネタ満載にもかかわらず不快な表現は一切無い。普通
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まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)

3.7

第一次世界大戦末期のフランスの田舎町を舞台にしたドタバタコメディ。
それぞれが自分の役になりきった精神病患者たちと主人公のやりとりが可笑しく、かつ幻想的に表現される。
後半、主人公の所属するイギリス軍
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.6

モノクロで撮られた監督の自叙伝的作品ということで、どうしてもアルフォンソ・キュアロンの「ローマ」と比較したくなるが、個人的には「ローマ」程は刺さらなかった。
時代的にはアイルランド紛争を背景にしている
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モンスターズ/地球外生命体(2010年製作の映画)

2.9

ハリウッド版ゴジラを撮った監督の過去作ということで鑑賞してみた。
かなりの低予算なので、あまり期待はしていなかったが、その予想のさらに斜め上をいく出来で、モンスターはあくまで吊り橋効果をもたらすための
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GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)

3.4

CGの作り込みはさすが本場で、迫力はかなりのモノだった。
ただ、このゴジラはシリーズでは1作目なので、敵怪獣は必要なかったような気がする。vs人類という位置づけで、もっとゴジラのモンスターとしての怖さ
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県警対組織暴力(1975年製作の映画)

4.2

「孤狼の血」を観たうえでの再鑑賞。
いかにこの作品の完成度が高かったということを再認識させられた。脚本、演出、キャスト、全てが高レベル。深作作品の中でも1、2を争う出来だと思う。
あまり万人受けしない
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ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)

3.5

ジム・ジャームッシュの日本愛を感じた作品。日本人としては嬉しい限りだが、ツッコミのいないコントを見せられている気分になる。真面目にやっているのか笑わせにきてるのか分からなくて困惑させられた。
葉隠の死
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デッドマン(1995年製作の映画)

3.7

ジム・ジャームッシュ作品再鑑賞シリーズその6。これまでの彼の作品と違って会話が物語の中心にない新たな試みの意欲作。
死ぬために生きるという葉隠の武士道にも通じるネイティブ・アメリカンのスピリチュアルな
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パーマネント・バケーション(1980年製作の映画)

3.6

ジム・ジャームッシュ作品再鑑賞シリーズその5。
ジャームッシュイズムというものがあるとすれば、それを凝縮したものがこの作品であり、逆に言えば、この作品を商業用に洗練させコメディ要素を加えたものが、その
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ダウン・バイ・ロー(1986年製作の映画)

3.9

ジム・ジャームッシュ作品再鑑賞シリーズその4。前作「ストレンジャーザンパラダイス」に比べると物語の輪郭がしっかりしている印象。キャストではロベルト・ベニーニを起用することによってコメディ要素が強くなっ>>続きを読む

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

3.6

ジム・ジャームッシュ作品再鑑賞シリーズその3。
初見当時、次作の「ダウンバイロー」の方が好みだったな、と思ったのだけは覚えているが、正直なところ内容はほぼ忘れていた。
見直してみてストーリーより気だる
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愛のむきだし(2008年製作の映画)

2.6

園子温の性癖むきだし映画。
出来の悪いコントを延々と見せられた気分。
何故、これほど評価されているのか理解に苦しむ。苦行のつもりで最後まで見たけど、かなり疲れた。ただ、キャスティングは良かったし、ゆら
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ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

3.8

「ナイトオンザプラネット」を久しぶりに観た流れでこちらも再鑑賞。
ラジオから流れるエルビス・プレスリーの曲をバックに3つの物語がメンフィスの安ホテルで微妙に絡むオムニバス作品。
重要キャストに日本人が
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.1

久しぶりの再鑑賞。
公開当時はパリの盲目の女性を演じたベアトリス・ダルにシビレたけど、年を重ねた現在は、ニューヨーク編で東ドイツからきた元道化師の運転手を演じたアーミン・ミューラー・スタールに心を持っ
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デンジャラス・プリズン ー牢獄の処刑人ー(2017年製作の映画)

3.5

巨体を活かしたバイオレンスアクションはなかなか迫力があって良かった。ショッキングなラストも私好み。
ただ、ストーリー展開は思ったほどテンポが良くなかった印象が残った。