密林亭半魚人さんの映画レビュー・感想・評価

密林亭半魚人

密林亭半魚人

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怪猫トルコ風呂(1975年製作の映画)

3.5

 エロ・グロ・スプラッター・コメディ・アクション・ホラー テンコ盛りのピンキー・ホラー映画の快作。何ともユーモア溢れる大人の娯楽作品であります。数多い「化け猫映画」の中でも高いクオリティなのではないで>>続きを読む

ノスフェラトゥ(1978年製作の映画)

4.3

 これは本邦では1981年の深夜枠でのテレビ放映(日本語吹き替え版)が先で、1985年にようやく単館系劇場で公開されました。

 ニュー・ジャーマン・シネマの旗手ヴェルナー・ヘルツォークのメガホンによ
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侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

1.5

 なんだかペラペラな映画だなあという印象がありました。時代劇の良さや映画屋の苦労を描くにしても、「賛歌」になっていて観てて白けるんですよね。これは『太秦ライムライト』にも言える事でした。同じ「臭い」が>>続きを読む

男はつらいよ 葛飾立志篇(1975年製作の映画)

4.0

 なかなか盛り沢山でございます。
 冒頭の夢は西部劇、お尋ね者のタイガーキッドがヴァージニアに帰ってきて村を荒らす無法者たちと渡り合い、妹チェリーを救うという。ここだけ出演の吉田義夫!ギターをつま弾く
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配達されない三通の手紙(1979年製作の映画)

3.8

 キチンと観たのは今回が初めてですが、そういえば・・・と思いだしたのが、子供の頃のテレビで観た記憶の断片。それが、年老いた母親が寝ている傍で男と女がベッドでイチャイチャしながら「お母さんが起きるよ」「>>続きを読む

スプライス(2008年製作の映画)

4.0

 超生物を生み出す倫理を逸したSFホラー。既出ネタだけど「それはやっちゃあダメでしょう」のオンパレード。久々に胸糞悪い映画を観ました。『ミスト』とまではいかないけれど、人道から外れた科学者夫婦が生み出>>続きを読む

新ドラキュラ/悪魔の儀式(1973年製作の映画)

3.5

 何かと評判が悪いが私は好きな一本。

 ドラキュラがイギリス政財界の黒幕となって新型ペスト・ウィルスを開発し、人類せん滅を目論む。それをMI5と諜報活動を請け負うヴァン・ヘルシング教授が阻むというス
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ドラキュラ血の味(1970年製作の映画)

4.0

 慈善活動を笠に着て背徳の限りを尽くす上流階級の三紳士は、己の放蕩に飽きて「より強い刺激」を求め、悪魔崇拝者コートレー卿の黒魔術儀式の誘いに乗ってしまう。卿は彼らをパトロンにして骨董商ウェラーが持つド>>続きを読む

ブラック・サバス/恐怖!三つの顔(1963年製作の映画)

3.0

【忘備録】
 チェーホフ、トルストイ、モーパッサンを原作とすると謳っているが・・・

第一話『電話』…F・G・スナイダー原作
モーパッサン原作と誤解されているが、第二話の『吸血鬼ウルダラク』の物語にモ
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鬼畜(1978年製作の映画)

4.5

 映画とは「簡略の美学」とも言われております。監督の野村芳太郎は点において非常に長けた人だったのではないか?と思うわけです。物語の流れは「大体こんな話です」と大胆に端折り、原作の面白いポイントを抽出し>>続きを読む

カフカ「変身」(2019年製作の映画)

4.0

2025/3/1に再見。
 以前本作を観た時には、原作そのままだったので「これは映画ではなくて本」という感想でした。この程観なおして「あ、そうか」と気づいたことがあったので雑記。

 これは介護の話で
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アリス・スウィート・アリス(1977年製作の映画)

4.0

 今の目で観るとこの手のミステリーはさすがに古臭い。しかし本作はそもそもスリラー、スラッシャー・ムービー(所謂ホラー)の看板を下げており、その要素も強く、また描写に容赦がないので時代を超えて楽しめる逸>>続きを読む

白い家の少女(1976年製作の映画)

3.0

 カテゴリとしては怪奇ではなくてサイコサスペンスなんですけどね、私が子供の頃には怪奇映画の本で紹介されていて、それ以外の映画関連書籍ではあまり目にしたことが無い(子供だったということもあり)ので、私的>>続きを読む

謎の佳人レイチェル(1952年製作の映画)

3.0

 今でいうところのイタダキ女子ちゃんの話ですね。お金持ちが抜群のコミュ力を持つ女性に入れあげて、周囲は「財産狙いじゃねえか?」と疑心暗鬼になるも、主人公の男は「そんなことないやい!」と譲らない。
 レ
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ドリアン・グレイ/美しき肖像(1970年製作の映画)

3.0

 オスカー・ワイルドの小説『ドリアン・グレイの肖像』を、舞台を現代ロンドンに置き換えての映像化作品。
 『地獄に落ちた勇者ども』(1969)の直後、『ルートヴィヒ』(1972)以前のヘルムート・バーガ
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.0

 1940年、カスティーリャの村に巡回映画がやってくる。『フランケンシュタイン』(1931)の興行。同作は1940年当時には既にハリウッドのアイコン的名作で39年に『魔人ドラキュラ』(1931)と共に>>続きを読む

死霊のはらわた ライジング(2023年製作の映画)

2.0

前作のリメイク版の時も思ったのだけど、ただただ汚い。そんでつまらん。

ベルサイユのばら(1979年製作の映画)

3.0

 そもそもあの漫画を人間でやるのは無理なのでそこは割り切り・・・とはいっても原作の改変はいただけない。せめて、オスカルとアンドレの死に方はトレースしてほしかったのです。
 二人が結ばれてフリーな立場に
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マスターズ/超空の覇者(1987年製作の映画)

2.5

 遥か彼方の惑星で悪漢と戦っている勇者たちがアクシデントで地球にやってきてドンパチを繰り広げるというプロットは面白いんだけど、消化不良を起こしてたいして面白くないというのが率直な感想。これは公開当時の>>続きを読む

屋根裏部屋の男(1953年製作の映画)

3.0

 謎の連続殺人鬼切り裂きジャックが横行するロンドン市街ホワイトチャペル地区にある老夫婦の家にある男が下宿することになる。彼はいったい何者なのか?
 マリー・ベロック=ローンズの小説『下宿人』の4度目の
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謎の下宿人(1944年製作の映画)

3.0

 スゲー面白かったヒッチコックの『下宿人』(1927)。それの原作小説の3度目の映画化だそうです。ヒッチ版を観た身としては本作はあんまり面白くない。だって何のひねりもない直球なんだもん。結局、切り裂き>>続きを読む

テラー博士の恐怖(1964年製作の映画)

3.0

 列車のコンパートメントに乗り合わせた紳士たち、同席したシュレック博士なる謎の人物は座興とばかりにタロットカードで彼らの破滅的な未来を予言する。その不幸を回避するには?

 数あるオムニバス・ホラー映
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身代わり忠臣蔵(2024年製作の映画)

3.5

 討ち入りされる吉良家の事情をおもろかしく描いた作品。

 その昔、『珍説 忠臣蔵』(1953)というコメディ映画がありまして、それを思い出しました。観方によってはそれのリメイクとも取れます。
 
 
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フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

3.7

 ボリス・カーロフは、モンスターをどう演じたら良いのか悩み「大人の身体を持った赤ん坊」をコンセプトに役作りをしていったといいます。善悪の概念を持たない怪力の赤ん坊は、それはそれは危険極まりない。己を破>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.3

 前作は映画館で鑑賞。長いと聞いていたものの個人的にはすんなり楽しめ、本作は残念ながら映画館での鑑賞を逃してしまい、円盤鑑賞に甘んじました。ただ、それもまた良しだったのか?これを映画館で半強制的に鑑賞>>続きを読む

大鴉(1935年製作の映画)

3.8

 ポーの小説というのは「寝ている間に埋葬されたらいやだなあ」とか「こんな拷問器具があったらいやだなあ」といった、彼自身の妄想がベースになっていることは知られてますが、無論、振り子ギロチンなんか実在しな>>続きを読む

ルックバック(2024年製作の映画)

3.5

 私は現在56歳でモノづくりの末席を汚している身ですが、本作に関しては予定調和が過ぎるように思え、特にクリエイターとして心の琴線に触れることはありませんでした。京アニ事件の鎮魂歌なのでしょうか?

 
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探偵スルース(1972年製作の映画)

3.0

 前勉強無しの完全初見、プロジェクターでの鑑賞です。

 演劇とミステリーのメッカ(?)でもある英国の、今となっては古いのですが、狂ったように緻密な脚本でした。
 2時間超えでローレンス・オリヴィエ、
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レスリー・ニールセンの ドラキュラ(1995年製作の映画)

4.0

 メル・ブルックスの手により『ヤング・フランケンシュタイン』(1974)から実に20年の時を経て作られたドラキュラ映画のパロディ。

 良くも悪くもギャグがベタ過ぎで昔懐かしいコント番組を観ているかの
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吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年製作の映画)

4.0

 おそらく、日本で最も認知度の高い日本未公開映画。現存する吸血鬼映画の最古のもの。ドイツ表現主義映画の代表的な一本とはいえ、『カリガリ博士』(1920)以降の映像演出の発達凄まじく、わずか2年足らず、>>続きを読む

血のエクソシズム/ドラキュラの復活(1970年製作の映画)

4.5

 亜流ではありますが、ドラキュラ映画らしいドラキュラ映画だと思います。怯える村人、山の上の古城、女吸血鬼、不気味な召使、凶暴なコウモリと、吸血鬼映画に必須な演出がてんこ盛り。ご存知クリストファー・リー>>続きを読む