エロ・グロ・スプラッター・コメディ・アクション・ホラー テンコ盛りのピンキー・ホラー映画の快作。何ともユーモア溢れる大人の娯楽作品であります。数多い「化け猫映画」の中でも高いクオリティなのではないでしょうか?(化け猫映画って割とふざけた作品が多くって)
人が恐怖におののく表情を、照明を下から当てる事で表現するという今からすると古典的な手法を取っているけど、これが今でも割と効果的で、顔が立体的になるし画面に奥行きも出て作品自体に重みが出ます。
この記事を書いている丁度今、風俗嬢斡旋の巨大組織「アクセス」が摘発され、それに加担した風俗店が次々に摘発されるという事件が起きました。売春防止法違反ということで、「ソープランドじゃろ?何をいまさら?」と思うところでしょう。はい、この映画が全部説明してくれますよ。アクセスがやっていたことがそのまんま映画になってます。
そういった意味では非常にリテラシーが高い知的な映画なのです。全体的にサド侯爵の『悪徳の栄え』と『美徳の不幸』にエドガー・アラン・ポーの『黒猫』を足したようなストーリーなのですよ。
まあ、いやらしい!と言ってもですよ、この映画は観客を勃起させようという魂胆が全然見えないんですね。濡れ場と言っても室田日出男、殿山泰司、山城新伍、大泉滉でござんしょ?どうしろっていうんですか?
純然たるホラー映画として観るのが良いでしょうね。