久遠さんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

渇き。(2013年製作の映画)

3.9

大して思い入れがあるわけでも、面白い訳でもないのに何度も観てしまう映画。
「冷たい熱帯魚」や「ハウス・ジャック・ビルト」よりエグいし反モラル。カット数が多い理由でR18を逃れたらしいが。

性的暴行
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告白(2010年製作の映画)

2.1

中島哲也の名が世に広まった女教師復讐映画。初めて観た際には、ポップな表現と刺激的な映像に衝撃を受けた。

しかし、時は経て何度か観るたびに評価がガタ落ちしていく不思議な映画である。
その理由は、鑑賞量
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年製作の映画)

5.0

クレヨンしんちゃん映画というジャンルが生まれた不朽の名作。
涙腺刺激度は恐ろしく高い。また、ノスタルジーからの脱却を描いており、真っ当なモラルも備えているので隙がない。
子どもが観ても、ギャグやアクシ
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よこがお(2019年製作の映画)

4.3

試写会にて鑑賞。

厭な映画。観客を常に不安へ陥れる光と陰のコントラスト。会話のリズムが一定のようで、狂気に満ちている。恐怖。
「信用出来ない語り手」を据え、出来るだけ直接描写を削ぐことによって観客の
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亜人(2017年製作の映画)

3.3

クソダサ演出、ガバガバ脚本、めちゃカッチョええアクションのフィユタージュ。
そして、実質「PSYCHO-PASS」の実写版。予算が足りないから亜人でやっちゃえ精神である。

死なない人間がテロリストと
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ザ・ファブル(2019年製作の映画)

3.0

岡田准一の身体能力が最大限に活かされた快作。主要人物のキャラと配置が良かった。
特に、向井理と柳楽優弥のヤクザとチンピラ犬キャラ対決は最高。肝心の戦闘シーンはイマイチ。もっと肉弾戦が観たかった。邦画大
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KANO 1931海の向こうの甲子園(2014年製作の映画)

1.4

リアルタイムで鑑賞したが、中々感想を文字に起こすことの難しかった作品。

3時間にも及ぶ長丁場で、伝わったのは台湾の少年たちが甲子園を沸かせたことだけ。ルーキーズの川藤とは対照的な寡黙で厳しい永瀬正敏
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オアシス(2002年製作の映画)

4.3

恥ずかしながら、イチャンドン監督作品は初鑑賞。
「障碍と貧困」を美化することなく描いている点では「岬の兄妹」と共通している。
しかし、違うのは今作において障害を持つ者を徹底して卑しく描いている点だ。
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藁の楯(2013年製作の映画)

-

絶対的正義vs悪の権化

藤原竜也が死んで当然クソムシ犯罪者を演じる。フィルモグラフィー上ではベストアクト級。

この最低畜生カスを懸賞金目当てに一般人を始め、多種多様な人々が首を狙う。
その塵芥生ゴ
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

4.3

トリアー監督版ポプテピピック。
殺人鬼映画をベースにシュールな映像と芸術作品から引用した映像の嵐を巻き起こす。

女性蔑視とも捉えかねない残酷描写をオムニバス形式で放り込む地獄巡り。
しかし、障害や病
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どろろ(2007年製作の映画)

-

全てがダサい稀有な作品。当時のCGレベルを鑑みてもショボすぎて笑える。
演出や美術も酷いし、BGMはヘンテコ。
ストーリーは一本調子で、終わり方も続編を匂わす形で噴飯。

(1989年製作の映画)

5.0

地球上で最も美しい映画。
人は誰しも秘密を抱え、時に迷子となる。その迷える若者たちを、繊細い月の光が捉える。
フィルム・ノワールであり、家族映画でもある今作は脈々と息づく「血族」を色濃く描いた。
ヒロ
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MW-ムウ-(2009年製作の映画)

1.3

原作の美点を根刮ぎ切り落とした愚作。クソダサいカメラワークとBGMを背景に、雑な脚本で物語は運ばれる。
役者陣の演技は、記者を演じる石田ゆり子を筆頭に素晴らしいのだが上記の欠点が邪魔をしていた。
ゼロ
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アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

4.1

予想外にコミカルで笑える話だった。流石に予告の1/2くらいの格好良さは見せるかと思いきや、間抜けでダサい大学生たちが「何者」かになる為、必死に踠く姿が映る。
否応なく、自らの罪を回想する作りになってお
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旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

4.3

“迷える子山羊”

黒沢清監督の新境地。好奇の目で見られていると感ずる葉子はアイドル時代の前田敦子本人と重なった。

ウズベキスタンの美しい風景をバックに、異邦人である番組クルーと現地の人々との対話を
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SCOOP!(2016年製作の映画)

2.6

再見したので、改訂。
初見よりは断然楽しめた。過去の遺物となったベテランが若者に意思を継承し、去る。このテーマ性にはグッときた。

しかし、終盤に重点を置く為の人物配置が余りにも安直で白けた。
また、
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晩春(1949年製作の映画)

4.1

小津監督が初めて娘の結婚を描いた「名作」。文法を外さず、独自の技法を用いた普遍的な人間模様。
母と見合い相手の視覚的不在と「壺」のカットが謎を呼ぶ。もう一度観ても、理解できないかも。
中盤で見せる紀子
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

5.0

奇を衒った表現や大仰な芝居を排し、計算尽くされた脚本と演出で魅せる珠玉の逸品。是枝クラスタとしては外せない。

「普通の家族」が何でもない会話の中で覗かせる凍てつくような表情と仕草に慄く。
特筆すべき
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真夏の方程式(2013年製作の映画)

4.0

凡ゆる面で前作を遥かに凌駕した良作。

夏季の港町を映画的なショットで切り取る美的センスに感服させられた。海、花火、ペットボトルロケット。どれも美しかった。
また、子供と大人の視点を物語に介在させるこ
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ギャングース(2018年製作の映画)

4.0

万引き家族に並ぶ泥棒家族。

牛丼求めて三千里、辿り着いたは錆びれた廃工場。このタタキ、やらせて頂きます。
ビジランテに続き、現代日本の問題を浮き彫りにする良作。
しかも、今作は超娯楽映画でもありアガ
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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

3.2

ゴジラたちの戦闘シーンは良かった。
人間ドラマはクソ。
頭空っぽで観れば、そこそこ楽しめます。

特別な日(2018年製作の映画)

4.3

初監督作品とは思えないほど、様々な要素を含んだヒューマンドラマの傑作。
トルコからドイツへ移住した父娘の何気ない1日を鮮やかに切り取る。
「愛をシェアする」という言葉を大切にしたくなる。

リッチーとの一日(2012年製作の映画)

-

美しく、刺激的なショットの数々と主演二人の名演が秀逸。
語るのは難しいが、物語自体は分かりやすいので万人にお勧めできる。
ボウリング場のシーンは必見。

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

3.3

太賀くんの演技が光る。彼は「淵に立つ」や「ゆとりですがなにか」で一躍若手俳優トップクラスまで上り詰めた名優だが、どこにでもいそうな若者の演じ方が物凄い。
本当は真っ直ぐで心優しいからこそ、仲間には強く
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ファミリー☆ウォーズ(2018年製作の映画)

-

どうせインディーズだし...小林勇貴の弟子的存在だし...
まあ上記の通りだったが、チープさが行くところまで行っていて逆に気にならなかった。

鬼畜家族大宴会と言ったところで、引き寄せられてきたヤンキ
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居眠り磐音(2019年製作の映画)

3.5

松坂桃李の艶やかな姿を堪能できる一本。
彼女がその名を知らない鳥たち、娼年で魅せた濡れ場よりも今作の殺陣の方が艶っぽく七五三状態の芳根京子より断然エロかった(謎目線)
また、木村文乃の町娘と中村ゆりの
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

1.2

前半20分までは心踊った。これから恵まれなかった者たちのonce againが始まるんだろうなと。
が、駄目..!!団員たちはクソ男バーナムの添え物として扱われる。グレイテストショーが何よりも大事だと
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ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.5

残酷で美しすぎる物語における一筋の光。
自然音×風景美×家族=❔

主人公含む女性たちがクソ男共から酷い仕打ちを受けるたびに胃がキリキリした。
心が打ちのめされた。一生忘れることはできない。
日常へと
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64 ロクヨン 前編(2016年製作の映画)

1.7

前評判が思わしくなかったので避けていた。
瀬々監督の作品は自分と合わないだろうと思っていたのもある。
ただ、今作において問題はそこじゃない。
64という題名の通り、昭和最後の年に起こった誘拐事件の謎を
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いぬやしき(2018年製作の映画)

3.5

佐藤信介作品は殆ど鑑賞しているが、その中でも上位の部類だった。
原作未読なので、キャラクターと物語の整合度だったりは不問にします。
そもそも原作通りにやる必要はないので、あまり気にしてませんが笑
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インシテミル 7日間のデス・ゲーム(2010年製作の映画)

1.9

当時流行っていたライアーゲームやカイジの薄っぺらい部分を凝縮させた1本。

明らかに地雷臭プンプンのポスターの通り、前半30分は退屈のあまり藤原竜也ばりに発狂しそうになったが演技が不得手に見える役者さ
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ROOKIES -卒業-(2009年製作の映画)

1.0

「オレ、奇跡って本当にあると思うんだよ。先生。」と真剣な表情で言う御子柴くんに微笑む川藤先生。

一見良い話のようだが、実際観てみると御子柴くんが川藤教の信者にしか見えない。

「諦めるな!」「夢にと
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ウィーアーリトルゾンビーズ(2019年製作の映画)

-

生きてるくせに、死んでんじゃねえよ。
絶望とかダサい。エモいとか古い。
そもそも生きてるとか死んでるとか。
ゾンビみたいな顔、眩しいばかりの若さ。
色彩豊かな映像。モノクロの映像。
物語は始まるし、終
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千年女優(2001年製作の映画)

4.8

現実と虚構を行ったり来たり。
あの人を追いかけて三千里。遂に、宇宙船まで乗りました。
映画を映画で描くという構造自体はやり尽くされているが、その中でもトップクラス。主役の女優・千代子は映画=虚構にこそ
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