まえさんの映画レビュー・感想・評価

まえ

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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.2

友達の家で酔っ払って、垂れ流しにして観てた時も良かったけど、IMAXの音響とと大きなスクリーンで改めて観ると圧巻だった。『アメリカン・ユートピア』の時もそうだったけど、エンドロールの後に結構な人が拍手>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.6

シャラマン作品に共通で言えることかもだけど、唐突に人々に大きな犠牲を強いるよな…

突然訳わからない連中に絡まれたり、現実味のない無茶苦茶な状況でも、登場人物たちの覚悟が決まってるから、ハラハラするし
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サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

3.3

モートの見るいくつもの夢が名作のモチーフ(ゴダールやトリュフォーもあったかな…)になっているのはいいアイデアだった。普段の発言は自分が中心なのに、夢の中だと自己分析がちゃんと出来たり、夢に出てくる人た>>続きを読む

白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

3.9

観てもらわないと訳わかんないと思うんだけど、一人の人生の時間軸を一つにまとめて物語にするっていう挑戦的な構造だったり、哲学的な音楽への姿勢と銀座という場所を対比した世界観は面白かった。

ちょっと後半
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.6

言わずもがなの特徴的な画面作りとクセのある魅力的な登場人物たちは相変わらずで、特に今回は3分も出演時間があるかどうかのちょい役たちのセリフが際立ってて、ウェス・アンダーソンらしさが存分に発揮されてた。>>続きを読む

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

4.4

みんな驚くくらい喋り倒すし、画面も情報量が多いから付いていけるか不安だったけど、こういう表現の仕方は現代社会の情報量の多さにも似ている。

セリフの多さはそのまま、こんなにも話しているのに誰も自分の声
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やがて海へと届く(2022年製作の映画)

3.4

個々のシーンは印象的なところもあったけど、(あえてミスリードさせるような予告にしてたのと、真奈がすみれに起きた出来事を補完するシーンの演出は好きだった。)テーマ的にもやりたいことや映したいものが沢山あ>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.9

ケイト・ブランシェットの努力と才能で築いた権力を持つ人間の立ち振る舞いの演技と、内面の不安感を煽るトッド・フィールドの演出の掛け合わせが生み出す切迫感がすごかった。

「素晴らしい芸術を創り上げる」と
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バビロン(2021年製作の映画)

4.0

綺麗は汚い、汚いは綺麗。を地でいく作品。
映画の魔法って作中では言ってたけど、映画の狂気に触れた人たちの栄華と凋落は、まさしく春の夜の夢って感じ。
ありえないくらい誇張した映画の撮影現場のシーンはちょ
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

3.9

これでもう3回目の映画化らしいけど、人が戦争を繰り返し続ける限りは、また何度でも新しく作り続けられる作品だも思う。

窓辺にて(2022年製作の映画)

3.7

公開前から思ってたことだけど、稲垣吾郎が今泉力哉の作風とバッチリ合ってたし、予想以上に良かった。

いつも通りのちぐはぐな雰囲気なんだけど、今年の前半で公開してた『猫は逃げた』『愛なのに』よコメディ要
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.3

ロケーションも、静かな雰囲気も、じわじわくる不気味さも最高なのに、ラストのB級感が意外すぎたのが一番びっくりした。
アダと猫のツーショットだけが癒し…

恋人はアンバー(2020年製作の映画)

4.3

去年のレインボー・リールや多摩シネマフォーラムで特別上映された時の話を聞いてた頃は、これだけ好評で面白そうなあらすじの作品なんだから、すぐ全国上映されると思っていた。
結局1年以上待つことになって勝手
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アムステルダム(2022年製作の映画)

3.8

第一次世界大戦での出会いがもたらした三人の友達が、第二次世界大戦の開戦前のピリつく世界情勢のさなかで巻き込まれる殺人事件。

ある程度調べると結末もわかってるし、予想がつきやすいのが史実を元にした作品
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.0

葉樹園の背景に見える未来都市の構図などなどの拘りは前作でも言われてた小津安二郎からの影響を感じるし、今回の作品でも岩井俊二作品から楽曲持っていたりと、日本人の作る作品より邦画の文化や背景の取り入れてる>>続きを読む

パトニー・スウォープ(1969年製作の映画)

3.8

Truth&Soulは、次の三のルールを契約の原則としていた。
1.酒、タバコ、戦争玩具の宣伝はしない。
2.社長と話をしたい者は誰でも電話ではなく直接会って話さなければならない。
3.Truth&S
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ベルファスト(2021年製作の映画)

4.6

ベルファストは北アイルランドの都市。
海沿いに位置して造船で栄えた街。タイタニック号もこの街で作られいたはず。

物語の背景にある同民族同士の宗教的思想の違いによる対立と紛争はかなり複雑で根深いものだ
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さがす(2022年製作の映画)

4.0

序盤の怒涛の展開からの後半の風呂敷の畳みかたの緻密さ。テーマの選び方や人物の表現の生々しさや、奇妙なホラーと現実の境界線の上にあるぎりぎりの世界観は終始不安を掻き立てられる。

舞台が大阪の西成区で炊
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.8

古典的で硬派な演出にあの数々のヒットソングを組み合わせることで出る雰囲気はとても良かった。ファッション界の帝国の繁栄と信頼と知名度の表現として満点だと思う。
監督の前作『最期の決闘裁判』とはまるで演出
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エル プラネタ(2021年製作の映画)

3.7

外に出かける時の2人の華やかさと狭いアパートの中の2人の生活の落差の描写の巧みさ。
確かに2人はやりすぎでしょと思うけど、誰しもが大なり小なりハッタリ利かせて自分を大きく見せてしまうものだから、笑うに
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.3

どうしても過去のマッチョイズムからの脱却と新しい世代への意志を伝えるというテーマが焼き直しに見えてしまう…
そこに変化を加えるはずだったであろうロードムービー要素も物足りないし、ちょっと残念だった…
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アンテベラム(2020年製作の映画)

3.7

「過去は死なない 過ぎ去りさえしないのだ」

フォークナーの「尼僧の鎮魂歌」の引用が出てきたように、ヴェロニカの輝いている生活とエデンの奴隷としての日々による過去と現代のコントラストの描写以上に、現代
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パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

4.2

はじめてPTA監督作品観たけど、めちゃくちゃ良かったな。冒頭からぶっ飛んでるし、カメラワークも話作りも彼の拘りを感じてすごく惹きつけられた。

普段は不器用なりに真面目な経営者のバリー。
7人のクセの
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ディナー・イン・アメリカ(2020年製作の映画)

3.5

大袈裟な過ぎる演出や下品なシーンもたくさんあるけど、嫌いになれない作品。
サイモンは目も当てられないほどのクズだし、最悪だけどそんな人間でも、彼が彼として自分と向き合ってる姿勢に、なんやかんやで惹かれ
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シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

3.8

もともと監督のインタビューで『カンフーハッスル』に影響受けてたと聞いて期待はしてたけど、
マーベル作品というかヒーロー映画でこんながっつりとカンフーアクションが観れるのはワクワクした。やっぱりいいなカ
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レミニセンス(2021年製作の映画)

2.9

戦争で疲弊して荒れた世界観にする必要も温暖化の影響で海面上昇にしたのも、画面的に綺麗なだけで、ほかに何も物語に根深く関わってこないのがかなり残念…
なおかつニックは別にプロフェッショナルのエージェント
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彼女来来(2021年製作の映画)

3.7

同棲中の彼女が待つはず家には、全く知らない女性が代わりにいる状況。なんとか糸口を見つけて、マリを探そうとするけど自分が置かれた不条理な出来事に徐々に順応していく紀夫の、入れ替わったマリとは違う内面の変>>続きを読む

インクレディブル・ハルク(2008年製作の映画)

3.1

とりあえずは序盤のダイジェスト感…そりゃ、たった5年でリブートするとそうなるよなぁ…
でも、『アメイジング・スパイダーマン2』から3年で3回目のリブートした『ホーム・カミング』にその経験がうまく活かさ
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オールド(2021年製作の映画)

3.6

何か不可解な出来事や理不尽と相対したとき、気持ちを整理して冷静になる時間が欲しくなるが、その時間がないという構造が生む、焦りや苛立ちの表現にかなりくるものがあった。

場所が持つ魔力的な設定とそこから
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鳩の撃退法(2021年製作の映画)

3.7

事実は小説より奇なりというけど、映画は果たして…

後半の怒涛の伏線回収は気持ちよさ。頭の中の推論が現実で起てたことだと裏付ける出来事から、物語が展開されていく感じはまさに推理小説みたいだった。
ちゃ
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モンタナの目撃者(2021年製作の映画)

3.4

理不尽とも思えるほどのリアルさもハラハラする展開も見事。山火事のシーン含めた自然の脅威や、互いのこれまでの過去を共有することで、絆を生む展開なんかは、テイラー・シェリダンの前監督作の『ウインド・リバー>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.0

つまるところお酒の失敗(ささやかなものから洒落にならないものまで)っていうのはもちろんお酒のせいでなく、その人個人のせいだし、僕も笑えるものから思い出したくないもの含め後悔することがたびたびあった。で>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

3.6

馬鹿みたいにいいところのない前作から、やっとアベンジャーズの対抗馬としてのDCのヴィラン映画が観れた感じがする。
ナンセンスやグロテスクさ、チープに扱われる命の感じはマーベルじゃ絶対表現できない。
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.3

短編小説を映画化するのは監督の原作のテーマの解釈と物語の広げ方や深め方など自由度が高い分、かなり手腕が試されると思ってる。
30分もあれば読み終える作品を如何にして3時間の大作に仕上げてくるのか、さら
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