綺麗は汚い、汚いは綺麗。を地でいく作品。
映画の魔法って作中では言ってたけど、映画の狂気に触れた人たちの栄華と凋落は、まさしく春の夜の夢って感じ。
ありえないくらい誇張した映画の撮影現場のシーンはちょっと笑っちゃうんだけど、当時の人々の熱量を表現するのにベストだと思う。
パーティーの乱痴気騒ぎのカメラワークも凄まじいセンスだし、使い古されたと思ってたサイレントとトーキーの転換期に晒された人たちってテーマも、あの7テイクのシーンがあるからいいか。
それと音楽だけは『ララランド』の意思をしっかり引き継いでる。もはやアレンジか？って思うくらいだけど。
フェイに解雇を言い渡した時の目線、シドニーに顔料を渡した後の演奏、マニーがもう崖っぷちにいるんだなってよくわかるいい場面だった。
荒唐無稽さや、ストーリーの繋がりの出来の悪さがそのまま面白さになっていて不思議な感じ。こんだけ映画を肯定してて面白いのに、オスカーの作品賞にノミネートされないのも何となくわかる。
蛇足的な部分が多いのは気になったかも。最後のシーンももっとスッキリさせてよかったし、デミアン・チャゼルは自分の想いを登場人物の台詞にそのまま託して喋らせるの良いところもあったけど、相変わらず説教臭さもあるのがなぁ。
にしても長いわ、ディレクターズカット版じゃねーんだぞ。ほんと汚いし、長いから観る人は気をつけて。
あと、ほんと作品と関係ないけど、レッチリのライブの前にフリーが見れたのも良かったー
