真鍋新一さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

真鍋新一

真鍋新一

映画(2964)
ドラマ(10)
アニメ(0)

密会(1959年製作の映画)

3.2

中平康が単独名義で脚本も書いているちょっと珍しいサスペンス中編。原作は吉村昭のデビュー作で、のちに『漂流』や『魚影の群れ』が映画化される人。

『醜聞』の役柄などからすると、おそらく桂木洋子は美少女清
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二階堂卓也銀座無頼帖 帰ってきた旋風児(マイトガイ)(1962年製作の映画)

2.9

最終作になってようやく主人公の本職がファッションデザイナーである設定が復活し、それらしい見せ場で序盤から盛り上げていく。
中村刑事は芦田伸介に交代。相棒は藤村有弘に交代。サブキャラの役者が最後まで安定
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燃える大陸(1968年製作の映画)

3.0

いかにもサイケデリックとニューシネマの流行に揉まれて出てきてしまった日本ならではの謎大作。今風の言葉で言うと「自分さがし」に出かける渡哲也、というテーマは悪くないのだが、オーストラリアの荒野と渡哲也が>>続きを読む

新源氏物語(1961年製作の映画)

-

日本文学史上屈指のプレイボーイ・光源氏を市川雷蔵が演じる平安愛憎絵巻。若尾さんが演じるのは源氏との結婚を「愛などない」と言ってのけるクールな妻・葵の上で、恋敵は、運命の生き写し・寿美花代、風流なおてん>>続きを読む

可愛い花(1959年製作の映画)

3.4

ザ・ピーナッツの歌謡映画……ではあるんだけど、「可愛い花」はデビュー曲なのでまだピーナッツだけではネームバリューが弱く、映画としても一応無難に作っておくかぁ……というのがこの手のプログラムピクチャーの>>続きを読む

風が呼んでる旋風児(マイトガイ) 銀座無頼帖(1963年製作の映画)

3.0

オープニングからチープな合成の暴風雨にさらされる銀座の夜景というシュールな絵面。野口博志監督はいつも最初にコケ脅し的な演出があって、結局最後までテンションが続かない。

でも今回はそれでも持続していた
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探偵事務所23 銭と女に弱い男(1963年製作の映画)

2.6

ハッタリ感たっぷりのオープニングに、宍戸錠が自分で作詞してるテーマ曲、明らかに怪しい小池朝雄の出現。滑り出しは順調だっだが中盤以降からテンポが急に悪くなる。

頼れる協力者の金子信雄も警視庁から出るこ
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グレイト・ガンズ(1927年製作の映画)

3.1

戦争に参加するしあわさうさぎのオズワルド。戦闘機同士が殴り合ったりするのはさすがマンガという感じ。オズワルドがボコボコにする敵国?のキャラが奇しくもネズミなのが興味深い。大砲の弾が命中して粉々になるオ>>続きを読む

ミッキーの大探検(1948年製作の映画)

2.4

わさわざタイトルでオーストラリアに来たことを強調している割に、半分以上の尺でミッキーとプルートがブーメランで遊んでいるだけ。やらかしたときのミッキーの冷や汗かきまくりな動きは身につまされる。

メイド・イン・バングラデシュ(2019年製作の映画)

3.4

労働者の生活を守るために組合を作りましょうね〜、というシンプルな話のはずが結局誰も当てにならず、主人公がただひたすらに孤独な思いをし続けるしんどい映画。

思わせぶりに出てきて主人公に組合の必要性を説
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女吸血鬼(1959年製作の映画)

3.7

『女吸血鬼』とは、いわゆる女性のヴァンパイアのことを指すはずなのだが、出てくるのは男の吸血鬼だけ。堂々としすぎで困るほどのタイトル詐欺である。

それはともかくとして、一般的なドラキュラ伯爵のイメージ
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探偵事務所23 くたばれ悪党ども(1963年製作の映画)

3.7

いつもは憎たらしい悪役の金子信雄が頼れる警部で行く先々でジョーを手厚くサポートしてくれる。いつもは主人公の邪魔しかしていない彼が味方につくと、実に頼もしい。

そして笹森礼子。ヤクザのボスの信欣三(い
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.4

阿部サダヲに肯定されたい……阿部サダヲに褒められたい……阿部サダヲにいたわられたい……。『羊たちの沈黙』のように刑務所からいろいろ示唆をしてくれるやさしいやさしい死刑囚の阿部サダヲ。

序盤の家庭不和
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美しい庵主さん(1958年製作の映画)

3.7

渡り鳥シリーズ以前のアキラ&ルリ子カップルを愛でる回②。

芦川いづみの坊さんビジュアルも素敵だけど、やっぱりアキラとルリ子なんである。序盤から藤村有弘を相手にパパ活をやってるヤバい奴のルリ子。アキラ
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女を忘れろ(1959年製作の映画)

3.8

渡り鳥シリーズ以前のアキラ&ルリ子カップルを愛でる回①。

歳上の南田洋子にどっぷりお世話になっている元ボクサー、現在はドラマーのアキラの前に、女子大生のルリ子が現れとても悩む。

アキラは最初のカッ
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ドナルドのアイス・ホッケー(1939年製作の映画)

3.5

ドナルドが甥っ子たちとメチャクチャなアイスホッケー大会。フィギュアスケートのマネをするのがかわいい。

嵐を突っ切るジェット機(1961年製作の映画)

3.4

アキラは空自のアクロバットチームで、それがあのブルーインパルス。設立間もない頃だったらしい。とはいえ、話は早々に葉山良二が経営するオンボロ航空会社へと移り、金に困って山内明演じるチャイナマフィアの薬物>>続きを読む

渡り鳥故郷へ帰る(1962年製作の映画)

3.3

渡り鳥シリーズは終わったけど、でも周り(全国の映画館主とか)が辞めさせてくれなくて作ったような映画。

別にギターを持ってるわけじゃないのに、流れ着いてお世話になる部屋に渡り鳥のギターが置いてあったり
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群衆の中の太陽(1959年製作の映画)

3.5

大学ラグビーの話かと思ったら、卒業後に社会人になって厳しい現実と向き合っていく見応えのある青春ドラマだった。

井上梅次監督、やっぱり音楽で人間が繋がっていく演出。そこで合唱しなくてもいいだろ?という
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不死身なあいつ(1967年製作の映画)

2.9

アキラとルリ子の共演作で、斎藤武市監督なので「あいつシリーズ」をいきなり2作目から見た。アキラと東京ぼん太のコンビは悪くないが、2人で流しをやっている設定のため、営業シーンも2倍になってしまいそれが映>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.4

楽しかったです。

でも、
『シン・ゴジ』『シン・エヴァ』と続けることでいよいよオタクの墓場感が強まってしまったような気が…

石川五右ヱ門の法事(1930年製作の映画)

2.8

フィルムが現存しているだけでもありがたい斉藤寅次郎監督の短篇ドタバタコメディ。日本にもチャップリンやキートンみたいなことをやろうとしてた人たちがいたという嬉しさ。

彼女の父親に結婚を反対されるだけで
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縄張(しま)はもらった(1968年製作の映画)

3.8

時代の流れで変容を余儀なくされた日活アクションのひとつの答え、のように思える映画。相変わらず敵はヤクザ組織であることは変わりないが、主人公も落ちぶれた組織の人間であり、さらに合法ビジネスの皮を被って抗>>続きを読む

幽霊暁に死す(1948年製作の映画)

4.0

マキノ家秘蔵のフィルムでしか現存していないという作品をようやく国立映画アーカイブで。噂通りの素晴らしい作品だった。

長谷川一夫が幽霊になった父親と、生きているその息子の二役で、基本時代劇の人なのであ
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

2.3

本格ホラーと思いきや、途中から少年向けアドベンチャーにシフトして、しまいには恐怖のピエロが少年たちに袋叩きにされる情けない決着に。さんざん人の時間を奪っておいて、ハイ本当の結末は数年後の続編でございま>>続きを読む

地獄の破門状(1969年製作の映画)

4.2

表向きは近代(大正初期)の浅草を舞台にした着流し任侠映画に見えるがとんでもない。これぞ最後の日活アクションと呼ぶべき傑作である。

Amazonプライムで配信されている映像のマスターがおそらくボロボロ
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ギター抱えたひとり旅(1964年製作の映画)

3.1

アキラの賭博師シリーズを職人・山崎徳次郎監督が撮っている。この人が一貫して監督していた流れ者シリーズが面白かったのはアキラ、ルリ子、ジョー、マリの黄金メンバーがいたからであって、いろんな事情でメンバー>>続きを読む

銀座旋風児(ギンザマイトガイ) 嵐が俺を呼んでいる(1961年製作の映画)

3.0

監督の野口博志の演出がゆるいせいで、アキラの代表作なのに一番つまらない「マイトガイシリーズ」だが、4作目は比較的中だるみが少ないのでマシに見られる。相棒の情報屋は近藤宏でアキラの子分といえばこの人。こ>>続きを読む

高原児(1961年製作の映画)

2.9

アキラ、ルリ子、マリがいて斎藤武市監督なので大いに期待したいところだが、渡り鳥シリーズのバリエーションにしては今一歩。マリの役どころがあまり目立たないのも残念。アキラが別人になりすまして渦中の街に潜入>>続きを読む

ザ・スパイダースのゴーゴー・向う見ず作戦(1967年製作の映画)

2.2

スパイダースがおそらく忙しすぎるために、主演のくせに話の本筋にほとんど絡んでこないという恐ろしい映画。もちろん演奏シーンはふんだんで、コント仕立ての「恋のドクター」、「サマーガール」の演奏シーン、ヒロ>>続きを読む

マカオの竜(1965年製作の映画)

3.8

荒唐無稽の極み、ノリと勢いが最優先されるために細かいことを気にしていると疲れてしまう日活アクションにあって、ちゃんと筋の通った話と入り組んだ仕掛けが仕込まれている。

ジョーの役が『紅の流れ星』に連な
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危いことなら銭になる(1962年製作の映画)

4.1

日活アクションの特徴たる痛快なユーモアとテンポの良さに加えて、いつもはマイルドに処理されがちな暴力描写が抜きん出ているためにひときわ異彩を放つ傑作。浅丘ルリ子の強気な魅力も今作はトップクラスに輝いてい>>続きを読む