honeyhollowさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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アド・アストラ(2019年製作の映画)

4.0

太陽系の果てに向かいながら内省に深化するよく分からない贅沢。月の無機質に触れるブラピの手が海王星で感じる触感の確かさとその虚無。冒頭の超絶落下で正す姿勢が円環する宇宙の闇の先におののく。無重力のスロー>>続きを読む

一寸先は闇(1971年製作の映画)

4.5

散歩しながらのらりくらりと罪を告白して「孤独じゃなくなった♪」に、許しだか赦しだかの安直さを肩透かすだけでなく「あんたの正義なんざ自己懲罰の欲求に過ぎないのよ」っつう直球な台詞でノックアウトをくらう。>>続きを読む

野獣死すべし(1969年製作の映画)

4.0

キモの赤字日記のことを言及され、なかなか絶体絶命の状況で刑事に「わたしのやり方を気にいってくれたらいいな」って、素敵マックス

ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖(1973年製作の映画)

4.0

この粗さと緩さを鑑みてもモブの過激な真摯さと通低する境界線の曖昧さがとても好き。不穏なマーチングドラムと能天気な主題歌と羊の横断の素晴しさよ!

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

2.5

憎悪を借りたヒューマニズムなのか、ヒューマニズムの形を取った扇動なのか、どんどん複雑にしていって結局シンプルさを抽出できているのか疑問だったけど、とにかくジダンの頭突きを思い出しました

ピストルと少年(1990年製作の映画)

4.0

三人がそれぞれ二人で対峙して共犯とも連帯とも違う奇妙な関係を紡ぐドワイヨン。少年の渇望とそれを叶えてやれない姉の静かで密やかな涙。昨夜は名字のことで一緒に笑いあったのに。団地の郵便受けくらい壊滅的な母>>続きを読む

荒野の誓い(2017年製作の映画)

3.5

わたしの一部はあなたと共に、というのは出来過ぎな感もあるけど、原題を大量虐殺者と喪失の悲しみに嵌めると浮き彫りになるどうしようもなさが一段と風景を澄ませる。不毛の果てにちょっとかわいいクリスチャン・ベ>>続きを読む

ロールスロイスに銀の銃(1970年製作の映画)

3.0

インチキ牧師の白スーツピンクインナーのお目見え、カーチェイス最中のハーレムの猥雑さや牧師の情婦のゴージャスさの視覚的娯楽。

ディリリとパリの時間旅行(2018年製作の映画)

3.0

モディリアニがさりげなくモディリアニ女とバーにいたのがよかった。モンマルトルから下る活劇、雨上がりの石畳に反射する照明、完璧なエッフェル塔×飛行船とその眩さ。キング・オブ・ファッション、ポール・ポワレ>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.5

ヒッピーガールズの傍若無人な闊歩、パーティーに溶けていくマーゴット・ロビーの流麗さ、宵闇のネオンの点灯リレーと、ドキドキとざわざわの高揚のジョブ。関係の破綻を孕むコンビ、西部劇のゴーストタウンとヒッピ>>続きを読む

怒りの刑事(1972年製作の映画)

4.0

奈落だか深淵だか語彙が追いつかない異様な緊縛と痛みでしか繋がりえない暴力の磁力に打ちのめされる。ムートンコートのやたらな存在感。買い物袋から果物が落ちる時空間の隙や曇天が覆う学校周りのアンジュレーショ>>続きを読む

プライベート・パーツ(1972年製作の映画)

4.5

おぼこいけど好奇心は人一倍の家出娘の女性性の解放。見て興奮見られて興奮の窃視相乗効果(穴がでかい)。悲しくて滑稽な模擬射精(ぬるま湯を入れたらいいのでは)。胡散臭いホテル住まい。こんなそんな大好物が過>>続きを読む

メランコリック(2018年製作の映画)

3.5

求められる喜びの先の序列に嫉妬したりしながらも、見送って見送られ(仕事に向かう父親の背中の長さ)、その際に発せられる決まり文句が意味を成して形づくられる居場所。敬称有無のマウントに下の名前で呼ばれる存>>続きを読む

ファントマの偽判事(1914年製作の映画)

3.5

偽判事として適当に行った邸宅で奥さんの破廉恥な手紙をたまたまみつけちゃう性とか好き

ファントマ対ジューヴ警部(1913年製作の映画)

3.5

100年以上前のパリ!トラム!石畳にこんもりしたのは糞かしら?あら意外に徒党を組むのねファントマ。広がりをみせたと思ったらまた限定空間に舞い戻り、ヒロインではなくしゃぶり尽くすための対象としての夫人へ>>続きを読む

ファントマ(1913年製作の映画)

3.5

暗闇の中、鎧戸のわすがな光により姿が分かる夫人が前面に進み出てさらにガラス戸を閉める暗黒へ踏み入れる符丁。これだけでもビリビリしたのに、処刑の朝にまんまと身代わりを仕立ててその窓から見える断頭台に異常>>続きを読む

ミッドナイト(1939年製作の映画)

3.5

魔法が解けるミッドナイト、なんといっても題が洒落てる。素直な老人に囲まれてゲラゲラ笑いながら鑑賞する素直な至福。

ディア・ハンター(1978年製作の映画)

4.0

中学生のときに宅観した以来なので、緊縛しながら余剰の美学を味わう鑑賞に痺れた

幽霊と未亡人(1947年製作の映画)

4.0

マーサにもマーサの物語があったかもしれない余白。個人的に「乙女の星」と双璧のラブ幽霊。

地獄の英雄(1951年製作の映画)

3.5

ギンギンのカークダグラスが上から目線で売り込みにきて、丁稚カメラマンとキメキメ台詞反復する冒頭だけでロクなことにならなさそうな膨満感。作業員にランチを配るパパミノサの小鹿のような目の空虚さ。