honeyhollowさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

honeyhollow

honeyhollow

映画(1357)
ドラマ(3)
アニメ(0)

明日はない(1939年製作の映画)

3.5

バカ正直だけが純愛じゃないことを徹底させることで物語を駆動させているなか、何も告げず去ったけど裏切りはなかったと言い切った瞬間にそれまでの危うさを翻しエドウィージュ・フィエールの顔を露にする照明の鮮烈>>続きを読む

トム・オブ・フィンランド(2017年製作の映画)

2.5

トムオブフィンランドさんのざっとした年譜より、アメリカ人カップル(込ヤコプ・オフテブロ)の短い挿話の方がチャーミング。どうやって成功したの、いつかそこんとこ詳しく。

新雪(1942年製作の映画)

3.5

水島道太郎と夢路の間にどんな感情のぶつかり合いがあったか謎なので、モンスターペアレントから一転道太郎シンパになった山口勇の剽軽な愛情を楽しむ。とはいえ、庭先から道太郎の二階の下宿や宴会の中心にいる道太>>続きを読む

存在のない子供たち(2018年製作の映画)

2.0

いかにもカンヌ受けしてアカデミー外国語映画賞にノミネートされそう。底辺モノの極北「忘れられた人々」の冷徹且つ透徹した視線に比べると分かりやすい構図と正しさの横溢にかったるくなり、こんなわたしがみていて>>続きを読む

隣の影(2017年製作の映画)

2.5

いかにも北欧な厭映画でフレーミングや音響確かで嫌いではないのだけど、こじんまり収束した感。俯瞰で見せる隣同士の最初と最後のシンクロの安定感たるや。

よこがお(2019年製作の映画)

3.0

よこがおという挑戦的な題。横顔のみえない向こう側でもあるし、横顔をみている一方的な話でもあるし、横顔を位置した奥行きの多様性がある画でもある。まったく罪はないとはいえない不条理、あからさまなマスコミ攻>>続きを読む

マルグリット・デュラスのアガタ(1981年製作の映画)

4.5

ずーっとみたかった作品。モノローグと映像の乖離で普遍性をにおわせながらも、端正さを失わず近親相姦の特異性をまぜこんで混乱させつつ、そこもうちょっと詳しくと思わせるデュラスさすが。こんな官能のあり方、エ>>続きを読む

ひと夏の秘密(1979年製作の映画)

3.0

主筋では、江角英明が実子を喪った拗らせで養女の原悦子の体を奪うことによって己のアイデンティティも失う序盤の歪んだ回想シーンがハイライト。脇で保険金のために夫の土左衛門を探す渡辺とく子と錆堂連が船の上で>>続きを読む

マーウェン(2018年製作の映画)

3.5

PTSDからの自己回復というシンプルな話を、切実さや真摯さはそのままに、安直な感動の置きどころをうっちゃる奇妙さ。ドールズ闊歩闊歩闊歩、なんちゃってデロリアンでアホみたいに興奮させるビジュアルのストレ>>続きを読む

冬の旅(1985年製作の映画)

4.5

徹底的に社会を拒否するボネールが、定住した共同体のガス抜きの享楽にとどめを刺される皮肉と自由を道連れにする強靭さにヒリヒリすることこの上なく。旅人と浮浪者の境目、異物への恐怖や感応を冷徹に撮るきるヴァ>>続きを読む

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

3.5

パリでの二度目の再会、ベッドシーンから続くセーヌ下りの緩やかな同速度のカメラの気持ちよさ。翻弄されるふたりというよりどうしようもない縁の揺るがなさを象徴しているようでよかった。三白眼の女がとにかく好き>>続きを読む

四畳半芸者の枕紙(1977年製作の映画)

3.5

方言丸出しの朴訥な純情青年が精力溢れる設定もいいけど(若干汚れていくのもまたよし)、宮下順子の同僚でアパートの隣室の中島葵&庄司三郎の四畳半の佇まいがなおよい。正月のお座敷回りの重労働から帰宅して疲労>>続きを読む

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

3.5

ロウリーよろしく過去と現在の巡り合いにラスト☆レッドフォードそのものを練り込む狡さを軽やかなスコア&編集で華麗且つチャーミング満載に披露する。共感も教訓もなく好きなことに諦めの悪い生きざまだけ。キース>>続きを読む

田園の守り人たち(2017年製作の映画)

3.5

ストイックなお仕事描写の合間のセックスシーン。いやらしく手と手を追うけど、何気ないワンピースが実は袖口や襟元に同系色の刺繍があしらってるのが分かるデート感。緑じゃない茶系のグラデーションと水色の色彩設>>続きを読む

ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)

3.0

ゴリゴリのガンマンものでもなく狡猾ものでもなく野心を聞かれたホアキンの表情にハッとしたりして疲れたから帰宅する等身大貫徹。ほどよく好かれるオーディアール。心地よし。

四季の愛欲(1958年製作の映画)

4.5

ちょっとした宿の壁はツーカーなのに、個人宅のガラス戸は秘す優しいいかがわしさ。散漫な恋愛模様の着地の置きドコロを真打ち登場で有無を言わせない五十鈴。再見ながらさいこう!

怒りの孤島(1958年製作の映画)

3.5

屋外の半畳もない鶏小屋みたいなとこに押し込められ続けて食べ物と勘違いして石も口にする舵子仲間が死ぬ。祭りの日に親方の目を盗んで、ずっと土間に寝かされてた教育もなく陰毛も生えてない(一部)少年らがその亡>>続きを読む

四人目の淑女(1948年製作の映画)

3.5

復員して浦島状態のウブい森さまが荒んだ世界に真実と正しさを求めていくかつてのマイガールズ行脚。2テイク目の仮初めの姿では間接的に傷害致死(?)&殺人を引き起こしながらも結局ガールズに導かれる始末。「酔>>続きを読む

恐山の女(1965年製作の映画)

3.0

親子丼ぶりへの祟りこじつけを超えるトンデモ行者・東野栄治郎。結局、娘売って安穏に暮らしてる吉田義夫と菅井きんへの祟りでは。顔立ちは土俗的だけど仕事に慣れると都会的な口調の吉村実子。

海辺の恋(1963年製作の映画)

3.5

「AU PAN COUPE」と「地上の輝き」がよくて忘れたけど、フレーミングに溺れそう。トリコロールマジック

地上の輝き(1969年製作の映画)

4.5

魂抜いた移動ムービーとしてこれとっても好きなのだけど、パトリック・ジュアネがますますマイプライベートアイダホで、勝手に混乱しながら鑑賞。ほとんど死人でよかった。色彩魔術師だと思うけど、チュニスのカフェ>>続きを読む

切られたパンに(1968年製作の映画)

-

まったく内容には関係ないのだけど、パトリック・ジュアネがリヴァーの色気に雰囲気が似ていて(鼻傷がミソ)、マーシャ・メリルさえマーサ・プリンプトンに見えてきて、感傷的な語り口が加速させてじわわわ来ちゃっ>>続きを読む

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

3.0

ホームカミングのほうが好きだけど、エンドゲームでのダウニーJr.の隠居宅の写真立てを思い出して泣いちゃったりして。ジョン♡ファヴローがアクションで活躍するのかと思ってドキドキした。かわいい満載気持ち悪>>続きを読む

ホットギミック ガールミーツボーイ(2019年製作の映画)

3.0

「どこにでもいる平凡な女の子」が自己肯定に着地するまで乙ゲーに大映ドラマが絡んだみたいなのを通過しなきゃいけない筋書きにこれが21世紀の女の子なのね!とおののいていたら、世界は四人しかいないような限定>>続きを読む

エリカ&パトリック事件簿 踊る骸/ヒドゥン・チャイルド 埋もれた真実(2013年製作の映画)

2.0

北欧らしい湿度の低い雰囲気はあるけど、解明方法が単調すぎる。途中から、少なくともスマホが普及してる時代設定で、エリカの母ちゃんはいくつで彼女を生んだんだろーという時間軸計算してた