n0701さんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

n0701

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ダブリンの時計職人(2011年製作の映画)

3.0

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想定外の物語だった。

ジャンキーの若者と住所不定無職のおっさんの物語。
無職のおっさんは時計を直せる。
若者は父親と喧嘩し、自堕落な生活の末に麻薬中毒となる。

二人は車で暮している。役所は定住して
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インデペンデンス・デイ:リサージェンス(2016年製作の映画)

2.5

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また宇宙人のナメプで偶然勝てた。

全長2400キロ。富士山800個分だ。
統率するのは女王一匹。

宇宙船は地球のコアを事務的に吸い上げようとしていた。侵略でも略奪でもない。
そしてその事務的な作戦
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さとにきたらええやん(2016年製作の映画)

3.4

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「さと」とは里であり、故郷である。
それは人であり、頼れる存在そのものだ。

社会はピラミッドで、その施設は最底辺を支える最後の砦に違いない。子どもたちは様々な事情を抱えた親や境遇の下で暮している。
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ウィッカーマン(2006年製作の映画)

2.5

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果たして元婚約者が言っていることはどこまで本当なのか。

消えた娘の行方を探す男。男は謎の孤島に潜入する。そこは怪しい村人たちが薄気味悪く暮らす世界。

そこでは女こそがユートピアの源であるとし、男は
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大脱走(1963年製作の映画)

3.1

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いくらなんでも無謀な脱出計画は失敗に終わる。一人で脱出したのに、すぐに連れ戻される男。みんなのためだ。

ズボンから砂を落とす仕掛けやトンネルに滑車を通す仕掛けなど、ツッコミどころ満載の中にも、脱獄者
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バベットの晩餐会(1987年製作の映画)

3.7

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無知は罪だ。

化学を知らない者が化学反応を前にして、魔法だと勘違いすることに似ている。

目で見て、頭で理解することと同じように、ただ目の前の食事が美味しいかどうか味わえばいいのに、人は思い込みによ
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コッポラの胡蝶の夢(2007年製作の映画)

3.0

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胡蝶の夢になぞらえて、雷に打たれた男の不可思議な一生を描いている。

男は病床で目覚めると、包帯でぐるぐる巻にされ、死にかけていた。しかし、雷は男に奇跡をもたらし、全身大火傷が治癒しただけでなく、歯が
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ミルク(2008年製作の映画)

3.0

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アメリカにおける同性愛者の立ち位置は日本とは違う。キリスト教が深く根付いているアメリカでは、同性愛(男娼、男色をする者)はタブーだからだ。

だが、考えねばならないのは、政教分離の原則と旧約聖書、新約
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

4.3

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若い男二人は骨肉腫と脳腫瘍ですぐ目の前まで死が近づいている。彼らは天国の門を叩く前に、病院を抜け出し、海を見に出かける。車と金を盗んで、次々に犯罪を冒しながら。

だが死は音を立ててやってくる。まるで
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息子(1991年製作の映画)

3.5

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「息子」とは、あくまで主体が親父に位置していることを指す。

言うまでもなく、出来の悪い次男を巡る物語であり、三部構成のうち、その大半は若い未熟な青年に向けられている。

仕事とは、向き不向きではなく
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我々は有吉を訴える 謎のヒッチハイク全記録(2008年製作の映画)

2.8

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これぞドキュメンタリー(コメディ)。

ある一方向からの事実のみをフューチャーして、さも事実かのように辻褄を合わせる。

すべて台本通りだとしても、その場ではそれが事実なのだ。また、見ている側も事実と
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ロスト・チルドレン(1995年製作の映画)

3.5

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弟を探す怪力の話。

グリーンを基調としたぶっ飛んだ世界観。

夢が見たいという老人の夢を叶えるために子どもを誘拐する一つ目盗賊団とクローン集団と小人と脳みそ。

夢を見ないから急速に老化するというが
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オープン・ユア・アイズ(1997年製作の映画)

3.2

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バニラスカイのほうが遥かに完成度が高い。

そもそもイケメン役がそんなにイケメンではない。それに物語の端々におかしいところがある。イケメンが金持ちの理由も、ソフィアがパントマイムをする理由も、何より崩
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FAKE(2016年製作の映画)

3.3

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本当のことに嘘を混ぜると、どこから本当なのか分からなくなる。

ドキュメンタリーは一面的に言わば語りたいことを語ることで創られている。佐村河内が本当は正義かどうかは分からない。

なぜなら、これはドキ
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君が生きた証(2014年製作の映画)

3.8

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題名で損をしてるミスリード物の傑作だ。

成功者だった男、大学に通うなんの変哲もない息子。その予兆はなかったかもしれないし、あったかもしれない。

息子の通う大学での銃乱射事件は六人の死者を出し、犯人
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アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

2.9

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うーん。

何これ。古い所謂名作を見た時に感じる「これ、面白いの?」って感じ。複雑な人間関係と移り変わる戦況、思惑と事実、そこに精神的な病が加わるから見ていて理解が追いつかない。

戦争を取り巻く男た
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スワロウテイル(1996年製作の映画)

3.5

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ひとつひとつの表現を大袈裟に誇張することで何か大きな事件が巻起こっているかのように見せる。

名も無かったイモムシは、汚らしい社会にもまれて蛹となって、やがてスワロウテイル(アゲハ蝶)のように飛び立っ
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月に囚われた男(2009年製作の映画)

3.3

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大量のクローンが3年ごとに入れ替わり、延々と作業させられる。終わりのない3年の旅が続く。希望として与えられた3年後の帰還の目的、妻と娘も原本の自分と暮らし、自分の知らない生活と人生を送る。

事故によ
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処刑教室(1982年製作の映画)

3.3

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次々処刑されていく子どもたち。
彼らは子どもたちなのか?

刃物に暴力、薬物と売春。一度どこかで道を踏み外したクズたちが集まるどうしようもない学校で起こった悲惨な殺人事件。

学校に入るのに金属探知器
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ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

2.5

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野生動物が人間社会に積極的に介入する。
それぞれの社会と文明を築き上げている野生動物たち。

発達障害の子狐と泥棒を生業とする親狐…

果たして何が伝えたいのだろうか。
共存や共生だろうか。差別や偏見
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(1960年製作の映画)

3.0

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突貫工事のように鳴り響く音に看守と囚人が誰一人気づかないのはなぜだ。

妻の起訴によって投獄された男。
時間をかけ綿密に施された計画は、妻の気紛れにも似た起訴の取り下げによって崩れる。

そもそも脱獄
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

4.3

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結局この物語は、異星人に着させられた格好を他の地球人に笑われてしまうところに集約されている。

つまり、価値観の相違。

全く見たことも聞いたこともない動植物や現象。根本的にルールが違う世界に人間が住
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ザ・ウォーク(2015年製作の映画)

2.1

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なんだこれ。

すごくつまらない。

回想する形でワールドトレードセンタービルの間を綱渡りするフランス人の話を描く。
鼻につく人物紹介と自意識過剰な大道芸人。なんて言うか、安っぽいし、映画の内容自体も
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ブラック・スキャンダル(2015年製作の映画)

3.1

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映画に何を期待するのか。

例えばジョニーデップに何を期待するのか。
歯に着せぬトークと不思議な身のこなしで独特の雰囲気を醸し出し、その掴めない魅力が彫りの深いキリッとした顔立ちにマッチしていて、彼を
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21グラム(2003年製作の映画)

3.4

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それでも太陽は昇る。

交通事故で亡くなった三人。ある夫とその子供二人。そして、その夫の心臓を受け継いだ男。

彼の心臓はもう停止する寸前だった。
彼は、心臓を受け継いだ後、その心臓の在り処を探し出し
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バクマン。(2015年製作の映画)

3.0

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ジャンプに連載される。
甲子園に出るのと同じくらい難しい。

ジャンプで売れる。
プロ野球で活躍するくらい難しい。
まるで雲泥の差だ。

漫画は内容だ。
そこに画力、構成、個性、才能すべてが必要だ。描
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ヒトラー暗殺、13分の誤算(2015年製作の映画)

2.5

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ヒトラー暗殺をめぐる計画、不倫、拷問。

つまらん。
ヒトラーを殺害する具体的な失敗や13分の意味も分からん。退屈な恋愛と退屈な歴史の変遷だけだ。

サイの季節(2012年製作の映画)

3.0

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男のエゴ。

詩人は投獄された。政治的な詩を書いたからだ。詩人の運転手である男は、詩人の妻を愛してしまう。そしてそれだけでなく想いを口にする。運転手は呆気なく断られただけでなく、身の程を知れと折檻され
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草原の実験(2014年製作の映画)

3.3

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物語は題名に収斂する。

草原の実験とは言うまでもなく、原爆投下実験である。これはそれまでの物語に何ら関連もない。前半部、物語の大半は大草原、大自然の中で暮らす親子。若い娘はそこに訪れる男の子二人との
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パルムの樹(2002年製作の映画)

4.0

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人間を人間足らしめるのはなんだろうか。
心を失った人は人なのだろうか。同様に、心を宿した人形は人間ではないのだろうか。

幸いなことに今は人間ほど高度なコミュニケーションを取ることのできる生物はいない
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メアリー&マックス(2009年製作の映画)

3.4

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人生は自己満足だ。
誰の心にも淀んだ部分と悲しい過去と消したい記憶があるだろう。
だがそんな中でも目標や目的があればそれに向かって立ち向かえる。だが、それらの目標や目的が全部叶ったら?

例え当たらな
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鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)

3.8

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よく作り込まれているバカバカしい悪ふざけだ。

徐々に機械に侵蝕されていくサラリーマン風の男。
夢の中で謎の機械の化物と争う。現実では不倫相手だか恋人だかよく分からない女があたかも現実のすべてかのよう
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野火(2014年製作の映画)

2.5

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チープ。
突如荒れるカメラワークで荒々しい場面を演出したり、基本的には汚れた兵士の顔のアップ。際限の無い緑林はどこも同じに見えるし、淡々と切り替わる映像に、死体の羅列。

腕が飛んでも、死体にウジが湧
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ルック・オブ・サイレンス(2014年製作の映画)

2.5

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史実は史実だ。
まるで歴史の教科書を巡る人類の狂った部分を見せられているかのようだ。いわゆる土人国家。

メガネの販売は言わば旧態依然とした歴史と相反する文明の代替的な象徴だ。彼は言わばその場に住む過
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プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命(2012年製作の映画)

4.2

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主人公が入れ替わる。それも二度もだ。
これだけでも映画としての価値が高い。初めはサーカス団のバイク乗り。流れで出来た赤ん坊を育てるために堅気になろうとして、銀行強盗をする。

その男の死の間際、息の根
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アモーレス・ペロス(1999年製作の映画)

3.9

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犬。そして独りよがり。
それが物語の主軸となり、いくつかの人生といくつかの物語の共通項として、混在し奇妙に混ざり合う。それぞれの悲しみと苦悩とその後の人生を彷彿させながら、それぞれの新たな方向へ導き、
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