ナガノヤスユ記さんの映画レビュー・感想・評価 - 20ページ目

ナガノヤスユ記

ナガノヤスユ記

映画(1213)
ドラマ(50)
アニメ(0)

こわれゆく女(1974年製作の映画)

4.4

相手の言ってることがわかるとかわからないとか、状況をコントロールできるとかできないとか、そういう変数に作用されない関係が確かに存在すると、映画が崩壊しかねないギリギリのレベルで証明しようと必死なんだな>>続きを読む

ハズバンズ(1970年製作の映画)

4.4

人生の迷子という言葉はこの亭主たちの為に。
家に帰らないのではなく、帰れなくなってしまった男の中の性を、これほど克明に記録した映画は一体どれだけあるだろうか。

夜までドライブ(1940年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

トラック野郎達の会話が軽快そして痛快。夜までドライブなんてほのぼのタイトルとは裏腹に、深刻な事態に二回三回と陥りながら、いかんせん男も女も逞しくセンチに引っ張られないので、物語が愚図つくことなく前へ前>>続きを読む

スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

良くも悪くもファンメイド、旧シリーズのエッセンスをこれ以上ない形で踏襲肉付けして、ファンボーイズをうならせただろう一方、ホン上の最大の足枷とも言える「ミディクロリアンより生まれしフォースの申し子・アナ>>続きを読む

007 スペクター(2015年製作の映画)

4.0

この本、このテイストでいくなら、監督はサム・メンデスじゃなくても、ボンドはクレイグじゃなくても、と一瞬でも思ってしまった点が前作スカイフォールに及ばなかった。悔しい。

岸辺の旅(2015年製作の映画)

4.5

ホラーとラブストーリーの境界がこんなに近接したことがかつてあったんだろうか。不確かな存在のその不確かさをショットの連なりだけでこんなに豊かに語れるなんて!
その不確かさがたち現れることへの恐怖ではなく
>>続きを読む

コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

キャラクターの対照性を引き立たせるための演出にご執心で、面白いといえば面白いのだけど、映画としてはどこか決定的に物足りない。アンティーク的なスパイ描写もややもすればあざとく見え。トム・クルーズのキャス>>続きを読む

セインツ -約束の果て-(2013年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

感情がショットを導いていくっていうのはこういう映画を観てつくづく実感する。サスペンスの緊張感が漲る中をここまで畳み掛けるように演出してくれたら、あとはもう自分の経験や知識なんてものは放りだして、映画に>>続きを読む

エベレスト3D(2015年製作の映画)

3.8

なぜ登るのかと問いかけられて、なぜ作るのかという自問自答だけを残してしまったかのような作品。それだけに踏み込みは弱いけど、いわくつきの実話に対する適切な距離感を取るよう努めた結果であり、その実直な姿勢>>続きを読む

アバンチュールはパリで(2007年製作の映画)

4.0

ロメールよろしくモンソーのパン屋の女の子の脇を素通りして、ひたむきにハングル美女の脚を追ったかと思えば、嘘も誠もへったくれもなく、ロマン全開の大空を描いた自作の真下、夢とも現実とも言えない女の腕にノロ>>続きを読む

3人のアンヌ(2012年製作の映画)

4.1

映画にただのセックスを見たいなら他を当たってくれと言わんばかり。堂々めぐりの、めくるめく、探索の旅路。帰着点のない循環の中で、それでも海からライフガードが走り出てくる瞬間に、物語への期待が生まれる。期>>続きを読む

股旅(1973年製作の映画)

4.5

時代劇の衣を纏っているようですが、その内実は剥き出しの若者パンクムービー。形式を義理堅く重んじているようで、それはもう崩壊寸前のギリギリの緊張感がそこいら中に張り詰めていて、爆発の時を今か今かと待って>>続きを読む

正しい日 間違えた日(2015年製作の映画)

4.5

○○マジックなどと謳うその手の仕掛け推し映画は正直趣味でないし、そう簡単には乗らねえぞとかなり挑戦的な気持ちで観たけれど、あえなく散った。
ホンサンス流バタフライエフェクト。何気なく発する一言、仕草、
>>続きを読む

ガールズ・ハウス(2015年製作の映画)

3.4

演出が冴えてない、非常に大雑把だけど、その一言に尽きる。ペルシアンガールズムービーとしては面白いけど、ミステリーとしては落第点。主人公たちが花嫁の死を知る冒頭シークエンスのヌルさで完全に冷めてしまった>>続きを読む

タンジェリン(2015年製作の映画)

4.3

軽快かつ表層的なやり取りがキャラクターやストーリーの深層と逐一結びついていく、実はとても映画らしい骨太作品。カマたちのマシンガントークとよもやのクラシック、EDMのマッシュアップが生み出す奇怪なグルー>>続きを読む

エル・スール(1982年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

屋根裏の謎と南部の距離感。
前者はいともたやすく決壊するのに、後者はどこまでも遠い。幻の後編がとても気になる。彼女はエルスールに何を見るのか。

クラシカルな佇まいでありながら、常にどこか隙があって、
>>続きを読む

アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ビル・ナイが素晴らしい。人の何倍もの人生を生きたからこそ味わうだろう憂いと反面の潔さ、明朗さが、その眼差し、所作、言葉の端々に滲み出てる。役作りのために実際タイムトラベルを繰り返したんじゃないかと疑う>>続きを読む

ブラックハット(2015年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

マイケル・マン好きだけど…とか言って低評価つけてる人たちは何を見てるのか。
サイバーネット内で迷子になり、唐突なロマンス (しかもこれは脚本上かなりの必然性がある) に惑わされ、過去のマン作品に引きず
>>続きを読む