とどのまつりさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

とどのまつり

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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

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キャラクターや物語などよりもロケーションとそこで暮らす人々に興味があるのがよく分かる。洗濯物、漁場、船、かっこいい。ベルイマンっぽい瞬間があると思ったけどこっちが先だった。

空に住む(2020年製作の映画)

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カメラが正面に入るところにもイマジナリーラインをまたぐところにも必然性が感じられた。階段が登りも下りも好き。

生きちゃった(2020年製作の映画)

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ラストのテンションが映画全体の中で成立しているとは思えない。

三重スパイ(2003年製作の映画)

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『スパイの妻』のサブテキストとして。当時のフランスとその周辺の事情をよく知らないこともあり、この膨大なセリフを処理しきれなかった。

Helpless(1996年製作の映画)

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田村正毅の撮影は本当に良い。ファミレス、喫茶店、トンネルなどハッとさせられるショットが多数。いかにも90年代っぽい空虚な感じも好き。この内容で80分なんだからそりゃ『EUREKA』はあの尺になるわと納>>続きを読む

驟雨(1956年製作の映画)

4.5

カッティングがキレキレでビビる。会話劇なのにアクション映画見てるみたいだった。ラストの唐突な紙風船に笑う。

神田川淫乱戦争(1983年製作の映画)

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遊びまくってて最高。こんな風に映画撮れたら楽しいだろうな。

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

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良いなと思って途中まで見ていたのだけど、バレエのコンクールを境に急に映画が停滞し始め、そこからは長い長いエピローグを見せられているようで退屈だった。

ヴィタリナ(2019年製作の映画)

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暗闇とそこに差す光を凝視することで何かが見えてくる、気がした。ヴィタリナの足元のカットと屋根上のショットが印象的。唐突にかっこいい飛行機のショットが出てきてびっくり。

秋立ちぬ(1960年製作の映画)

4.5

今のところ成瀬で一番好きかも。カブトムシの使い方、アイテムとはかくあるべし。秀男と順子が各地を歩き回るシーンが総じて良い。走る、登る、投げるといった子どもたちのアクションの面白さ。線路、海辺、埋立地の>>続きを読む

大地の子守歌(1976年製作の映画)

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話は大して好きじゃないけど、感情よりも行動が先にくる原田美枝子は見ていて楽しい。これと『青春の殺人者』が同じ年だなんて、さぞかしみんな驚いただろうなと思った。

曽根崎心中(1978年製作の映画)

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梶芽衣子の顔が終始凄まじい。とにかく死だけを見ていて、既に死界に半分足を踏み入れているかのような。
セリフといい演出といい、この過剰さもある種のリアリティをもって成立していることについて考えたい。

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)

4.5

撮影がめちゃくちゃ良い。冒頭の襲撃シーンから引き込まれた。特に夜が明けてからのライティングも見事で、扉も窓もカーテンも少し開けておく(破っておく)ものだと学んだ。教会のシーンや光に消えていく人々など凄>>続きを読む

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

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かったるいところも多いのに豪華すぎる音楽でなんとなく良い感じになってるのずるい。財力。

ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

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外国人の撮った日本を見るのはやはりどこか恥ずかしい。特にこの手の話で主人公と一緒にロストイントランスレーションできなかったのはかなり致命的な気が。まあそれを差し引いても面白かったけど。

山の焚火(1985年製作の映画)

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家族という閉じた関係の中でこの題材を扱っていながら、全くじめじめした話になっていないところに、自然の神話的なスケールの大きさを感じた。
引きなんてもんじゃない引き画と縦構図にビビる。家の作りが面白い。
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たまもの(2004年製作の映画)

4.5

ピンク映画の皮をかぶった『勝手にしやがれ』。初期の北野映画の雰囲気もある。大胆かつスマートな省略にジャンプカット。顔で語る林由美香はまるでリリアン・ギッシュのよう。

けんかえれじい(1966年製作の映画)

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桜吹雪やはしごのシーンのロングショットは美しくて好きだし、ローラースケート、ピアノ、回る車輪など遊び心のある演出は単純に楽しいが、終盤になるにつれてこれは暴力とその先にある戦争の話であったことに気付き>>続きを読む

くちづけ(1957年製作の映画)

4.0

ものすごいスピード感。特に冒頭から江ノ島デートまでのさばき方とか半端じゃない。ラストは「これで理由ができただろ」なんてしびれる。

巨人と玩具(1958年製作の映画)

4.0

『その場所に女ありて』みたいな話だけど、こっちはサスペンスというよりシニカルな喜劇調。徹頭徹尾、資本主義がバカにされていて痛快。めちゃくちゃ軽いノリで覚醒剤が出てきて笑う。

動脈列島(1975年製作の映画)

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確か『新幹線大爆破』と併映だった。ラストが尻すぼみだった印象がある。

鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ面白い。首チョンパ、坂落ち、ダンス、動物園、傘。物語ではなく、ひたすら画の強さと活劇で引っ張っていく姿勢が最高。もはやギャングと見分けがつかない警察の描写が面白い。ラストは往年のノワールへ>>続きを読む

ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

5.0

まるでこれが自らの遺作となることを予期していたかのようなラストのヤンヤンの独白に泣いた。見えないものを見せてくれて、知らないことを教えてくれて、人生を3倍にしてくれてありがとう。

青空娘(1957年製作の映画)

4.5

多幸感に満ちてて泣きそうになる。もう大好きとしか言えない。

越前竹人形(1963年製作の映画)

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時間の断絶で感情も断絶している気がしなくもないのだが、随所にハッとするショットがあるから退屈しない。竹切るところとかラストとか凄い。
鴈治郎&玉緒親子がとても良い。とりわけ、ラストのもはや概念と化した
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(1974年製作の映画)

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過去と記憶の違い。人間たちよりもある意味で雄弁な風、水、火、草、木。

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.5

DVDで見たときに感じたショットの長さ、遠さ、暗さ、見えなさもスクリーンで見ると不思議な説得力があった。全てのショットが強烈で忘れがたいが、庭で見かけた小明のもとへ向かう小四と、それを追って横移動する>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

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小説的な謎解きなど映画に求めていないし、そんな脚本の確認作業みたいなことが映画の面白さだなんて全く思いません。

小早川家の秋(1961年製作の映画)

4.5

『秋刀魚の味』でもそうだったけれど、晩年の小津の興味はもはや縁談などにはなかったのだと思う。一見『東京物語』の変奏のようでも、カタルシスはもうそこにはなくて、あるのはただ老いと死と虚無だけ。ラスト10>>続きを読む

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

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late90s生まれの身としては、映画が意図するところのノスタルジーは全く無いのだが、物語自体は普遍的で共感できた。ボードのシーンでの運動のとらえ方が良い。みんなで坂を下ってくるカットでは三宅唱『Pl>>続きを読む

8 1/2(1963年製作の映画)

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フェリーニの自意識ダダ漏れ、倫理観崩壊の女性描写に笑う。ハーレムのところとかひどい。
それでいて自己満足には終わらず、それを映画内で断罪していくドMっぷり、というより予防線を張っているのか。

刑事ジョン・ブック/目撃者(1985年製作の映画)

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サスペンス部分よりものんびり田舎ライフの方が長く、想像していたのとは大分違ったがアーミッシュの暮らしを知れただけでも大満足。納屋建てるところ良かった。

台北ストーリー(1985年製作の映画)

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ホウシャオシェンが襲われるカットがロングショットで撮られていることに強い説得力があった。台湾での日本、欧米文化の受容のされ方という意味でも見ていて面白い。

ふたり(1991年製作の映画)

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第九の演奏会、マラソン大会、姉の事故死シーンなど割とシリアスな題材に反して合成が暴れまくってて楽しい。
妹と死んだ姉の関係性と残された妹の成長物語はとても良かったんだけど、両親の存在感が増した後半は行
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あした(1995年製作の映画)

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女優を脱がせたがるのはいつも通りで笑えるけどこれはやや過剰。
群像劇の形をとってこそいるものの、複数のエピソードが噛み合ってどこかに収斂していくという作りではないので、再会や別れをいちいち反復するとこ
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