neohetareさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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無法松の一生(1958年製作の映画)

3.5

アグファカラーの発色が綺麗。
この映画の一番の売りはこれだと思う。

凝ったカメラワークを多く施していたけれど、被写体より先行している予定調和なカメラでそちらはあまり好きではなかった。

ネガ反転を使
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女が階段を上る時(1960年製作の映画)

5.0

素晴らしいです……。

どんなに辛い毎日であったとしても生きてゆくのだと、弱さを飲み込んだ上で闘い続けることを決めた人間の強さがはっきりと打ち出されている。

本作でもやはり高峰秀子演じる圭子の役どこ
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西鶴一代女(1952年製作の映画)

4.0

竹藪での移動撮影の長回しカット凄い。
やはり溝口さんの長回しは変化に富んでいて理想的。

タルコフスキーが敬愛する映画監督として黒澤、溝口、ブレッソン、ベルイマン、アントニオーニらを挙げていたけれど、
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山椒大夫(1954年製作の映画)

4.6

溝口作品鑑賞6本目。
美的観点において監督の最高傑作なのではないか。

肝心な所で使われる長回しが凄い。
ただ居ること/あること/運動そのものに意識を向けさせる長回しではなく、時空間の連続性を保つこと
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驟雨(1956年製作の映画)

4.0

夫婦間、近所間での皮肉のぶつけ合いの会話が面白い。
あの紙風船バレーで締めるのすごいな…。

近松物語(1954年製作の映画)

4.5

小舟で心中しようとするシーンから一気に熱量が高まって面白かった…!

Blu-ray買って観たけど音も画もクリアで甲斐があった。

稲妻(1952年製作の映画)

4.0

聡明で気丈な高峰秀子が素敵。
清子の部屋でのラストシーン、希望が湧いてくる内容で良かった。

祇園の姉妹(1936年製作の映画)

4.0

「なんで芸妓みたいな商売、この世の中にあんのやろ。こんなもん、間違うたもんや。こんなもん、無かったらええんや」

その通りでしかない。

芸妓は旦那の経済力を当てにする他無いという状況下で、おもちゃさ
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浮雲(1955年製作の映画)

4.7

成瀬巳喜男、やっぱりフェリーニです。

ゆき子さん、惚れたもん負け……だけどしがみつきまくった結果最後の最後に少し勝った、かもしれませんね……。

・被写体をセンターに素直に捉える傾向。
・移動のショ
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赤線地帯(1956年製作の映画)

3.5

発狂したゆめさんが乗せられた病院行きの車、『サクリファイス』で発狂したアレクサンドルが乗せられた車と同じだ。
タルコフスキーさん、ここから拝借してたのでは…!

乱れる(1964年製作の映画)

5.0

ヤバい、とんでもなく傑作。

高峰秀子の特大熱演…。

ラストに礼子が駆け出した所でメインテーマが流れた時、「この映画は日本の『道』だよ!」と強く思った。

テーマは一人間としての自己と一人の女として
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按摩と女(1938年製作の映画)

4.2

目が見えないからこその眼の鋭さ。

「東京の女」が何かに怯えて、何かから逃げようとしていることを按摩だけが感じ取り、それからというもの彼は「東京の女」のことが気に掛かって仕方が無くなってしまうのだった
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青空娘(1957年製作の映画)

4.2

爽やか映画。

海と空がよく見える崖に白いブラウスと赤いロングスカート姿の若尾文子が立つだけでとても良い画になってしまう。

ノースリーブのブラウスが、快活で苦境にもめげない強さのある有子によく似合う
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最高殊勲夫人(1959年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

軽妙洒脱の極み。愉快愉快。

始まって第一声が「現代は、月にロケットをぶち込む時代であります!」なのおもろい。

長女の桃子さんのキャラクターがとても個性的で、話をぐいぐい引っ張っている笑
色々と謀略
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禁じられた遊び(1952年製作の映画)

3.0

クレジットの出し方おしゃれ。

無垢で行き過ぎた倫理観に引いちゃった…

暗黒街の顔役(1932年製作の映画)

4.0

面白いしとてもよく出来ているけど、他のホークス作品の方が全然好きだ。
今のところベストは『脱出』。

数日間狂ったようにホークスしか観ていなかったので、日を置いて機運が熟した時にまた未見の『リオ・ブラ
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教授と美女(1941年製作の映画)

4.0

やはりホークスの映画は音楽シーンが魅力的だ。ドラム・ブギー、マッチ・ブギーのシーンが楽しい。

百科事典編纂の仕事をしている所にギャングの愛人が転がり込んで来るなんてとんでも設定よく思いつくなあ。
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脱出(1944年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

うわーめっちゃ良い〜!

『三つ数えろ』と連チャンで観たけどハンフリー・ボガートとローレン・バコールの掛け合いと雰囲気が最高だ。(『脱出』が初共演なのね)

強気なスリムとそんなスリムを受け止めつつ引
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三つ数えろ(1946年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

「一つ忘れているわ。私のことよ」
「何を言ってる?」
「私も何とかして」
で終わるのクールすぎる。

歌っているビビアンとマーロウがハンドサイン交わすとことかも良い。

ホークス作品鑑賞2本目だけど、
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ヒズ・ガール・フライデー(1940年製作の映画)

4.5

サスペンスでありコメディ。

台詞の間の無さが凄い。
よく言う「テンポの良いの会話」など通り越しているマシンガントーク。
相手の言葉を皆まで聞かずして食い気味に台詞が飛び交っており、笑い所にも切迫感の
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めまい(1958年製作の映画)

4.5

おもしれえ…

眠いのでメモだけ。

・ソール・バスのアニメーション
・カメラを引きながらレンズズームをかけるめまいショット
・マデリンの象徴としての緑色
・段取りを端折った編集(個人的には切り過ぎと
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去年マリエンバートで(1961年製作の映画)

3.0

あたしのおつむじゃよくわからない実験めいたことをしておられた。

執拗な反復、病的なシンメトリー構図、堂々巡りなモノローグでしんどかった。

言葉が映像を先取っていた印象で、言葉と映像の距離感とかにつ
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ゲームの規則(1939年製作の映画)

4.7

これは凄い。

人の気持ちの移ろいやすさがとてもよく現れている。
というか、一時の感情による人間の変化が上手いこと収められている。

狩りが結末に向けての暗示になっているのも良い。

台詞の傾向は違う
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アニー・ホール(1977年製作の映画)

4.5

「名前をつけて保存」の映画っすね。
アニーとの出会いのシーンが良いなあ。

マンハッタン(1979年製作の映画)

5.0

トレイシーの「少しは人を信じなきゃ」という言葉への「……そうしてみようかな」という具合のアイザックの小さな微笑みが本当に素晴らしかった。

人間皆綺麗になんか生きれていないけど、でもそういうもんだしそ
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