ツクツクボーシさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.5

特に原作ファンでもなく、TVアニメ版のみ視聴。ようやく重い腰をあげて観賞。ほぼ満員の劇場。

絶賛に染まるのも頷けるクオリティで、初監督作とは思えない原作者の映像理解の深さに驚く。大抵こういうの、一枚
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キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.8

監督がガイ・リッチーだけあって、ただのB級作品にならないひねりと、敵の軍隊仕込みの規律故の強キャラ感が引き立つ。

あの警備会社内で敵に通じてたヤツとか、指令役の軍曹、そしていかにもやらかしそうな悪役
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.2

主人公凄すぎるぞ、そのポジティブ思考。真っ直ぐさ、勢い、規格外。多分カッコいいとはこういうこと。3人とも最高すぎる。

多くの人が指摘するように、3D部分が浮き気味でルックスは未完成な感じ。ここだけ出
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.2

助けた男が追放されたマルチバースの征服者でした?

MCUの話には最近ついていけず、あくまで「アントマン」と監督のファンとして観に行ったのだが、上記の冒頭シーンになんの引っかかりもサスペンス的宙吊りも
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バビロン(2021年製作の映画)

3.8

1~5点のどれをつけても正解のような気がする。映画史を多少とも齧ってると余計に悩ましい。冒涜…とくにデブ君ことロスコー・アーバックルの扱いはあまりにもあんまりすぎる。これでは名誉回復もくそもないな。>>続きを読む

トムとジェリー(2021年製作の映画)

3.0

マイケル・ペーニャにケン・チョンとコメディ系俳優登場は嬉しいが、「トムとジェリー」にそもそも人間の実物とか会話が必要かというと…背景含めて実写でそれをやる理由に乏しい気がする。アニメだからこそ安心して>>続きを読む

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

3.9

甘々なようで、案外しめるところはしめる。直球ひねりなし、90分という優秀な作品。アニメーションはモニター前の退屈な編集作業すら動きのあるエモーショナルなシーンに変える。ただ、タイトルはポンポさんという>>続きを読む

白鯨との闘い(2015年製作の映画)

3.6

ん?実話ベースの地味さだろうか。

ロン・ハワードだけに「老人と海」みたいな男の戦いを勝手に想像してたのがいけないのだろうが、なんか締まらない感じのどっちらけ。白鯨とは一体なんだったのか。サバイバルな
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「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ(2023年製作の映画)

4.0

これタイトル困ったろうな。作品としてどうというより体験としてどうだったか?という感じ。ファンサービスとしての興行だよね。当然深夜にさしかかるのでちびっ子は居なかった。

つくづく遊郭編の10話は、アク
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夜の河(1956年製作の映画)

3.8

結末が容易に予想ができる筋立て。しくじった上原謙。そして山本富士子。メロドラマ的規範は彼女の理性。まあ、資格が問われるのは大抵男だけなのですが。

キャリアウーマンの恋路を扱ってるという意味で先進的。
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

カジュアルなレストランに入ったら本格コース料理が出てきた感じ?一部を除いて大体英語だけど。

「ヴィンランドサガ」と同じ土地だったかこれ?と思うほど怪奇な異界ムードと奇異な習俗の醸し出す旨味がこれでも
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赤い天使(1966年製作の映画)

4.2

死(絶頂)に向かって覚悟ガンギマリな従軍看護士の話。いや、患者をなんとかしようとして結果相手は死ぬ。真面目なんだけど、自分にも正直というか。結果だけみると死の天使だよなぁ。川津祐介演じる両腕切断した男>>続きを読む

かがみの孤城(2022年製作の映画)

3.9

気になるところは色々ありつつ良くできた設定と謎解き、そして人間ドラマ。高山みなみakaコナン君に「真実はいつも一つ」と言わせちゃうのはご愛嬌。

悪い大人としてはついつい幾つものバッドエンドを考えてし
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ソードフィッシュ(2001年製作の映画)

3.5

ヒュー・ジャックマンが天才ハッカーという設定にはさすがに無理を感じる。オタク度とかナード臭が足りないというか…ウルヴァリンすぎる。

観客を欺くストーリーテリングはまあまあ。無理とか無茶とかそんなのト
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ガメラ3 邪神<イリス>覚醒(1999年製作の映画)

4.1

渋谷の人だかりに容赦ない巻き添え食らわせる二大怪獣による破壊描写は、二十数年年後も全く古びることがない。これこれ。こういうのが欲しかった。描写もそうだが曲まで微妙に「シン・ゴジラ」が本作に寄せてるんだ>>続きを読む

ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)

4.0

スゲー!なんと志の高い映画。絵作りが良い。怪獣や爆発、崩れゆくビルの中の人を捉えるなどカロリーの高い破壊と人間パートが上手く融合している。

そもそも私はなんでゴジラは見て、ガメラを避けてきてしまった
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不思議なヴィクトル氏(1938年製作の映画)

3.8

不思議というか、どうみても不審すぎるヴィクトル氏という感じ。フィルムノワール系では「奇妙な女」ともこのへんのニュアンスがやや似ている印象。とにかく、この犯罪を裏から操り殺人まで犯したヴィクトル氏のうろ>>続きを読む

百年の夢(1972年製作の映画)

3.8

冒頭の謎電子音?予告編が幻想的と思ったのはどうも幻か。おもしろいとかどうというより寒村のうらぶれた(失礼)爺婆の皆さんの生き様を言葉と何よりその顔で刻みつける。

ベン・ハー(1925年製作の映画)

3.7

迫力の戦車レース!地中に埋めたという下からのカメラアングルが凝っていて、劇伴(生演奏)もクロスカッティングの段々早くなる切り返しに合わせていつになく煽りに煽ってくる。中間字幕がライブ感を損なうと判断さ>>続きを読む

ホーム・アローン2(1992年製作の映画)

3.8

当時もあぶねーというか死ぬと思ったが、屋上からレンガを頭上に落っことすとかモルタル袋をひもの先に結びつけるとか執拗な頭部狙い攻撃が狡猾な上に凶悪。油断ならないガキである。お馬鹿な泥棒コンビと頭脳戦のド>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.0

映像は大変なもの。いや凄いというか、凄すぎる。格がそのへんのハリウッド大作映画より一つ二つ上。技術オタクのこだわりが画面の隅々まで貼りついたヤバいやつ。オタクが一つ一つ検討に検討を重ね大出力で生態系ひ>>続きを読む

悪霊(1987年製作の映画)

3.9

ワイダの難解な方。ただし、なんとなく惹かれる芸術的音楽的グルーヴ感。「ダントン」と同じくそのタッチの求心力に魅力される。

かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-(2022年製作の映画)

4.0

「アバター」続編公開するのに何故か観たのは本作。シネフィル失格です。「かぐや様」はテレビシリーズOVA含めて全て観賞済み。あの最高すぎるラストの後どうするんだ?と思ったら全く同じタッチで妥協のない面白>>続きを読む

レーチェル レーチェル(1968年製作の映画)

4.0

いやぁ驚いた。未婚毒親持ち実家住まいの不安定な地味中年女性が主人公。このジョアン・ウッドワードの佇まいやルックスが美女とおばちゃんの微妙な境界を行き来する感じで安定しない。しかもこの主人公の内気な妄想>>続きを読む

天使にラブ・ソングを2(1993年製作の映画)

4.0

話の展開は予想通りというか、大枠ではぬかりない。そしてそんなことはどうだってよくなるパフォーマンスの楽しさ。段取りぽくないのが良い。子どもたちの背景もそう詳しく描かれているわけでもないのだが、素材の良>>続きを読む

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.7

ゆったりとたゆたうペース、境界が不透明な幽玄な映像美、優れた衣装デザインがアートな手触り。ただ、決して分かりやすくないのがね…。結局色々なんだったんだアレ感???テキトーに斧とか馬とか戻ってくるし。不>>続きを読む

マッドゴッド(2021年製作の映画)

4.5

天才の脳内悪夢原液100%なドログチャ粘液ゲロ系ストップモーションアニメ。フェティッシュなこだわりが強く奇想と暖かみのある闇と暴力という感じ。シュヴァンクマイエルやクエイ兄弟ぽいが、作風としてはソール>>続きを読む

東京流れ者(1966年製作の映画)

3.7

分かるような分からないような話はともかく、演出と曲を楽しむタイプの映画。ほぼミュージカル。あと渡哲也カッケー。清順のスタイル偏重な姿勢は既に本作の時点でかなり顕著だったのね。

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

3.8

ファンに殺されそうなんだが、正直このシリーズにそこまで乗れなくて…。多分、絵柄が趣味に合わないくらいの本当にしょうもない理由です。誠に申し訳ございません。

とグダグダいっても、この清新な絵作り!手間
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マイ・ボディガード(2004年製作の映画)

4.0

「イコライザー」ほど無双してないが、それでもデンゼル先生強すぎる。まずまずアリ?な線で序盤は応戦しつつ、その後誘拐したマフィア相手に大暴走。あっけなくならないのは、真相が徐々に明かされる話運びの見事さ>>続きを読む

ノベンバー(2017年製作の映画)

4.5

パンク×フォークロア×奇想な悲恋映画。完全に人を選ぶアートフィルム。なんたっていきなり牛が使い魔のタケコプター(違う)で飛んでいくのだから。死者や悪魔と共に生きているような世界観を絵で見せていく一つ一>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.2

一度で内容や理屈全て理解まではいかなかったが、笑いを交えた軽やかな語り口は安心感さえある。もはや巨匠の風格。無論これは震災を題材にした内容の重さから必然的に導かれたものとは思いますが。謎伝奇ネタを娯楽>>続きを読む

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)

2.8

(おっ今日の金ローは…何かのドラマの総集編?と思ったら映画本編だった。不快度数の高い登場人物のわざとらしい一挙一動に白ける。とてもじゃないがギブアップ。)

河と死(1954年製作の映画)

3.5

殺された方が殺した人物の家にいく葬送や、決闘の後生き残った側が河を超えればセーフみたいなメキシコの不思議な因習は大変興味深い。ルールや信義を重んじる姿勢に勝手に意外性を感じた。ラストに至る導線は仕組ま>>続きを読む

幻影は市電に乗って旅をする(1953年製作の映画)

3.8

なかなか面白い世俗的コメディ。運営のいいかげんさもこの時代の大らかさそのもの。盗んだ廃車予定の市電で走り出す酔っ払った二人の運命やいかに!(乗客も勝手に乗ってくるよ)台詞なしの遠景ショットでユーモアた>>続きを読む

キリングゲーム(2013年製作の映画)

3.3

デ・ニーロvsトラボルタ。どうしてもこの商品としての体裁が評価や批評の印象を悪くしている。二転三転する展開、憎さ余って只では殺さない作劇は定番だけど〆の挿話の結末(「終戦を伝えるべきでしたか?」)も決>>続きを読む