ツクツクボーシさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

つまりどゆこと?

中盤以降の演出は母と父の言うどちらが真実か?嘘つきか?宙吊りにしてサスペンスを不十分ながら(父親の登場が少なすぎ問題)醸成するのだが、明後日の方向にぶん投げたラストショットはなんの
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カムイ外伝(2009年製作の映画)

1.5

開始3分で解散。壊滅的に何もかも酷い。ます単純に見るに耐えないルックス。映画らしい空気感を捕まえようともしない無策なカラーグレーディング。今時の素人のほうが数段上手く作るだろう。酷いCGとワイヤーアク>>続きを読む

メアリと魔女の花(2017年製作の映画)

3.5

絵は凄く良い。ジブリっぽくてもジブリではないディテールとキャラデザがあちこちで新鮮。ただ、どういうわけかあまり面白くない…。新入学したエンドア大学であれよあれよと天才魔女として持上げられていくのだが、>>続きを読む

源氏物語(1987年製作の映画)

3.8

神保町シアターにて。

比較するなら押井守の「天使のたまご」。豪華な布陣でおくるバブル前夜の芸術的アニメーション。細野さんの音楽が凄く良い。想像上の平安時代という感じな電子音楽。

緩やかなペースです
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

平山が手に取る本がフォークナー、幸田文ときてパトリシア・ハイスミスというチョイス。製作にはローソンやらユニクロやらなんか大きいとこが絡んでいるがまあ一旦それらは忘れよう。

スマホ持ってないトイレ掃除
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.3

風俗考証の細部にディープに拘った戦前戦中描写、一人一人モブの芝居までその時代「らしさ」が匂い立つ傑作。もはや実写を超えたリッチな再現度。それでいてちゃんとトモエ学園の子どもたちと小林先生の話になってい>>続きを読む

屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)

3.7

イマジナリーフレンド第二の人生みたいな映画。想像力や想像の友達に未来があるかというと…ある時もあるかもという感じなのでどっちかというと彼らが死や無に還ることを受け入れる準備の話に見える。どうしても「ト>>続きを読む

プリンセスと魔法のキス(2009年製作の映画)

3.6

2Dアニメはやはり良いな。今ほど政治的に先鋭化してなかった頃ということもあって、単純に楽しませようという趣向が盛り沢山。ニューオリンズが舞台なので音楽もジャズ!可愛らしいストーリーだけど、良くも悪くも>>続きを読む

ハングオーバー!!! 最後の反省会(2013年製作の映画)

3.5

冒頭のテンションと不屈のチャウ(笑)。導入だけなら傑作感溢れているんだが、ちゃんと面白いのは確か。

前二作と趣向を変えて、アランの成長を犯罪映画の体で描いている。ハチャメチャだけど妙にキチンとしてい
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(2023年製作の映画)

4.0

ビートたけしがつくるとこうなるよなぁ、という戦国時代絵巻。たけしやりたい放題。大河ドラマがいかにこの時代をキレイに描きすぎてきたか教えてくれる。ある意味適任者といえばそうで、女性を描くのが下手ならいっ>>続きを読む

故郷(1972年製作の映画)

3.8

ドキュメントタッチというだけあって劇映画では絶対やらないカメラワークがちょっとだけ新鮮。内容は微妙に既視感と郷愁に誘われる島の描写。渥美清が出るとアフリカ(ブワナ・トシの歌)でも本作の瀬戸内海でも寅さ>>続きを読む

ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える(2011年製作の映画)

3.5

1とほぼ同じ話ながら色々言いつつ楽しめる。チャウがいないとちょっと弾けたりない気がしてしまう。マイク・タイソンの下手っぴな歌は誰得?

アナライズ・ミー(1999年製作の映画)

4.0

気安く楽しめるウェルメイドなコメディ。このくらい親しみやすい作りはコンテンツ疲れ(?)な身としてはありがたい。精神分析医がマフィアのボスのノイローゼ治療するだけの単純明快さ。もろ「ゴッドファーザー」パ>>続きを読む

ノートルダムの鐘(1996年製作の映画)

4.1

アニメーションとしては終盤の恐ろしく手間(多分年単位で)のかかったであろう群衆作画が神々しく、いやぁもうなんて芸術作品!というしかない。神作画もいいところである。アングルまで移動しながら、これを2Dで>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.8

終盤鬼太郎と猫娘出てきて、そういえばこれ「ゲゲゲの鬼太郎」だったなと思うなど。大人向けという評判も納得なドロドロした田舎の一族の因習モノ。それも情け容赦のなさはなかなかのもの。妖怪描写は「呪術廻戦」ぽ>>続きを読む

サイレント・ツインズ(2022年製作の映画)

3.6

実際なぜ二人は周囲と話さなくなったのかというと、ある契機があってとかでなく過程でなんとなく(若干意訳)という監督の説明がいかにもという感じ。

双子の二人だけの関係性は演技も素晴らしく大変説得的。実際
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ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)

3.8

好みはともかく、家族の関係性がいきいきとして説得力がある小品。本作がオスカーだったらまあ分かる。ディズニーから久々に心のこもった贈り物という趣き。

ジェイコブス・ラダー(1990年製作の映画)

4.0

ベトナム戦争帰還兵の見る悪夢。まあオチはこうなるよねという「未来世紀ブラジル」感。不穏で宙吊りのまま進行する悪夢、ベトナム戦争での疑惑、陰謀論、定められた死。ドラッグで見る悪夢は宗教的バックグラウンド>>続きを読む

オーバー・ザ・トップ(1987年製作の映画)

3.9

話はモロに定型ではあるが描き方が良い。息子との関係、本当の親子になっていく様は分かっていても情に絆される。息子にトラック運転させるあたり「チャンプ」(31)を思い出すな。まあ免許とか免許とかどうなんだ>>続きを読む

13時間 ベンガジの秘密の兵士(2016年製作の映画)

3.3

マイケル・ベイにしては火力(カロリー)控えめ。それも当然の実録モノ。混乱した状況を敢えて未整理に不透明な感じに見せる演出がなかなかリアル。ずっと薄氷の上にいる感覚がある。ただ、それ故かリビアの人々ほぼ>>続きを読む

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

4.0

なんで劇場公開時本作をスルーしちゃったんだろなと言いたくなる良作。監督ジョン・ワッツはインディーズの頃から注目されてたが、やっぱり才能のある人なんだな。

一作目ビミョー、三作目はある種禁じ手のファン
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.1

やりたいことを存分にやりつつ、話は大衆の方に阿る。テーマ的には正しいが同時に商業的な都合も大いに感じさせる。監督山崎貴は時に迷脚本で見事なルックスの映画を作りつつ、なんかポジション的に損している印象が>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.7

終盤なんてほとんどギャグに突入する不死身の男の映画。さすがに無理があるだろう、死んだろうと思う瞬間が何度もある。縛首を耐えるの無理じゃね?敵(ナチス)がナメプしてくれるおかげというのも大いにあるのだが>>続きを読む

アアルト(2020年製作の映画)

3.4

フィンランドの建築家・デザイナー、アルヴァ・アアルトのバイオグラフィー。正直淡々としすぎて大分船漕いでた感じ。本人の人たらしっぷりは際立ってたが。

北極百貨店のコンシェルジュさん(2023年製作の映画)

4.0

デフォルメの効いた洗練された絵柄。短い時間にしっかり起承転結詰め込んだ良作。設定を細かく考え出すと色々おかしいのかもしれないが、見ている間は気にならない。

ある意味、仕事の延長上みたいな作風だから仕
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アオラレ(2020年製作の映画)

3.2

最初からネタがわれてる「激突」感。良くも悪くもボンクラ感のあるスリラー。「アオラレ」というよりもう私は煽らないという教訓。本編の損害だけみても、刺激したら負けとしか言いようがない。

追う側も追われる
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オクス駅お化け(2022年製作の映画)

3.4

いっちょ「リング」ぽいものよろしくされたと思しき一本。一々部屋が暗い、ジャンプスケアの多用など手垢のついた演出にひらめきは少なくガッカリ。怖くない。そのかわり話はちゃんと謎解きしていて復讐モノに帰結す>>続きを読む

北斗の拳(1995年製作の映画)

2.8

ハリウッドとしてはそこそこ真面目に取り組んだと思しき実写化。酷いけど。

引きのショットの少なさから低予算感が隠せない。人体破壊の特殊メイクや特撮はまずまず。でも肝心の北斗神拳の秘孔突きが猫を撫でるよ
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フライト(2012年製作の映画)

3.7

迫真の航空事故シーンがハイライトなのは「ハドソン川の奇跡」と同様。こちらはとてもスッキリするタイプの作風ではなく、ダメダメなアル中ヤク中機長が懺悔に至る人間ドラマ。事故調査委員会の追求が微妙に優しいの>>続きを読む

サイダーのように言葉が湧き上がる(2020年製作の映画)

3.9

爽やか、青春、わたせせいぞうぽいポップなカラーリング。これでもかと盛り込まれたディテールで目を楽しませる。新海誠作品の影響はあちこち見て取れるのだが、そのフォロワーのなかでも出色の出来。

地方のモー
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チェンジング・レーン(2002年製作の映画)

3.6

あー言わんこっちゃない…が続く98分。冒頭の事故から対応を間違え続けてどんどん双方の嫌がらせがエスカレート。嘘を嘘で塗り固める軽率でどうしようもない心の弱さが、却って平熱に戻った二人を和解させる流れ。>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.0

背景に「初志貫徹」のネオン。その勢い、センス嫌いじゃない。なんかそれらしいもので埋めていこうみたいな。作品世界をある意味よく示してくれた感じ。こういうノリと勢いは創作では大事。ただ、アキラは女性名じゃ>>続きを読む

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(2013年製作の映画)

4.0

「アリスとテレスのまぼろし工場」と話がそっくり。そしてこちらもつまりどういうことなんだってば?と言いたくなる謎深き展開。なんでもありになりそうでそうでもない。どこかにある条理をこちらで捕まえなくてはな>>続きを読む

アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

3.8

えっとつまりどういうことなんだぜ?(観賞中の気分)

静的で痛みや苦しみを感じない過去(?)と現実そのもののような未来のパラレルワールド?感情を管理されたaka「リベリオン」な鉄工所のある田舎町?個人
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十三人(1937年製作の映画)

4.0

序盤は壮健だった砂漠の小部隊が200人の敵部隊と相見え、一人また一人と斃れていく戦争映画。これが意外な拾いもの。すごい現代的に派手な見せ場や各々のキャラ描写が多くあるというわけではないのにとにかくひき>>続きを読む