貝さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.0

ちょっと達観した顔つきと表情をするジャン=ピエール・レオがとても良かった。彼の孤独とフラストレーションが嫌というほど伝わる。家庭に問題がある子とない子の顔つきが変わるのを子どもながらに私は知ってた。>>続きを読む

ホームワーク(1989年製作の映画)

4.0

宿題に対する子どもたちへのインタビューで、イランの家庭内、教育環境の問題点を浮かび上がらせる。
永遠に同じ質問だけを繰り返すドキュメンタリーがつまんなそうに見えて、子どもたちの反応も答え方もみんな違う
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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.5

「オトナ」という言葉に不思議な魔法がかかっていた幼少期を思い出す。同時に子供の無垢さや従順さを操るオトナの身勝手さを見せられて裸になった気分。

はじめから代わりに宿題やってやればいいのにと思いながら
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ミックステープ 伝えられずにいたこと(2021年製作の映画)

1.5

なんかわかんないけど翻訳の日本語が下手すぎて言葉が全然響いてこなかった。中学生なりのシンプルな話し方なんだけど、日本語の表現がイケてなさすぎた。

リンダリンダ流れるときいて観てみたけどテーマが思った
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正しい日 間違えた日(2015年製作の映画)

3.0

普通におっさんキモいんだが。
構成やその発想はおもしろいと思う、会話も撮り方も二人の空気感もリアルすぎる。ただ男から見た女感が強すぎてちょっとモヤ。

空白(2021年製作の映画)

3.5

前半部分、混沌としすぎて、もう本当にどうしようもなく苛立った。この人にはこの真実があって、と自分の中で整理しなくては、簡単に暴言吐けそうなほど。簡単に意見を表明できる時代に、自分が何を想像してどう振る>>続きを読む

ベレニス(1954年製作の映画)

3.0

恐らくこれ以降は撮ってないロメールの貴重なホラー作品。暗闇の中で執拗に光る歯が狂気を増幅させてて良い。セリフがなくナレーションと映像だけのシンプルさが想像力を掻き立てる。初期ヒッチコックみてるようなお>>続きを読む

紹介、またはシャルロットとステーキ(1961年製作の映画)

2.0

ステーキは見えないけどうまそう、ひと口だけ食わされるゴダール、例のごとくフラれるが慰めのキッスもらえた
という遊びの10分間。ふつうに茶番。初期作品でもちゃんとロメールだ。

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.0

なんの挑戦もしないまま、もう辞めてしまいたいと思っているけど動けないままでいることがあって、私も30を目前にして、もう本当にどうしたいのかわからない。
みたいな状況で、立場とか全然違うけど、自分と重ね
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SKIN/スキン(2019年製作の映画)

3.5

行き場のない若者を喰い物にするネオナチ集団の闇が描かれていた。ブライオン(ジェイミー・ベル)含む多くの若者が空腹を凌ぐ為に人種差別主義者になっている現実に震えた。実際貧困や格差はヘイトに繋がってて、か>>続きを読む

SKIN 短編(2018年製作の映画)

4.0

たったの20分、肌の「色」で人をわけることの禍々しさを見た。なんてくだらなくて悲しいことだろう。なんで私たちってこうなんだろう。

フェアウェル(2019年製作の映画)

3.5

個人的なイメージでも宗教的にも正直であることが正しいとされてる西洋の考え方と全体主義的な東洋の考え方。アメリカで育ったビリー(オークワフィナ)の思想と家族の思想に食い違いが起きる。移民であることはこう>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.0

豪華なキャストでまるでモデルがいるかのように定型化された人物描写、笑えないほどの風刺に満ちたブラックジョーク。気に入って聴いていたアリアナちゃんの曲とキッド・カディの客演までもがただのジョークだったの>>続きを読む

にっぽん昆虫記(1963年製作の映画)

4.5

ワイルドすぎる!!めちゃくちゃおもしろかった。。
道徳とかそういった概念、そんな言葉さえ存在しないかのようなある東北の村で育った女たちの物語。一家の長である父の変態性に家族全員が目をつむっていたり、あ
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セーラー服と機関銃(1981年製作の映画)

3.0

フェティッシュなモチーフが多様されまくってて、なんか、なんだこれ、ブリッジ、セメント、拷問、セーラーにハイヒールなど意味がわからないけど性的な思惑だけは異常なほど感じてうわぁって気持ち。薬師丸ひろ子の>>続きを読む

21ブリッジ(2019年製作の映画)

3.0

たいしたアレじゃないけどネトフリで気楽に観る用にちょうどいいおもしろい作品だった。こういうポリスアクション系ってスリルだけのおもしろさで好きとかはまったくならないんだけどたまにはあってほしいっていうか>>続きを読む

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

4.0

すごいすごいおもしろい!!舞台でのダンスシーン素晴らしすぎて観客と共に声出しながら観た。本当に胸が踊ったし、見せ方もきっとハンパなく上手かった。ド・ギョンスの素朴で力強いお顔がとても良い。

日常には
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ブルーズド 打ちのめされても(2020年製作の映画)

3.0

あらゆる社会問題を内包しつつ、怒りとともにすべて総合格闘技での闘いに昇華されていってて見事でとても気持ちよかった。
女性が主人公になることで、男性とは違う視点であらゆる問題点を描けてる。あれもこれも描
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ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

2.5

懐古だなあ〜、懐古的すぎる。。私だって90年代生まれのくせに90年代のカルチャーばかり愛した人生だけど、私は未来志向だから、こういう過去にずっと捕らわれてる大人を見るとイライラしちゃうんだよな。極端な>>続きを読む

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

4.0

エリオット・グールドがジャン=ポール・ベルモンドにしか見えないのは私だけでしょうか。スーツの着こなしといい話し方の抜け感といいそっくりなんですが。

ずっと観てみたいと思いつつなかなか配信にはのらない
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マルコム&マリー(2021年製作の映画)

4.0

モノクロの映像とジャジーな音楽が深夜から夜明けまでの温度を保っていて決して鬱陶しく感じない喧嘩だけの90分とちょっと。

物凄くおもしろくて何度でも観たい。これだけ言葉がリズミカルだと気持ちよくてちょ
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.5

ニューヨークの話めちゃくちゃ好きなんだー。ヘルムート(アーミン・ミューラー=スタール)のように流れるように生きてる人を見て漠然とした不安な気持ちが和らいだ。早口で喋り倒すヨーヨー(ジャンカルロ・エスポ>>続きを読む

ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

4.0

何かがちょっとずつズレてる人々が同じ場所、同じ音で一瞬だけ交わるという奇跡のような運命のような、ロマンチックな物語。言葉にして伝えられるようなおもしろいことはほとんど起こらないけど、確かに高揚した気持>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.0

IMAXで観た方がいいんだろうなという画力を感じながら観たのに結局行かなかった。。
DUNE関連作品みたあとで、どんな複雑なもんかと意気込んでたけど、シンプルな画面構成と迫力ある音楽と、やたら明度を下
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マッドマックス/サンダードーム(1985年製作の映画)

2.0

マッドマックスって車映画だよなって認識をさっそくぶっ壊された、え、何映画?メル・ギブソン長髪似合わなすぎかわいそう。
サンダードームでの闘いザルすぎてつまんない上にブラスターが知的障害者だったというオ
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マッドマックス2(1981年製作の映画)

3.5

前作の10倍は面白くなってた。見るからに前より金が掛かってるので、カーアクションも人の数も装飾も豪華になり、視覚の満足度が上がって、完全にマッドマックス的なモノ、世界観がここで出来上がってる。もはやマ>>続きを読む

マッドマックス(1979年製作の映画)

2.0

怒りのデスロードで知ったマッドマックスだけどどうせあの頃の波に乗らなかったなら始めから観てみようということで1979年のマッドマックス。
男どもの治安悪すぎてひとりで外も歩けないような近未来設定。チン
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ラブ・ハード(2021年製作の映画)

2.5

マッチングアプリって顔や雰囲気で選ぶしかなくて、会ってみたら全然噛み合わないみたいなことってザラにあるね。その度に面倒臭いゲージが溜まる。。なんならナタリー(ニーナ・ドブレフ)みたいにこの人に会いたい>>続きを読む

ヒーズ・オール・ザット(2021年製作の映画)

3.0

やっぱタナー・ブキャナンなんよ。。とにかくかっこいいから、、つまんなくても彼の佇まいだけで全部持つからみんな見てほしい。ビフォーアフターがまじでちゃんとビフォーアフターしてて感動する。

パジェット(
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0.5ミリ(2014年製作の映画)

3.0

序盤に介護の苦しみのすべてが淡々と描かれていて結構圧倒される。パワフルでやさしい介護士像がちゃんとある。かと思いきや金に釣られて添い寝の依頼を安易に受けてしまう。これもまたやりがい搾取の低賃金労働の現>>続きを読む

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

3.5

ロバート・レッドフォード、20代の頃の作品しか観てなくて急に80才、、かっこよすぎた。余裕のある微笑み方が本当に素敵な老紳士。トム・ウェイツとか気づきもしなかった。

言葉のひとつひとつがストレートす
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.5

ついに終わってしまいました。これが公開されるまでに第1シリーズから全部見ようと思ってたのに結局3つくらいしか見てない。ショーン・コネリーと比べるとかなり闇が深くて無表情で近寄りがたい出立ちのダニエル・>>続きを読む

荒野にて(2017年製作の映画)

5.0

教育をまともに受けられない、家庭に馴染めない、競馬の弱肉強食の世界に共感できない。チャーリー(チャーリー・プラマー)はマチズモ的な古きアメリカ社会にまったくフィットできず、さらにネグレクトの親の元に育>>続きを読む

私はあなたのニグロではない(2016年製作の映画)

3.5

「白人はなぜニグロが必要だったのか、それを問えば未来はあります」
意識の奥に潜む白人アメリカ人の差別意識について言及するドキュメンタリー。昔の映画や報道、インタビュー等からその白人の無知さが十分にわか
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.0

あまり続編ということに縛られず気張らずとりあえずおもろいことやってまえ感が良かった。もっとヤクザものっぽい方が個人的には燃えたと思うしドラマ性ある方が好きだけど、圧倒的怪物上林(鈴木亮平)を前にこの無>>続きを読む

なぜ君は総理大臣になれないのか(2020年製作の映画)

3.5

こんな泥臭く闘う議員がいるんだっていう驚きと、やっぱり泥臭いだけではやってけないんだっていう失望感と両方。政治のことがわかるようなドキュメンタリーではなくても、この愚直な方を通して日本の政治の腐敗の縮>>続きを読む