貝さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

見えない目撃者(2019年製作の映画)

3.0

犬死んでたらもしくは足を失ってたらまじで許さんという描写があり、それ以降はもう犬のことで頭がいっぱいだった。

盲目というハンデを武器に変えて窮地を突破していくハラハラ感がおもしろかった。
伏線が死ぬ
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アースクエイクバード(2019年製作の映画)

3.0

日本語を話すアリシア・ヴィキャンデルも英語を話す小林直己もとても自然で良かった。

日本の伝統的なものを取り込んで、禎司(小林直己)というミステリアスなキャラクターと全体の空気に違和感が生まれないよう
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恐怖の報酬(1953年製作の映画)

4.0

前半1時間のもたつきがちょっとしんどかった。トラックに乗るところから観ても正直問題ない気はするけど、前半はベネズエラに居着いた職にあぶれた移民達の貧困と暇による苛立ち、こんな危険な仕事を請け負う理由が>>続きを読む

ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

4.0

ブロークバック・マウンテンの広大で厳しい自然と動物と人間が共存する様を切り取った序盤の映像とギター一本で奏でられる音楽が美しすぎる。引き金となるような描写がなくても彼らが惹かれ合ったことが自然だった。>>続きを読む

窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

3.5

ジェンダーの話はしないで観てほしい的な監督の言葉を何かしらで見たけど、まさにそうだなという雑さと現実的にこうなるというリアルさがあって納得した。「私と今々瀬どっちを選ぶの?」のとこ。だけどそもそも女の>>続きを読む

生きる(1952年製作の映画)

3.5

音声聞き取りづらいのわかってるから字幕で観れるほうがいいんだけどなと思いつつ字幕なしで。何言ってるかわかんないと集中力失ってやっぱしんどかった。

生きるとは何かという漠然とした答えのないテーマを持ち
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ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

3.0

明るくて柔らかい質感の映像と透明感のある綺麗な女性の隣にリアリティなんて必要ないから、おじさんやおばさんになる日はイス(ハン・ヒョジュ)には会わないよう、夢を壊さず、内面の美しさを語りかけてくれる美し>>続きを読む

よく知りもしないくせに(2009年製作の映画)

3.0

カメラの動きが意味わかんなくてずっとなんか変だなっていう違和感がある。じわーっとズームしてく感じ、リアルに隣で聞いてる感じ。

飯食って酒飲んで会話してるシーンがほとんどなんだけど、話には全然乗れなく
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愛情萬歳(1994年製作の映画)

4.0

始まってからの15分くらい誰も喋らない。3人合計してもきっと口が動いてる時間は全体の半分もない。孤独について、寄り添うことも突き放すこともなく描かれてる。

生きる為に働いて帰る家もなくたいして親しい
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キューティーズ!(2020年製作の映画)

3.5

未成年の性的搾取としてアメリカでネトフリキャンセル運動にまで発展してる作品。

イスラム教の伝統的な価値観を使って女性の抑圧を訴えているし、子供に規制なくSNSを使わせる恐怖も、セクシーさをクールとす
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.5

どこ切り取っても結局あああの場面最高だったなってなる、もう大好きだなーこれは。もう一回観たいかもな。

年の離れた兄の部屋にあるすべてが新しくてキラキラしてて憧れで真似したい。ワルイことやませたことへ
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アフタースクール(原題)(2008年製作の映画)

3.5

高校時代のヒリヒリした気持ちを思い出して、恥ずかしくなった。孤独、不安、怒り、暴力、性や死への興味が変な方向へ向かっちゃう。この年頃にのめり込んだ新しい世界に支配されて心酔してしまった気持ちに似たもの>>続きを読む

愛なき森で叫べ(2019年製作の映画)

2.0

モチーフとなった事件をイメージしながら見てたけど、村田(椎名桔平)の詐欺師としての凄みまったくなくて、一体何が言いたいのかわからず、種明かしされるまで結構キツい。

美津子(鎌滝えり)が狂気化してしま
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

3.0

村上春樹を読んだこともなければイ・チャンドン作品もみたこともないなんの文脈も持たない上で見ると、何か掴めそうで大切なことはすべて見逃してしまった気になる。この全体の空気感とキャラクターの掴みどころのな>>続きを読む

サボタージュ(1936年製作の映画)

3.0

彼の映画では刑事が主人公に恋に落ちると、刑事は正義感も何もかもを忘れてただ隠蔽に走ろうとするダメ刑事に突然なるあるある。いつも女が弱ってる時を狙って入ってくんだよなあ。事件も解決できないくせに悪知恵だ>>続きを読む

満月の夜(1984年製作の映画)

4.0

ロメール作品の男性は絶妙に男前じゃないとこがリアリティあって凄く良いです。
眠れない満月の夜と本当に恋しい人に気づく出来事が重なった日のシーンが粋でお洒落すぎて頭抱える。ロマンチストすぎるんですけどエ
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狼は天使の匂い(1972年製作の映画)

3.0

久々に映画見ながら2回くらい寝てしまった。おもしろくなくはなかったけど、町山さん解説も途中で寝てたし、わかりやすく興味わいてなかった。

2時間半の映画で静かな家の中のシーンがダラダラと続くのは結構し
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破壊の日(2020年製作の映画)

3.5

まずはこの世界の状況をいち早く映画にしたスピード感と言葉にならない空気を嗅ぎ分ける嗅覚に感動した。
目に見えないものに感情を乗せるような日本特有の宗教観というのか、それが持つおどろおどろしさ、神聖さを
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ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)

4.0

オープニングの短い歴史解説でさっそく心臓痛くなってしまって序盤から容赦無いなと。

金塊探しの旅やギャング絡みの銃撃戦のような娯楽性に溢れたストーリーの中に、ベトナム戦争が今も地続きに誰かの苦しみに繋
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.0

ロン(ジョン・デヴィッド・ワシントン)とフリップ(アダム・ドライバー)のコンビを筆頭に警察署内の雰囲気が良くて軽快なサスペンス。振り返ってみれば上手いこといきすぎてたとも取れなくないけど、当事者達が潜>>続きを読む

イット・カムズ・アット・ナイト(2017年製作の映画)

3.0

ホラーのつもりで見ると拍子抜けする最近のホラー映画あるある。目に見えない何かを恐怖の対象としてそこから生まれる人間の本質を描く的な。何年かしてあの頃こんな作品ばかりが作られてたよなあと言えるような未来>>続きを読む

間諜最後の日(1936年製作の映画)

2.0

ジェームズ・ボンドもびっくりの意識の低いスパイにびっくりしちゃいます。比べるにも値しないね、名前出してすんません。

とにかくまじで意識低いのよ。そこだけがとにかくめちゃくちゃ気になる。国から雇われて
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6才のボクが、大人になるまで。(2014年製作の映画)

3.5

2002年に6才の少年が2014年に18才になるまでの成長記録を断片的に切り取ってる。結構長い割に起伏がない。でもそれで良い、それが良かった。

ちょうど姉のサマンサ(ローレライ・リンクレイター)と同
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青春神話(1992年製作の映画)

4.0

ザ・シネマの台湾特集。エリック・ロメールに続いて簡単には手に入らないめちゃくちゃ良いとこついてきてて最高なんですけど。お陰でまた新しい映画に出会えてます。

90年代の台湾、10代の鬱屈した毎日をただ
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はちどり(2018年製作の映画)

4.5

90年代に青春時代を過ごしたティーンの揺れる感情を余白たっぷりに描いていて素晴らしい。目線の動きだけで表現する場面がいくつもあって、静かだけど飽きない。ひとつひとつにあの頃の自分を重ね合わせて、丁寧に>>続きを読む

砂漠のシモン(1965年製作の映画)

3.0

見たまんま宗教批判と受け止めていいのか、、まだこんな一作では彼が伝えたいメッセージは受け取れないのか。宗教題材映画は基本的に狂ってて闇が深い。完全に理解はできなくて苦手。

神はどんな誘惑にも罵声にも
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死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

4.0

これ58年の作品なの?!!
まったく古臭さを感じなかった、すごい。

セリフが少なく表情語りがめちゃくちゃ多い。不倫中のふたりの描写なんてほぼないのにフロランス(ジャンヌ・モロー)の不安げな表情がふた
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

3.5

プレイリスト・ムービーと言われると勝手に多幸感溢れる感じをイメージしてたけど、みるみる崩壊していって決して音楽に乗りながら楽しくみるような映画ではなかった。

車で流すのはサイケサウンドなインディーロ
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海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

4.0

本当めちゃくちゃおもしろいなあ。期待を裏切らんなあ。日常のサスペンスを切り取るのうますぎてうますぎて、人生のこんな小さな出来事がひとつの映画になることに感動。改めて感動。自分をこの中の誰かの視点に置い>>続きを読む

三十九夜(1935年製作の映画)

3.0

無実の罪で追われている主人公ハネイが警察から逃げる様子を淡々としているのに、スピード感を持って、終始ダレることなく畳みかけるように描いてくので、ずっとおもしろい。
サスペンスに迫る時ほど音を使わず静か
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泳ぐひと(1968年製作の映画)

2.5

マンハッタンの高級住宅街に住むギラついたおじさん(バート・ランカスター)がなぜか急に「ここから家まで人んちのプール泳いで帰るわ」とか言い出す。冒頭何言っちゃってんのか全然引き込まれないけど、だんだんこ>>続きを読む

グッド・タイム(2017年製作の映画)

3.5

ロバート・パティンソンってあのヴァンパイアの王子?!!(見たことない)ってとこにまず驚き。過去作観ると結構長いこと王子やってきてのこの路線。ギャップが良い方に働いてる。

頭の回転が悪すぎて、もうダメ
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胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)

3.0

色の使い方がうますぎる。ただただおしゃれ。季節感たっぷりの色味、ダサいけど背景と調和させた洋服、感情に合わせたカラー使い。

おしゃれな映像の中にいても登場人物のみっともなさは露骨。王子感のある容姿と
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サイケな世界 ~スターが語る幻覚体験~(2020年製作の映画)

3.0

ネトフリはドラッグ関連のオリジナル作品が多くて、アメリカでの需要はめちゃくちゃ高いんだろうなあと思う。

気軽に手に入らない日本で見てもただの拷問でしかないわけで、まったく見てこなかったけど、未知でし
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ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)

4.0

灼熱のブルックリンの温度感がジリジリ伝わってくる。暑くて、臭くて、苛立って、働きたくねーーー。音楽聴いて、ピザ食って、チルしてたい。日本には存在しない空気感が心底羨ましい。
基本的には陽気で平和でダラ
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レディバード・レディバード(1994年製作の映画)

3.5

相次ぐ児童虐待事件への措置として制定された新しい児童法によって、国が家庭に深く介入しすぎてしまい、その法律の隙間に落ちてしまうある家庭の実話に基づいた話。

マギー(クリッシー・ロック)の自分を抑えら
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