観光映画。ラストのアレが観光の負の部分も伝えているというのは安直だけど、なんというか、観光旅行の時に感じる楽しさの中の若干の退屈さも含めて描いているあたり、紛れもなく観光映画だと感じる。
食べ物がうまそうに撮られている、音楽のセンスがいいという点は良いけど、せっかく乗り物が効果的に使えそうなロードムービーなのに、その運動感があまりないのは解せなかった。
とても良かった。
赤と緑の邂逅。色調で支配されたメロドラマは、まるで恋愛の行き着く先は隷属だと言わんかのよう。心臓が止まりそうなラスト。ルーニー・マーラが美しすぎる。
ハーモニー・コリン作品なのにキチンとした物語がある! なんていうかね、ラストで暖かい気持ちに包まれたかと思ったら思いっきり絶望的な画を見せる、この感じこそコリンだなと思ったり。
ほぼストーリーの起伏はないに等しいのだけれども、この監督の文法に慣れてきたのか90分飽きずに観ることが出来た。終盤の最もドラマチックな展開は観ていて辛かったが。てかスケートやるなよ・・・。
韓国映画の「暗さ」そしてわけのわからなさを存分に楽しめる、その実非常にクレバーな映画。
このレビューはネタバレを含みます
『腑抜けども、悲しみの愛をみせろ』で知られる吉田大八監督の長編第2作。
『腑抜け〜』と同様、テーマは「ニセモノの悲哀」で、ブラックユーモアたっぷりに描いています。
ちょっと笑っていいのか迷うシ>>続きを読む
好物の題材のはずだったんだけど…。なんだろ、ちょっと言葉に出しすぎかな。絶対あの場所にナレーション被せないほうが文科系とヤンキーが手を組んだ感度がでる。
『がんばっていきまっしょい』のような話と思いきや…。合唱をやっていた人間としては不発の青春を象徴するような映画。
名前の通り全編を通して走りまくり。大杉漣がかっこいい。ラストの静けさも良い。
空気を描くにはカメラを長く回すことと言わんばかりの映画。とても好き。
ゴダールからカラックスへと継承された火が東京まで燃え移ったような作。「若者の閉塞感」とか、そういった陳腐な言葉でまとまる直前のぎりぎりのところで成立しているような気がする。ちょっと都会風でかっこつけす>>続きを読む
どうやらこの10年を代表しそうな映画。実はそこまでノリきれなかった。
イタリアっぽさも少ないし全体的には薄味なんだけど、クライマックスのエモーションの高鳴りは忘れ難い。
マット・デイモンもベン・アフレックもつまるところイケメンなわけだし、共感度低いお話になってるんだろうなと高をくくっていた。じっさい、マット演じるウィルに対しては映画始まってしばらくは、共感できないなと>>続きを読む
まるで複雑化しつつあるビッグバジェット作品への対抗馬。よく出来ているとは思うが(特に脚本)、映像的な魅力はほこまで感じなかったかな。
新世代のコメディ。連想したのは『モテキ』や『テラスハウス』あたりの下世話な恋愛エンターテインメント。マシンガントークでニューヨークのカルチャーについてまくし立てられて麻痺していく快感。あると思います。
氷を食べるという世にも珍しい決闘の方法が見られる映画。城っぽいところに向かうシーンの幻想的な感じが印象に残っている。
この映画を初めて観たのは31歳だったけど、きっとスタジオジブリの諸作やスピッツの音楽を通してすでに触れていたのだろう。心象風景に息づく名作。
とても良かった。この映画の脚本的な噛み合わない部分に白人と黒人の間に横たわる歴史の断絶を感じることはできるけど、それを超えて、我々の幸福を足下から揺らがしかねない力を持っている作品だと感じた。サラジェ>>続きを読む
享楽的な生活の数々。ただ、あまり高揚した気分にならないのはあくまで「生活」だからか。いくつかの印象的なシーンはあれど、全体的な印象はそこまで残ってない。
とても切実な映画。坂道に建った家はティム・バートンが『ビッグアイズ』でも使ってたなーと思いつつ、人の心の後ろ暗さを指摘するような展開に痺れる。なんと言うか、主人公が決して性欲とかそういった積極的な動機>>続きを読む
冗長なシーンもあるが、安藤サクラの魅力だけで3時間もたせる脅威的映画。ハートボイルド。
アクションの魅力、そしてバッドテイスト満載の美術は楽しんだ。あとは、物語をぶつ切りにする回想シーンの構成が不味すぎたことが惜しい。俺の楽しみ方が間違ってるのか教えてくれよ琥珀さんよお!