乙郎さんさんの映画レビュー・感想・評価 - 65ページ目

ぼくたちの家族(2013年製作の映画)

4.5

 レンタルにて鑑賞。

 石井監督の演出は、手堅いと言えば聞こえはいいけど、それほど技術的には飛びぬけてすごいことをやっているわけではない。ダサくも思える。
 登場人物が話し合っているところを少し距離
>>続きを読む

DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?(2014年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 レンタルにて鑑賞。

 今年のドキュメンタリーの中では一番良かったかもしれない。ラストのあのメンバーとの語り合いは、ドキュメンタリーでこんな画が観られるなんてと思ってしまった。

 AKB48のドキ
>>続きを読む

DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る(2011年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

2012/2/15@シネマQ

 僕は1年前にも『Documentary of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのか』(’11)を観ていて、それははっ
>>続きを読む

るろうに剣心 京都大火編(2014年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 レンタルにて鑑賞。

 一応、原作漫画については思いっきり直撃世代のはずなんだけど、通して読んだことは無い。とはいえ、大体の設定などは知っている、といった状態で鑑賞。
 結論から言うと、かなり面白か
>>続きを読む

サッドティー(2013年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

2014/12/21@G-shelter

 日本のインディーズ映画にはある種のジャンル映画がある。それは「低予算の会話劇で日常の恋愛における痛いところを突いてくる」映画。
 僕はこれを観たときに『ふ
>>続きを読む

ふゆの獣(2010年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

2011/10/7@桜坂劇場

 内田伸輝監督。わずか100万円あまりの予算で撮られた作品。

 この映画を観て考えたのは、日常生活で発せられる台詞と、ドキュメンタリーで発せられる台詞と、フィクション
>>続きを読む

レッド・ファミリー(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

2014/12/22@シネマパレット

 キム・ギドク監督が脚本、編集、プロデューサーを担当した作品。
 監督は別の方に任せていることもあってか、通常のキム・ギドクでは考えられないくらい真っ当なエンタ
>>続きを読む

LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標(2014年製作の映画)

4.0

 レンタルDVDにて鑑賞。

『ルパン三世』のテレビシリーズというのは、個人的には小学校の頃、学校から帰ると再放送がやっていた世代なのでなじみがある。赤いジャケットだったから第2シリーズだ。 
 ので
>>続きを読む

ぼくを探しに(2013年製作の映画)

2.0

12/5@桜坂劇場

 シルヴァン・ショメ監督は『イリュージョニスト』も好きだし、とても期待して観たのだけれども、個人的にはちょっとよくなかった。
 主人公が無意識に押し込めてきた精神的な抑圧を、ハー
>>続きを読む

トム・アット・ザ・ファーム(2013年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

2014/12/5@桜坂劇場
 フランスの新鋭・グザヴィエ・ドラン監督のサスペンス映画。ドラン監督は初めて。暮れゆく季節に合いそうな作品だと感じた。
 オープニング、農道を車が走る所などはキューブリッ
>>続きを読む

夢は牛のお医者さん(2014年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

12/17@よしもと南の島パニパニシネマ

 小学校の頃、牛の世話をしたのがきっかけに獣医になった女性の歩みを26年分の映像で語る。
 まず、26年分映像素材が残っているというのがすごい。仮に、途中で
>>続きを読む

ダリオ・アルジェントのドラキュラ(2012年製作の映画)

3.0

レンタルDVDにて鑑賞。

 間違いなく今年一番ヘンな映画! ダリオ・アルジェント監督の映画を観るのは初めてなのだが、いっつもこうなの?!
 もう、ヘンなところを箇条書きにしていればレビューが成
>>続きを読む

超高速!参勤交代(2014年製作の映画)

4.5

 レンタルDVDにて鑑賞。
 今年観た映画の中で、事前の期待値の低さと鑑賞時の面白さのギャップで言えば間違いなくNo.1。つまり、ダークホース。
 
 まず、監督のフィルモグラフィを観る限り、言っちゃ
>>続きを読む

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 レンタルDVDにて鑑賞。
 よくできた映画とは思ったけれど、若干まとまりすぎかな。
 
 さて、みなさん、この映画の主人公は誰だと思いますか?
 おそらく、ストーリー展開から見れば、綾野剛が主人公で
>>続きを読む

ごろつき(1968年製作の映画)

4.0

 高倉健と菅原文太がコンビを演じる作品。
 マキノ監督作品はまだそれほど数を見ていないので断定はできないけれど、例えばキックボクシングの試合にせよ、殴り込みにせよ、大きな強調を行わず、思ったよりも淡々
>>続きを読む

紙の月(2014年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

12/5@シネマQ
(吉田大八監督の他の作品のネタバレもしています!)

 吉田大八監督の映画は商業デビュー作『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』より必ず劇場で観てきている。
 そして、デビュー作より描
>>続きを読む

シンプル・シモン(2010年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

12/5@桜坂劇場
 
 障害をテーマにした作品を見るときに考えてしまうのが、この映画に描かれている障害はどこまで実際に近いのか。そして、どのあたりまで私たちは厳しく接していいのかということ。どうして
>>続きを読む

FRANK ーフランクー(2014年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

12/5@桜坂劇場

 面白かった! 学生の頃インディーロックをよく聞いていた身としては重なり合う部分が多く、非常に楽しめた。
 バンドという場に身を置いて、自分を表現すること、それは、「何かを表現
>>続きを読む

ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

 輸入盤ブルーレイにて鑑賞したので、ちゃんと理解できているのか自信はないが、非常に不思議な感触を持った。
 実のところ、この映画そのものが批評というものをかなり無効化するような構造になっているため、語
>>続きを読む

メビウス(2013年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

 輸入盤Blu-rayで鑑賞。
 夫の浮気により狂った妻が息子のペニスを切り落とすところから始まる。これだけで書いている僕が狂っているんじゃないかと思われかねないけど、本当なんだから仕方ない。
 初っ
>>続きを読む

マイ・ブラザー 哀しみの銃弾(2013年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 DVDで鑑賞。とてもよかった。宇多丸さんが『アルゴ』評で、「レアグルーヴかと思いきや現役バンドの新曲だった」という例えを用いていたが、その例えはこちらにこそ適切かもしれない。こういった、70年代風味>>続きを読む

エヴァの告白(2013年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 DVDにて鑑賞。とてもよかった。
 ストーリー自体は非常に不幸続きなもので、ただ気が重くなりそうなところを、映像の豊饒さが補う、そういった印象を受けた。アメリカの史劇らしい光が物語の陰惨さを中和して
>>続きを読む

WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なあなあ日常(2014年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 矢口史靖監督、三浦しをん原作の林業を舞台にしたコメディ映画。とてもよかった。
 プロットとしては世間知らずな青年が現実の壁にぶち当たって一皮剥けて行くというスタンダードな成長物語。
 去年見た『旅立
>>続きを読む

ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)

4.0

 ジム・ジャームッシュ監督、フォレスト・ウィテカー主演の一風変わった殺し屋を題材にした映画。
 はじめに言っておくと、この映画の全容をつかめた気というのはまったくしなくて、どんな言葉を紡いでも浅いもの
>>続きを読む

片腕マシンガール(2007年製作の映画)

3.5

 DVDで鑑賞。
 実のところ、一番感想を書くのが難しいかもしれない。間違いなく面白いけど、観終わった後、恐ろしいほどに何も残らないから。
 ただ、この映画はアメリカ資本で撮られており、そのこともあっ
>>続きを読む

5つ数えれば君の夢(2014年製作の映画)

3.0

 初めて見たとき、明らかに「不快」よりの感情だった。でも、時間が経って反芻するうちに、ひょっとしてそれは、実は観たくなかったものを見せられたからじゃないのか、そして、それこそが真実だったのではないかと>>続きを読む

グリード(1924年製作の映画)

5.0

エーリッヒ・フォン・シュトルハイム監督の『グリード』(1923)を初めて見たけど、打ちのめされた。おそらく物語を中心にして現代の観客が見ても楽しめると思う。けれども、それだけじゃない形容しがたい禍々し>>続きを読む

ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

2014/10/6@ミハマ7プレックス 

 クリント・イーストウッドの新作は、アメリカの伝説的なポップグループ・フォーシーズンズをテーマにしたミュージカルの映画化。
 80歳を超えて、未だに新しいジ
>>続きを読む

たまこラブストーリー(2014年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

 レンタルDVDで鑑賞。2013年に放映されていたアニメ『たまこまーけっと』の劇場版。
『たまこまーけっと』は最初しゃべる鳥が出てきたとき「こういう話なの?」とちょっと面喰ったけれど、次第に、この日常
>>続きを読む

ブルージャスミン(2013年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 レンタルDVDにて鑑賞。
 人の一生は、ロングショットで観れば喜劇、クローズアップで観れば悲劇、を地で行くような構成。この映画を観て、確かに僕は笑った。でもそれは、もうどうしたらいいかわからない力な
>>続きを読む

猿の惑星:新世紀(ライジング)(2014年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 10/26@よしもと南の島パニパニシネマ

 地味だが手堅い演出を堪能。普遍的な争いの発生する過程を描いている。良作。
 真心ブラザーズの「人間はもう終わりだ!」という曲の歌詞に「平和なんか一人の
>>続きを読む

8月の家族たち(2013年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 レンタルDVDにて鑑賞。
 父親の死をきっかけに集まった離れて暮らしている家族たち。しかしながら、久々にあったら普段から抱えていた不満が爆発し、家族に隠された秘密が次々と暴露されていく。その意味でこ
>>続きを読む

Keiko(1979年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

 監督本人が、いかにもお芝居的な演技に反抗するかたちで作ったというこの映画。確かに映されている時代は1979年のものなんだけど、演技がすごく実在的で、まったく古びていないと感じた。

 その演技はいわ
>>続きを読む

ベティ・ブルー/インテグラル 完全版(1992年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

去年の夏に『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』('86)の完全リマスター版が上映されるということで観に行った。それから今日にいたるまで、かれこれ4回は見直している。日々のふとした瞬間に思い出されることも>>続きを読む

夏の終り(2012年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

 熊切監督の評価は非常に困る。
 おそらく誰もがあげるであろうポイントは近藤龍人の撮影による美しい風景。衣装、美術なども昭和30年代の風俗を再現するのに一役買っていて、非常にリッチな画面が拝める。
 
>>続きを読む