怖い淀川先生が出てくる終盤が面白かった。あとは照明が明るすぎてイマイチ。脚本は良いと思う。
覗き込めば孤独の闇が続いていたような作品。僕がこの作品を受け入れられないのは、そういった孤独を心のどこかで受け入れられないからなのかもな。
面白かったんだけど、心理に囚われてきた庵野秀明がまっとうなエンターテイメントを繰り出したことに一抹の寂しさを感じたり。
面白かった。ポール・フェイグ流コメディがきちんとブロックバスターにアップデートされていたし。
バカンス映画だと聞いていたので虚をつかれた。これはアンチバカンス映画だよ。どこに行っても居場所を見出せない、楽しまなければならないという強迫観念に苦しめられるデルフィーヌの姿に自分が重なった。
4つの掌編が並べられる。特に物語的な終わりを設定していないことは、30年後の今観ると逆に彼女たちの季節の終わりを強烈に感じさせてせつなくなる。傑作!
観はじめてから暫くは現代を舞台にした話とは思えなかった。それくらい強烈な抑圧。
同時に、この映画の瑞々しさも堪能。トルコという場所がアジア的な空気とヨーロッパ的な空気の中間を感じさせて、良かった。
身をつまされる作劇は見事だが、『フランシス・ハ』の方に軍配があがるかな。
「過去に囚われた作家」だった新海誠が過去と四つに組んで格闘している。そのことがとても感動的だった。この映画を観た後では、あれほどメソメソして見えた『秒速五センチメートル』も、ひょっとしたら前を向き始め>>続きを読む
出来の良い映画とは言えないし、好きなわけではないけど、10年くらい前はクドカンが好きだった人間としてある種の感情を刺激された。
何故かと言うと、例えば『舞妓haaaan!』のラストで時間が飛ぶ辺りに感>>続きを読む
美への執着心の行き着く破滅など、バンピーの僕には縁もゆかりもないはずなのだが、それでもこの映画には感動した。
どこをとっても一枚の絵画として成立するほど端正な画面と、そこに映る美少年。恐らくは、この美>>続きを読む
前作を年間ベストにした自分にとっては、少々残念な作品だった。
まず、テレビシリーズの傑作選はよくできている。映画用に作られたものではないと言ってもショーンたちの動き、本来なら動くはずのないものが>>続きを読む
今年一番他に人に薦めて感想が聴きたい映画。まさかのホラー案件!
wikipediaによると仲村颯悟監督はホラーファンらしく、そのことが感じられるカメラワークを随所に見つけることができた。特に印象>>続きを読む
この映画が狂っていたのかどうか未だに判断がつかない。
つくりとしては極めてスタンダードだと思う。メディアによる洗脳という刺激的なテーマ、ある種の社会性に根差した登場人物のサクセスストーリーをひと>>続きを読む
ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを降板するという噂が流れておりますが、確かにこの作品で終わったら綺麗かもしれないとは思う。
クレイグ演じるジェームズ・ボンドがジェームズ・ボンドというポップ>>続きを読む
一言でいえば、自分にとってのピースオブケイクが集まって出来たホールオブケイク。思い入れのある要素が強いが、映画としての煌めきが保持されていた。
まず、多部ちゃん。『君の届け』の多部未華子は奥手>>続きを読む
ホラー映画をメタ的に観るという試みは『キャビン』があったけれども、『ファイナル・ガールズ』はさらにその先に進んでいる。
つまりは、ホラー視聴者の罪を暴く『キャビン』に対し、『ファイナル・ガールズ』>>続きを読む
最近の映画で東京がロケ地に選ばれない事情には、撮影許可がほとんど降りないことがあるそうだ。かくて今の日本映画には地方や郊外を舞台にした作品が増えた。そして、外部的な抑制が時にあるジャンルを特徴づける>>続きを読む
火星におけるサバイバルが非常に理論的に展開される。
ので、良いところはわかりやすい。ただ、贅沢な意見というのはわかっているが、それゆえ大きくはみ出してくるものもなく、それが少々物足りなく感じてしま>>続きを読む
女の子、と、戦車。
改めて振り返ってみると本当にその二つで構成されているなと実感。そして、TVシリーズが「ガールズ」を重視しているなら、劇場版は「パンツァー」に重きを置いている。というよりも、この>>続きを読む
パディントン駅で拾われた。だからパディントン。パディントンはMr.ビーンではないので、悪意はない。ただトラブルを引き寄せる体質なだけ。
だからパディントンは、人間世界の常識のなさ故に家の中を海に変>>続きを読む
かつて現役最高齢だったポルトガルの監督が101歳の時に遺した作品は、映画というものが本当はすごく怖いものと言うことを改めて思い知らせる。
写真家志望の青年が出会う死んだ女性―アンジェリカが映画を意>>続きを読む
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2015/12/18 18:30@よしもと南の島パニパニシネマ
年齢的に言えば新三部作世代(もっと厳密に言えば「特別編」世代)だけど、当時まったっく興味がなかったのですべて後追いだったスターウォー>>続きを読む
2015/11/16@桜坂劇場(2回)
観終わった後数日して、「そういえば『恋人たち』の登場人物と同じようなことしてるな」とふと思う。そういった映画だった。
この映画の登場人物は皆、誰かに話を聴>>続きを読む
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『心が叫びたがってるんだ。』(2015)(以下『ここさけ』と表記)はこれまで『とらドラ!』('08~'09)、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』('11)などを手掛けてきた長井龍雲監督が映画と>>続きを読む
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ピンク映画強化月間その3
瀬々監督の作品は今まで正直言って苦手だったんだけど、この『雷魚』はすんなりなじむことができた。要は、苦手だったポイントというのは頭のどっかに「ロケーションや構図はすごい>>続きを読む
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ピンク映画強化月間その2
『花井さちこの華麗な生涯』と同じく女池監督の映画で、公開時期も近いのだけれどもジャンルとしてはまったく異なる。
あらすじは、結婚を直前に控えた祥子は婚姻届を市役所に取り>>続きを読む
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ピンク映画強化月間その1
「ピンク映画」とも定義が広いもので、とりあえずは東映ポルノ及びにっかつロマンポルノに属さないものをピンク映画として捉えていきたいと思います。
で、まとめて借りてきたの>>続きを読む
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ノワール強化月間番外編その3。
フリッツ・ラングはドイツ出身ということもあって、ドイツ表現主義に影響を受けたという意味ではノワールという言葉が生まれる前からノワールだったのかもしれない。1936>>続きを読む
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ノワール強化月間番外編その2
こちらもギャング映画かな。工場の影の使い方はやはりノワール映画的であるけれども。
ジェームズ・キャグニーの狂った演技(マザコンにして残酷!)、『彼奴は顔役だ!』>>続きを読む
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ノワール強化月間番外編その1。
1939年製作なので狭義のノワールには入らないのかな。どちらかと言えばギャング映画として語られる本作だけれども、階段の使い方や夜の街の陰影のつけ方はノワール映画>>続きを読む
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ノワール強化月間その8。
よかった。中盤の陰影がくっきりと浮かび上がる箇所(特にリタ・ヘイワースと街に忍び込むところ)や、終盤のやりすぎともいえるミラーハウスの演出まで含めて、映画的快楽に翻弄さ>>続きを読む
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ノワール強化月間その7。
超絶大傑作!やばいくらい最高だけどネタバレ厳禁!
ここ最近ノワールと呼ばれる映画を纏めて見ているのだけれども、僕はこの作品だけウィリアム・アイリッシュの原作を読んだ>>続きを読む
ノワール強化月間その6。
うおー、せつない。プロットとしてはフリッツ・ラングの『暗黒街の顔役』に似ているし、確かに似通った部分もあるけど、こちらの方はノワール寄りのメロドラマという印象を持った。>>続きを読む
ノワール強化月間その5。
これはやばい。俺の映画だと思った。この映画のハンフリー・ボガードは非常にナイーブで凶暴な男を演じている。だから信頼できない人間として観ていたけれども、視点がグロリア・グ>>続きを読む
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ノワール強化月間その4
これはノワールなんだろうか。確かに夜の街は綺麗に撮られていた。ただ、ノワールかどうかは別として、僕はこれ好きです。
まず、都会でも夜でもなく、郊外の昼間から物語が始まる>>続きを読む