蜘蛛マンさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

蜘蛛マン

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薄氷(2021年製作の映画)

3.7

囚人護送中に正体不明の敵から襲撃を受け、中では囚人が暴れ出し、外からはショットガンを撃ち込まれ、大ピンチ的なスペイン映画。

ストーリーがシンプルでとても見やすいし、一定のハラハラ感も持続する。主人公
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.3

「ヤクザと家族」に続き、こちらもアフターヤクザの人間と社会を描く、すばらしき作品。
まず主人公三上のなにげない台詞や行動の緻密さに感心しきり。不完全な人間を描く完全な人物造形。脚本も素晴らしければ、演
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アンノウン(2011年製作の映画)

3.7

事故で入院して意識を失っている間に、自分の存在を他人に奪われていたら、的なお話。

リアムニーソンなのでA級とB級の間くらいのアクション映画なのかと勝手に思い込んでいたけど、ちゃんとサスペンスかつミス
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ザ・コールデスト・ゲーム(2019年製作の映画)

3.1

キューバ危機を背景に繰り広げられるスパイ合戦。その舞台はアメリカ対ソ連のチェス世界一決定戦。
この舞台設定自体はかなり好みなんだけど、いかんせん内容が分かりづらすぎる。
結局だれがなんの目的でなにして
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レッド・ドラゴン(2002年製作の映画)

3.9

前二作に続きこちらも良質なサイコ・サスペンス。
レッドドラゴン、ハンニバル・レクター、グレアム刑事の3人とも、映像的にもキャラ立ち的にもいい感じで、終始緊張感を持ちながらワクワクして見れた。
惜しむら
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ザ・ホワイトタイガー(2021年製作の映画)

3.9

いい感じでインド社会を抉っていてかなり面白かった。
カーストによって身分も貧富もガチガチに固定化されているインドにおいて、その人生は生まれたときから決定論的に定められてしまっている。
ほとんどの人はそ
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スカイライン-奪還-(2017年製作の映画)

3.1

B級らしさを全面に押し出した結果、もはや確実に開き直ってるであろうストーリーや設定の珍妙ぶり。
とはいえ侮り難いアクションやVFXも随所に見られ、このクオリティで当たり前のように続編に繋げていく胆力も
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悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

3.7

なんだこれは笑
狂気と笑いは紙一重。
わりと伝説的な作品だけど、やっぱりオリジナリティが先行作品と比べて群を抜いていると思う。特にレザーフェイスのキャラ立ちはなかなかの唯一無二ぶり。
全編通じて狂った
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スリーピー・ホロウ(1999年製作の映画)

3.3

盛大な首狩り祭り。爽快なほどにズバズバ首が落ちる。
ただティム・バートンなので、ホラーというよりはダークファンタジー色が濃い。
良くも悪くもすべてが作り物めいていて、お伽話を観ている気分になる。
でも
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デビル(2010年製作の映画)

3.4

80分。良心的な上映時間の可も不可もないホラー。
エレベーター内っていうミニマムなシチュエーションでグダることなく話が進んでいく(人が死んでいく)ので、なにかの合間にサクッと観るのにちょうど良い。
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.6

最高だった。今年の最高傑作かもしれない。(まだ2月だけど)

ともかく人間ドラマが深い。
社会と人間が相互に複雑に絡まり合うさまを描くのは「新聞記者」も同じだったけど、特にこの監督は、構造のなかでもが
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アズミ・ハルコは行方不明(2016年製作の映画)

2.8

監督の女子高生への偏愛×地方都市の若者の閉塞感×女性の生き辛さと怒り、みたいな感じ。
時系列がごちゃごちゃで分かりづらいことも含め、全体的に演出過剰で、作り手の自意識も過剰。
主演二人の演技はとても良
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ウィッチ(2015年製作の映画)

4.0

夜の闇、森の闇、人の闇。
暗さにも黒さにもグラデーションがあって、その色調がとても豊か。
ホラーとしてはさほど怖くないが、終始独特の緊張感と美しさがあって、なんかちょっと良い感じの雰囲気を醸し出してい
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グッド・タイム(2017年製作の映画)

3.7

袋小路の生活環境にある男が犯罪に手を出して、さらなる袋小路に追い詰められていく。
「アンカット・ダイヤモンド」と同様に、行動が短絡的でひたすらわめき散らす男が多々出てくるのはこの監督のお家芸らしくどう
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スノーマン 雪闇の殺人鬼(2017年製作の映画)

3.0

ちゃんとした監督とちゃんとした俳優陣による極めて微妙なサスペンス。まさに微妙という言葉がふさわしい、なんか全面的にもったいない感のある作品。

とりあえずノルウェーの荘厳な雪景色はとても美しい。
かつ
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私というパズル(2020年製作の映画)

3.7

出産時に子どもを亡くしてしまう母親のグリーフワークの物語。

長々と長回しで演出される冒頭の出産シーンの臨場感がすごくて、観客を強く巻き込む。だから子どもの息が止まってしまったとき、観てるこちらも本当
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消されたヘッドライン(2009年製作の映画)

3.8

民間軍事会社があの手この手で政官財を牛耳っていくっていうよく見かけるアレを、小太りラッセル・クロウ演じる記者が暴いていくポリティカル・サスペンス。

テンポが良くて展開にも演出にも過不足を感じず、かな
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.1

自分はホラー超苦手な猛烈ビビリ人間なのだが、ミッドサマーに続き、こちらも全く怖くない・・・。
たぶん理由は、物陰からズドーン!暗闇からババーン!的な即物的怖さがあんまりなかったからだろう。不穏さでじり
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ハンニバル(2001年製作の映画)

3.8

傑作の続編ってことでハードルが高過ぎてお気の毒ではあるが、こちらもなかなかの出来の良さだと思う。
レクター博士のカリスマ的存在感は健在だし、人肉描写のインパクトはなかなかに強烈。全編通じて緊張感は持続
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マクマホン・ファイル(2020年製作の映画)

2.3

巨大な陰謀の端っこの方で右往左往するだけの映画。
結局どんな陰謀だったかすら分からない。登場人物の役割分担すら分からない。
評価低いのを知ってて観て案の定つまらなかったので、むしろ清々しい。

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)

3.9

せ、切ない・・・。
何気にキングオブ切ない映画だと思う。にじみ出るおじいちゃんの悲哀。

交わされる何気ない会話が伏線になっていたり、丁寧に描写される心理の変遷がラストの余韻と豊かな解釈に繋がっていた
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6アンダーグラウンド(2019年製作の映画)

3.8

ザ・アクション映画。
やりきってるね。めっちゃおもしろかったです。
映像も迫力があって、特に高いところとNo4のパルクールは最高の組み合わせ。アクション映画のお約束的カーチェイスを最初に持ってきたのも
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ミッドナイト・スカイ(2020年製作の映画)

3.9

SFもディストピアも静かな映画も好物なので、個人的にかなり好きなタイプ。
途方もなく絶望的な状況なのに、なによこの落ち着き。

全体的に物語の起伏が少なくて抑揚に乏しいけど、ともかく静かなぶん、登場人
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エリザベスタウン(2005年製作の映画)

3.8

浄化力強めのデトックスムービー。
オーランド・ブルームとキルスティン・ダンストを擁する画力の爽やかさが半端ではなく、光と風と緑をリアルに感じられる。

キャメロン・クロウ監督は人間へ寄り添うのが上手だ
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エヴァ(2018年製作の映画)

2.2

つまらない映画が観たいと思って観たら、期待にそぐわぬつまらなさ。

イザベル・ユペールが綺麗なのは分かるけど、60歳越えて娼婦の役をするのはさすがに無理があるのでわ・・。そしてこのタイトルロールである
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ぼくらと、ぼくらの闇(2017年製作の映画)

3.5

思春期に誰もが通過する不安や怯えや心の闇を、観客自身も巻き込みながら提示していく作品・・・なのだと思う。
思うんだけど、その引き金が友人の過失致死って時点でなかなかリアリティがなく、たとえそれが意味と
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ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

4.1

独特のセンスが溢れていて、あらゆるシーン、あらゆる会話、あらゆるキャラクターがいちいちちょっとだけ面白い。
めちゃくちゃ面白い部分はないけど、すべてがちょっとだけ面白い。これはなかなか稀有なオリジナリ
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ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

3.5

自閉症の会計士、兼凄腕の殺し屋。
あらゆる要素が平均点って感じで目新しさも突き抜けた何かもなかったが、自閉症についてのメッセージ性は強く、そこはこの映画のプラスの個性だと思う。
最後の伏線回収も爽快感
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リズム・セクション(2019年製作の映画)

2.5

猛烈に微妙。
なんかストーリーもキャラクターも言葉足らず過ぎて全然説得力がない。どこで盛り上がったらいいのか分からない。感情移入も皆無。

唯一良かったのは素人暗殺者なだけに、仕事ぶりが妙に生々しいこ
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ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

4.1

なんか映画館で大作ヒーロー映画を観てるって事実だけで胸が熱くなる。しかも大好きなワンダーウーマン。本作はわりとメッセージ性の強めな、人間の愛と業の物語でした。

前半はわりとかったるく、やたらと平凡な
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ビリオネア・ボーイズ・クラブ(2018年製作の映画)

3.0

実話ベースのけっこう派手な投資詐欺の話らしいんだけど、イキった学生がカッコつけたサークル活動をして内輪で勝手にアゲサゲしてるようにしか見えない。
この手の犯罪映画は好みなだけに残念。

天才と呼ばれる
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紙の月(2014年製作の映画)

3.9

宮沢りえの現金横領話。
日本の文芸映画は、ともかく今ここの平凡で退屈な日常生活を、閉塞感に満ちた打破すべきものとして描きがち。もしくはそういう原作を選びがち。
そしてそんな日常からの離脱手段として、一
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グッドライアー 偽りのゲーム(2019年製作の映画)

3.8

タイトルやポスターでライアーゲームであることが既にネタバレしているものの、どうひっくり返すのか、動機はなんなのかを想像しながら観る楽しみがあった。
身だしなみがしっかりしてるためか、全編通じて、イギリ
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パッセンジャー(2016年製作の映画)

3.8

宇宙船のなかっていう新しいクローズドサークルで、登場人物はほぼ2人。
こんなにも物語的に広がりづらい設定にもかかわらず、2時間飽きずに観せただけでけっこうスゴいと思う。

ラストにかけてのアクション的
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アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

3.3

実際の犯人たちが大学時代に起こした強盗事件について語るっていうなかなか斬新な映画。
平凡で退屈な人生を変革する、っていう厨二病な動機自体はまあこの世に確かに存在してるとは思うのだけど、それで犯罪に走る
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マザーレス・ブルックリン(2019年製作の映画)

3.5

渋い。
どうにもならないことはどうにもならないと煙草を燻らせながら渋い顔して諦めるハードボイルドの流儀?はけっこう好きだ。