蜘蛛マンさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

蜘蛛マン

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ワイルド・ローズ(2018年製作の映画)

3.8

夢を諦めないシングルマザーのサクセスストーリー・・だと思ってたけど、どちらかというと成功よりも成長物語の要素の方が強かった。
だからこそ、ラストで歌われる「Glasgow」は、観客の胸に染みる絶品の仕
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失くした体(2019年製作の映画)

3.7

話の粗筋自体はありふれている。
閉塞的な環境に置かれている若者が、身近なところに希望を見出して前を向くっていう、わりとよく観るあれである。

だがそこに切断された右手が身体の元へ帰ろうと冒険するってい
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羊の木(2018年製作の映画)

3.4

設定はとても良いと思う。
小さな町の新住人は6人全員元殺人犯。良いと思う。どんな展開が待っているのか、ワクワクする導入。

演出というか、映画としての語り口も好きだった。抑制されていて、堅実。
無駄に
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チェイサー(2008年製作の映画)

3.6

韓国映画のお家芸、猟奇殺人鬼・無能な警察・追いかけっこの見事な三点セット。

猟奇殺人鬼が実にお手本のような猟奇殺人鬼。演技が良くって見応えあり。評判ほど陰惨だとは感じなかったが、仮借のない暴力に監督
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.7

自分はタランティーノが本当に苦手。
強い個性と溢れんばかりの才能はなんとなく感じるけど、それを面白いと思うかは全然別。ともかくダラダラしてるように感じてしまい、ワンハリの160分間が苦痛でしかなかった
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ディスタービア(2007年製作の映画)

3.3

死角からドーン&心臓がビクーンが自分は死ぬほど苦手なんで、そういう意味ではハラハラドキドキなサスペンスを味わえたが、ストーリー的には正直あと二捻りくらいほしい。どんでん返し的なものがいかにも足りない。>>続きを読む

ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

4.0

暴力を主題にした邦画はわりとよく見かけるけど、これはその中でもなかなかのキレキレぶりだった。

柳楽優弥が完全な暴力の塊。人間の形をしてるし服も着てるし眉毛も太いけど、中身は純粋な暴力の塊。
だから暴
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.2

主演の二人の名優ぶりがすごい。
かつ人物の描き方が丁寧で繊細なためか、欠点も含めて実に人間らしい二人にとても好感が持てる。
だから二人が言葉で殴り合っているときはこちらまで胸が痛くなったし、心からハッ
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ハードロマンチッカー(2011年製作の映画)

3.8

ヤンキーとヤクザしかいない下関の街で、ひたすらにヤンキーが殴り殴られる映画。
不良漫画とかヤクザ映画が好きな人はきっと好きなはず。ゆえに自分も好きだった。
さりげなく下関市が風評被害にあっている気がす
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バード・ボックス(2018年製作の映画)

4.0

設定が猛烈に好みだった!
目を開けて「それ」を見たら自殺してしまう。でも心に闇を抱えた人間は自殺せず、むしろ「それ」がとても美しく見えるという。
いやもう相当象徴的でクールな設定。「それ」、当たり前に
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ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

3.3

変態映画だった。
正直に言って、この手のアート色強い映画はあんまり観てて面白いもんではない。

色彩とか光の使い方とか鋭い音楽とか妄想的なビジュアルとか、そりゃあなんか個性的だなーとか尖ってんなーとか
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チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

4.0

これは素晴らしい映画だと思う。
かなり心を揺さぶれるものがあった。
心温まるハッピーエンド系の展開だと思ってたんだけど、まさかの悲しい結末にビックリ。

70年代のこととはいえ、ゲイをめぐる偏見や差別
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(2016年製作の映画)

2.8

監督の自意識過剰さで全体が崩壊する、わりとありがちパターンのダメ邦画だと思う。
意味深カットとか爆音で挿入される音楽とか、こういうのカッコいいって思う人、どんだけいんのかな?
話の展開自体はわりと惹き
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ノーカントリー(2007年製作の映画)

4.3

いちいちカッコ良すぎる映像、静かで乾いた空気感と緊張感、強烈に訴えかけてくるテーマ性。間違いなくコーエン兄弟の最高傑作でしょう。

なによりもまず、ハビエル・バルデム演じる殺し屋アントン・シガーのキャ
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オクジャ okja(2017年製作の映画)

3.9

ポン・ジュノ監督ってほんとに面白い映画を作る。
牧歌的な雰囲気の序盤、アクション満載のエンタメな中盤、アイロニカルでシリアスな終盤。
落差の大きさにめまいがしそう。
特にこの監督の真骨頂たる社会風刺を
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ブラック・スキャンダル(2015年製作の映画)

3.4

ジョニー・デップの顔が怖い。
この人ってどんな映画でどんな役をやっていてもなんか顔から狂気を感じる。

内容的にはFBIとマフィアが裏で情報提供し合うってだけの話で、政治家はただ弟なだけだし、物語とか
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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

3.2

登場人物たちの心の動きが自分にとっては摩訶不思議アドベンチャー。
「愛」がテーマの作品、鬼門です。

ロード・オブ・ウォー(2005年製作の映画)

3.8

こういう身も蓋もない現実を描く作品は好き。
社会がどんだけ上部を取り繕っても、深いところでは血みどろの事態が進行している。
それに対してどうこうできる術をわれわれは持っているわけではないけれど、少なく
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スパイダーマン(2002年製作の映画)

4.5

生ける伝説、現代の神話、そして個人的な最強最高ヒーローたるスパイダーマンの生誕物語である。
いまの世界的ヒーロー祭りの生みの親は、この元祖スパイダーマンの成功だと勝手に確信している。
ご都合主義も無理
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プラネタリウム(2016年製作の映画)

3.9

良い意味での雰囲気映画。
降霊術やら映画製作やらのストーリーはなんだかまとまりがないように感じるんだけど、姉妹とおじさんの佇まいにそれこそとても雰囲気があり、映像も鮮やかで美しかった。特にパーティーで
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アメリカで最も嫌われた女性(2017年製作の映画)

3.0

なんかイマイチな映画だなあと思って見ていたが、なかなかショッキングなラストを迎えて唖然。
無神論者マデリン・マリー・オヘアのアメリカ社会(主にキリスト教)との闘いを描くが、そもそもマデリンが無神論者に
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ワールド・オブ・ライズ(2008年製作の映画)

4.1

派手なドンパチは少ないものの、終始緊張感のある対テロ戦争系スパイ映画。
なんか評価は低いけど、自分はこういうの、かなり好き。
中東のキレイゴトではない現実を前に、CIAもキレイゴトでない嘘の謀略を巡ら
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.7

秀逸な設定とビジュアルで魅せる独創的な作品。
スイスアーミーナイフのように万能な死体を使った工夫と展開もなかなか面白い。
我々が当たり前のように生きている常識や文明人としての恥の意識を揺さぶるようなメ
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ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016年製作の映画)

3.9

かなり高度な胸糞映画。
なにが悲しいって、この野心家の主人公のマクドナルド乗っ取り物語は、アメリカの、というか世界の資本主義の真実を如実に体現していること。
乗っ取る側と乗っ取られる側、詰まるところそ
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ノア 約束の舟(2014年製作の映画)

3.6

全力で宗教してる一本。
公開当時はあまり評判良くなかったように記憶しているが、旧約聖書の世界をビジュアルで再現してるってだけでも、けっこう見る価値あったように思う。
宗教ってのは世界を滅ぼす破壊力があ
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ザ・タウン(2010年製作の映画)

3.7

全体的に可もなく不可もなくって感じのクライムサスペンス。
監督・脚本ベン・アフレックに期待値上げすぎた感。
とはいえメインとなる強盗シーンは臨場感もリアリティもあり見応えがあるし、ジェレミー・レナーの
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野火(2014年製作の映画)

4.1

強烈。
あの兵隊の最後の顔。
ここ数年見たなかで一番怖い顔かもしれない。
遠い昔に原作も読んだが、やはり戦争ものはビジュアルの方がはるかに伝わる。
生き死にの極限の話は、もはや言葉以前の次元の話だ。生
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タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

4.2

誘拐された麻薬王の息子を救い出すっていうかなりシンプルなストーリーだけど、ともかくアクションが凄くて片時たりとも目を離すことができない。
特にダッカ市内でのワンカット風の市街戦は圧倒的な臨場感だった。
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フィフス・ウェイブ(2016年製作の映画)

2.7

絵に描いたような典型的人類滅亡系SFだが、そしてこういうベタな設定は個人的にかなり好みなのだが、さすがに愛せない驚異の尻すぼみ感。
むしろその道のプロたちが集まって大金と時間を費やして製作した作品がど
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ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004年製作の映画)

4.0

あくまで自分の解釈でしかないが、邦題は若干ミスリードな気がする。
もちろん核となるのは「人間」ヒトラーの錯乱と狂気の日々ではあるが、原題「没落」が示す通り、本作は決定的に没落したドイツ帝国自体の末期の
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ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

4.0

トム・フォードのこだわりのある美意識が作品全体を貫いていて、見応えのある一本。
元夫から送られてきた小説を読むだけのストーリーではあるが、小説はなにを表現しようとしているのか、小説を送ってきた元夫の意
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エアベンダー(2010年製作の映画)

2.5

シャマランの名声を地獄の底まで叩き落とした伝説の作品。
ストーリーは陳腐の一言だが、ウネウネした動きから水とか火とか繰り出すのは、少年マンガ的なノリでわりと好きかも。
頭の光る矢印、超ウケる。

ワイルド・スピード(2001年製作の映画)

3.8

シリーズ初鑑賞。
ワイルドスピードシリーズと言えば、「アメリカの政治のこととか将来のこととか全く考えてないアホなティーンエイジャーがとりあえずハイになるために観に行く頭空っぽ映画」だと勝手に思い込んで
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ダークタワー(2017年製作の映画)

1.8

スティーブン・キングの大長編をわずか90分程度で描こうとした意欲作(皮肉)。
原作未読だが、おそらくキングが恐ろしく饒舌に語ったであろう世界観や設定は省略されすぎて全く表現できておらず、キャラクターも
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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

3.3

キャラクターの個性や魅力を、はじけた演出やポップな世界観を通じて最大限高めることに成功していると思う。
女性が男性をボコるアクションは、やや食傷気味ではあるけれど、動きやボコり方のバリエーションも豊富
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ジョン・F・ドノヴァンの死と生(2018年製作の映画)

4.4

グザヴィエ・ドランらしさは存分に溢れてるのに、シンプルな分かりやすさや感動も兼ね備えた、けっこう素晴らしい作品。
感度の高過ぎる天才さんで、なおかつ性的マイノリティとくれば、本当に苦労が多そうだとお察
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