ponpocopさんの映画レビュー・感想・評価

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碁盤斬り(2024年製作の映画)

3.7

白石和彌監督待望の新作ということで初日に。
碁を打ってたら娘が娼妓(しょうぎ)になったというサゲでお馴染みの古典落語「柳田格之進」の映像化作品。精錬実直だが貧しい浪人が囲碁仲間の大店の主人と対局中に紛
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不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

3.5

両想いになった瞬間目の前から相手が消えてしまうという謎展開から始まる恋愛話。
え、これもしかしてあの外国映画みたいなオチ?とか、突如最近やってるドラマの設定が入ってきたよとか、タイトルは松居監督の前作
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辰巳(2023年製作の映画)

3.9

反社組織の死体処理担当の男が同じ組の男に姉を殺された少女の復讐に巻き込まれるお話。ヤクザ映画の制作が難しいこのご時世、とにかく極悪人として描かざるを得ないから結果としてこのようになるのかもしれないのだ>>続きを読む

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

3.5

人類衰退後のサルの世界も春秋戦国時代終盤に入り国家統一を目指す後の始皇帝とシン…というキングダムでは無いのだが、おっとどっこいキングダム風味も若干あるアドベンチャームービー。
鷹匠というか鵜飼のように
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水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)

3.0

夏休みの補習と称して空のプールに溜まった砂を掃除させられる女子高生たちの会話劇。世の色々は白黒どちらかだけでは語れないのにその辺のぎこちなさが高校生ならではのもどかしさなのか。一向に減らないプールの砂>>続きを読む

マイ・スイート・ハニー(2022年製作の映画)

3.7

お菓子好き過ぎてお菓子ばかり食べているため体調不良を起こしている彼女いない歴イコール年齢であろう製菓会社の研究員と安達祐実みたいな若作りシングルマザーの中年ラブコメ。これは韓国版の「枯れ葉」ではないか>>続きを読む

あまろっく(2024年製作の映画)

3.0

花巻さんがフレディの格好をして歌う海女ロック(©️あまちゃん)ではなく、尼崎にある閘門式運河の水門を尼ロックと呼ぶらしい。
ぐうたらだが人たらしの鉄工所の社長と頭が良すぎるものの人間関係がダメな娘の元
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.1

長野県辺りの自然豊かで水が自慢の山村に補助金目当てでグランピング施設を建設しようとする芸能事務所の社員と地元住民とによる緊張と緩和の会話劇。それぞれの立場にはそれぞれの事情があるという「スリー・ビルボ>>続きを読む

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.9

マイナス1は中途半端なお涙頂戴エンタメ作品だったがこちらはエンタメ全振りで昭和40年代のゴジラシリーズに近い感じでこれはこれであり。
歯痛に悩むコングのロードムービーパート、コロッセオを寝床にするホー
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Ryuichi Sakamoto | Opus(2023年製作の映画)

4.0

芸術は長く人生は短し。NHK509スタジオでの演奏の再編集版であるが、音の細かさというか繊細さがヤバい。鍵盤を叩く指の音やペダルを踏む音まで聞こえる。プレミアム新宿で4000円払う価値は充分ある。

異人たち(2023年製作の映画)

3.5

オリジナルは山田太一原作、市川森一脚本、大林宣彦監督の「異人たちとの夏」
主人公が子供の頃に死別したはずの両親と再会して旧交(と言っていいのか)を温めるお話と隣人との新たな恋のお話が並行して進んで行く
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.5

リアル「太陽を盗んだ男」ことオッピー(劇中そう呼ばれてる)の原爆開発プロジェクトX的なお話と戦中のある活動が原因で戦後ハメられて事情聴取的なものを受けるお話が交互に繰り返され、初見では理解するまでちょ>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.7

呪われた一族と呼ばれたフォン・エリック一家の史実に基づくプロレスと兄弟愛の物語。呪いと言うが生きてれば理不尽な事は多々あるし、実のところは因果応報な面もあったりもする訳であり…
子供の頃よく見ていたプ
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ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

3.8

精神的な原因で5年間新作が書けずにいるオペラ作曲家、ある事がキッカケで書けるようになるもののというエピソードとその美人妻の連れ子の高校生の恋愛に立ちはだかる壁というエピソードが並行していくお話。内容も>>続きを読む

ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

3.5

まさかゴーストバスターズで泣くとは思わなかったという感想を抱いた前作アフターライフから早2年。
恐らく予算も少なくCG処理も楽な超ど田舎で撮られた前作がそこそこ当たったからなのか今回は予算がかなり増え
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四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

3.0

結婚直前の誕生日に出奔した女、逃げられたが意外と動揺が無い男、その男の10年前の学生時代の恋愛をめぐるお話。
男は昔の恋愛を引きずり、女は過去はすぐ忘れるというのが一般的な概念だが、そこが逆な感じが違
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青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

3.9

前作に続き若松孝二監督完全模倣の井浦新さんだけで十分笑えるのだが、今回は脚本監督の井上淳一さんの自叙伝的な青春作品となっている。ほぼほぼ福田村的なキャスティング。
河合塾の牧野先生とか80年代の名古屋
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水平線(2023年製作の映画)

3.5

福島県浜通りで散骨業を営む男の元へのとある依頼から色々と起こるお話。
風評被害って汚染水と訳アリの遺骨では全然レベルが違う話な気がするけど、ジャーナリストを語るいわゆるYouTuberって結局は迷惑な
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コットンテール(2022年製作の映画)

3.5

遺骨をイギリスの湖に散骨して欲しいという妻の遺言を叶える夫のロードムービー。息子夫婦との折り合いが悪くその辺が不透明なまま物語は進んでいく。
リリーさんと木村多江さんの夫婦役といえば「ぐるりのこと」だ
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漫才協会 THE MOVIE ~舞台の上の懲りない面々~(2024年製作の映画)

3.5

タイトルのまんま漫才協会所属芸人のドキュメンタリー。ナイツ塙が会長になってから協会の危機を感じ若手芸人を勧誘するのはまるで別の教会いや学会なのではないかと思うほどな感じでちょっと怖かったり。あと舞台挨>>続きを読む

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.8

原作読んでる人も多いと思うけど、虐待、ネグレクト、ヤングケアラー、共依存、DVなどなどなど他にも色々とある不幸の数え役満みたいなとても辛いお話。
そんな中、他者を理解すること慮ることの大切さを訴えてい
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犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.5

マ・ドンソク今度の相手は國村隼率いるジャパニーズヤクザ!お話の方はわかりやすい勧善懲悪もの。ドンソク丸腰なのに笑っちゃうくらい強いわ

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.7

謎の転落死をした夫、そこで殺人容疑をかけられる妻。証人となるであろう視覚障害のある息子と犬。果たして真実はいずこへという法廷物で羅生門スタイル。お話としては結構しんどいし、とにかく息子がいたたまれない>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.4

かつて、いわゆる単館系オシャレ映画として映画館で観たのは当時中学生か高校生の頃かだからかれこれ40年近く前。あの頃の記憶もかなりうっすらではある。
それからいく年月、アメリカンユートピア公開時にサブス
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カムイのうた(2023年製作の映画)

3.5

大正期、文字を持たない民族であるアイヌの歌に乗せた口伝文学(ユーカラ)を記録に残した少女のお話。史実に基づいており理不尽で辛いが物語としての起承転結はある。序盤の差別の受け方とかクラス全員が例のヘイト>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.5

最近問題となっている原作改変などオソマ喰らえと笑っちゃうくらい限りなく原作忠実再現。流石に1本で終わる話では無いよなとは思っていたけど、忠実過ぎる結果、最低でもエピソード8くらいかかるんじゃないかとい>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.8

合唱部の中学生と歌が上手くなりたいヤクザの友情物語。昨今のコンプライアンスなどの問題で反社組織をカッコよく描くのは如何なものかという風潮に逆らい、ヤクザ屋さんを比較的いい人として描いている。法律遵守の>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

胎児の脳を移植された女の成長物語。身体は大人で頭は子供なんだからやる事といったら…そりゃR18指定多めな展開なのだが、生きるとは人間とはを問いかける名作。旅とは人生であり人生とは旅であるという言葉がマ>>続きを読む

ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

4.4

北朝鮮からの脱出を図る人々とそれを支援する韓国人牧師についての米国製作のドキュメンタリー。
脱北といっても38度線をバンザイしながら越えて行くような容易いものではなく、常に生命の危険が伴うものとなる。
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レザボア・ドッグス デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.4

言わずと知れた超名作を21世紀に高画質にリマスターされた大画面で。アバンからのオープニングだけでもうお腹いっぱい。会話劇としても構図も含め最高です

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.3

人間関係苦手なのにお笑いの構成作家になりたい社会不適合な人の笑えないとてもつらーいお話。実在の人物がモデルらしいが仲野太賀と板橋駿谷が演じてた漫才コンビは一体誰なのだろう?板橋君が春日っぽかったからオ>>続きを読む

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

3.9

地震なんだか強風なんだか訳がわからん規模の大災害(その辺がよく分からないのもいい)の中で1棟だけ倒壊しなかったマンション。周辺住民が被災者となる中で、新しい秩序を作るために住民たちが起こした行動とは…>>続きを読む

シネマ歌舞伎 唐茄子屋 不思議国之若旦那(2024年製作の映画)

3.5

一昨年の秋に浅草の平成中村座で演った演目。ライブで観た時はほぼ最後列の席だったのでよく見えてないとこがあったけど、シネマバージョンになったおかげでよく分かった。
落語の唐茄子屋政談をベースに不思議の国
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宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました(2022年製作の映画)

3.8

今年最後の新作は非常宣言に始まりパニックもアクションもドラマもエンタメもそれぞれとんでもなく素晴らしかった韓国映画にしました。韓国の国境警備隊が拾った57億ウォンの当選ロトが風に乗って38度線を越えて>>続きを読む

さよなら ほやマン(2023年製作の映画)

4.0

震災から12年、東北の島で借金に追われカップ麺だけを食べて暮らす漁師の兄とその弟の元に家を売ってくれと青い髪の女が札束持参でやってきて色々と起こるお話。閉鎖的なコミュニティに劇薬キャラ投入みたいなもの>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.1

トイレ清掃員役所広司の日常。寡黙な役所広司が表情だけで演技し続ける。最高です。これトミーリーがやったら缶コーヒーのCMだよな。代々木八幡宮とかよく知ったご近所が沢山出てくる。一瞬映る端役のみなさんも結>>続きを読む

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