さわだにわかさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

さわだにわか

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白い船(1941年製作の映画)

3.5

ほとんどドキュメンタリーというか国防省的なのが作ってるとテロップに出るのでプロパガンダ映画に分類して差し支えないと思うのだが海戦シーンは特撮などではなく実際の戦艦使って撮影してる(敵機とかは合成)ので>>続きを読む

愛しのクノール(2022年製作の映画)

4.0

だいぶ抽象的な言い方になるが、どんなどうぶつも例外なくほとんど毎日ウンコを垂れ流している、という単なる事実を受け入れることのできる子供と大人には文句なしに楽しめる映画。

ちぎれた愛の殺人(1993年製作の映画)

3.5

なんとも歪な映画なのだが『死霊の罠』と人魚伝説』を繫ぐ池田敏春ユニバースのミッシングリンクとして捉えるとわりと合点はいく。脚本の石井隆的には池田敏春とのタッグ作『死霊の罠』が石井隆版『スキャナーズ』×>>続きを読む

ノストラダムス 戦慄の啓示(1994年製作の映画)

2.0

本当に面白くない。金は今の幸福映画よりも遥かにかかっているように見え(美術監修に木村威夫とあるが…)、スケールの大きなシーンも多いのだが、GLAの影響色濃い大川隆法の宗教世界観に映像を付けて説明してい>>続きを読む

アイズ(1978年製作の映画)

3.5

VHSデッキが復活したので二十年ぶりぐらいに観た。そうそうこのオープニング、これ印象的で覚えてた。その他細かい点は忘れていたが大人になって見直すとファッション写真の風俗描写は面白いし、その猥雑さを切り>>続きを読む

スーツ(2003年製作の映画)

3.7

崖の上、崖の中腹、崖の下でそれぞれ起こる種類の異なる人間の移動を同一カットに収める冒頭のパノラマ的な撮影に驚かされたがその後すったもんだがあって悪ガキ三人組が別の不良グループに対して「手榴弾を投げろ!>>続きを読む

ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

3.6

単にカット割りのできない人がダラダラとどうでもいい私生活を撮ったらそれがハリウッドに対するアンチテーゼになって法外な評価を受けてるだけでそうした文脈から切り離せば面白くもなんとも無いじゃないかとぶつく>>続きを読む

To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)

3.6

主人公をクズだクズだと書く人がやたら多いのだがこんな人はちょっと近所を見渡せばザラにいる。コンビニ夜勤なんかやってるような人(俺は8年ぐらいやってた)ならああ、いるね、よく店来ます、の一言じゃないだろ>>続きを読む

ゲロゾイド(1988年製作の映画)

3.7

『死霊のはらわた』に便乗してバカな若者どもから金を巻き上げたいという酷薄な意思以外の何も画面に存在しないので最高に無情な不条理ホラー空間がまったく図らずも現出してしまっている。将来的に介護ホームなどに>>続きを読む

THE FALLS(1980年製作の映画)

3.6

「未知の暴力的事象」なる何かに遭遇した人はわけのわからん謎言語を話すようになり行動や形態が鳥っぽくなってくるという意味不明な設定でなされる92人分のインタビュー+イメージ映像集でリストが不完全なのでと>>続きを読む

ビッグ・ボウの殺人(1946年製作の映画)

3.6

ドン・シーゲルの技巧的な撮影や編集が光るとはいえシナリオ的にはかなり渋いミステリーで90分に満たない短尺だがスモークを炊きすぎている霧のロンドンが舞台というのもあり途中結構眠くなる。しかしそのぶん結末>>続きを読む

仮面の報酬(1949年製作の映画)

3.7

最初のシークエンスでロバート・ミッチャムが前屈姿勢から振り返って相手を殴るところ、ハリウッド・ノワールらしい演劇的でもっさりした技斗「ではなく」かなり本気の喧嘩殴りで、その挙動の速さと隙のなさに驚いて>>続きを読む

ヒトラーは死なない(1945年製作の映画)

3.7

戦後の映画なのに凄まじいまでのドイツ憎悪!いいじゃん勝ったんだしと思ってしまうのは俺がヤングだからだろう。このあいだ戦争直撃世代のおばあちゃんと話してたら今でもアメリカ人と中国人が嫌いと話していた。>>続きを読む

ベツレヘムの星(1945年製作の映画)

3.7

砂漠に浮かぶ映画館の看板だった電飾☆が東方の三博士ならぬ三人の荒野のカウボーイ、しかもその手に持つのは銃ではなくおもちゃの馬やクリスマスツリー…を引き寄せてイエスの再誕をみんなで祝うというこの物語構造>>続きを読む

雨にぬれた舗道(1969年製作の映画)

4.0

アルトマン映画はいつもそうだがどこへ行くのかわからないから面白い。ニューシネマの感性で再構築された『ロミオとジュリエット』のような序盤はアルトマンにしては素直な筆運びだが一言も喋らない若造が純愛ムード>>続きを読む

ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

3.7

眠い映画で寝ぼけ眼をこじ開けながら見たのでところどころで主人公がぼやけて同じ画面に二人写って見えてはははこれはなるほどこの映画にぴったりの見え方だなぁとぼんやり面白がっていたのだが寝ぼけ眼をこじ開けて>>続きを読む

アダプション/ある母と娘の記録(1975年製作の映画)

3.7

製材所の女労働者たちの見事な手さばきと長年の労働で節くれだった指をひたすらアップで捉える開幕シークエンスが素晴らしい。それが何を言わんとするショットなのかは俺にはよくわからないが、意味など大したもので>>続きを読む

ナイン・マンス(1976年製作の映画)

3.6

実際の出産シーンが用いられているがヴァギナがぐーんと横に広がって産道から赤ちゃんが出てくるところはノーモザイクで赤ちゃんが無事出てきてヴァギナが通常形態に戻るとすかさずモザイクという職人技を見て別にや>>続きを読む

殺し屋ネルソン(1957年製作の映画)

3.7

ジェットコースタームービーってそういえば最近言わなくなったなと思ったのであえてそう呼びたいジェットコースター・ノワール。フリーキーなジャズをバックにベイビーフェイス・ネルソンが一時も休む暇なく犯罪的な>>続きを読む

肉体(1932年製作の映画)

3.0

ボクサーというかレスラー?の人の肉体がすごいというだけで一本撮り上げるのはすごいと思うが肉体がすごいというだけでしかないのでわりとすぐ飽きた。

東風(1969年製作の映画)

3.5

ゴダール先生が左翼学生の小難しい政治演説にわかりやすい動く挿絵を付けてくれたプロレタリアートのための教育映画なのだが西側の劇的な映画作りを否定しソビエト流の教条的な映画作りも自己批判した結果どこかの山>>続きを読む

ゴダールの探偵(1985年製作の映画)

3.4

ディテクティブとあるが刑事の捜査パートはあるとはいえ全体的にはどのへんがディテクティブなのかよくわからないのでタイトルはこっちで勝手に『ゴダールのグランド・ホテル』と改題したい。ゴダールっぽ絵作りであ>>続きを読む

無気力症シンドローム(1989年製作の映画)

4.5

『フルスタリョフ、車を!』を観たスコセッシは「なんだかわからんがすごい!」と評したというが、東(ロシア)に『フルスタリョフ、車を!』あれば西(ウクライナ)に『無気力症シンドローム』あり、なにがなんだか>>続きを読む

カラビニエ(1963年製作の映画)

3.6

面白いゴダール映画と全然面白くないゴダール映画は紙一重の観があってこれは前者なのだが全然面白くないゴダール映画とやっていることが本質的に違うわけではない。今回はゴダールの戦争ごっこなのだが戦争状況をで>>続きを読む

小さな兵隊(1960年製作の映画)

1.5

全然面白くないゴダールのスパイごっこ映画だが昔はゴダールのつまらない映画を観てキレていたのに今はこういうのを観てもハッハッハいつものゴダールだねハッハッハという感じでつまらないなぁと思いながらもその退>>続きを読む

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

3.5

『愛染恭子の未亡人下宿』の中でセンズリ学生役の桜金造が「健康なやつキライ〜」と歌っていて中々泣かせたのだがそれを観たあとに劇場を変えてこの映画を観たら見事に桜金造が嫌いな健康なやつしか出てこなくて、で>>続きを読む

カルメンという名の女(1983年製作の映画)

2.5

まったく意味がわからず即興台詞も滑り倒して面白くないがずたずたに切り刻まれたサウンドトラックにより眠たくなってくると大きな音がして目覚めるということが何度があり、ゴダールもゴダールなりに客を飽きさせな>>続きを読む

ゴールデン・エイティーズ(1986年製作の映画)

2.8

アメリカのミュージカルと比べたときのフランス(系)のミュージカルのリズム感の欠如が壊滅的に受け付けない俺は映画史上の傑作とされる『シェルブールの雨傘』などももうまったく面白くなく目を開けていられる時間>>続きを読む

月の寵児たち(1985年製作の映画)

3.6

現代のパリの狂騒を冷ややかにスケッチしてその昔の皿づくりの職人仕事を慈しむイオセリアーニは結局パリに居場所を見いだせなかった人なんだろうなと思う。皿は犬に割られてゴミ箱に捨てられてしまった。あの頃には>>続きを読む

街をぶっ飛ばせ(1968年製作の映画)

3.3

『ジャンヌ・ディエルマン』のプロトタイプ。さすがにこれぐらい短い短編だと良いも悪いもないが掃除するとかご飯作るとかの日常行為の中に爆発力を発見したのがアケルマンという映画作家なんだなあと思う。

そして光ありき(1989年製作の映画)

3.6

相変わらずちっとも面白くないのでそんなクレジットはないがJ.G.バラードの終末物語の映画化として完璧ではないかと思われる。何度寝て起きても同じような光景が続いて果てがない。ようやくそれが終わったことを>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

2.3

オッサンが若いアクション女優に萌えて盛り上がるアイドル映画だと思ってる。

ダーク・プロトコル/モンスター・バレー(2021年製作の映画)

3.0

面白いかどうかはともかくゲーム版の『バイオハザード』がめっちゃ好きであることが画面の端々から伝わってくる監督による俺流『バイオ2』はチープに見せないようにする工夫が随所にあって立派。見せないだけで予算>>続きを読む

とらんぷ譚(1936年製作の映画)

3.4

長い会話が動きなしに続くと寝てしまう幼児体質の俺はギトリ映画の延々続く座りの会話シーンなど耐えられないのだが会話ではなくナレーションベースのこの映画はシーン替わりが多くとくに序盤はカラッとしたブラック>>続きを読む

デジレ(1937年製作の映画)

3.4

子供は本を読んでやると寝てしまうが俺も人がずっと喋ってるのを聞いていると寝てしまうので台詞の応酬が核となるギトリの映画はまともに見れたことがない。ギトリの映画はとにかく喋る。ひたすら喋る。ずっと喋る。>>続きを読む