Sasadaさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

Sasada

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この茫漠たる荒野で(2020年製作の映画)

3.6

先日観た「グレイハウンド」に続き、またしても配信に流れ着いたトムハンクス主演作。

痛みに目を背けて忘れるのを待つのではなく、前に進むからこそ向き合うべきなのだと語る横顔はまだ幼いジョハンナ。

硬派
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.2

めちゃ良かったです。吉田大八も大泉洋も松岡茉優も好きなので、どうしても贔屓目になりますが。

主演でありながらあくまでホストとして、次々出てくる豪華キャストを輝かせる大泉洋がほんと見事。彼の魅力を1番
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坂道のアポロン(2017年製作の映画)

3.0

机と鉛筆を用いた教室でのセッションで知念くんと中川くんが心を通わせるシーンがハイライト。
音楽が性格の相反する2人の連帯を導くという意味でこの物語を根幹をなす素晴らしいシークエンスでした。

ただ、女
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スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち(2020年製作の映画)

3.0

今年の頭に日本公開された、スタントウーマンたちのドキュメンタリー。もうNetflixで観れます。

スタントの裏側ではあるものの、そこに詰まった技術とこだわりというよりは男性優位/白人優位な業界へ向け
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モンスターハンター(2019年製作の映画)

2.8

試写にて一足お先に。
映画館の音響を浴びるのに良い作品だろうとは思います。

モンスターは思ってたより遥かに迫力があるし、なんなら気持ち悪いくらいの存在感。
ゲームの世界観を下敷きに、人間ドラマを作る
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

花束の麦くんよろしく、これはこれで世間が求める「男らしさ」「夫らしさ」の呪縛に取り憑かれた男の物語。

あちらのカップルは行くとこまで行ってしまったけれどこちらの割とソフトな着地も好きでした。

孫と
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アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

4.0

本人と役者をシームレスに接続し、現実と虚構をファジーに行き来する構成。
映画を通して間接的に映画を語る、意欲的で質の高い映画でした。とても良かったです。

実話を元にした作品でご本人が登場する映画は多
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アンノウン(2011年製作の映画)

3.4

現状のリーアムニーソン×ジャウマコレットセラはこれにてコンプリート

騒動に巻き込まれてバディとなる不法移民役にダイアンクルーガー。
リーアムのあの困り顔で助けを求められたら協力してしまうのも分からん
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太陽は動かない(2020年製作の映画)

2.5

色々ハードル下げて観たとしてもやっぱり面白くないです。

せっかく華のある主演2人なのに、彼らの成長とか信頼とかが全く(本当に全く)見られないのが一番キツい。バディとして魅せる気が作り手に無い。

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フルートベール駅で(2013年製作の映画)

3.6

こういうのは折に触れて観ることになる(というか観るべき)であろう作品。

描かれてるのが2009年。そこから10年経ったのに、まだまだBLMと叫ばなければならない現実。権力を維持するために対立を煽る為
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モキシー ~私たちのムーブメント~(2021年製作の映画)

3.8

平等なふりをして女性や黒人を踏みつけ、冷静で理性的なふりをして上から見下ろして彼らを諭し叫びを無視する。
そんな世界でファイティングポーズを取り続ける、真っ当でストレートで正直なフェミニズム映画。
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響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)

4.0

天才なんだから凡人に僻まれるのも仕事のうちでしょ
人格に問題のある作り手の作品は世に出されるべきでないはずだ
若い女の子にあんな面白い物語が書けるんですかねえ

そんなクソッタレな価値観全てに中指突き
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ベイルート(2018年製作の映画)

3.3

ジョンハム×ロザムンドパイクのポリティカルサスペンス

登場人物の多さに誤魔化されるけれど、もろもろ説明が足りない映画。

まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

2.5

飄々ととぼける成田凌とシャープにツッコむ清原果耶の掛け合いは良いので、そこは楽しめる作品です。

ただ予備校講師が生徒と仲良くお散歩する時点で“まともじゃない”し、
観客の知らないうちにキャラクターが
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.3

消費され疲弊することを脱し、自らの手で人生をハンドルするまでの成長譚。
“女だから”と軽んじられる彼女たちが、さまざまな違いを超えて手を携えるシスターフッド。
東京出身者が東京で生きることの息苦しさと
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ザ・ホワイトタイガー(2021年製作の映画)

3.5

未だにカーストが色濃く根づく“世界最大の民主主義国家”インドを舞台にした成り上がり。

生まれながらに豊かな人々の中にも一見良い人はいるけれど、建前の裏では貧しい人々を軽蔑しているしいざとなれば簡単に
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あの頃。(2021年製作の映画)

3.4

思いの外太賀が主演の映画。

“楽しかったあの頃”の描写が個人的にはハマらず、女性の扱いとかが危うくてメインのキャラを好きになれなかった。
汚い部屋でみんなで集まって、、的な過ごし方をしてなかったりす
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ザ・バンカー(2020年製作の映画)

4.3

Apple TVオリジナル

黒人差別が公然と行われた時代、貧しい家の黒人が不動産投資家として/銀行家として成功していく様を描く。

黒人というだけでまともに取り合われないから、教養も知識もない白人を
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パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.3

いまいち整備されてない感のあるストーリーだけど、美しいショットを見せてくれるだけで観る価値のある映画。


支配する/される関係の反転というテーマはファントムスレッドと共通点があるような、、ポールトー
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ザ・ディスカバリー(2017年製作の映画)

2.8

肉体が朽ちた後も精神は別次元で生き続けるという理論をトリガーに、
「我々はなぜ生きるのか」
「現世で生きる意味は何か」
という問いが立ち上がるのは面白い。

と思うけれど、その転がし方がイケてない。映
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グレイハウンド(2020年製作の映画)

3.9

第二次大戦下、救援物資を届けるために船団を率いた護送船艦長の実話を基にした91分。

敵の位置を知るにも味方の船に連絡するにもマンパワーが必要だから、常に報告を受け指示を出し自ら船を操る。
どこかで誰
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マルコム&マリー(2021年製作の映画)

3.5

他人を気にしなさすぎる男と、他人を気にしすぎる女。
リズミカルで耳心地の良い口喧嘩。面白かったです。

スペース・スウィーパーズ(2020年製作の映画)

3.6

ストレートなよくあるスペースオペラとはいえ、こんなのまで韓国で作られるようになったんだというのが正直なところ。

皆さん言われるように「ガーディアンズオブギャラクシー」だし、あちらの方がもちろん面白い
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

“普通”を生きていくために
黒をグレーと主張し、何もしないことが自分を守ると信じ、悪を善だと言ってみる。

見上げた空は広くても、本音にいくつものフィルターを重ねて日々を生きる“シャバ”はとっても窮屈
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時の面影(2021年製作の映画)

4.2

まだ2月ですが、年間ベスト級を引いた感あります。

カラッとした質感で空と人、地面と人を映し出す画作りがとっても好み。
暖かく射し込む陽の光は優しく人々を包み、不穏に空を駆ける戦闘機が忍び寄る影をこち
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.1

アバンタイトルの外連味は「孤狼の血」とよく似たバックトゥザベーシックな様式美。
そこに落ちるしかなかったアウトサイダーが疑似家族を形成し沈んでいく物語は「万引き家族」みたいな社会性と現代性。

作風の
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.0

ある種どこにでもある恋愛の風景を、カルチャーと東京でフィルターするとここまでリアリティ溢れる映画になるとは。

ブルーバレンタイン、マリッジストーリー、レボリューショナリーロード、ララランド etc.
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彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

3.5

「あんたのママは、時々間違える」
さりげないけどめちゃくちゃいいセリフだなと思いました。

血縁による支配や社会的に「良きこと、正しきこと」とされてきたことへの異議を高らかに宣言するという意味で心に残
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KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

3.8

今目の前にいる権力者に、あの日信じて戦った同士の面影はない。
身を捧げて尽くしてきた大統領は、国民のために立ち上がったあの志を捨ててしまった。

半沢直樹みたいに綺麗に啖呵を切れず、いざ銃を手にしたと
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ゆれる(2006年製作の映画)

3.8

西川美和監督が紡ぐ「兄弟」の映画

良くも悪くも意識するし、自分でも気づかぬ内に嫉妬していたり。

信じるのか信じないのか。兄は本当に人を殺したのか。自分と彼女がセックスしていたことは兄の行動をいかに
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.9

いくつもの言語が飛び交うシーンの緊張感。文学への愛を語り、自らが物語を紡ごうとする業の深さ。

「どんでん返し」「誤訳する」みたいな大掛かりなキャッチコピーが下品な感じがしますが、作品としては丁寧で質
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幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

3.9

怒りを手放すこと、自らを顧みること、弱さを見つめて曝け出すこと。

お正月の逃げ恥スペシャルで、平匡さんが「辛かった」と言ってみくりさんに抱きつくシーンで涙が止まらなかった身としてはたまらない映画でし
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さらば!2020年(2020年製作の映画)

3.8

ウイルス、気候変動、アメリカ大統領選、左右の分断、人種差別etc...

災難の続いた2020年を皮肉たっぷりに振り返る70分。

トランプもバイデンもボリスジョンソンもエリザベス女王もグレタトゥーン
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ローガン・ラッキー(2017年製作の映画)

3.8

地元のスターだった男と、その弟の退役軍人。かつての輝きを失ったかに見える2人が計画した現金強奪計画のお話。

スティーブンソダーバーグの十八番のケイパーものでありながら、古き良きアメリカの良心を信じる
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ウォー・ドッグス(2016年製作の映画)

3.6

戦争をタネに一儲けしようと危ない橋を渡り続けるバディもの。(結構派手な話だけれど実話をベースにしてるらしい)

ジョナヒルとマイルズテラーが頭良いのか悪いのか、、って感じで突き進んでいくのがスリリング
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エンド・オブ・キングダム(2016年製作の映画)

3.8

2021年の1本目

なるべく派手で頭使わなくていいやつを観たくてジェラルドバトラー兄さんの主演作を。
外連味たっぷりで素晴らしかったです。