Sasadaさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

Sasada

Sasada

映画(1364)
ドラマ(106)
アニメ(0)

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

3.6

数学者が“正義”を語り、それをおじさんの“ロマン”が上回るお話。

結末は分かりきってるんで、そこにどうやって辿り着くかが見せ所だと思うんですが、ちゃんとしてて良かったです。

まず菅田将暉と柄本佑の
>>続きを読む

ある夜、彼女は明け方を想う(2022年製作の映画)

3.5

“明け方の若者たち”のスピンオフ。(というかあちらがsideAでこちらがsideB)

彼が味わった沼のようなあの日あの時に彼女の側から光を当てる短編で、普通に面白かったんでなぜこれを本編にいれない?
>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

演技と正直さの話。
何かを差し出すことなく何かを得ようとする話。
執着と解放の話。
内面を語る言葉を獲得する話。
セックスとオーガズムの話。
ノンバーバルなコミュニケーションの話。
人をコントロールし
>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

面白かったです。一応全部見てるんでうっすら記憶にあるキャラクターたちとの再会が楽しかったし。

「他人の運命を変える」ことの危うさが結局自分に返ってくるのも良いですね。あれはあれで結構傲慢だなーと思っ
>>続きを読む

ユンヒへ(2019年製作の映画)

4.2

かつて愛し合った女と女。時代によって抑圧され、異常だと声を浴びせられ、無かったことにせざるを得なかった恋。
20年の間出すことのない手紙にしたため続けたその思いが、少しだけ彼女たちの人生を照らす。
>>続きを読む

愛すべき夫妻の秘密(2021年製作の映画)

3.7

アーロン・ソーキンの新作はAmazonオリジナル。

時系列を入れ替えつつ、1940-50年代のショービズ界で女性が戦わなければいけなかった理由、お茶の間のスター夫婦が直面した危機を描く。

面白かっ
>>続きを読む

さらば! 2021年(2021年製作の映画)

3.4

「2021年に学んだことは?」
「2020年に何も学ばなかったということ」

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

3.3

11のお話からなる短編集なので、コーヒーのように合うものと合わないものがありまして。「問題なし」だけ面白かったです。
あとは全部not for meだなーと。ジム・ジャームッシュは個人的にダメなのかも
>>続きを読む

ロスト・ドーター(2021年製作の映画)

3.2

子供は無邪気に騒ぎ立て、父親は「仕事だから」を免罪符に逃げ、全ての負担は母親に集中する。
オリヴィアコールマン演じるレダの現在と過去を通して、その地獄のままならなさと時代の進歩のなさを描く。

科学は
>>続きを読む

明け方の若者たち(2021年製作の映画)

3.4

明大前から始まる恋
カルチャーを通じた意気投合
学生と社会人
幸せの絶頂とその終わり
正統派かつ実力を備えた若手俳優のダブル主演

はーるーのかっぜーを と聞こえてきそうな物語。タイミングが悪すぎる。
>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.1

懸命に話している人を薄ら笑いしながら聞く“ポーズ”を取る人々が、科学者の心を削っていく様がとてもリアルで辛かった。

「知らない」「分からない」ことに目を背け、何でもかんでも「想定内」と言っておく。
>>続きを読む

ただ悪より救いたまえ(2019年製作の映画)

3.5

新しき世界 の共演も印象深い2人による韓国ノワール。

静のファンジョンミンに動のイジョンジェという感じなのだけど、自分の中では割と逆なイメージだったので新鮮で楽しかったです。

2人のみならずバンコ
>>続きを読む

キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.3

キングスマンシリーズの特徴って、個人的には①魅力的で動機にもやや頷ける悪役②スーツで魅せるスピーディで時に漫画っぽいアクション だと思ってたんですが、今作はいずれにも当てはまらない印象。

悪役は地味
>>続きを読む

二重生活(2016年製作の映画)

3.6

尾行で生き生きしていく門脇麦に惹きつけられて観てしまうのだけど、菅田くんとの恋愛関係の切り取り方が最高でそっちに感情を持っていかれる。

もう破綻している関係を知りながら目を伏せ、カップラーメンを啜り
>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

2.0

悪趣味。あまりに露悪的。
なんであんなに繰り返す必要があるのかほんとに理解できない。それが果たして“エンタメ”か?彼女たちの恐怖は、ああやって何度も何度もホラーチックに表現しなければ男性には理解できな
>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.2

あの日あの時あの場所で君に会えなかったら、、、
我々の人生を支配する「偶然のいたずら」と「隠された部分への想像」で紡ぐ濱口竜介監督の会話劇。

たまたま出会った“それ”が、秘めていた思いを溢れさせる。
>>続きを読む

浅草キッド(2021年製作の映画)

3.7

コントから漫才へ/劇場からテレビへとステージを移すビートたけしが、テレビの論理を振り切って我を通す決断。
日々積み重ねた努力、師匠との出会いと決別、支え合った同士との抱擁が頭を駆け抜ける中、いつも踏ん
>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.6

誰が誰に何を教えるか。支配する/される関係のダイナミズムを表現する脚本の緻密さ。
家で片手間で見ていいタイプの映画じゃなかったです。ほんとうはじっくり映画館で見たいところ。

“西部劇らしい”“男らし
>>続きを読む

成れの果て(2021年製作の映画)

2.5

閉じた人間関係、進む貧困、娯楽としてのゴシップ。
嫌なやつしか出てこない、“日本の田舎町マジくそ”映画。

人を貶めて自らの場所を作る者
金のためになら簡単に他者を売る者
他者の傷を抉ることに鈍感な者
>>続きを読む

ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

3.7

なるほどラブストーリーなんですねこれ。

過去が未来を見通すロジックはメインじゃないんだけど、テネットほど突き放さないので割と腑に落ちる。

未来に縛られて一度はチャンスを逃した男が、あくまで今ここに
>>続きを読む

ラスト・クリスマス(2019年製作の映画)

3.9

今年ももう終わりですね。なんだか寒いし、クリスマス映画を見たくなる季節がやってきました。
ベタっぽくて楽しそうだし、サクッと見れるかなーと思って手を出した本作。

とても良かったです。ロマコメとしてと
>>続きを読む

トムとジェリー(2021年製作の映画)

3.5

癒されました。お話自体はあってないようなもので、実写世界で躍動するトムとジェリーが見られるだけで満足感は高いんじゃないでしょうか。

ずっと独身でいるつもり?(2021年製作の映画)

2.5

「結婚の理想と現実」
「男らしさ/女らしさの呪い」
「ひとりを引き受ける者の孤独と幸福」

映画に限らず手垢のつきまくったお話を、手垢のつきまくった方法で映像化した作品。

肩に力入りまくった田中みな
>>続きを読む

PASSING -白い黒人-(2021年製作の映画)

3.6

常に白人になりすまして豊かになった女と、
あくまで黒人として生活を紡ぐ女。

偽り続けることに疲れ果て、夫が黒人へ向ける差別に動じないふりで摩耗するクレアの心。自らの幸せのためには、他者を傷つけてでも
>>続きを読む

レッド・ノーティス(2021年製作の映画)

4.2

2枚目と3枚目を軽やかに行き来するライアンレイノルズ。
肉体と頭脳がフル回転のドウェインジョンソン。
結局いいとこ持ってくガルガドット。

誰かが言ってたけどまさに「実写版ルパン三世」

派手で笑えて
>>続きを読む

恋する寄生虫(2021年製作の映画)

3.0

我々が主体的に選びとっていると思っているものや、自然と湧き上がるものだと考えている感情は、どこまで自発的なものであるか。
もしくは、運命的に与えられたものに対して我々の「自由意志」はどのように立ち向か
>>続きを読む

エターナルズ(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

割とわかりやすい特殊能力を持っていて、かつ人間社会でもきっちり成功してそうな男性2人が「組織の方針だから」諦めてしまうのは結構示唆的なものに見えた。

対して「いやだめだろ」って抵抗するのは耳が聞こえ
>>続きを読む

LOOPER/ルーパー(2012年製作の映画)

3.6

愛する人の命を奪った者への復讐を誓う男
何にも変え難い存在を守るために命を落とす女
救われた命に宿る特別な力は、復讐の連鎖に囚われてしまうのか。

割とありふれた話を、「タイムスリップ」「未来から送ら
>>続きを読む

ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

2.8

時系列を弄ることが奏功してるようには思えなくて、終始退屈してしまう。

現在から過去を遡るのなら、「次どうなるんだろ?」に代わる推進力が必要なはずなのにそれがない。
異なる時代でセリフが繰り返されるの
>>続きを読む

テロ、ライブ(2013年製作の映画)

3.5

ワンシチュエーションで声と会話を頼りにスリリングに紡ぐ緊張感は、最近リメイクもされた「ギルティ」と似てる。(こっちの方が先に作られてるけど)

韓国ってやっぱり苛烈な競争社会で、格差とか政治不信が深刻
>>続きを読む

CUBE(1997年製作の映画)

3.3

この設定を用意しておいてそこに理由がないことの不気味さが印象的。

ゾンビ映画とかもそうだけど、「追い込まれるうちに顕になる人間本性の醜さ」の見せ方も上手だし、弱者を切り捨てる“正論”らしきものは現代
>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.0

Part1だとしたって、これ単体でも面白くなきゃいけないと思うんですが。
世界観の説明や固有名詞の羅列には熱心なものの、これ単体で物語る気は無さそうなのでどうかなーと。

ティモシーを筆頭に役者の美し
>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

3.9

Blueに続き、今年2本目の吉田恵輔監督作。
作中のセリフにも出てくるが、今作のテーマは“ケア”だと思った。

バーチカルな関係で上から目線の「〇〇してあげる」ことの暴力性、
同じ車に乗り/船に乗り、
>>続きを読む

キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.6

ステイサムの活躍っぷりに大変満足できる映画。
音楽の使い方も印象的で、ベイビードライバー以降頻発する音合わせアクションも併せてケレン味たっぷりで楽しめる。

ただ中盤で視点が入れ替わるのですが、それ以
>>続きを読む

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.4

ダニエルクレイグボンドの大団円。
美しい街並みとエキサイティングなアクションはワクワクするし、クールでちょっとお茶目なボンドは相変わらず魅力的。アバンタイトルの列車のシーンとか惚れ惚れするくらい鮮やか
>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2021年製作の映画)

3.5

オリジナル版の記憶も新しい中配信されたリメイク版。
イコライザーのアントワンフークア監督作ということで、エンタメ感が増した印象です。

ただまあ大筋は変わりません。重厚で冷たいのが好きか、わかりやすく
>>続きを読む