Sasadaさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

Sasada

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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

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ああきつい。今までどれだけの才能が、台所のシンクに流れていっただろう。いったい何人の人生が、掃除機に吸い込まれていっただろう。

彼女たちが出世できないのは“能力が足りない”からか?
盗撮されるのは“
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シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)

4.0

最高でした。めちゃくちゃで穴だらけだけれど愛さずにはいられない、「こういうのを観たい」ワクワクに満ちた一本。

「グレムリンや日本軍と戦う」のはそうなんですが、それよりグロいのは男たちの女性蔑視やセク
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クリムゾン・ピーク(2015年製作の映画)

3.3

ナイトメアアリーが素晴らしかったんで、監督の過去作を。

トムヒドルストンとミアワシコウスカの映画と思ってみていたら、ジェシカチャステインがすげーという話。

ホラーでありサスペンスで、その割に落とし
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サンドラの小さな家(2020年製作の映画)

3.8

原題は「herself」
喪失から立ち上がり、システムの理不尽に立ち向かい、他者としなやかに連帯する女性たちの物語だった。

暴力を振るった夫の元を離れ、行く先をなくして自らの手で家を建てることを決断
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桜のような僕の恋人(2022年製作の映画)

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松本穂香が出ている。
その1点で見始めて、その1点のみで最後まで観た。

チープで「Always」みたいな世界観の美術と世界観。
2人が結ばれる過程はとても雑でセリフのためのセリフのオンパレード。
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

4.2

いやー素晴らしい。とても面白かったです。

まずもってお話以前に画面に映る全てが美しい。
前半パートの見せ物小屋の雑然としたリアリティと、後半パートの上流階級が集うアールデコ風建築のリッチな佇まい。
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オアシス(2002年製作の映画)

3.8

イチャンドン監督作

障害者の声を、彼らが望むことを、周囲は全く気にかけない。そんな環境で育まれた愛(のようなもの)のお話。

別に美しい話だとは思わないし、「純愛」だとも思わない。愛がなかったとは言
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ザ・ネゴシエーション(2018年製作の映画)

3.5

ワクチンの副反応にやや苦しみながら眺めていた1本。良かったです。

ネゴシエーションという割に交渉に重きは置かない作りで、何なら最終的には対象者と同じ方向を見据えることになるプロットが面白い。

国家
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底知れぬ愛の闇(2022年製作の映画)

2.0

奔放な妻と、それを無表情で眺める夫。
彼らの秘密と試みをチラつかせて、、チラつかせて、、あ、チラつかせただけです。という変な映画。

ベンアフレックで夫婦もののスリラーなので、ゴーンガールを意識してる
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猫は逃げた(2021年製作の映画)

3.3

他人を好きになることの可笑しみと、その真摯な眼差しが語る力強さ が今泉力哉の持ち味だと思ってるので、それっぽいけど実は今泉力哉っぽくないなという映画。

この4人、ほんとに相手のこと好きなの?って思っ
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階段の先には踊り場がある(2022年製作の映画)

3.4

会話劇にしてはちょっと長めだけれどキャストが良い。これからもっと売れる感がプンプンしている。

手島実優の声と先輩へのタメ口がチャーミング。
細川岳の掴み所のなさとそれでいてリアルな存在感。
植田雅の
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アダム&アダム(2022年製作の映画)

3.6

まさにライアンレイノルズ。これぞライアンレイノルズ。笑わせて泣かせて、ほんとに達者だなーこの人。

親から子へ、子から親へ、わたしからあなたへの言葉の伝達。言えずに後悔した未来をキャンセルし、ちゃっか
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

4.3

最高。アクションだけどコメディですね。

理由も何もないただの暴力、圧倒的な暴力。わかりやすい悪役に向けられるそれはとても爽快で。

家で観てたけれど後半はわらいがとまりませんでした。これ映画館でみん
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

3.8

今ある環境を全て捨てて人生をリスタートしたいと感じることはたまにあって。
意識しなくても常にまとわりつく記憶もあるし、大事なことなのに奥底に閉じ込めてきた出来事もある。

この映画は、記憶喪失の病が流
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かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)

1.5

妻が仕事で忙しいときに「家事をあまり手伝わず」、それが原因で揉めて「相手を責め」、娘が育つと「おかん」をやらせる父親を井浦新。(そもそも“手伝う”とか“手伝わない”じゃねえだろクソが)
そんな父には優
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.6

んー前作が良すぎたなって感想が正直なところ。

悪と悪が交わるシンパシー、暴力でしか止められない暴力、孤狼の狂気と組織の犬。

日岡(松坂桃李)と上林(鈴木亮平)とチンタ(村上虹郎)による不思議な親密
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ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償(2020年製作の映画)

3.8

ブラックパンサー党の若きリーダーと、FBIの手先として組織に潜り込んだ男の話。

潜入ものとしてのスリリングなやりとりが印象的だし、情が湧いてしまって任務との狭間で揺れる姿に黒人を取り巻く差別が重くの
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パイレーツ:失われた王家の秘宝(2022年製作の映画)

3.8

韓国産の海洋活劇。こういうのも作れちゃう懐の深さよねえ。

アクションのキレとか見せ方に真新しさはないけれど、海賊の親分と盗賊の親分、そこに交わる因縁の相手、それぞれの子分たちのキャラクターとドラマ(
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ハート・ショット(2022年製作の映画)

4.1

なんじゃこれ。めちゃくちゃ面白いじゃん。Netflixの短編映画。

レズビアンのティーン同士のカップル。家族との不和。言えない秘密。

あらすじからは想像し得ないトリッキーな展開はもちろん、思い切り
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.0

ガルガドットとエママッキーをもってしても「観てよかった」とは言わせてくれない映画。

1時間かけて人間関係を説明し、残り1時間で複数の殺人と解決を描く。まずもってそこから違うなと思っちゃう。
繋がって
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ANON アノン(2018年製作の映画)

3.7

アンドリューニコル監督のらしさ溢れる近未来SF

相変わらず画が美しくて、無機質な感じなんだけど洒落てます。

「誰が何をどうやって見るか」という点に絞ったストーリーは終盤にかけてこんがらがっちゃう
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滑走路(2020年製作の映画)

3.6

「奇跡みたいに美しいラストシーン。こんな一瞬があれば、人はきっと生きていける」
と言いたいけれど言わせてくれない。容赦なく叩きつけてくる映画。

いじめ、長時間労働、ジェンダーギャップ。それぞれに直面
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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

3.8

夢を叶えられる人は一握り。努力は報われるわけがないことなんて誰しも知ってる。
なのにそれに目を背けて追い続けられるなんて、やっぱ夢追い人って狂ってるよなと。

色んな意味でタイムリミットが迫る中で、恋
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彼女が夢から覚めるまで(2021年製作の映画)

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お話はあってないようなもので、菅原小春と森山未來の身体運用を観る20分。

355(2022年製作の映画)

3.8

エターナルズに引き続き、白人男性の嫌味な部分てんこ盛りだなリチャードマッデンと思ってたらセバスチャンスタンだったという。

面白かったです。大味な娯楽大作で、話自体は珍しくないし色々と粗さも目立つんで
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.3

ジム・ジャームッシュ(特にパターソン)へのリスペクトは存分に感じるし、シャッターの降りた深夜の街を2人で踊るシーンの美しさには惚れ惚れする。

タクシー運転手の葉がお客さんと交わす会話も豊かで、なぜ運
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余りある(2021年製作の映画)

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言葉にできない男と、言葉にしたら終わると思っている女。
日常の会話も、ここぞのLINEも、そして最後の瞬間も。通底する人物造形に痺れます。20分の短編だけれど、それだけで彼らの数年を想像させる見事な映
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コラテラル(2004年製作の映画)

3.9

面白いなーこれ。
やりたいことはあれども“腰掛けの”タクシー運転手に10年以上甘んじる男と、仕事であれば誰であっても消す殺し屋。

ある人物が「覚悟を決める」場面が終盤あるんですが、その見せ方の鮮やか
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誰かの花(2021年製作の映画)

3.8

監督の仰る「足したところから引いていった」がゆえの密度と強度が高くて、正直一回では全然理解しきれていないのだけれど。
上映後の宇多丸さんと奥田監督のトークで補助線引いて頂いたおかげでとても助かりました
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前科者(2022年製作の映画)

3.6

ドラマ版を年末に観てまして。共通する要素を数多く感じる映画版でした。

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気づいたら搾取され、利用され、社会から“自己責任”で切り捨てられる女たちと、彼女たちに「あなただ
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.4

横に並んで歩くところを後ろから捉えたショットとか、馬を撫でるイーストウッドを照らす陽射しとか、思わず息を呑む美しい瞬間が詰まった映画。

ではあるものの、ストーリーは「お爺ちゃんになっても俺は女にモテ
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仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

3.8

サブリミナルに差し込まれるインパクトの強い映像のパンチ力。
2人が1人になり、見つめる側は見つめられている緊張関係。
複雑で多面的、常に仮面を付け替えるその変化のあり方にこそ宿る“わたしらしさ”

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フライト・ゲーム(2014年製作の映画)

3.8

リーアムニーソン×ジャウムコレットセラは観ちゃうよねと。

閉鎖空間の中でたまたま乗り合わせた乗客たちへの疑念と終盤の展開みたいなところは、近作の「トレインミッション」ととてもよく似ている。

助演キ
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さがす(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

結構ショッキングな描写も続くので、そこの是非(それを映す必要が果たしてあるのか)はあるにせよ、とても質の高い映画だと思います。

滴り落ちる雫が表象する暴力と死のイメージ。自殺を企図する妻を見つめる佐
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マクベス(2021年製作の映画)

3.7

ジョエルコーエンによる「マクベス」
とても真面目で誠実な映画化で、元の戯曲のテイストを損なうことなくモノクロでスタイリッシュな画作りで魅せる。

セリフ回しも割と“舞台っぽく”て、話自体もかなりストレ
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エル プラネタ(2021年製作の映画)

3.5

結構退屈しちゃって眠たいなーって思っちゃうんだけどなぜか嫌いになれない映画でした。

母と娘が陥る貧しさとか性的搾取とか、深刻なはずなのに本人たちケロッとしてるし。その一方でニュースの映像を流して割と
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