Yuさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

3.8


言葉が通じない国で ひとりになる

緊張感を最後まで増幅させていたのは、静かに迫るホラーを描くのが秀逸な黒沢監督ならではの演出

やりたいことをやることができない苦しみに加え、やらされ仕事
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パピヨン(2017年製作の映画)

3.7


終始ハナム演じるパピがかっこいい。それはもちろん容姿だけでなく心自体も。

そして、実話ベースで描かれたこのリメイクは、またもやラミ・マレックの演技に泣かされた。
ボラプ以前に作られた今作だが、この
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誰もがそれを知っている(2018年製作の映画)

3.5


冒頭で描かれるのは
部品一つ一つが歯車となって時を刻む “生きた鳩時計” 

物語の中で何が “部品” で、
外に羽ばたけない鳩は一体 “誰” なのか

その後の物語に鋭さを増すこの問
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ガルヴェストン(2018年製作の映画)

3.5


人は自分の余命が幾許もないと知った時に
本当の意味で 自身の価値に 真剣に向き合うのかもしれない

後悔ばかりの人生の最後に切望した想い

それは、エンドゲームで “正し
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ある少年の告白(2018年製作の映画)

3.8


エンドロール直前に現れる最後の一文が
この作品の全てを伝えるに値する とても衝撃的なものだった


同性を好きな想いは
生まれ持ったものなのか 開発されたものなのか

開発され
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マローボーン家の掟(2017年製作の映画)

3.9


こんなにも美しく希望に溢れたサスペンススリラーは観たことがない

オチは丁寧な演出により 途中である程度想像がついてしまうが この物語の伝えたいことは 掟でもなければ謎解きでもなく
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荒野にて(2017年製作の映画)

4.1


原題 Lean On Pete は劇中に出てくる競走馬の名前

Lean On は “頼る” という意味なので 
つまりは “ピートに頼る” という和訳になる
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芳華-Youth-(2017年製作の映画)

4.5


踊りたかったんだよね

シャオピンが堂々と1人で力強く舞う姿に
堰を切ったように何かがあふれでた

“若者” “花の香りのような歳月” という意を持つ芳
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ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

もう何度涙を流したか分からない

ティモシー・シャラメによって威力の増したスティーヴ・カレルの演技が凄まじい

「世界中の言葉を集めても愛を語りつくせない、もう全てなんだ」と抱きしめる愛ですら、無惨に
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パパは奮闘中!(2018年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

配給さんが上手いこと考えた邦題とクレイマークレイマーのくだりは、観終わった後には実はあまり残らない。

それぐらいフランスにおける労働環境の問題がこの物語の根底に根差していた。

その読後感から振り返
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野獣(2018年製作の映画)

4.4


人間はあらゆる “間” で生きている

この “間” で生きてるからこそ
喜怒哀楽は豊かに育つのだろう


狐、車、真が語る物語

見える見えない
現れる現れない
真摯か無邪気か

いぬやしき(2018年製作の映画)

3.5


歪んだ家族愛と友情を再構築させる話としてなかなか面白かった

洗骨(2018年製作の映画)

3.8


最愛の人を失くすのは誰しも悲しい。
だが数年後、その人にもう一度会える神秘的な風習、“洗骨”。

沖縄の離島、粟国島では亡き人を風葬したのち 4年後に対面。
汚れた骨を
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.0


カンヌウィークでは、毎日順番にノミネート作品が上映され、各国の評論家は次々と採点を公表していく。実際の審査員の評とは関係ないのでいわゆる下馬評にしか過ぎないのだが、その星取表は作品を観れない映画ファ
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ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)

3.0

昨年末にNetflixでポール・グリーングラスのを観ていたので、試写前のエリック・ポッペ監督の話だけで胸が熱くなり やり切れない悲しさに涙が出そうになった。

何故ワンカットにこだわったかという問いに
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家へ帰ろう(2017年製作の映画)

4.0

‪当事者にしか分からない心の奥底に隠した傷は70年という年月が培った人々の優しさに包み込まれ身も心も安息の地へと導かれていく。彼の静かな怒りを受け止めるのは人類の母である多様な女性たち。ドイツ>>続きを読む

スター誕生(1976年製作の映画)

3.0

理にかなった展開ではあるがアリーと比べるとキャラクターに魅力が感じられずいまいち。

テルマ(2017年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます


冒頭、氷の壁に閉じ込められてるのは
果たして 2匹の魚なのか 少女なのか

自由に泳いでいる魚たちは
泳がされてるのかもしれないし
身動きしない少女は
実は物色し
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マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます


今作は 今までと違ったまた新しいアプローチの
こじらせ女子もので
観終わった後には、良かったねって
思わず声を掛けたくたる爽やかな後味だった

というか、そ
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生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます


圧倒的なまでに趣里がすごい
リアルな躁鬱を見事なまでに演じており
観るものの心を
生身の手で直接 鷲掴みにする

終始 趣里演じる寧子の行動に目が離せず
何もでき
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運命は踊る(2017年製作の映画)

4.4


“人は、運命を避けようとしてとった道で、しばしば運命にであう”


ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地とされ、いつまで経っても
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セブンガールズ(2018年製作の映画)

4.0


自身カメ止め以来となる満席のK's cinemaで観た今作は、オリジナルである舞台劇に忠実だからなのか、もはや舞台を観てるかのような144分の会話劇だった

まめにカットを割
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500ページの夢の束(2017年製作の映画)

3.9


どこか“ブリグズビーベア”の香りを感じる今作は、ダコタ姉さんの秀逸な演技にただただ感服する、とってもステキな物語だった

大切な人に想いを伝えたい

その想いが切実で大切なもの
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.2


まるでウォンカーウァイ作品のようなオフナレから始まる今作は、とても瑞々しいひと夏の若者たちの姿が描かれていた

気になる人との帰り際、別れる時に無意識
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.5


未来を生きる人たちに希望を与えるホラー映画だ!


恥ずかしながら、観終わった直後のアンケート用紙に思わず書いてしまった一文だ。

今作のことをずーっと楽しみに待ち焦がれていたのは、この作品の何がカ
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悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)

4.0


監督自身の経験談だったのかと後から納得したのは、“家族4人”のリアルで生々しい感情をひとりひとり見事に切り取っていたから。

冒頭、だるまさんが転んだっぽいお遊びからの少年のセリフは、余韻としては少
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志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

4.3


もはや運命に導かれたのように見つめた先に映っていたものは、どこかで見た光景、どこかで聞いた言葉、どこかで感じた視線。そして、どこかの心の奥に淀んでいる願い。

それは“自分自身の映画”でもあり、まさ
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未来のミライ(2018年製作の映画)

4.0


冒頭、エンドロールみたいに始まるオープニングが面白い。
後から思えばそれは、この物語が放つ大切なメッセージである“愛によって繰り返しもたらされる普遍性”を表現していたのではないだろうか。

人間はと
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恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

3.8


45歳のバツイチ子持ちに恋をする17歳の女子高生という年の差28歳の物語は、今で言う“メンバー”要素一切無しで、不純度0%のとても爽やかな余韻を残す良作だった。

本人の意図していないところでの何気
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ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

4.6


期待しすぎは禁物と思いつつ、恐る恐る鑑賞したが、まさしく全てがワンダーだった😆!

脚本が若干ヌルっとしてるし、ストーリーは最初から最後まで想像できちゃって、色んなことが予定調和だけど多少の粗なんて
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.7


これから観る方は、絵本の“スイミー”を読んでから観に行くとより理解が進むはず。話のメインかどうかは受け取り方次第だが、劇中で微かに語られるその部分をちゃんと“拾う”ことができれば、鑑賞後の余韻に対し
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.3


拡張高めな恵比寿ガーデンシネマと見事に馴染んだ今作。なんの情報もなく観たお陰で序盤は探り探りだったけど、とある瞬間、思わず笑みがこぼれ、あっという間に心奪われてしまった。

人を愛するとはどういうこ
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ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

4.3


3月末から毎週のように監督登壇のジャパンプレミアが行われており、そのほとんどが抽選でなくweb購入が出来るという、自力でなんとかできるこの上ない幸せ。しかもその内の3本がカンヌ受賞作!

今作は、宣
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友罪(2017年製作の映画)

3.5


隣で静かに微笑む友が、かつて日本中を震撼させた“あの事件”の少年Aだったら…。その問いに答えはあるのか
という公式HPにあるイントロ。
“友人が過去に重大犯罪を犯していても、あなたは友達でいられるか
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ラブレス(2017年製作の映画)

3.9


冒頭、雪景色の林と、逆像でそれが映り込む小川の映像がとても印象的だった。
静寂の中で水面に映った虚像が表現しているもの。それは、外面は幸せそうに見える家庭の“偽りの姿”を描いてたのだろうか。
愛のあ
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心と体と(2017年製作の映画)

4.8


カンヌで賞を獲った「ラブレス」や「ザ・スクエア」、そしてベルリン国際映画祭最高賞を獲得した今作。
アカデミー外国語映画賞にもノミネートされたこの3作品が、一気に4月に公開される中でどれも期待を裏切ら
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