notitleさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

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友罪(2017年製作の映画)

4.1

少年Aと、図らずも彼と接することになった、心に傷を持つ人達の話。驚く程薄っぺらい言葉と、受け止めきれない程の重い言葉、そして表面的な優しさと目を背けたくなる程の人の醜さ、恐怖、自己保身に塗れていた。対>>続きを読む

ダンガル きっと、つよくなる(2016年製作の映画)

3.8

レスリングで金メダルを取る、という夢を娘二人に託す、親子のスポ根映画。単純明快で、だいたい想像通り進み、想像通り終わる。それでも、グッときた。他作品を含め、保守的なインドで、踏み込み難い諸問題に対峙し>>続きを読む

魂のジュリエッタ(1964年製作の映画)

3.6

裕福に過ごす、結婚15年を迎える夫婦の話。退廃的な生活をする人々や霊媒師、夫の浮気発覚で、夢や幻覚のような世界を見るようになる。過去の思い出なのかトラウマなのか、現実なのか幻覚なのか。原色で華麗に飾ら>>続きを読む

TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)(2016年製作の映画)

3.7

築地の歴史や、関わって来た人達のプライドが描かれたドキュメント。一流店の値が良い理由が、ストンと腑に落ちる。妥協なき職人達のバトン。機械化が進む中、アナログであり続けることの意味。信頼と騙し合い。プロ>>続きを読む

悪名縄張荒らし(1974年製作の映画)

4.0

『悪名』と『続悪名』をまとめて増村がリメイク。割と筋の通ったしっかりした親分役が故、勝新の破天荒さはやや抑え目。廓の中で洋服でキリンビール飲んだり、古今混在する時代感がとても良き。『兵隊やくざ』へと、>>続きを読む

犯罪都市(2017年製作の映画)

3.2

00年代頭のソウルのある街、抗争しつつも住み分けていたシマに、土足で踏み込んできた中国マフィア。警察を巻き込んでの、加減なき暴力による勢力争い。力を力でねじ伏せる系。唯々バイオレンスで、怒りや悲しみへ>>続きを読む

勝手にしやがれ!! 英雄計画(1996年製作の映画)

3.6

二人のチンピラが、正義とは何かを体張って示すドタバタ劇。所謂、“黒沢清”ぽさは、今よりこの頃の方が感じられそう。インベーダーゲームの様なドリーの連続に笑ってしまう。脚本が面白いかはよく分からない。シリ>>続きを読む

殺人者の記憶法(2017年製作の映画)

4.0

かつて殺人を繰り返し、現在痴呆症により記憶を失い続ける男と、彼の娘を狙う同じ町に住む殺人犯の話。曖昧な記憶と、それにより生じた虚構が、事実を複雑にする。彼を導いた、哀しき過去。嫌な結末しかみえぬ展開が>>続きを読む

やくざ絶唱(1970年製作の映画)

3.9

今は亡き、妾の母にできた妹を立派にすべく、面倒見る一人のやくざの話。そんな兄の愛情を疎ましく思う妹。美しき妹に近寄る男達。やくざ映画にモラルを求めるのもアレだが、集る男達のモラル破綻が凄くて、カオス。>>続きを読む

人生タクシー(2015年製作の映画)

3.8

政府より、映画制作を禁止される中で撮った、車内カメラに偶然写った程の、ある日タクシーに乗ってきたテヘランの人々の日常。偶然なんかではなく、台本通りやろうけれど、発想が面白いし立場を顧みず作ろうとする意>>続きを読む

かぶりつき人生(1968年製作の映画)

3.2

神代辰巳のデビュー作。だらしない生活から抜け出せない、ストリッパーの母の様になるまいと生きる娘の話。ロマンポルノ前で、長回しの多様等はありつつも、あまりっぽさを感じなかった。母の背中を追う様に抜け出せ>>続きを読む

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

3.5

原作知らなければ、これはこれでありな気がするけど、何故あまり必要性を感じないシーンを足して、とても大切な言葉達を取り除いたのか、という気持ち。原作に纏わりつく、今にも消えそうな危うさ、みたいなのは、僅>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.6

田舎に住む1人の青年と、休暇を利用し我が家にきた青年の、ひと夏の恋の話。己と向き合い、苦悩し、恋する過程が丁寧に描かれてて眩しく、儚く、美しい。一方で、この作品に限らないが、同性愛こそ尊き純愛で、異性>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.1

共に生活する2人の男と、1人の女の曖昧な関係が形作る、青春の様なもの。刹那的で、儚ささえ感じる。崩れぬ事を意識した瞬間に、崩れ始める。30年前も今も変わらぬ普遍的なもの。画面の外側の動きが良く見え、自>>続きを読む

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.3

ほぼ同じ顔の青年と、各々恋し、人生を揺さ振られる女性の話。なんか、もう好きとか恋とか、何それ、美味しいの?って感じ。きっと、最初から最後迄ブレず、自分に素直だった故、生じた恋であり、結果。周りや常識に>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.3

立ち位置で全てが変わる。なんか色々興味深い。内容はめっちゃ笑ったし、単純にとても面白かった。
これ、多分自分が作り手側なら、めちゃくちゃ嫉妬すると思う。普段、自分達のいる足元で、多かれ少なかれ…。

男性・女性(1966年製作の映画)

3.5

60年代のパリの若者達を描いた、シチュエーションドラマ。おしゃれな街並みで、お洒落な服着て、カフェで政治やら哲学語る男と、性やらポップカルチャーを受け入れる女。それがどうこうとかでなく、そういう事実提>>続きを読む

ラルジャン(1983年製作の映画)

4.1

一枚の偽札が生んだ、不幸の連鎖。この不条理な世界が、社会の縮図の様。些細な事が肥大化し、やがて憎しみを生む。平凡に過ごしていた社会的弱者へと降りかかる。避ける術を持たないが故、受け止めきれず潰れてく。>>続きを読む

レディバード・レディバード(1994年製作の映画)

3.4

母親失格とされ、福祉局に何度も、我が子を取られる母親の話。不運や家庭内暴力等が、母と子を遠ざける。様々な過程が結果を導く。残酷かもしれなぬが、福祉局の選択が間違いとは言い切れない。不器用でそういう性格>>続きを読む

長江 愛の詩(2016年製作の映画)

3.4

父の遺した詩集『長江図』を辿り、長江を遡っていく話。壮大で、神秘的で叙情的。船とともに遡る、時空軸。かつてそこに存在し、失われたあの時と対峙する。明確なストーリーはなく、理解しようとするな、感じろ、系>>続きを読む

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

3.6

今よりも二極化し、退廃した未来、VRに居場所を求め、開発者が残した問いに、命を懸けて向かい合う青年たちの話。色々詰まっていて楽しそうだが、バグルス位しかハマってなく悲しみいっぱい。結局VRの世界でも、>>続きを読む

未知への飛行(1964年製作の映画)

4.4

冷戦中のソ連へ、水爆が誤発射され両国のトップ達が最善と最悪の事態を想定しつつ極限の中でやり取りする。機械に頼り、確率論で対応し、マニュアル故、大統領にさえ耳を貸さない。作戦、罠なのか真実なのか。究極の>>続きを読む

消された女(2016年製作の映画)

3.2

法の抜け穴を使い、家族を精神病棟に打ち込み、欲望に塗れた警察署長に纏わる事件の話。韓国ノワール。狂ってるのか、狂わされているのか。相も変わらず加減のない、極悪人が成す社会の闇。途中まで面白かったけど、>>続きを読む

犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.7

権力と不正により、社会の片隅に追いやられ、絶滅させられそうな犬社会を優しき少年と共に守る話。拘りや日本への愛も感じるし、音楽も良かった。でも、いつもの懐かしく、くだらなくて、心ときめく高揚感はあまり感>>続きを読む

甘い生活(1959年製作の映画)

3.6

50年代後半ローマ、社会が浮つく中で漏れなく、乱痴気な生活を過ごす上流階級の記者の話。愛やら幸せを、別のレイヤーで語って、左から右に抜けて行く。バブル崩壊前の東京もこんなやったんかしら。所々感じる哀愁>>続きを読む

選挙2(2013年製作の映画)

4.0

前作とは異なり、全てのしがらみを投げ捨て、3.11後、最初の市政に出馬した山さんの観察映画。前回と比較し、別にどちらが良く、どちらがダメとは思わない。組織に属し、代表になるってそういう事。唯こちらの方>>続きを読む

選挙(2006年製作の映画)

3.6

想田監督の観察映画、第一弾。選挙活動の裏側。野党第1党と議席が同じ中での、与党側で出馬の補欠選挙。負ければ野党へ。否応無しに、党の全力でのサポートが生じる。最早そこには、自身の理念、公約、リーダーシッ>>続きを読む

八月八日(2016年製作の映画)

3.4

前日、部屋で飲んで、起床後ルーティンワークをこなし、脚本なおしをする女性。何となく、『THE COCKPIT』と比較してしまう。作られ、演じられた創作活動。意外とこちらの方が、“リアル”を感じてしまう>>続きを読む

THE COCKPIT(2014年製作の映画)

3.8

サンプリングでトラックメイクして、一曲作り上げるのを追ったドキュメンタリー。完成図を知らぬ中で、様々なピースを切り貼りし、組み立てていき、イメージと違うものが出来るって楽しい。第3者故やけれども、音楽>>続きを読む

サン★ロレンツォの夜(1982年製作の映画)

3.3

独軍の攻撃を避ける為、村を捨て、米軍の保護を求め逃避する村民を、子の目線で描かれた話。序盤、状況を掴めなかったが、子にしたら恐らく尚更。悲しく、残酷な現実。そんな中、互いを異性として見る大人達のシーン>>続きを読む

ライオンは今夜死ぬ(2017年製作の映画)

3.6

ふとした事から、かつて住んだ家で子ども達が映画を撮り始める話。死と向き合い、子どもと接し、映画を作る歓びを憶い、生に触れる。過去への後悔に苛まれながらも、ドキュメンタリーの如く進む触れ合いから、取り戻>>続きを読む

犬猿(2017年製作の映画)

4.3

兄弟・姉妹の嫉妬、羨望、愛憎が入り組んだ、醜く、激情的な人間ドラマ。産まれた時、あんなに嬉しかったのに、一番近くて遠い距離感故の、溜まり積もり歪んだ感情。めちゃくちゃ醜くも、人間らしく愛おしい。最後一>>続きを読む

ニンゲン合格(1999年製作の映画)

3.9

事故に遭い、起きたら10年経っていた青年の話。知らないおじさんに俺も辛かったと言われ、大好きなポニー達が居らず、家族もバラバラ。自分が居ずとも回ってた世界。でも存在したからそうなる、少なくとも物理的に>>続きを読む

永遠に君を愛す(2009年製作の映画)

4.2

結婚式当日に、過去の過ちと向き合う花嫁の話。様々な選択肢が在れど、全てがネガティヴなものであった時、人間力が試される。そこに外部要因、自己保守、世間体が加わる。でも、多分覚悟ってそういうこと。一生を誓>>続きを読む

天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

4.3

ある男と彼のそばいる女の子、そして彼に会いたいと言ってきた彼女の妹の話。周りの人の言動が、その人の輪郭を浮かび上がらせる。小さな思いやりや優しさはその片鱗かもしれない。彼女も知っている。3人ともとても>>続きを読む