notitleさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

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スティング(1973年製作の映画)

4.1

相棒をギャングに殺された詐欺師が、仲間達とギャングのボスに、壮大な復讐をする話。1930年代の、勢いのないアメリカの町並みがとても素敵。そして、その風景が、誰をも疑わしくさせる。ちゃんと、ドキドキワク>>続きを読む

近松物語(1954年製作の映画)

3.8

近松の世話浄瑠璃『大経師昔暦』を基にした作品。大経師の主人の妻と、手代の偶然と誤解の連続が生んだ不条理劇。彼等の優しさと、周りの諸問題が事を大きくし、愛を育てる。恵まれぬ二人の逃避行。商店内のセット&>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

3.8

脳内王子への片思いと、リアル片思われに揺れるOLの話。不器用で強がりで空回りする2人が、共に愛おしい。現状を打破するために懸命に動く。動くことが凄い、何もせず笑ってる奴らよりよっぽど。あんな風に、自分>>続きを読む

バタリアン(1985年製作の映画)

3.5

死者を蘇生させる液体混じる雨が墓場に降り、大量のゾンビが出てくる話。ゾンビ強いし、速いし、弱点ないし、デフォルメっぽいの、ちょっと可愛いし、戦闘時バックでCRAMPS流れてるし、まさかの唖然とする終わ>>続きを読む

つげ義春ワールド ゲンセンカン主人(1993年製作の映画)

3.4

懐古形式で紡がれる、つげ義春作品。『李さん一家』『紅い花』『ゲンセンカン主人』『池袋百点会』の四作品。一見、雰囲気もカット割りも再現度めちゃくちゃ高いのに何か物足りない。哀愁や、鬱屈さ的なものやろうけ>>続きを読む

白夜(1957年製作の映画)

3.8

いつか再び此処で、と約束した男を待つ女と、そんな彼女に一目惚れした男の愛の話。人は残酷で醜い。都合の良いことを信じ、悪いことから目を背ける。所詮、愛なんてそんなもの。知ってた。孤独と向き合い、辛くも生>>続きを読む

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.5

社会の底辺から成り上がった、興行師の半生を描いた話。踏み躙られたプライド故、成り上がり、それ故底まで落ちる。気持ちが、行くべき道を指し示す。良きも悪きも人間てそういうもの。ならば、楽しく、笑いながら進>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.4

政府研究機関に運び込まれた、正体不明の知的生物と、小さな世界で生きている、唖者女性の愛の話。そもそも愛って何なのかて話になるが、互いに思いを寄せ会うことならば、特に珍しくもなく、片方が未確認生物てだけ>>続きを読む

ザ・フリッカー(1997年製作の映画)

3.0

想田監督の初期短編。時間軸は止まることなく動き続ける。反復はまやかしでしかなく、同じ時は二度と来ない。

花と女(1995年製作の映画)

3.0

想田監督の初期短編。花の一生とその後。現在の観察映画に繋がる作品。

ニューヨークの夜(1995年製作の映画)

3.0

想田監督の初期短編。NYのピザ屋。出てくるのは購入者に合わせ、サイズの異なるピザ生地だけ。各々好きにカスタマイズする。トッピングにて表された、ステレオタイプ。

文学賞殺人事件 大いなる助走(1989年製作の映画)

3.9

ひょんな事から、書き下ろした処女作が、某文学賞にノミネートされた青年と周辺の話。地方の文学サークル、引いては大御所作家、業界全体の陰湿で面倒な様がシニカルに描かれる。本質を忘れ、嫉妬や利益、伝統に振り>>続きを読む

バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)

4.0

世界は全然平等じゃないし、懸命に生きようとする人の、少しの過ちを見逃さない。これまでも、これからも多分そう。ロバの生き様を通し描かれる、人間の愚かさ、凡ゆるネガティブな過程と結末が、現実を突きつける。>>続きを読む

ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)

3.8

アフリカから密航し、警察から逃げる少年と靴磨きのお爺さんとその仲間達のお話。向く方向が異なるのに、ひたすらに皆優しい。こんなコミュニティなら属したい。余りに優し過ぎて、青色が多用されてる上に、カウリス>>続きを読む

父 パードレ・パドローネ(1977年製作の映画)

3.4

イタリアの言語学者の自伝。幼少期から勉学を禁じられ、横暴な父のもと羊使いとして育てられる。恐らく、父や祖父達と同じように。空の低い天気、且つ島という閉鎖的な環境が、悪しき文化を根付かせる。動物に学び、>>続きを読む

裏窓(1954年製作の映画)

3.8

最初から最後まで、ほぼ動けない男性の視点の中で繰り広げられていく、ある事件の話。目で見てないのに、そこにそれがあるかの様に進んでいき、更に音が恐怖を駆り立てる。終盤に描かれる、今日の各部屋のシーンが、>>続きを読む

永遠の僕たち(2011年製作の映画)

3.5

両親を事故で亡くし、自身も生死を彷徨った青年と、近いうちに死を迎える少女、嘗て死を経験した日本兵の話。異なる視点から描かれる死。雑味のない中で描かれたそれは、あくまで通過点の様。死に怯えるのと、生に喜>>続きを読む

鬼の棲む館(1969年製作の映画)

3.9

誰もが容易に堕ちていく己の身体で、男達を弄ぶ白拍子の話。仇という名の下、偶然再会をした、嘗て自分の身体で堕ち、現在は仏の道を歩み行く上人を、再び陥れようとする。煩悩と身心の争い。中々思い切った内容。欲>>続きを読む

話の話(1979年製作の映画)

3.8

毛色の異なる、複数の絵本を切り貼りした様な作品。ちゃんと暖かいし、ちゃんと悲しい。五感が刺激される。全てを委ねて、観てたい不思議な感覚。

ケルジェネツの戦い(1971年製作の映画)

3.2

フレスコ画の様な絵が、中世ヨーロッパを感じさせる。戦が終わり、栄えゆく過程の色使いが美しい。アートとして素敵だが、面白いわけではない。

25日・最初の日(1968年製作の映画)

3.8

ロシア革命の話。完全にアート作品、アバンギャルド芸術。かなり政治色が強いけど、普通にかっこいい。今にも溢れ出しそうな、エネルギーが凄い。

夏の嵐(1954年製作の映画)

3.6

ヴェネチアの伯爵夫人と、占領軍の男の破滅的な物語。叙情的で、豪華絢爛に描かれてはいるが、不倫で周り見えず、全てを捨て一心不乱に尽くす女と、金持ちの貴婦人を都合よく利用しサヨナラする男。いつの時代も同じ>>続きを読む

プレイタイム(1967年製作の映画)

3.7

お洒落で、最先端のパリにやってきたユロ氏。慣れない都会であらま、これまな話。前半の無機質でモダンな感じから一転、後半のレストランが同時多発的すぎて、せわしない程。所謂、お洒落な笑いではない。でも、やっ>>続きを読む

愛は盲目(2015年製作の映画)

3.2

気分は良くないけど、良く出来てる。
後悔すれば良い。

ウエスタン(1968年製作の映画)

3.8

西部開拓時代、鉄道の土地を巡って起きた争いとその周りの話。贅沢な間の使い方。水の滴る音から、呼吸まで聞こえてくる。張り詰めた空気の中、視線で交わされる会話。雄大な景色の中で、土埃や臭いまで伝わってくる>>続きを読む

ブリキの太鼓(1979年製作の映画)

3.9

大人達の醜さ故、3歳で身体的成長を止めた少年目線で描かれる社会の話。そこは醜く、愚かで、卑しい場所。民族や宗教、血縁等で争い、破滅していく。それらを、蔑む様な目で見つめる。狂気的な場面が多く、目を背け>>続きを読む

愛の小さな歴史(2014年製作の映画)

4.0

全員不器用過ぎるし、馬鹿やし、色々粗いし、笑うほどに、そんなことあるかよ、ふざけるな!ってなるけど、疎放でむき出しの感情や、下手過ぎる優しさに、心掻き乱された。皆、色々なもの背負って、辛くても生きてい>>続きを読む

ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男(2014年製作の映画)

3.6

ジェームス・ブラウンの伝記ドラマ。恵まれない生い立ちから、如何に彼が登りつめたのか、仲間との確執、彼の演奏指示によって、ファンクが生まれた瞬間、等が描かれている。成功の裏で、孤独を感じながら、時代や界>>続きを読む

さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)

4.2

京劇を演じるために生まれてきた、王と妃の人生の話。激動の時代と思想に振り回され続ける文化。命を賭けてやってきたはずなのに、命欲しさに脆くも崩れ去る己。人間の欲望、卑しさが詰め込まれてる。愛は時として何>>続きを読む

関東無宿(1963年製作の映画)

3.5

ヤクザの男と、想い寄せるいかさま師の嫁を描く、清順の任侠映画。筋の通った昔ながらのヤクザと、アヴァンギャルドな演出の混在。構図の変さや、赤青白の色使いが印象的。後半、眉がめっちゃ太くなって笑った。そん>>続きを読む

抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-(1956年製作の映画)

3.4

ドイツ占領下のリヨンの刑務所から脱走を試みる仏人の話。様々な小道具で地道に脱走準備を重ねる。後半の緊張感が凄い。恐らく意図して、寄りの画ばかりで構成し、全体像を見せずに、音と視線で感じる作品なのだろう>>続きを読む

ロマン・ポランスキー 初めての告白(2012年製作の映画)

3.8

友人である当監督による、ポランスキーの波乱の人生を振り返るインタビュー作品。あまりに非情で有名故に、既知内容も多いが、彼の口から心境含め、語られると興味深い。またワイダとの出会いや、自身の実体験と作品>>続きを読む

裸のジャングル(1966年製作の映画)

4.0

ルールを破り、象狩をした白人達が、原住民の怒りをかい、狩られる対象として、荒野に解き放たれる話。継ぎ接ぎ感ある編集ではあるが、自然界の食物連鎖が鏤められ、人間のちっぽけさや卑しさを感じる。意図して、世>>続きを読む

世界は今日から君のもの(2017年製作の映画)

3.0

引きこもりだった女の子が、バイトを始め、趣味のイラストを褒められ、世界が広がる話。1を2にではなく、0から産み出す難しさ。自分を想う親が、知らぬ間に人生を阻害していた。それに気づき漸く踏み出したい一歩>>続きを読む

無伴奏(2016年製作の映画)

3.2

60年代後半ゲバルトローザの真似事する地方の女子高生の恋の話。教科書通り、背伸びして行った、煙草煙る排他的な喫茶店で、少し影がある華奢な文学学生に声掛けられ、惹かれ堕ちていく。学生運動の話かと思ってた>>続きを読む

ケス(1969年製作の映画)

3.5

空の低い、閉鎖的な炭鉱の町で生活する、少年とハヤブサの話。家庭でも、学校でも自分の居場所を見つけられず燻る毎日。彼にとってハヤブサは現在から解き放たれる自由の象徴で、尊きもの。近づき過ぎない距離感が良>>続きを読む