notitleさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

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スモーク(1995年製作の映画)

4.0

いくつかの小話と、それらを紡ぐ人間模様。些か長い沈黙と、言葉以上に物語るこれと無い表情達。世に存在する事象の中で、言語化されてる物なんて多分僅かなものしかない。人は其れ等で、嘘や創作、優しさを言ってみ>>続きを読む

ホウ・シャオシェンの レッド・バルーン(2007年製作の映画)

3.9

シャオシェンが切り取るフランスの日常。クルーが透明か、演者が凄いか分からぬが、カメラない感や自然な疲弊感が凄い。影や反射を多用。窓に映る反射物からのパンに笑う。決して嫌味でないお洒落さ。そして、孤独に>>続きを読む

ONCE ダブリンの街角で(2007年製作の映画)

3.6

音楽を通し出会った二人が、音楽を通し距離を近づけ、一歩先に進む話。都会的で洗練された「はじまりのうた」とは相反する環境下ではあるものの、ざっくり同じような話。近づき過ぎない距離感と、手撮りの映像が良い>>続きを読む

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

3.8

最高に幸せな家庭を持つ男の話。彼の前に生じるものは運命と据え、全て受け入れていく。欲望に正直で、こういうのもありか、と錯覚しそうになる。最初と最後の、幸せそうな家族の似た風景、一つを除き。同じような画>>続きを読む

新兵隊やくざ 火線(1972年製作の映画)

3.1

シリーズ最終作。監督、制作・配給が変わり、カラーになって、何故か時系列遡って、と色々変化。それでも変わらぬ男二人の熱い距離感。ここはブレない。自制心が芽生えたり、チャーミングさに欠けたりと様々な環境の>>続きを読む

コフィー(1973年製作の映画)

3.3

ヤク中にされた妹の仇を取るべく、形振り構わず、マフィアやら何やらに立ち向かっていくヒロインの話。エネルギー量がすごい。真っ直ぐでいて、手段を選ばない、鏤められた諸問題が霞む程に。ファンキーな音楽がかっ>>続きを読む

あなたはわたしじゃない(2018年製作の映画)

4.1

副題の通り、「サロメの娘」の破壊と再構築。ミニマルでアンビエントな音と静寂。浮遊感のある映像にコトバがのり、体内に染み込み馴染んでくる。気怠くて、心地良い。観ていたいと言うよりは、感じていたい、という>>続きを読む

SYNCHRONIZER(2015年製作の映画)

3.1

個人的実験の中で、接続したものと脳波をシンクロさせると、自分の意思を接続物に反映できることを発見した研究員の話。愛が狂気を生み、超えてはいけない一線を超える。よくありそうな設定な上、着地点も容易に想像>>続きを読む

彼は秘密の女ともだち(2014年製作の映画)

3.5

亡くなった親友の旦那が心配で、様子を見に行くと、彼が女装姿で子守してたとこから始まる話。彼女を突き動かす感情は、同情、友情、愛情、何なのだろうか。戸惑い、葛藤しながらも、相手の為と、騙し騙し探っていく>>続きを読む

スウィート17モンスター(2016年製作の映画)

3.7

〝世界一可哀相な〟17歳の私の話。いつも外側にいて、自分ばかり不幸で、周りは何も分かってくれない。悲劇のヒロイン病。思ってるより世界は普通で、温かく、優しい。一歩、歩み寄ろうとするかどうか。歩み寄るこ>>続きを読む

PARKS パークス(2016年製作の映画)

3.0

一枚の写真とオープンリールが過去と今をつなぐ話。出来上がった曲を耳にし、戸惑うハル。ほんま、そんな感じ。どうしてこうなった。全てに必然性があまりないし、この場所の魅力も伝って来ない。好きなアーティスト>>続きを読む

素敵なダイナマイトスキャンダル(2017年製作の映画)

3.8

試写にて。末井昭自伝的作品。80年代の経験してない時代のサブカル。興味深くてずっと観てられる。良くも悪くも、色々惹きつける人間力。そして向き合い、爆発する。意図して笑わせずとも、充分パンチあり面白いの>>続きを読む

女が階段を上る時(1960年製作の映画)

4.3

銀座で働く雇われママと、その周りの人間模様。銀座を闊歩する人達。スマートな様で、端々に顔を見せる欲望にまみれた本音、そして孤独。結局みんな愛されたい。カッコ悪くても、見栄を張りながら生きる男と女。時々>>続きを読む

ヒズ・ガール・フライデー(1940年製作の映画)

3.6

元妻でやり手の記者が再婚の報告にやって来るところから始まるスクリューボールコメディ。圧巻のマシンガン会話劇。途中に寿限無が投下されても自然な位。ずる賢い奴が上手く生きる世のようであまり好かないが、多分>>続きを読む

At the terrace テラスにて(2016年製作の映画)

3.9

ホームパーティーがひと段落した後の、テラスにて。ワンシチュエーション会話劇。嗚呼、いるいるこういう人、オールスターズ。外から観てるには良いけど、巻き込まれたらあかんやつ。周り見ずに大ナタ振り回す。仮面>>続きを読む

バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)

3.2

装備やら武器、ストーリーまで、ちょっと拗らせた小学生のドリームワールド。壮大なロープレゲームをやってるかの様。ゲームせんけど。

二重性活 女子大生の秘密レポート(2016年製作の映画)

3.6

数学を学ぶためにベルリンに出てきた女子大生が、凡ゆる誘惑に負け、娼婦をする話。どちらが本当の自分なのか。自分を晒け出せる仮面の世界と、偽りだらけの現実。場所の違いはあれど、多分世界中様々な都市でよくあ>>続きを読む

セールスマン(2016年製作の映画)

3.7

イランという土地で、暴行にあった女性と犯人、その周辺の話。何が真実か、如何するのが正なのか。優しさが時としてナイフになり得る。考えられ得る選択肢は無数在れど、文化や偏った思考がそれを阻む。と思うことさ>>続きを読む

彼女の人生は間違いじゃない(2017年製作の映画)

3.8

力強く復興が進む一方、未だ残る多くの現実の中で生きる女性とその周りの話。フォーカスされるのは僅か。生きる意味を見失い続けてる人もいる事実。それでも、お腹は空くし、お金は必要。死ねないから、唯生きている>>続きを読む

兵隊やくざ 強奪(1968年製作の映画)

3.2

終戦を迎えてからの8作目。放置された赤子を連れ進む二人。終戦後の混乱故、エモーショナルさに欠けるが、相変わらずブレず、二人の熱い抱擁も漏れ無くあった。敵味方なんて関係なし、悪は悪。次作は、最終にして一>>続きを読む

光と禿(2016年製作の映画)

3.6

ひょんな事から知り合った、盲目の女の子とクリトリックリスの恋の話。歌ってる姿と酔っ払ってる姿以外はダメダメなスギムだったので安心。それでも、ええカッコしたい不器用な中年ぷりは充分に伝わってきた。ダサく>>続きを読む

ノー・ドロウニング(2016年製作の映画)

3.5

マネタイズ化された社会。それ相応のリターン故、縮小していく世界。想像力が世界を変える。

冬冬の夏休み(1984年製作の映画)

4.4

ノスタルジックな情景だけでなく、子供の頃感じてた、上手く言語化できない好奇心や喜び、恐怖、後悔、葛藤がごちゃ混ぜの、あの感覚が描かれてた。ドキドキした。純粋で無垢。一方で顔を見せ始める自我。少年に戻っ>>続きを読む

ライク・サムワン・イン・ラブ(2012年製作の映画)

3.4

キアロスタミが切り取った、日本のある日の話。デートクラブで働く女性と、束縛気味の彼と、物書きのお爺さん。偶然と必然が重なり、彼方此方蛇行しながら進んでく。欲しい画を少し外し、気になる背景も投げっぱなし>>続きを読む

水の声を聞く(2013年製作の映画)

3.8

想像を超え、拡大するビジネス新興宗教。己のルーツを知り、本気で信仰と向き合い始める教祖、私利私欲塗れの運営、付随する諸問題の話。小さな歪みが生む破滅の道。汚い人間模様で溢れており興味深く面白いが、所々>>続きを読む

天国と地獄(1963年製作の映画)

4.1

全てをかけ勝負に出るはずが目前で生じた誘拐故、究極の選択を迫られる話。様々な対比が創り出す天国と地獄。それらは相対的で、瞬間的。葛藤あれど、ブレない信念なければ、自分の居場所を見失い、嫉妬や妬みに振り>>続きを読む

地獄愛(2014年製作の映画)

3.5

精神崩壊と嫉妬による、間違った愛憎劇。一つの冗談が引き金になり、異常さがさらなる異常を生み出し、止まることのない負のスパイラル。会ってはいけなかった二人。セックスこそ愛。愛に飢え、戻りたくない過去と不>>続きを読む

すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

3.7

映画音楽の変遷とエピソードからみるドキュメンタリー。無音楽の作品を自分なりに噛み砕き、暗喩含め、音楽でアウトプットする。作品全体のイメージさえ左右する。信頼ないと託せない。無音が引き立つのも音楽あって>>続きを読む

あヽ陸軍 隼戦闘隊(1969年製作の映画)

3.9

実在した、加藤隼戦闘隊、隊長の半生を描いたアクション。先陣を切り撃墜王と敵から恐れられる一方、隊長として仲間思いで色々葛藤し、不器用な姿が描かれてた。荒削りだが面白く、落下傘部隊との連携等興味深い。爆>>続きを読む

恋恋風塵(れんれんふうじん)(1987年製作の映画)

4.1

少年と少女が故郷を出て、現実と向き合い成長してく話。愛や恋の様な下品な言葉ではなく、もっと根底の淡いものが描かれてる。世知辛い。両端壁で、前後の動きが多く作品全体に奥行きがある。何気ないノスタルジック>>続きを読む

しゃぼん玉(2016年製作の映画)

3.6

愛情を知らず、都会で犯罪を繰り返してきた青年が、田舎で暮らし、様々な人に触れ、心溶かされる話。残念ながら人は全然平等ではないし、環境が人を作り、如何様にもなる。勿論最後は自分の意思。ちゃんと人間したい>>続きを読む

パパのお弁当は世界一(2017年製作の映画)

3.0

両親が離婚し、同居する父が、娘のために三年間お弁当を作り続ける話。素直で優しい娘と、娘想いな真面目な父、故成り立った内容。テキストをそのまま映像にしてみました、という感じ。美味しいものは「美味しい」と>>続きを読む

(2017年製作の映画)

3.9

音声ガイドの仕事と人に触れ、みえた世界。過去の自分に縋り、変化に対する恐怖や不安の中生きる。捨てる勇気と信じ続ける勇気、どちらが良いか分からない。唯、現状と向き合い打破する事をも決意させる、愛と言う名>>続きを読む

赤色彗星倶楽部(2017年製作の映画)

3.8

少し苦味ある青春を駆け抜ける、天文部と彗星の話。構図含むカメラワークと編集が凄い。駄目な程、映画好きが滲み出てる。型に納めず、感情ままにぶっ込んで欲しい。後悔する位なら失敗してみんなで隠れれば良い。ヒ>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

3.2

撤退なんて、勿論、辛く面白いものでないと思う。唯、とてもミニマムな所にフォーカスし、且つ地味なドラマが続いた印象。現実はこんなものなのかもしれない。淡々と記録映画を観てるかのよう。みんなが好きなノーラ>>続きを読む

ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

4.0

凝り固まってどうしようもない状態の娘を、めげず少しずつとき解してく話。個人的に空気の読めない人間が苦手なので、観ながら怒りさえ覚えた。唯、“だからお前はあかん、周りばかり気にして”と諭すかの如く、持っ>>続きを読む