notitleさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

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トラスト・ミー(1990年製作の映画)

4.3

社会から摘み出され、居場所のない青年と少女。共に愛を知らず、少し不器用で、生き難そう。偶然出会った二人が、互いの傷を庇い、傷つけ合いながら愛の様な何かを知る。破壊的で刹那的。言葉選びも、画作りも、音楽>>続きを読む

カジュアリティーズ(1989年製作の映画)

3.8

ベトナム戦争時、米軍のある部隊が、1人の少女を誘拐し、帯同させ、強姦の上殺害した話。戦争という極限の環境の中で、豹変していく戦友。罪を相対的にみないで欲しい。残念ながら世には形違えど、こういう事が溢れ>>続きを読む

ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣(2016年製作の映画)

3.7

早熟の天才が、如何に上り詰め、壊れ、生きてきたか。天才故の孤独と重圧、それらを支えてきた物の崩壊。普通の心ある若き青年。全てのしがらみを捨て去り、何も考えずに、ただ好きな踊りを、自由に舞い続けてほしい>>続きを読む

シシリーの黒い霧(1962年製作の映画)

3.1

シチリア独立運動の中心者で、貧困者側に立ち、対立者には術を選ばない山賊、サルヴァトーレの謎の死についての話。内容は興味深いし、パレルモの街並みがとても素敵だが、突如差し込まれる過去や、誰か分からぬ無数>>続きを読む

三度目の殺人(2017年製作の映画)

4.4

物理的犯行そのものは、作品内で明確化してる認識。では何が悪なのか、社会的制裁は誰にされるべきか、それは正直よくわからない。罪の根源を、極限まで突き詰めた時、人類の誕生にまで行き着くと思う。世に蔓延る不>>続きを読む

泳ぐひと(1968年製作の映画)

3.5

紳士が、過去の知人らしき人達の豪邸プールを、懐古しながら泳ぎ渡って行く。どゆこと?て感じやけど、文のまま。相手の様々な態度、森の季節変化が、人生の栄枯盛衰を見ているよう。とは言え、何の説明もなく淡々と>>続きを読む

リュミエール!(2016年製作の映画)

3.6

リュミエール兄弟の作った数多くの作品から108本を解説と共に。有名な『工場の出口』から始まり、試行錯誤の中、彼らのワクワクやドヤ感が伝わる。彼等が一気に開拓し過ぎた感は否めない。が故に現在があるので喜>>続きを読む

奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール(2017年製作の映画)

3.6

手の平で男を弄ぶ狂わせガールと、振り回されるボーイ達の話。多分、渋谷直角のイメージしてる狂わせガールと違う気がするが、なかなか下品な仕上がりで、これはこれで良い気がする。なりたい自分像と、欲望の狭間で>>続きを読む

バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

4.0

ずっと、「マジか」って言いつつ、ニヤつきながら観てた。時にはファンタジー、時には超絶アクション。各々、自分のイメージの遥か上を行くアウトプット故、もう笑ってしまう。いい意味で、小学生が思いつきそうなア>>続きを読む

テス(1979年製作の映画)

3.8

貧困家庭に生まれ育ったが、実は伯爵家と判り、名家への援助依頼から始まる、妖艶な娘の哀しき人生。封建社会やら、宗教等様々な諸問題と対峙し、堕ちゆく。各々の隙が悲劇へと導く。何処を切り取っても美しい画と、>>続きを読む

恐怖(1961年製作の映画)

3.7

母の死を機に、10年ぶりに離婚し別居する父の元へ来た足の不自由な娘。姿が見えぬ父、不穏な周囲の動き。彼女の眼に映るのは幻覚か、貶めか。結論から逆算していくと、マウントを取るため、お互い知らずに、裏を取>>続きを読む

ひまわり(1970年製作の映画)

3.5

戦後、国に戻らぬ夫。愛故、生きてると信じ、国境を越え言葉通じぬ中、只管に捜す話。裏切りでしかないし、戦争のせいでもない。可哀想な俺感も腹立たしい。一緒になる迄も含め、自己中が過ぎる。でも、ハッとさせら>>続きを読む

メイド・イン・ホンコン/香港製造 デジタル・リマスター版(1997年製作の映画)

3.9

返還前の香港の不良青年と、一つの出来事を起点とする、彼の周りで起こる不幸の連鎖。一周回ってダサい。でも、それが良い。迸るエネルギーに、行き所のない感情、変えれぬ運命。この時期、この場所でしか取れない、>>続きを読む

ろくでなし(2017年製作の映画)

3.7

ある男の片腕と用心棒と従業員の話。世から孤立し、渋谷の片隅で生きる。この街を出れば何もできない、ろくでなし。暴力でしか事を進めることを知らぬ不器用な男に芽生える新しい感情。何にでもなれる渋谷という特異>>続きを読む

赤ひげ(1965年製作の映画)

4.5

貧しく、病む人達を受け入れる養生所で、意図せず働くことになる青年と、所長及びその周りの人達の話。環境が人を作る、卑しさや淺ましさから、澱みない無垢な優しさまで、様々な人間模様。人間、何度でもやり直せる>>続きを読む

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)

3.9

本や漫画、テレビ、映画でみた、様々な戦時中の沖縄の悲劇が時系列で連なる史実作品。最初から最後まで、希望なんて全くないし、只々悲惨で、目を背けたくなるような、現実の連続。戦争が如何に悲惨かを知る為にも、>>続きを読む

フランソワの青春(1969年製作の映画)

3.6

事故で両親を亡くし、伯父夫婦と暮す少年。伯父の戦友の娘という体でやってきた伯父の愛人。何も知らない伯父の息子と少年は只管美しい彼女に惹かれる。もはやカオス。リビドーか、母性愛を欲してるのか。繊細な少年>>続きを読む

バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)

4.0

かつて空想癖のあったアン、その娘が越してきたロンドンで突如消えた話。サイコサスペンス。そもそも娘は存在するのか。残酷にも、人は時として、真実よりも雰囲気に飲まれる。徐々に表出する違和感と狂気。ロンドン>>続きを読む

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.8

死を選んだ青年が、万能な死体と出会い、時を共に過ごし、何も知らない死体に自己投影してく話。自身が向き合ってこなかったことへと導かれ、喜びを知り、死体が彼の死の根源を潰してく。気付けば、必死に生きようと>>続きを読む

好色一代男(1961年製作の映画)

3.5

井原西鶴の『好色一代男』。増村保造の監督。女の喜ぶ顔を観れるなら、なりふり構わず、命や財産までをも。詰まる所、そこらの女好きとは一線を画す。相手が誰だろうと、全くブレず迷いなし。且つ下心が見え隠れしな>>続きを読む

サボテンの花(1969年製作の映画)

3.7

既婚と偽り、遊びの範疇を越えさせない男、既婚を隠さぬことを誠実と受取り深みに嵌る女性と、その近辺の話。嘘を積み重ね壊れてく関係。それに絡まり新しく構築される関係。故に気付いた今迄見えなかった気持ち。足>>続きを読む

ジュマンジ(1995年製作の映画)

3.3

止まったマスに書かれていることが起きる、ゲームの話。時代を超え戻ってきた現実世界。どう転がっても起きる悲惨な事象。失われた時をゲームを通じて埋めていく。悲劇があったが故、感じることのできた優しい愛。後>>続きを読む

マイマイ新子と千年の魔法(2009年製作の映画)

3.8

「なんてことないノスタルジックな日常が…」なんて言葉に収めたくない。彼女たちにとっては、毎日大きな事件が起きていて、たくさん経験し、怒ったり、泣いたり、笑ったり、ワクワクする。実際そうやった。そんな気>>続きを読む

四月の永い夢(2017年製作の映画)

3.7

試写にて。3年前に亡くなった元カレを、一人背負いこんでる女性の話。そんなつもりはなくとも、止まってる自身の時間。自分を必要としてくれる様々な人との交流を交え、溶けていく凝り固まった過去。不器用ながらも>>続きを読む

ローサは密告された(2016年製作の映画)

3.9

ドゥテルテ政権下における、売人と警察のやりとり。あの埃っぽく、湿気の多い、雑多な感じが匂いも含め伝わってくる。これが悪いと言うのは簡単だが、裏に隠れてるもっと根本的なものが浮き上がってくる。お金よりも>>続きを読む

ハローグッバイ(2016年製作の映画)

4.2

多分、明日から何もなかった様に過ぎてくし、今迄の様に表面的な友情に属すと思う。でも、無防備でぶつかり合い、何かを成し、照れながらも互いに名前で呼んでみたことは残り続ける。同じようで異なる、次の一歩。主>>続きを読む

アリーテ姫(2000年製作の映画)

3.7

人の可能性に希望を抱く姫と、過去の栄光に縋る魔法使いの話。地味ではあるが、世から隔離され、想像の中で生きてる姫から紡ぎだされる言葉にハッとさせられた。ストーリーとは直接は関係ないが、冒頭の城下町で働き>>続きを読む

怒りの荒野(1967年製作の映画)

3.6

己の運命を変えるべく、一人の青年が、かつて名を馳せたガンマンに、弟子入りをする話。時の流れに逆らいながらも、頭角を現していく。身も持って体現してくれた師匠に、身をもって対峙する。争いは、いつの時代も、>>続きを読む

ポランスキーの 欲望の館(1972年製作の映画)

3.1

旅の途中、強姦されそうで逃げ込んだ館が変だった話。会話が一方通行、仮にできても変な人。そんな人達を囲ってるゲストハウス的な。何も信じられないし、理不尽極まりなく、好きなポランスキーに繫る要素はあるが、>>続きを読む

合唱(2015年製作の映画)

3.8

合唱団で、歌が上手くない子に口パクさせる先生に、皆で立ち向かう話。世に満ち溢れる効率主義。それ自体は悪くないが、この場合は本質がズレている。道徳の問題。ああ言えばこう言う大人に頭を使って立ち向い、黙ら>>続きを読む

椿三十郎(1962年製作の映画)

4.2

汚職許さぬ、素直過ぎる若侍達と、椿三十郎の奮闘記。単純に面白いし、ニンマリもするし、敵味方関係なく人物像が魅力的。何より、椿三十郎がカッコいい。角を曲がり敵方の門へ向かう姿とか身震いする。減点法で減点>>続きを読む

幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)

3.4

妻の連れ子達、離婚した妻といる娘、そして新しく産まれる命。家族って何や、そんな話。子供って繊細で、自らブレーキをかけ、孤独の中、我慢する。箍を寄り添い外してあげる、当たり前のこと。大人達が不誠実で、子>>続きを読む

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

3.9

本来、無形なモノを欠落させる事で、そのモノを浮き上がらせる、お洒落。そもそも、「侵略」という言葉は共通認識なのだろうか、もしかしたら彼等は「破壊と再生」みたいなイメージなのでは、なんて。ともあれ、彼女>>続きを読む

世界最速のインディアン(2005年製作の映画)

3.7

クラス別バイクのスピードで世界記録を樹立した、ある老人の実話を元にした話。周りから何を言われようとも、ブレず自分を信じ、挑戦し続けるってカッコいい。自然と、周りもその姿に惹きつけられる。何時迄もそうあ>>続きを読む

八甲田山(1977年製作の映画)

3.6

先日観たドキュメンタリーと色々違うくて少し調べたら、こちらは脚色してる模様。この描写だと、歩兵第5連隊が浮かばれなく、少し可哀想。立ちはだかる究極の選択の連続の中、抜け出せなかった負のスパイラル。プラ>>続きを読む

ドキュメンタリー八甲田山(2014年製作の映画)

3.4

八甲田山遭難事件についての再現映像、及び専門家による解説。困難に立ち向かい、乗り越える事だけを、是とする精神論的思考、エリート集団のプライド、人的特性、様々な不幸が重なり起きた事故。退く事も勇気。淡々>>続きを読む