notitleさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

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ライブ・フレッシュ(1997年製作の映画)

4.1

クラブで身を寄せ合った二人と、警官二人とその片方の妻。偶然と必然が五人をギュッと引き寄せ、愛やら嫉妬、後悔、復讐、欲望が入り乱れながら、重なっていく。よく出来てて面白かった。一つの言葉、行動で世界の景>>続きを読む

シミラー バット ディファレント(2013年製作の映画)

3.2

カップルの男と女のある休日の話し。共同脚本だからなのか、PARKSに染谷将太が出てたからなのかはわからないが、瀬田なつきっぽさあった。音が良い。焼いたパン食べたり、煙草に火が入る音。なんかとても繊細な>>続きを読む

ムーンライト下落合(2017年製作の映画)

3.3

満月近いある晩に宅飲みして、夜中に目覚めたとこから始まる男二人の会話劇。仲の良い、というわけでもなさそうな二人。取り留めのない、ちぐはぐな会話と、些か多過ぎる空白。面白くないけど、想像広がる不思議な空>>続きを読む

早春(1970年製作の映画)

4.3

高校を辞め、社会に出た15の少年のリビドーの話。鮮やかな色使いと、鏤められているバシッと決まる構図が印象的。男子特有の、あの言語化出来ない感じが映像化されてて唸る。思ったことを、周り見ず行動し、弄ばれ>>続きを読む

マンガをはみだした男 赤塚不二夫(2016年製作の映画)

3.4

地上波で石ノ森章太郎物語やってる中これみてた。これをみる限り、知らない側面がたくさんあり、生きにくかったやろうな、と思う。真面目で寂しがりやで、皆の思う赤塚不二夫は演じてるかの様。U-zhaanの奏で>>続きを読む

リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

3.7

岡崎京子のリバーズエッジ。再現度は高め。でも、もっとライトで、もっと爛漫で、残酷で、緩急あって、ハッとなる原作は、やはりすごい。生きるってとても大変なこと。孤独や葛藤等、色んなものを背負い、苦しみ生き>>続きを読む

華岡青洲の妻(1967年製作の映画)

3.6

世界で初めて、全身麻酔薬による手術を成功させた華岡青洲と嫁と姑の話。外からは見えぬ女の執念とプライド。陰湿な嫌がらせを受けながらも、どこか客観的に物事を見据える感じがカッコ良い。男には出せぬ力強さ。今>>続きを読む

ヒッチコック/トリュフォー(2015年製作の映画)

3.8

『映画術 ヒッチコック・トリュフォー』のヒッチコックへのインタビューをベースに各監督がシーンをピックアップしながら、何がどう素晴らしいかを解いてく作品。論理的でありつつ、その表現を自身が作り上げてるの>>続きを読む

マドモアゼル(1966年製作の映画)

3.3

都会から田舎に赴任してきた、プライド高き女教師の欲求解消の話。村民から慕われつつも、気高き女性を演じ続ける。そこに生じたズレと、抑えきれぬ欲求、傷つけられたプライドが、彼女を間違った方へ導く。閉鎖的な>>続きを読む

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.0

自分の不注意で誤って持ち帰った友人のノートを彼の家に届ける話。全貌を説明しきれないが故の、子どもならではの理不尽な八方塞がり感。様々な感情が渦巻く中での選択、押し潰されそうな不安と前進。途轍もなく懐か>>続きを読む

大脱走(1963年製作の映画)

3.8

ドイツ軍の捕虜収容所から、大人数での大脱走を企てる話。最初に実話ベースと出てくるが、ほんまかよ、って事の連続。映画みたいな映画でありつつも、甘くない現実を突きつけられる終盤。色んなものが詰まってる。良>>続きを読む

SHAME シェイム(2011年製作の映画)

3.6

社会的成功をしてそうな性依存症の男の元に、恋愛依存症の妹が突然現れた話。彼等の言動から見え隠れする、過去に負った癒えない心の傷。依存が己を保ち、生を感じさせる。不安定で、疾しいのに対処出来ず、狂いそう>>続きを読む

はじまりのボーイミーツガール(2016年製作の映画)

3.2

視力を失ってくチェリスト志望の女の子と、母の死を乗り越えられない父を持つ男の子の恋の話。所々、不器用で淡い感あるけど、基本的にはゼロ世代のスマートな初恋感。余り共感なく、置いてかれた感じ。壁隔てての、>>続きを読む

DISTANCE/ディスタンス(2001年製作の映画)

4.1

カルト教団による無差別殺人事件の、加害者遺族と元信者が、偶発的事象により、ある小屋で一晩共に過ごす話。会話にならない様な言葉や、懐古により表出していく、各々の家族像と組織。家族って何なのか、彼等はそこ>>続きを読む

我が家の楽園(1938年製作の映画)

3.8

土地を買収する側の金持ち家族の息子と、される側の自由奔放な家族の娘が恋をした話。大体、思うように進んでくし、思うように終わってく。現実舐めんなよ、てのも分かる。でも指針の様に、こういう映画があるのは素>>続きを読む

ワンダフルライフ(1999年製作の映画)

3.5

死んだ人が、人生で最も幸せな思い出と共に、あちら側に行くのを手助けする施設の話。恐らく台本無しに、様々な人に思い出を懐古し、話してもらっている場面の連続。其れ等の姿が本当に、各々嬉しそうで素敵。人の思>>続きを読む

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

4.0

天才の血筋を引く、亡き姉の娘をめぐり争う、娘の叔父と祖母の話。幸せなんて物は各々異なり、踏み込んで、土足で踏み荒すもんじゃない、親であれ。言葉で理解しにくいものを、目で見せ、感じさせる習慣がとても良い>>続きを読む

劇場版 アイドルキャノンボール2017(2017年製作の映画)

3.0

WACKとHMJMのキャノンボール。合宿そのものはニコ生で観てた。HMJMメンバーが映り込んでたので、やってるなと思ってたけど、もっと色々噛んでると思ってた。詰まる所、合宿は面白かったけど、この作品は>>続きを読む

スミス都へ行く(1939年製作の映画)

3.9

州の上院議員の一人が亡くなり、手の上で転がし易いが故に選ばれた、BSの団長の青年が、政治の闇に切り込む話。『素晴らしき哉、人生!』同様、愚直に、真面目で懸命に生きる事を肯定してくれる作品。中立ながらも>>続きを読む

サムライ(1967年製作の映画)

3.8

孤高の殺し屋を追い詰める、事件を追う警察と、全貌見えぬ黒い組織の話。極端に削ぎ落とされた無駄と、些か過剰な演出達。カッコ良いことに、異言は全くないが、ちょっと笑ってしまう。青空までもが灰色に染まる。結>>続きを読む

地下水道(1956年製作の映画)

4.0

武装蜂起が上手くいかず、絶望的状況を打破するため、地下水道を使い街中を目指す中隊の話し。多分、過去視聴の中で最高に黒色の占有率が高い作品なのに、閉鎖空間の息苦しさや悪臭、体温、疲労感、絶望感が見える様>>続きを読む

恋のエチュード(1971年製作の映画)

4.0

パリの青年と、英国に住む姉妹の長きに渡る禁断の恋の三角関係。互いに愛し、幸せになるって奇跡かよ、と思う位に上手くいかないし、向い合えない。原因は優しさから邪念迄多岐に渉る。それでも愛すことを辞めず、ゾ>>続きを読む

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

3.8

死者の日に起きた、音楽を封印した一族の、真実と絆の話。使い古されてペラペラになった言葉や、シチュエーションなのに涙出たし、グッときた。死者の国の、カラフルで雑多な感じがワクワクするし、それを見るだけで>>続きを読む

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)

4.1

我を見失い、子供を置き出てった妻と、孤軍奮闘しながら子と成長してく夫が親権を争う話。蔑ろにせず、全力で子と向き合う姿が素敵。裁判て残酷。お互い、暗黙の了解である無数のファジーな部分を心無く突き付ける。>>続きを読む

神と人との間(2018年製作の映画)

3.4

愛している女を友情故、友に譲る。谷崎潤一郎の同名小説&細君譲渡事件の話。自己嫌悪、羨望、嫉妬等のネガティブな感情が愛を育む。そんな自分や彼女踏まえての愛の形。音や演出がコメディ寄りで、気持ち悪さや、異>>続きを読む

デトロイト(2017年製作の映画)

3.4

デトロイト暴動の、アルジェモーテルでの事件にフォーカスした話。実映像を差し込みながら語られる、悲しき暴動。目を背けたくなる尋問。アップシーンの連続で、鼓動、体温までも伝わる。50年経っても大きくは変わ>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

3.2

娘を殺された母が、警官の重い腰を上げるため三枚の看板広告を出し、周りを巻き込んでく話。様々な社会問題へ切り込み、息をもつかせぬ予想外の展開の連続、怒りの連鎖、よく出来ていた。唯、怒りしか生まぬ短絡的で>>続きを読む

RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

3.6

ベジタリアンとして、育てられた少女が肉を口にして目覚めたリビドーの記録。受け付けないのではなく、接したことがなかっただけ。我をも忘れさせる欲望。知らない方が良いことも世にはある。容易に想像できる未来へ>>続きを読む

羅生門(1950年製作の映画)

4.0

『羅生門』という名の『藪の中』。都への道すがら起きた、ある殺人を証言する当事者達+αの、三者三様の話の話。自己防衛と自己尊厳の鬩ぎ合い。主張が人間性を炙り出す。死と隣り合って尚、揺るがぬ利己主義に、人>>続きを読む

希望のかなた(2017年製作の映画)

4.2

内戦続くシリアから逃れて来た青年と、彼に関わるヘルシンキに住む人々の話。実は、世界は色々な優しさで溢れてる。一方で不条理な世の中故、何処かをカバーすると他方で皺寄せが来る、悲しき現実。でもそれを打開し>>続きを読む

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

3.8

ニューヨークに住む青年二人と、ハンガリーから来た少女のロードムービー。日常って、そんなに色付いてないし、かといって変化ないこともない。きっと彼等はずっとこんな感じで生きてく。自由で窮屈なディストピアの>>続きを読む

静かなる決闘(1949年製作の映画)

3.7

軍医として働く青年が、手術中、誤って梅毒に感染し、葛藤しながら生きゆく話。病気は違えど、現代でもありそう。愛する人のために、孤独に生きてゆく苦の道を選ぶ。理性と欲望の間で苛まれ、抑えきれずに弱気の姿を>>続きを読む

寝盗られ宗介(1992年製作の映画)

3.6

若松孝二ぽくない作品。皆から好かれる旅一座の座長の男と、そんな男の目を引くためか、周りの男達と駆け落ちしては戻ってくる女の愛の話。人間て面倒。素直になれない。強いって言葉の掛け違い。原田芳雄の『愛の讃>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.4

パリ行きの列車にて、テロリストの犯行を阻止した、勇気ある3人の青年達の話。偶然、奇跡は必然の積み重ね。詰まる所、奇跡とか呼ぶ事象はあるけど、それは幾千もの選択の結果で、成す為の過程があった故。奇跡と呼>>続きを読む

赤い天使(1966年製作の映画)

4.2

増村保造×若尾文子。日中戦争時の従軍看護婦として働く女と、軍医及び兵士達の愛やら性の話。壮絶なテーマ。虫の様に死にゆく兵士たち。狂乱、死か、地獄の様な生か。無か、優しさ、情けか。描かれることの無い、よ>>続きを読む

ビジランテ(2017年製作の映画)

3.6

異なる道を歩んでいた三人の兄弟が、父が残したある土地を巡り、再び交わる話。閉鎖的な地方の街で蠢き、混じる権力と欲望。受け入れ難い真実。行き場のない憎しみ。何に目を瞑り、何を受け入れるのか。全体的にもっ>>続きを読む