notitleさんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

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夏の娘たち~ひめごと~(2017年製作の映画)

3.0

村社会という閉鎖的で小さなコミュニティで、何代も続く性の戯れ。多分これは、今に始まったものでないし、これから先も続いていくのだろう。だから皆知ってるし、何か口を挟むことはない。見つめ合えば、既定路線。>>続きを読む

イノセント15(2015年製作の映画)

3.2

異なる繊細な事象に対峙する15才の少年と少女の話。様々な諸問題を詰め合わせたけど、何となくなぞった程度で終わったものが多く、少し残念。あと、少女と少年が向き合ってる事象のレイヤーが違い過ぎて、みててド>>続きを読む

東京流れ者(1966年製作の映画)

3.9

極道から足を洗った男が、義理やら何やらでながれ流れる話。頭の中のイメージを、そのままアウトプットした様な画。遮るものは削ることさえも厭わない。昭和のアバンギャルド感が、ダサカッコ良くて、身慄いする。恩>>続きを読む

わたしたちの家(2017年製作の映画)

3.9

同じ家に住む、二組の人達の話。横にも、奥にも広がりゆく映らぬ空間。無限に鏤められた違和感。主語は私ではなく、建物そのものかもしれない。一気に広がっていく世界。嗚呼、うぬぬ、の連続。所々ローアングルから>>続きを読む

転校生(1982年製作の映画)

3.6

幼少期を共にした、転校してきた少女と少年がぶつかり入れ替わる話。よくあるあれの最初の作品。大林監督&ATGらしからぬ、普通の編集。入れ替わる両者の演技が素晴らしい。本当に入れ替わって見える。若き故の様>>続きを読む

兵隊やくざ 殴り込み(1967年製作の映画)

3.6

終戦近づく、第7弾。相変わらず、無茶苦茶。信頼できる上官ができるのだが、彼がピンチならば命惜しまず、只管前進する姿がカッコいい。今作は、有田と少し離れるのだが、相変わらず、熱のある抱擁はそこらのカップ>>続きを読む

カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)

3.7

ある男の、青年から大人にかけての仕事やら、恋の話。こういう、少し背伸びした、洒落たの好きでしょ感が狡い。踏み入れることのない、“映画の世界”。100分以内の佳作を毎年作れば、もうそれは才能でしかない。>>続きを読む

ロブスター(2015年製作の映画)

3.8

独身者は隔離され、パートナーを期限までにみつけないと動物に変えられる不条理な話。効率主義に走った世界。ルールに沿って、共通点ありきで、皆同じ様な恋をする。出来ないものは社会的敗者。機械の様な恋するなら>>続きを読む

グッド・タイム(2017年製作の映画)

3.4

兄と知的障害のある弟が強盗し、ひと段落するまでのドキュメント。兄の立ち振る舞いが、これまでの考え方、生き方を物語る。短絡的で瞬発力はあるのに、気付けば泥沼。止まらぬ負のスパイラル。観ていてとても辛く、>>続きを読む

神様メール(2015年製作の映画)

3.0

良くも悪くもセンスの悪いジョークの様な作品。余命告知した世に降り立つ少女と、追い掛ける神である父を中心に展開するファンタジー。世の不幸は神の悪戯。故に成り立つ社会。常に、瞬間が大切。「父よ、神なの」と>>続きを読む

マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.2

ある過去を持つ男の兄が急死し、兄の息子と時を過ごす。過去の過ち故、幸せになることを拒み、ギリギリで生きてるかのよう。贖罪の如く。そっと側にいてくれた人が去り、ある人は幸せに。生きることを止めていいだろ>>続きを読む

君の名は。(2016年製作の映画)

3.4

気付けば、身体入れ替わって、自分の意図してない行動をとられ、生活の場を荒らされ、お互い話したこともないのに、ラブという感情に行き着いて、なんか凄い。運命なんて本人達が感じるもので、側から見てもよく分か>>続きを読む

走れ、絶望に追いつかれない速さで(2015年製作の映画)

3.3

親友の死がなんだったのか、自分の知らない親友はどんなだったのか、空いた穴を埋めていく。手を差し伸べられず、消えない後悔。少ない台詞とやや長めのカットが空白を埋めていく。若干、委ね過ぎかも。ポロポロ落ち>>続きを読む

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

3.9

事故死した妻への感情を通し、己を見つめ直す話。上手く悲しめない。知らずのうちに、機械のようになっていた心を分解、破壊という行動で解きほぐしていく。無機質な心に血を通す。それが、憎しみや嫉妬でも構わない>>続きを読む

はじまりへの旅(2016年製作の映画)

3.7

己の哲学が絶対と疑わず、鍛錬し突っ走ってきた父が、脆くも崩れ去り自信喪失してる姿をみると、お前は子達に何を教えてたんだと言いたくなる。それも含め、子達は強くなり、成長しゆく。家族って素敵。お互いを補完>>続きを読む

バンコクナイツ(2016年製作の映画)

4.2

『サウダーヂ』で描かれた、地方都市のリアルが、バンコクを中心とする東南アジアのリアルに変わっただけ。どんな場所にも歴史とカルチャーがあり、そこに寄り添えるなら、これ以上ない傑作。個人的には桃源郷はバン>>続きを読む

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

3.9

思春期の僕と、周りにいた少し癖のある女性達の、20世紀後半を駆け抜けた話。少年であり青年である僕。一気に広がり始める世界。知らなかった自分に戸惑う、僕と母。一歩進み、一歩下がる。愛故の躓き。こうして母>>続きを読む

可愛い悪魔(1982年製作の映画)

3.7

火サス用に作られた作品らしい。『聖ロザリンド』の実写版とでもいうか…こんなん地上波でやるなんて攻め過ぎ。自分の欲望を満たす為、善悪問わず、なんでもやっちゃう小さな可愛い女の子の話。割と編集は普通だが、>>続きを読む

HOUSE ハウス(1977年製作の映画)

3.5

友人達と訪れた伯母さんの家が変だった話。やりたかったこと全部詰め込んだ感じ。音楽も編集も狂気的。継ぎ接ぎだらけのパッチワークみたいな作品。忙しい。ここから、色々削ぎ落として今の形になったのかと思うと興>>続きを読む

恐怖分子(1986年製作の映画)

4.1

カメラと編集、すご過ぎてサブイボでた。いちいちカッコよくて、笑ってしまう。映らない部分がみえる映像、ってこういうことか!てなる。横軸も奥行きも、物理的な部分もストーンてみえる。無駄なく、洗練されてて、>>続きを読む

美しい星(2017年製作の映画)

3.9

異星人達が美しい星、地球の危機的状況に、警鐘をならす。時代違えど、人類は様々な危機的状況を生みだし、蓋してる。美しい星に人類なんて必要ない、それ自体が最大の危機。結局エゴ。何故、自分達のためにカスタマ>>続きを読む

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

4.0

人生なんて、全てがそんなにドラマチックじゃないし、矛盾だらけの世を見ぬフリして生きてる。不器用な人は不器用なりに。全然平等じゃないし、もう辞めたくなるし、期待もしない。そんな感じを曝け出して、人間らし>>続きを読む

なっちゃんはまだ新宿(2016年製作の映画)

3.8

大好きな男の子が愛する彼女、なっちゃん。大好きな彼が好きなのだから、きっとこんな素敵!という、なっちゃんのIDOL化。私の人生におけるものさし。妄想と現実が行き交う中で進む物語。変わってしまったのは私>>続きを読む

トラフィック/ぼくの伯父さんの交通大戦争(1971年製作の映画)

3.7

最後のユロ氏。アムステルダムで開催の車の博覧会に、パリから自分デザインの車を納品に向かうが…。モータリゼーションに対する批判。こんなに様々なリスクあるよ、てな具合。一方で車に対しワクワクする映像も随所>>続きを読む

キャロル(2015年製作の映画)

4.0

二人の女性が引かれあい、壁にぶつかり、葛藤する話。愛や恋みたいな、言葉には収まらない、よく分からない秘め事の様な、言語化しきれない何かが、映像化されててドキドキする。崇高で、壮大な直視できないものを見>>続きを読む

曽根崎心中(1978年製作の映画)

3.6

増村保造×ATGによる曾根崎心中。内容は、ほぼそのまま。冒頭から、もうあなた以外何も見えない感が凄い。今も昔も、立ち開かる金としがらみ。何も変わってない。何一つ欠けてはいけない、振り切った人々。些か歪>>続きを読む

アジョシ(2010年製作の映画)

3.8

過去に苛まれ、孤独に一人生きる男と、身勝手でヤク中の母の犯罪行為故、組織に命を狙われる女の子の話。なんとなく展開は読めるし、裏切ることなく、良くも悪くもイメージ通り進んでいく。ただ、ウォンビンがめちゃ>>続きを読む

クワイ河に虹をかけた男(2016年製作の映画)

3.8

泰緬鉄道建設時、陸軍通訳をしてたある日本人の、長きにわたる贖罪の話。知らないことが沢山描かれてた。多くの国々にとって、日本は戦争加害者である。色んな要因を経て、あの日、そして今がある。その事実ともっと>>続きを読む

兵隊やくざ 俺にまかせろ(1967年製作の映画)

3.2

同じく、北満州から始まる6作目。いよいよシビアな最前線での戦いが増えてくる。今までの筋の通った喧嘩ではなく、ないに越したことない戦闘や喧嘩が多く、ワクワクしない、悲しみ。人情映画から戦争映画へ。次作持>>続きを読む

五島のトラさん(2016年製作の映画)

3.6

五島で家業を営む、トラさん中心とした大家族のドキュメンタリー。子育てに絶対的正解はないと思う。どこかで我慢し、時には不平等も起きる。ここにはない、葛藤や感情も沢山あるはず。でも、みんなトラさんが好きな>>続きを読む

(1959年製作の映画)

3.7

ある家族の、老い故のエロと嫉妬と憎しみの話。皆、本音隠し、且つ本音隠してるの認識しつつ進んでく、大人たちの欲望溢れる駆け引き。舞台が京都故、裏の取り合いなのかしら。中々、狂気に満ちた感じが良い。R指定>>続きを読む

クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

3.7

犯罪心理学の元刑事の周りで起きる変な事に首突っ込む話。程度の差はあれど、登場人物みな変。変な人が変な人に、あいつ変だ、お前変だというから滑稽。すると、どんな違和感も、当事者側に立つと不思議とあまり気に>>続きを読む

tarpaulin(2012年製作の映画)

3.0

当時、衝撃過ぎて観た後すぐに、その日やってたライブ調べて観に行った。まだデビュー前で、毎日のようにライブしてた時期。ほぼMCもなく拍手の隙さえ与えず、不機嫌そうに、ひたすらギターをかき鳴らしてた姿が印>>続きを読む

過激派オペラ(2016年製作の映画)

3.6

劇団の演出家の光と陰。自分中心に旗揚げし、恋も、初公演も上手くいき、パイプもでき、崇められ、有名演者を引っ張て…となると、周りが見えず、過信する。実は、そんなに変わってない。そして、堕ちてゆく、周りを>>続きを読む

カビリアの夜(1957年製作の映画)

4.4

ローマの外れに住む、ある娼婦の話。世知辛い世の中、社会的弱者への風当たりは強く、辛いことばかり。既定路線から外れるべく、努力も上手くいかず。それでも泥臭く、天真爛漫に、文句言い、涙流しながらも、力強く>>続きを読む