SPNminacoさんの映画レビュー・感想・評価 - 20ページ目

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ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

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標識で映し出されるオープニングクレジットが愉快。みんながバカンスに興じた前作から、スクラップ&ビルドの街、生活も仕事も人間関係もオートメーション化された世相へと。
映画は繰り返し反復する音と動きでそれ
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足ながおじさん(1955年製作の映画)

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フレッド・アステアがお気楽趣味人の足ながおじさん。それはぴったりだしおじさんが主人公でもいいけど、援助する孤児レスリー・キャロンと堂々ロマンスを展開するのはさすがにどうかと。
なので、一応その辺は予め
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プライベート・ウォー(2018年製作の映画)

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ジャーナリストである自分が代わりに戦場を見るから行かなくても知ることができるのだ、とメリー・コルヴィンは言う。隻眼となった彼女はその目を自分の人生より戦場に向けることにしたようだった。いや、自分のプラ>>続きを読む

サムワン・グレート ~輝く人に~(2019年製作の映画)

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親友3人組が最後のバカ騒ぎをしようとフェスのチケットを求めて街をめぐる。って、大筋プロットは男子ブロマンス映画の定番だ。賑やかに軽いコメディで描く若さの終わり、人生の転換期、そして元カレとの忘れられな>>続きを読む

ウルフズ・コール(2019年製作の映画)

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フランスの潜水艦映画。話は『クリムゾン・タイド』に似てるけど、現代フランス軍の潜水艦ってあまり観ることないだけに、序盤からその設定や細部が色々面白い。上陸部隊、情報戦、対ヘリ、対潜水艦、衝撃に備え瞬時>>続きを読む

恐怖のセンセイ(2019年製作の映画)

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戯画化された男らしさ、同じく戯画化されたカラテ道場。「男らしさの落ちこぼれ」である非力で気弱なケイシーがのめり込んでいくカラテ修行には、昇段という序列競争、権威、パワーの誇示、女性や弱者蔑視、マチズモ>>続きを読む

ぼくの伯父さんの休暇(1952年製作の映画)

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ずっと観る機会を逃してたジャック・タチをようやく。強い風と共に独特の足取りで登場するパイプを咥えた長身の紳士、ユロ氏。海辺のバカンスの4コマ漫画風スケッチに、長閑なイージーリスニング音楽が流れる。名前>>続きを読む

私は告白する(1953年製作の映画)

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殺人を告解された神父。濡れ衣を着せられ、更に元恋人との密会まで暴露され窮地に陥ってしまうが、真実は決して口外できない。
犯人ありきで始まり、神父が巻き込まれ型主人公と言えるのだが、過去を下世話に掘り返
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エコーズ(1999年製作の映画)

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見えない誰かと話す息子、近所の行方不明事件、霊に取り憑かれていく父。って、明らかに『シャイニング』じゃないの。息子と同じシャイニングを持つ黒人まで登場し、レッドラムの代わりに赤いランプが誘導する。
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海底47m 古代マヤの死の迷宮(2019年製作の映画)

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ギクシャク姉妹のうっかり系サヴァイバルは前作との共通項だが、今回は洞窟と海底神殿とサメのお得な組み合わせ!盛り沢山でもわかりやすく、良く出来た2020年らしいサメ映画だった。
ユカタン半島の水中洞窟は
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ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ(2015年製作の映画)

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多様なバックグラウンドを持つ移民が各コミュニティを形成するNYジャクソンハイツ地区。プライド・パレード、ストリートバンド、W杯時のコロンビア応援団、屋台や店先に並ぶ色とりどりの野菜果物もまた、多様性を>>続きを読む

別れる前にしておくべき10のこと(2020年製作の映画)

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離婚して2人の子供がいるアビゲイルは、出会ったその日にベンの子供を妊娠。子供好きなアビゲイル、家庭向きじゃないベン。産むべきか悩みながらも付き合い始めた2人は、「別れる運命にあるから、それを避けるため>>続きを読む

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

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スティーヴィが眺め憧れる90年代半ばのストリートカルチャー・グッズは、彼が思う男子としての通過儀礼。乱暴な兄(『WAVES/ウェイブス』から連続ルーカス・ヘッジズだ)に怯えたり、門限を気にしたり、ゲイ>>続きを読む

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

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家父長制やマチズモの抑圧に押し潰され、弱さを吐露できず追い詰められた兄。悲劇の後を生きる妹。2部構成で綴る痛みと救済の物語は、お互いに疎外され傷つけ合う家族や恋人関係が類型的で、ギリシャ悲劇みたいな様>>続きを読む

セックスで繋がる3つの世界/ZOOM ズーム(2015年製作の映画)

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セックスドール工場で働くエマ、彼女が漫画に描く理想の男=映画監督のエドワード、ブラジル人モデルのミシェル。3人共通の悩みはセックスというより、コントロール不能な身体トラブル。男も女も身体目当てばかり。>>続きを読む

カイル&マイク 俺たちの人生は上り坂(2019年製作の映画)

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ピレネー辺りの山道を自転車で登る途中、結婚間近のカイルが親友マイクから衝撃の告白。そこから始まる、2人の上がったり下がったり太ったり痩せたりの人生模様。
自転車は上り坂がきつく、下りは楽チン。カイルの
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フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛を込めて(2019年製作の映画)

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コーンウォールの港町で歌われる漁師の労働歌がヒットチャートに!実話を基に、おっさんたちの頑固な愛嬌、地方の誇り、都会から来たよそ者と育む友情、シングルマザーとのロマンス、そして無くてはならないパブ!と>>続きを読む

パンターニ/海賊と呼ばれたサイクリスト(2014年製作の映画)

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現代自転車RRへの転換期だった時代を背景に、山岳で圧倒的強さを見せ海賊と呼ばれたマルコ・パンターニの光と影をたどるドキュメンタリー。話では知ってるけど、レース映像を観るとチーム戦術お構いなしのアタック>>続きを読む

わがままなヴァカンス(2019年製作の映画)

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16歳になったばかりのネイマが過剰にセクシーな従姉妹ソフィアと過ごすひと夏の経験。避暑地カンヌ、入江のビーチ、ビキニ、クルーザー、これぞフランスのヴァカンス映画。だが、哀愁漂うギター音楽からして、どこ>>続きを読む

ヴィランズ(2019年製作の映画)

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森の中の小屋、じゃなくて邸宅に逃げ込んだらさあ大変パターン。強盗カップルVSサイコ夫婦のヴィラン対決は、どっち側にも同情的な背景を匂わせるのだが、それが中途半端でグダグダと間延びさせ、湿っぽく辛気臭く>>続きを読む

ディック・ロングはなぜ死んだのか?(2019年製作の映画)

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ディックの死をめぐって隠蔽工作にアタフタする仲間、捜査する警官コンビ、妻や知りたがりの娘ちゃんらの騒動が、平穏な田舎町をちょっとだけ揺るがす。『ハリーの災難』みたいなほのぼのブラックコメディかと思えば>>続きを読む

リンドグレーン(2018年製作の映画)

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原題はアストリッド。「長くつ下のピッピ」などの作者がまだリンドグレーン以前の、作家になる前のお話。国民的人気作家として子供に慕われる現代をブックエンド形式に、波乱万丈で苦労した若い頃が描かれる。
保守
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ポップスター(2018年製作の映画)

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聖書や神話を模して、受難で始まりカオスを経て復活に至る3部構成。校内銃撃事件やテロ、そこで選ばれし者となったセレステは、悪魔(ジュード・ロウぴったり)と契約、成功と共に犠牲を背負って、やがて元いた場所>>続きを読む

オール・マイ・ライフ(2020年製作の映画)

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タレ目気味な笑顔がキュートなソル&ジェンは、「今しかない」が合言葉の愛すべきカップル。料理が得意な彼と出会ってデートして一緒に住んで、友人に囲まれてロマンティックなプロポーズ…とトントン拍子に展開する>>続きを読む

パブリック 図書館の奇跡(2018年製作の映画)

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「公共とはみんなのものである」と連帯し声を上げた人々。公共図書館は市民の知りたい欲求に答え、無茶な要求でも無碍にはしない(実物大地球儀でも!)、誰も排除しないのが前提。当然トラブルもあるけど、誰だって>>続きを読む

フェアウェル(2019年製作の映画)

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帰省映画には秘密が付き物で、この場合はおばあちゃんへの告知。でも「屋根の上の猫」ジョークから既に答えは決まってて、嘘がバレるかどうかハラハラさせる展開じゃない。アメリカで育ったビリーが母国でルーツを確>>続きを読む

ヒポクラテス(2014年製作の映画)

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教授の息子バンジャマン、外国人で苦労人のアブデル。対照的な新米インターン医師を軸に描かれる医療現場の現実。
映画は端的に的確に、病院を一つの社会組織として捉えていた。食堂の絵や罰ゲームはホモソーシャル
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ふたりの J・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏(2018年製作の映画)

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作家 J・T・リロイは、中の人ローラと外側を演じるサヴァンナ2人のアバター。合言葉は「神の野原で遊ぶ」。
ありのままでは叶わないことを偶像に託す行為は、そもそも作家がフィクションを創作することで成立し
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ハンナだけど、生きていく!/ハンナはいつも、アイされたい(2007年製作の映画)

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仲間内のDIYでこしらえた小さなインディペンデント映画、いわゆるマンブルコア映画。その界隈を象徴するジョー・スワンバーグ、グレタ・ガーウィグ、マーク・デュプラスと、同じく中心人物アンドリュー・バジャル>>続きを読む

キングス・オブ・サマー(2013年製作の映画)

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誰にも知られず森の中で自由を満喫するジョー、パトリック、ビアジオ。まるでトム・ソーヤーとハックルベリィ・フィン+1の冒険だけど、彼らはひ弱な現代っ子。それでもDIYで家を建て、折り合いの悪い親元から家>>続きを読む

バルーン 奇蹟の脱出飛行(2018年製作の映画)

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東ドイツから西側への脱出実話。映画はすぐ気球でのハラハラする脱出作戦が決行されるが、あと一歩で失敗。そこから始まる緊迫の日々が更にハラハラさせるのだった。(個人的にミシン掛けを見るだけでハラハラする)>>続きを読む

ミスターX レオス・カラックス(2014年製作の映画)

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若くして映画史に残る傑作を生み、恋人である女優をこれでもかと美しく撮り、主人公は自分の分身で、巨額を投じた巨大セットで物議を醸し、近寄り難く気難しい…レオス・カラックスはかつての巨匠らしい伝説を持つ最>>続きを読む

スワッガー(2016年製作の映画)

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郊外の団地に住むアフリカやインドなどからの移民の子どもたちが、カメラに向かって自分を語る。俯きがちな女子、お洒落を自負する男子、シニカルな女子、フットボール好きな男子、スーツで登校する男子…みなフラン>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

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ネット文体というかブログ文体のモノローグで綴る、若さと恋の終わりの始まり。2人で広げたカーテンは文字通りまた2人の手で閉じられる。
次々と固有名詞を並べ立てる脚本だけに、どうしても引っ掛かってしまうの
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アドリフト 41日間の漂流(2018年製作の映画)

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タヒチで出会った運命の彼と豪華ヨットの旅…が大変なことになる実話。遭難から始まってそこに至るまでが交互に進行するせいか、シャイリーン・ウッドリーがめちゃくちゃ頼もしいせいか、絶望感はそんなにない。とは>>続きを読む

今宵、212号室で(2019年製作の映画)

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浮気がバレた妻は夫を残し、家の向かいのホテル212号室へ。そこでシュールでマジカルな一晩が始まる。若い男に心惹かれながら街を行くキアラ・マストロヤンニと被さるポップなナンバー。セットで作られたホテルと>>続きを読む