SPNminacoさんの映画レビュー・感想・評価 - 21ページ目

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オリ・マキの人生で最も幸せな日(2016年製作の映画)

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国の期待を背負い初の世界戦に臨むボクサー、オリ・マキ。モノクロ、ボクシング、フィンランド…さぞ渋くストイックな映画かと思えば然に非らず。村の結婚式に記念撮影、パーティ、記者会見に記録映画撮影…その合間>>続きを読む

ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト(2020年製作の映画)

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恋人の実家に帰省する典型&伝統的クリスマス映画のレズビアン・カップル版。プロポーズするつもりのアビーは恋人ハーパーの保守的な家族の前で友人のフリをすることになってしまう。華やかなクリスマス・デコレーシ>>続きを読む

シー・フィーバー 深海の怪物(2019年製作の映画)

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前半はほぼモンスター映画の定番展開だが、巨大クラゲ風クリーチャー映画じゃなかった。『エイリアン』の宇宙船を漁船にした感じの密室サヴァイバルだ。
漁船なのでビジュアルは地味だが、主人公の海洋生物学者が科
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シーズ・ガッタ・ハヴ・イット(1985年製作の映画)

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3人の男と付き合うノーラの物語は、現代にありそうな先駆けっぽい。独占したがる男たちと言い寄る女を飄々とかわし、自由で主体的でありながら、魔女や依存症として(頭の中の世間に)罰せられるのを怯えてもいるノ>>続きを読む

グレース・オブ・ゴッド 告発の時(2018年製作の映画)

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3人の被害者をリレー形式に主人公とした、少し変わった構成だ。最初に声を上げたアレクサンドル。やがてその告発は別の被害者フランソワに届く。そこで被害者の会が立ち上がり、また別の被害者エマニュエルが沈黙を>>続きを読む

スペインは呼んでいる(2017年製作の映画)

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4年に一度のお楽しみといえば、このシリーズ。今回も美味しそうな料理と観光を堪能するスティーヴとロブのブエルタ・ア・エスパーニャは、毎度同じ始まりからモノマネと薀蓄と小芝居、マイケル・ナイマンの音楽も変>>続きを読む

ラブ&モンスターズ(2020年製作の映画)

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終末世界のシェルターから、愛しの彼女のもとへと一人旅立つジョエル。出だしは『ゾンビランド』とよく似た設定だ。ジェシー・アイゼンバーグがお喋りで弱々しいディラン・オブライエンに、道中出会うウディ・ハレル>>続きを読む

ウルフ・アワー(2019年製作の映画)

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日当たり悪い部屋に引きこもる、黒髪で陰気なナオミさん。ずっと地味で暗くて、訪ねてくる人と険悪なやり取りが続く。サマー・オブ・サム、大停電のNY。狼の時刻、すなわち丑三つ時に彼女を悩ませる謎のブザー。>>続きを読む

画面の向こうの君は(2019年製作の映画)

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映画俳優ニールがマッチングアプリで出会った女は何者か。
劇中演じる役はキリストで女の名はマリアだけど、大企業の跡取りでもあるニールはハムレットで、謎の女は彼を翻弄する亡霊だとわかる。けどオフィーリアは
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間違えられた男(1956年製作の映画)

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サスペンスというより、“都会の片隅で起きた冤罪事件!あなたも決して他人事ではない…”てな見出しで煽る大衆誌の記事みたいな。サミュエル・フラーほど社会派でなく、「他人に無関心な都会は怖いですね」といった>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

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昔、“Road to Nowhere”のMVを観たとき無性に感動したのを憶えてる。小さな画面でデヴィッド・バーンが回し車みたいにひたすら走るけど前に進まない、先がないのに止まらないマーチ、サバービアの>>続きを読む

ボー・バーナムの明けても暮れても巣ごもり(2021年製作の映画)

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『エイス・グレード』を監督したボー・バーナムがひたすら自宅の中で自撮りワンマンショウ。ミュージカル、MV、スタンダップ、パペット…よくぞまあこんだけアイディアが浮かぶものだ。しかも如何にもパロディっぽ>>続きを読む

エマ、愛の罠(2019年製作の映画)

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『燃ゆる女の肖像』といいこれといい、燃え上がる炎が象徴する何か。こちらは言わば「燃やす女の肖像」だ。闇で燃える信号機で始まり、火炎放射器を背負ったエマ、燃えるブランコまで美しくパンチの効いたビジュアル>>続きを読む

ハッピー・オールド・イヤー(2019年製作の映画)

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捨てるべきか残すべきか、それが問題だ。理想のミニマリストになるべく実家の断捨離を始めたジーンだけど、それでもやっぱり迷いは付きもの。苦悩する彼女はハムレット。
そりゃそうですとも。天使の顔した悪魔こと
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誰かの幸せ(2020年製作の映画)

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一躍人気作家となったレア、に対する周囲の反応を滑稽且つ辛辣に描いたコメディ。♪We Hate It When Our Friends Become Successful~(byモリッシー)
レアが初め
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TENET テネット(2020年製作の映画)

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超有能なエージェントが良いスーツを着て世界を飛び回り、人類を救うミッション。フィルム撮影で、アクションスペクタクルで、ハンス・ジマーじゃなかったルドウィグ・ゴランソンの重低音が鳴り響いて、偉そうなマイ>>続きを読む

私の知らないわたしの素顔(2019年製作の映画)

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ジュリエット・ビノシュ先生が偽アカウントで若い男と恋に落ちる。若さに執着した女の悲しく惨めなサイコスリラーみたいな古くて安っぽい話は勘弁してほしいし、ただそれだけの話とは思えず、セラピストとの会話やな>>続きを読む

コメディ・フランセーズ/演じられた愛(1996年製作の映画)

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予備知識がないととっつきにくい、ワイズマン安定の観察ドキュメンタリー。歴史ある国立劇団、パリ中心地に建つ劇場、郊外の舞台美術工房、堂々たる国の芸術文化を見せつけられて羨ましい限り。座員俳優や演出家、裏>>続きを読む

ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜(2020年製作の映画)

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氷河と火山と財政破綻と妖精と変人…それがアイスランド。って、誇張したイメージで突っ走るのでアイスランド人に怒られないかと心配になるけど、アメリカ含め他の国も同じくらいヒドいネタにしてる。何せウィル・フ>>続きを読む

夢と希望のベルリン生活(2015年製作の映画)

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職と希望を求めてスペインからドイツへと渡ったものの、現実は厳しかった。国の緊縮財政、高学歴でも仕事に就けない若者はいずこも同じ。ウーゴとブラウリオが向かったベルリンでは、同じように夢見たスペイン人やト>>続きを読む

92年の夏(2015年製作の映画)

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ユーロ2021が始まる中、ユーロ92でユーゴ代表の代わりに急遽出場したにも関わらず優勝してしまったデンマーク代表の映画化を。ラウドルップ兄弟ら選手を演じる俳優がざっくり特徴を捉えてはいて、とりあえず態>>続きを読む

冬時間のパリ(2018年製作の映画)

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作家とそのパートナー、編集者、その妻で俳優を中心に語り合う会話劇、いや議論劇だ。それぞれは秘密の関係を持っていて、お互い曖昧にやり過ごしてる。しれっと嘘をついたり嘘を見抜かれたり、嘘が下手すぎたり。同>>続きを読む

ラブバード(2020年製作の映画)

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よくあるパターンなら事件に巻き込まれるのはボケ&ツッコミの凸凹バディだけど、イッサ・レイとクメイル・ナンジアニは両方ボケ役。どっちかが暴走してどっちかが振り回されるんじゃなく、2人して歩調を合わせて間>>続きを読む

マチルド、翼を広げ(2017年製作の映画)

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心を病んだママと娘マチルドの物語。ママらしいママと平穏に暮らしたいのに、ママは自分を置いてどこか別の世界へ行ってしまう。一緒に居ても不安で落ち着かない生活、そこへ住み着いたフクロウがマチルドに寄りそう>>続きを読む

スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち(2020年製作の映画)

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かつて黎明期にアクションスタントを担ってきた女性たちは、映画産業が大金を生むとなると、男性にその座をあっさり横取りされてしまったという(あー、コンピュータ業界でもそうだったよね…)。それを踏まえて、現>>続きを読む

MORTAL モータル(2020年製作の映画)

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MCUに対抗してご本家北欧によるマイティ・ソーのビギンズ?シリーズ化する気かな。
とりあえず、名所ハルダンゲル橋やノルウェーの自然風景だけで絵になるからズルい。いっそ前半はノルウェー観光局とワーゲンの
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ダウンヒル(2020年製作の映画)

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『フレンチアルプスで起きたこと』リメイク。おんなじ部分はそのまんまだが、変更した部分も少なくなかった。結果、オリジナルの体感気温が心の芯まで凍りつく−30℃だとすると、アメリカ版はせいぜい−5℃くらい>>続きを読む

ホース・ガール(2020年製作の映画)

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地味な独身女性の生活が、なかなか魑魅魍魎とした不気味な展開となり、スタート地点からどんどん離れていって行き着く先が見えない。手芸店、DNAテスト(自分の知らなかったルーツが判明するやつ、流行ったね)、>>続きを読む

ボクシング・ジム(2010年製作の映画)

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ロッキーの後で、フレデリック・ワイズマンによるボクシング・ジムのドキュメンタリーを。そこでは試合に出る選手から初心者まで、老若男女が各自トレーニングに励んでいる。名もなき人々とジム内を観察するカメラ。>>続きを読む

ロッキー2(1979年製作の映画)

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今更だけど『2』だけ観逃してた(或いは観たけど忘れてた)ので。勝利でなく負けないことに意味があったロッキーも(スタローンも)、やはりもっと上を目指したくなる、欲が出てくるものなんだろう。
ご丁寧に1作
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ブリット=マリーの幸せなひとりだち(2019年製作の映画)

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夫を捨て家を出たブリット=マリーが、ひょんなことから弱小子供フットボールチームのコーチに。予想外にフットボール映画だった。しかもリヴァプール・サポ視点、ユナイテッドは敵役である(夫はユナイテッドファン>>続きを読む

ディック・ジョンソンの死(2020年製作の映画)

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不慮の事故で何度も死に、天国に迎え入れられるパパ。そんな映画を自ら演じる父と撮影する娘の日々は、フィクションでなくドキュメンタリーである。但しスタントマンや役者、凝ったスタジオセットを使った虚構と演出>>続きを読む

かもめ(2018年製作の映画)

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主にミュージカルの舞台演出家マイケル・メイヤーが監督、同じくブロードウェイで長年組んできたトム・ハルス(『アマデウス』のモーツァルト演じたひと)がプロデュースし、チェーホフ戯曲を豪華キャストで映画化。>>続きを読む

マシュー・ボーン IN CINEMA 赤い靴(2020年製作の映画)

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可動式舞台内カーテン(両開きの幕)を使って、劇中舞台を入れ子構造で表現してる。もともとバレリーナの物語だから、『白鳥の湖』『カルメン』『シンデレラ』ほど大胆な翻案ではなく、かなりシンプルな印象。赤い靴>>続きを読む

カランコエの花(2016年製作の映画)

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映画自体は真摯に丁寧に作り手の意図が伝わるけど、色んな意味で日本や邦画はまだここなのか…と残念な気持ちになってしまった。主人公、先生たちも含めて何重にもそんな現実が悲しい。
赤いシュシュはもしかして緋
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制作・出演陣が語るボーイズ・イン・ザ・バンド(2020年製作の映画)

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続けてこちらも観ると、この古い戯曲が時代の映し鏡になってると感じる。作品とそこにある真実は変わらないけど、常に社会の方が変化してるんだよね。