そば茶さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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逃げた女(2019年製作の映画)

3.6

先日観たロメールと同様に、今泉監督が「日本のホン・サンス」とも呼ばれていると知り観た。ホン・サンス監督も「韓国のロメール」とも言われているらしい。ただ、この映画は男女を描いてきた監督が、男性をほとんど>>続きを読む

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

3.6

今泉力哉監督が「日本のロメール」と呼ばれているらしいと知り、ロメールってどんなものだろうかと気になったので観た。

たしかに今泉監督っぽい、どことなく滑稽で、でも本人たちはとても真剣な、恋愛をめぐる群
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カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

4.5

重苦しい話だと予想して、覚悟して観たけど、思いのほか笑ってしまう場面が多かった。精神病院の患者さんたちの日常なので、笑っていいのかわかりませんが…

とはいえ、登場人物たちはそれぞれ個性的で、意外性も
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.2

認知症を介護する側の視点から見ることはあるけど、認知症になる側の視点で見ることはほとんどなく、記憶が無くなるという漠然としたイメージしかなかった。

自分の認識では何も変わっていないはずなのに、いま見
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ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

4.5

北アイルランド・ベルファストの小学校で行われている哲学対話。ベルファストはカトリックとプロテスタントが激しく対立していて、内戦状態だったこともあり、その爪痕が残っている。映画『ベルファスト』の約50年>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

4.0

1960年代の、ベルファストという北アイルランドの街と、そこに住むある家族を描いた映画。ベルファストは北アイルランドの首都らしい。

カトリックとプロテスタントの対立で街は内戦状態。そんな中だからこそ
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ダークナイト(2008年製作の映画)

4.0

『ジョーカー』がとてもよかったのでこちらも鑑賞。

映画をよく観るようになる前の自分の映画のイメージはこんな感じだった。アクションがあって、派手な爆発とかがあって、スリリング。

でも、それだけはなく
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はじまりのうた(2013年製作の映画)

4.2

ニューヨークの街並みがとても魅力的に撮られていた。音楽がなくても、何気ない風景でも、すてきな街だなあと思えるような映像だった。

たくさんの音楽が流れる映画で、音に乗せて感情が真っ直ぐ伝わってくる。音
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フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

3.7

フォレスト・ガンプの純粋さに心があったかくなる。映画の説明でも「知能指数は低いけど」とあるけれど、そういった人にしか出せない魅力もあるよな…と思う。

エビの話しかしない軍隊での友人バッバも、勇敢で少
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グリーンマイル(1999年製作の映画)

3.6

死刑を執行する看守がある死刑囚に抱えるジレンマ。

その死刑囚は、癒しの能力そのものよりも、その人柄と、置かれた環境にグッとくる。

そして、自分勝手な生意気コネ坊やの方にムカムカした。

こういう作
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.7

コメディアンになりたい母親思いの青年が「ジョーカー」になっていくまで。

障害を抱えてはいても、心優しい青年だったアーサー。あれほどまでに世界の残酷さを浴びせられ続けられると、狂っていくだろうし、それ
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984年製作の映画)

4.1

モリコーネのドキュメンタリー映画がよかったので、彼が関わっている作品を観たかった。

同じくモリコーネが音楽を担当している『ニュー・シネマ・パラダイス』では主人公が映画を通じた過去の友情を懐古している
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怪物(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

男の子2人のパートはとてもよかった。どこまでが友情で、どこからが恋愛なのかわからないけど、ノスタルジックなところもありつつ、みずみずしい。

憶測に基づいて突っ走ってしまうことの危険を自戒できる映画で
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.4

離婚して離ればなれになっている父と娘のある夏休みのバカンスの記憶とビデオテープの断片が集まったような映画。説明もほとんどなく、とても余白が多い。

映画中にも似たような言葉があったけど、大切な人と過ご
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最強のふたり(2011年製作の映画)

4.6

ずっと気になっていた映画。最初から最後まで笑いっぱなし。

自由奔放で明らかに場違いな振る舞いをするけど、素直で明るく根はいいやつのドリスがチャーミング。そんな彼が半身不随の雇い主フィリップが引き起こ
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パリタクシー(2022年製作の映画)

4.4

ポスターや予告の雰囲気で想像していた内容とはいい意味で違っていた。パリの街中はやっぱりきれいで、乗客のおばあちゃんのマドレーヌは魅力あふれる素敵な人で、笑って泣いて楽しい映画だった。

この映画の場合
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.2

とにかく美しい。絵画のようなシーンばかり。これに尽きると思った。

静寂に包まれていて、会話も静かで言葉が少ない。少しだけ流れる音楽は強く印象に残る。最後のシーンは特に凄みを感じた。

自然の風景がと
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アダマン号に乗って(2022年製作の映画)

4.6

パリのセーヌ川に浮かび、精神疾患もつ患者が来るデイケアセンターであるアダマン号という船の中での人々のドキュメンタリー。

映画にはなっていない暗い部分もたくさんあるだろうとは思う。

でも、個性の尊重
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ちひろさん(2023年製作の映画)

4.3

劇中にもあったように、ちひろさんはつかみどころのない人で、それでいて魅力的だった。

彼女のやさしさにたくさんの人を救われているんだと思うけど、押し付けがましさもなく、好きなように振る舞うことで気がつ
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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

4.7

「優しさの意味を問いなおす」とあるけど、そのとおりの映画だった。

弱さを肯定してくれるような映画で、誰かがこの映画に救われるのだろうな。でも、必ずしも共感できるわけでもなければ、無批判に弱さを肯定し
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丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)

3.5

おじいさんが店主をしている古書店。そこでの出来事をいくつかスケッチしたような映画。

丘の上の街並みや明るい日差し入る古書店の立地がよく、こんなところがあれば行ってみたいなと思う。店主とは性格が違いそ
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.6

「生きることなく生を終えたくない」というフレーズを見て興味を持って鑑賞した。

そこよりも惹かれたのは画面や音楽から溢れ出ているかっこよさとおしゃれさだった。もちろん俳優さんたちも素晴らしいけど、歴史
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ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

4.5

人の弱さを置き去りにしない映画が好きなんだなぁと改めて思った。

オギーはたしかに普通の人ではないかもしれないけれど、オギーだけでなく、誰もが自分のことが大切で、自分を守るための弱さや醜さを抱えている
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いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.1

死を目前にしたシングルファーザーによる、4歳の息子の新しい親探し。

ジョンは窓の清掃員という設定がとても好きだった。純粋にいい画だなと思えたのもあるけど、窓の外から中を覗いて見える部屋にもいろいろあ
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ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

4.2

悲しいなぁ。
マフィアのファミリーのボスとして強い自分であらねばならない一方で、普通の人と同じ家族を愛する気持ちを誰にも見せることができない切なさ。

強くあろうとすればするほど、人としての情を消して
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イゴールの約束(1996年製作の映画)

3.9

不法労働者に部屋を貸すことによって生計を立てていた親子。

少年の自我が芽生え、父への思い、父から離れる恐怖と、自我との戦いが始まる瞬間を捉えた素敵な映画でした。

音楽が少なく、淡々と進んでいく映画
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離ればなれになっても(2020年製作の映画)

4.2

3人の男性と1人の女性の、10代から40年間の人生と関係性を描いた映画。

過ちを犯さない人生はない。誰からも後ろ指をさされないような人生もないのかもしれない。自分自身が時の流れを経て変わっていくよう
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茶飲友達(2022年製作の映画)

4.3

高齢者向け売春クラブの話。高齢者の性欲を題材にした話はたしかに目新しいのかもしれないけど、性にのみ焦点を当てた話ではないように思えた。

社会への問いかけがたくさん含まれている内容だったけど、登場人物
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.3

ベタな話かな?と思いながら観ていて、そういう一面もあるけど、全く想像を超えているところもいくつもあった。わかりやすいかと思えば、描かれていない余白もたくさんあり、すごくいいバランスで成り立っている映画>>続きを読む

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.1

『ニュー・シネマ・パラダイス』のようなノスタルジーに溢れる映画を勝手に想像していたけど、もっと現実感が強くて、当時の社会を色濃く反映されたストーリーになっている。

序盤の夜に輝く光にうっとりした。昼
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ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.0

名作だとよく聞くのと、大河ドラマの『鎌倉殿の13人』の脚本を書くにあたって意識していた作品だということで鑑賞。

マフィアの一家に産まれたが、堅気の人間として育てられた善良そうなマイケルが…

映画の
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.2

映画音楽の巨匠モリコーネのドキュメンタリー。

流れてくる音楽はもちろんよかった。過去の映像や、音楽が使われた映画、この映画のために撮影された映像がすごくうまく組み合わされていて、おしゃれなドキュメン
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宇宙でいちばんあかるい屋根(2020年製作の映画)

4.0

家族に恋愛に悩む女子高生のつばめと、空を飛べるという謎の老人星ばぁとの話。

ファンタジックな世界観で、年の離れた友人のような関係性の2人がここちよかった。

ホオズキのシーンに、なんだかうるっときた
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.0

耳の聞こえない女性ボクサー。
言葉では多くを語らず、日常を切り取ったかのような映画。映像のざらざらした質感が特徴的。

夜の鉄道の高架下にさしている光の映像かとても良かった。


個人的なことですが、
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RRR(2022年製作の映画)

4.2

観ていて楽しい!これに尽きる。

エンタメ度が高い作品にはあんまりハマれないことが多く、アクション映画もあんまり観ないけど、これは楽しかった。

2人が仲良くなっていくところがただただ微笑ましかった。
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シスター 夏のわかれ道(2021年製作の映画)

4.7

好みの映画だった。いい映画。

自分の人生を選ぶのか、幼い弟の世話をするのか、という二者択一の選択に葛藤する女性を描く。

一人っ子政策や家族の関係性をはじめ、中国の文化や制度が登場人物たちに重くのし
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