そば茶さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.8

純粋すぎるあみ子と彼女に振り回される周囲の人たち。

見終わった直後はなんとなくモヤモヤが残っていて、なぜだろうと考えていたんだけど、それは振り回される側の人たちの苦しさに、より共感していたからなのか
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ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

4.0

映画を通じて生まれたアルフレッドとトトの友情・愛情に、繰り返し流れる音楽も加わって、じわじわと心があたたまる。

成長していくトトと、変わりゆく村(特に映画)の対比に寂しくも感じる。

映画館の雰囲気
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.9

作品全体から漂う、監督の優しい眼差しをいっぱいに感じた。特に終盤は、なぜだかわからないけど、ずっと涙が出ていた。

子育ての経験がないので、そのつらさはわからないけれど、ひとりのことを理解するのは、相
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神は見返りを求める(2022年製作の映画)

4.1

普通の人なら誰でも持っているエゴを拾い上げて、拡大して、ぶつけてドラマにしたような内容で、明るく楽しい話ではないけど、しっかり心に刻み込まれる作品だった。

終わり方、最後のひと言とその景色、そこから
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ウォールフラワー(2012年製作の映画)

3.6

狭い世界で生きる高校生たちが悩みや葛藤、繊細で複雑な人間関係に苦しみつつ、素敵な仲間に囲まれて、無邪気に楽しさも感じながら過ごす、まさに青春の映画。

辛くもあったはずだけど、振り返ってみるとやっぱり
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.9

類似の作品を見たことがなかったので、どう受け止めていいか少し戸惑う。

ひとつひとつのシーンの長さに緊張感がある。言葉に頼らなくても、こんなにたくさんのものが伝わってくるのかと驚いた。

座って台所に
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パターソン(2016年製作の映画)

4.2

海外の映画で、舞台も海外だけど、侘び寂びに似たような、贅沢ではない日常の中に幸福や美しさを見出せるような作品でとてもよかった。空気感が好き。

バス運転手で詩人なパターソン、とてもいい。

ベンチに座
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怪物はささやく(2016年製作の映画)

4.0

とにかく映像がきれいなのが最初に浮かんだ感想。それだけでも観てられるくらいよかった。

原作が児童文学と後で知ってなるほどと思う。絵本のような映画。わかりやすそうに見えて深い。

あの怪物はなんだった
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天国でまた会おう(2017年製作の映画)

3.8

ポスターの華やかさとジャンルにコメディとあることから、単純で面白おかしく笑える話かと思ったけどそうではなくって、第一次世界大戦を背景として、戦争の苦しみや、戦争にさえ利権を絡ませる産業界への批判がしっ>>続きを読む

シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア(2014年製作の映画)

4.2

終始笑っていた。ヴァンパイアが共同生活しているところカメラで撮りつつ取材して、しかもやたらと人間くさいヴァンパイアなのでずっと笑えた。

たまにカメラ目線なのがちょっとうざくてとてもよい。主演の人の目
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PLAN 75(2022年製作の映画)

4.3

苦しかった。

考えはじめると止まらなくなるような内容。

制度は架空のものだけど、社会や高齢者を取り巻くものは現状のありのままなんだろうと思う。完全なフィクションの世界の話だとは思えない。

これま
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パリ13区(2021年製作の映画)

-

モノクロの映画を観たのが初めてで、物足りなく感じるかと思っていたけど、全くそんなことはなかった。むしろ綺麗だった。

ただ、内容にはあまりハマれなかった。ただの純粋なラブストーリーではなくって、社会の
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オフィサー・アンド・スパイ(2019年製作の映画)

4.0

最初はちょっと退屈かと思ったけど、ストーリーが動き始めてからはどんどん面白くなった。

衣装や建物が豪華で観ていてわくわくしたし、フランス語の音も心地よかった。

歴史上の事件を取り扱ったものだけど、
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流浪の月(2022年製作の映画)

4.3

良かった。苦しかった。余韻がすごい。

心の奥深くに傷を負っていても、前に進もうともがく。そしてまた傷を負う。

更紗の苦しさが痛いほど伝わってきた。思い出すだけでも苦しいほど、心に残ったシーンがあっ
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mellow(2020年製作の映画)

4.0

登場人物たちのかわいさと優しさの溢れる映画だった。

想いを伝えることと、それに伴ういろいろの話。

ゆったりとした、でも少しずつ変わっていく日常が流れていて、それぞれの想いを否定せず、優しく包みこん
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BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

4.2

ボクシングの映画なので、映像は迫力がある。一方で、登場人物たちは多く語らず、静かな空気。でも、その奥に潜むマグマのような熱に突き動かされてボクシングと向き合う人たちの物語。

現実は甘くない。けれど、
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GAGARINE/ガガーリン(2020年製作の映画)

3.2

ガガーリンの名を冠した団地が、老朽化に伴って解体される。そこに暮してきた青年の、一命を賭した抵抗。

彼の壮大な構想と、その反面で、単なる一青年としての思いが同居しているのが興味深かった。その周囲に、
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猫は逃げた(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

猫が逃げてからの展開がよかった。


終盤のわちゃわちゃなるシーンがやっぱり好きだけど、自分が観てきた今泉監督の映画にある同じようなシーンでいちばん好きかも。周りのお客さんの笑い声が色んなところから聞
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日日是好日(2018年製作の映画)

4.3

映画館で観て以来2回目。とても好きな作品。

映像と音、空気感がとてもいい。

庭の景色、抹茶の色、和菓子、茶器。派手ではなくても、落ち着いた美しさがある。

静寂に包まれるなかで聴こえる水の音、風の
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白い牛のバラッド(2020年製作の映画)

3.8

終盤のとても張り詰めた緊張感が強く残っている。

ミナは、レザの言動を最終的にはどのように捉えていたんだろう。

死刑の執行後に冤罪だとわかったところで、命は取り戻せない。被害者の視点だけではなく、そ
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愛なのに(2021年製作の映画)

3.9

タイトルの「なのに」の部分がたくさん詰まった映画だった。

まっすぐで純粋な高校生たちと、複雑でわかりにくい大人たちが対象的に見える。一人ひとりが抱えているそれぞれ異なる「なのに」

これまでの今泉監
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南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

3.5

正直なところ、登場人物たちの感情はよくわからないところが多く、みなさんのレビューを見てなんとなくつかめてきた感じです。

でも、主人公?のツチダが、漠然とした理想はあっても、そこにたどり着くためにどう
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

耳が聞こえない家族。
自分だけ聞こえるルビーの苦しさ。家族のルビーへの思いと、ルビーの家族への思いも、すっきりとうまく描かれていたように思う。

観てよかった。言葉でコミュニケーションがとれないのがど
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海街diary(2015年製作の映画)

4.3

春夏秋冬も、鎌倉の風景も、姉妹をはじめとした人々も、画面に映るたくさんのものが綺麗で優しさを感じる。

すごく大きな出来事が起きるわけではないけど、ままならない人生や、良いことも悪いこともある人(特に
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空白(2021年製作の映画)

4.6

こんなに泣くと思ってなかった。
ずしんと重いけど、観れてよかった。

誰かのために、というのは人を盲目にするのかもしれない。それを責めるのは酷な気もする。それは正義感でもあるのかも。でも、正義は凶器に
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.6

清原果耶と成田凌の、言葉が多くテンポも速くて、噛み合わない、でも相性は良いような会話が楽しかった。2人ともいい。

普通ってなに?というテーマがあるとは思うけど、それは置いといて、2人の会話と、段々と
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.9

映画ってすごいと思わせてくれた作品。長いし、好みじゃないかもな…と思いつつ観に行ったけど、気づいたら熱中して観ていて、あっという間に終わった。すごい体験をしたと思えた。

登場人物たちのそれぞれの思い
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

日本にも階級と呼べるようなものがあることは全く意識したことがなかったけど、映像として観て、間違いなく存在しているんだと初めて認識した気がする。

自力で東京で生き抜いてきた地方出身の女性と、東京の上流
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

強く印象に残っているシーンもあって、面白かった。とは思うものの、情報量が多くて処理しきれていないところがあるので、しっかりとした感想をまだ書けない。なので、もう一回観たい。できれば原作か『ワーニャ伯父>>続きを読む

南極料理人(2009年製作の映画)

4.0

南極のイメージから固めのお仕事映画?のようなものを想像していたけど、あったかいコメディだった。仕事よりもむしろ仕事をしていない時間に焦点をあてている。

完全に孤立した環境で送る日常のご飯。学生のサー
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横道世之介(2013年製作の映画)

4.1

長いのは苦手だな…と思いつつ見始めたけど気にならなかった。

のんきでどこか抜けてるお人好しの世之介が終始かわいらしかった。周りの人に振り回されたり振り回したり。

世之介の学生時代のひとコマを描いて
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家へ帰ろう(2017年製作の映画)

4.1

誰からも好かれるおじいちゃんっていう感じではなく、頑固で、偏屈で、でも臆病なところもあるおじいちゃんが、状態も悪く、思うように動かない脚を引きずりながら、過去を背負い、現在を断ち切り、一人アルゼンチン>>続きを読む

アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

4.2

日常はいきなり大きく揺れ動くのではなく、日々の小さな出来事、行動、喜怒哀楽が積み重なって人生になっていくもので、その小さな揺れ動きも、いいこともよくないことも、やんわりと肯定してくれているような作品だ>>続きを読む

Our Friend/アワー・フレンド(2019年製作の映画)

4.1

妻が余命宣告を受け闘病生活に入る。妻を介護し続ける夫とその家族の物語、というところまではよくありそうな話だけど、その関係に夫婦の親友が密接に関わってくる。

「Our Friend」というタイトル素敵
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街の上で(2019年製作の映画)

4.5

非現実的な出来事だな思えるところもあるけれど(それはまたそれで面白い)、コミカルだったり、若者たちの悩みながらも一生懸命な姿もあり、作品全体を通して落ち着いた優しい雰囲気を感じた。ほっこりした。

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)

4.0

ボストンでは比較的バックグラウンドが近い人が多い日本とは違い、人種も仕事も文化も全く異なる人々が狭い地域に集中している。それぞれの立場から意見を出し、行政はそれをきちんと受け止め、対話を通じてよりよい>>続きを読む

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