前作よりサスペンス演出が多彩かつ向上している。ミリセント・シモンズが聴覚障害のために自ら出す音に鈍感なこと。箱と炉と水中という呼吸が出来ない状況がクロスカッティングされ、ノア・ジュプとキリアン・マーフ>>続きを読む
死に際に息子に向けて放った「I am your father」に泣く。パロディでありながら真摯。あの内側からの切り返し。フランク・グリロとリオ・グリロとの切り返しは、ラストでナオミ・ワッツとの間でも繰>>続きを読む
夜間の空襲からの戦闘の余波で市街地が容赦無く焼かれるシーンが凄まじい。「地上だったところが、垂直の動きが出てきた瞬間、底になる」という塩田明彦の言葉をまさしく体現してて、MSが体制/テロリストの区別な>>続きを読む
手紙映画でした。夫の会社の男子トイレでオナニーをする場面での死にそうになるくらい息の詰まるサスペンスが凄い。ラストで現れる異様な形の死体は高橋洋の脚本だなあ、と思いました。
涙ぐましくも青臭い説得をするエレン・ドリューからアーネスト・トラエックスへ真摯な切り返しが行われるのが素晴らしい。この切り返しひとつで、誰にでも平等に成功へのチャンスが与えられるアメリカという場所への>>続きを読む
『おつかれさま』導入に相応しいカーナビの演出。門を開けないという選択。『帰り道などない』ストップモーションで写る女の黒眼が牙より怖い。『邪教』門の封印を破り中に入る。無意識に『おつかれさま』の墓地が思>>続きを読む
超人の異常な速さを通常のフレームレートとスローを交えながら視覚化しているが、エズラ・ミラー扮するフラッシュは専らスローで撮られ周囲にはCGで加工された空間が現出する。最終的に光すら超越したときの世界が>>続きを読む
望遠鏡で向いの女性を覗く冒頭のシーンでアイリスという穴を見せつけられる。穴の中の女性から女性の穴の中へ。クライマックス、おとり捜査の女性警官への浣腸と現場に駆けつけるパトカーとのクロスカッティングはけ>>続きを読む
変な表現だとおもうけど、SASの先頭に立ってテロリストを射殺していくジェラルド・バトラーには白人酋長っぽさがある。
再見。バディ・ヴァン・ホーン追悼その2。パトリシア・クラークソンとの2回目のディナーに行く時に乗り込むシースルーエレベーターの撮り方が良い。夜の中でポツリと灯が灯ったエレベーターが上昇するのをゆったり>>続きを読む
バディ・ヴァン・ホーン追悼。イーストウッドに“演技”をさせるというかなり無茶なことやってる映画。ラストの光景は『サンダーボルト』のそれを想起させるが、もちろんお気楽なハッピーエンドとして締め括られる。
傑作!『ベルリン・天使の詩』の続編がこんなにアクションに満ち溢れているとは!密輸武器強奪にピーター・フォークとブルーノ・ガンツの元天使ふたりが協力するは、サーカスのブランコ乗りがリレーで武器を運ぶは、>>続きを読む
列車の到着とポーンと投げられる郵便バックはラストで反復され、ウィル・ロジャースの名誉を回復する。『若き日のリンカン』にも引き継がれる本を読むことの重要性。診療所でロシェル・ハドソンと会話するシーンの窓>>続きを読む
再見。ヘリコプター墜落シーンの編集がエヴァっぽいような。海も赤いし。ウェス・アンダーソン、エヴァ好きだしな。ビル・マーレイがオーウェン・ウィルソンを海から引き上げたときのロングショットの構図が『新世紀>>続きを読む
饒舌かつ律儀な語りを心がけるヒュー・グラント。たとえば捕食動物という一語でマシュー・マコノヒーとチャーリー・ハナムの立ち位置を設定し、それを頂点に登場人物の力関係まで説明してしまう。食われる側のモチー>>続きを読む
こんなにバズビー・バークレーでいいのって画面が後半に出てくるのだが、凄まじいのはこれが空襲と出産のカットバック直後のシーンということ。落ちてきた爆弾によって妊娠し産まれてきた子どもはアメリカ映画だった>>続きを読む
ローラン・モラーの作業は一貫して修理/清掃なのだが、ドラッグの売人を撲殺し証拠隠滅のために車を燃やすのもこの作業の一環として演出される。ローラ・ル・ランの身体をシャワーで洗うことと傷ついた拳の血をを水>>続きを読む
後半30分ずっと泣いてた。それまで対局していた松山ケンイチと東出昌大が縁側に並んで同じ風景(雪と猫)を見る。カットが変わると、両名とも将棋盤に前のめりになりしきりに身体を前後に揺するという全く同じ動作>>続きを読む
テレンス・マリックが脚本。わりとゆったり弛緩した映画なんだけど、日曜日の昼にはちょうど良い感じ。メキシコの暖かい昼下がりにタコスとビールを食らうリー・マーヴィンが良い。
大学生らしい理性が弛緩した時間の後に描かれる野球の自主トレシーンがとても良い。ちょっとアルドリッチ『ビッグ・リーガー』を思わせる。アルコールによる酩酊とは異なるのびのびした自由な時間の中で唯一張り詰め>>続きを読む
リリー・グラッドストーンとクリステン・スチュワートの3話が抜群に良い。牧場のルーティンの描き方は観てて飽きないし、草を食む馬のロングショットも完璧。女性同士の微妙な関係性はサスペンスとなり、肩なめの切>>続きを読む
トリート・ウィリアムズが「あいつなら……あいつなら話を聞いてきれる……」とブツブツ呟きながら高架橋の途中でふと立ち止まり、線路を見下ろすと列車がスッーと抜けていく。この目の覚めるようなショットが素晴ら>>続きを読む
吉沢亮が奨励会の帰路に懐中電灯で将棋の本を読むという行動は大学の帰路で情報工学の本を読む行動として反復されるが、そもそもすでに駒が盤を弾く音が情報工学の本が机に置かれる音として反復されている。マウスの>>続きを読む