昨年に比べると楽しめる作品が多かった。女性監督の方が少ないのは残念だが、個人的には『明るいニュース』『恋は真っ赤に燃えて』『光はどこにある』『勝手口の少女』の順かな。これから作品を追い続けたくなるほど>>続きを読む
テレビや新聞で目にするニュースや日常の見え方を変えることが出来れば映画として一つの成功だと思うが、その点では成功している。描かれている社会問題は多く、その一つ一つが法律だけではどうにも出来ないことばか>>続きを読む
観客が相当、試される作品。他人からすれば、どうでも良い三角関係を、アゲアゲ過ぎる音楽とキレの良い編集によって面白く見せてくれるのだけれど、ずっと3Pを見せられてる感。欲望を否定しないルカ・グァダニーノ>>続きを読む
瀬田なつき監督ファンとして、いよいよシネコンで掛かるような商業映画に本格的に進出されたのは嬉しいし、それが大好きな原作(ヤマシタトモコ)に音楽(高木正勝)に撮影(四宮秀俊)と、完璧な布陣で実現されたこ>>続きを読む
奇しくも、6月4日に鑑賞。本国で上映禁止&監督が5年間の表現活動禁止処分なんて、どれだけ天安門事件のリアルに迫った作品なのかと思いきや、荒井晴彦的というか、情欲で駆動していく、狂った男女の物語だった。>>続きを読む
ドラマファンとして泣く気満々で行ったら、感情のピークは序盤と終盤のドラマパートのシーンだけという…。原作準拠とは言え、蛇足な話に思えてしまった。流石に24歳の描写として幼すぎるし、ドラマでは慣れて行っ>>続きを読む
こんなに感動する映画と思ってなかったし、なるほど撮影が美しい。あと、思いの外、是枝裕和作品への影響が見えて驚いた。親子で大きな通りを挟んで並行に歩く様は『そして、父になる』を、夫婦の顔がガラス越しに重>>続きを読む
スタジオコロリド、『ペンギン・ハイウェイ』は素晴らしかったけど、他作品がアレなのは、原作選びや脚本を軽んじ過ぎじゃないかな…。石田祐康や柴山智隆がやりたいことを大事にしてるんだろうけど、明らかに、2人>>続きを読む
過去の映像作品を見ていた中では新しい発見は無かったものの、ラストシーン、ご健在なメンバーが揃うシーンはグッと来てしまった。あのシーンを撮れただけで、このドキュメンタリーを作る意義はあったと思う。ジャネ>>続きを読む
劇映画ながら紛れもなく現実。ドキュメンタリーだと市民側と市長側の想いをフラットに並べることは難しいであろうことを踏まえると、見事な映画化。市長の、変貌とも言えない、自然な流れの変化に、問題の難しさを痛>>続きを読む
どこか見逃した?と思うくらい唐突な終わり方で、やはりテレビシリーズでしっかりやった方が正解だったのではと思うが、このスケール感は映画館で観られて良かった。エヴァ×まどマギ×ガンツ的ではあるが、紛れもな>>続きを読む
ヤバすぎる…。直接的な暴力は、ほとんど映されないにも関わらず、常に何か非道なことが起きる予感に満ちている。異常なほどに静かな中で画面上に怒りが立ち込めている。誰しもが一歩間違えば人を殺し、殺されかねな>>続きを読む
高齢となり当たり前となってしまった夫婦関係の中で、唐突に妻が亡くなることで始まる物語。主人公の行動一つ一つは理解し難いが、圧倒的な存在の喪失は、無表情な彼の一つ一つの行動から見えてくる。説明を極力排除>>続きを読む
時代に、神に導かれた早逝の天才。国の行末が1人の音楽家に託されたことなんて今まで他にあっただろうか。ジャマイカ内戦を、命懸けで音楽によって救おうとした神の遣いのような存在を、人間臭く描く。ボラプに比肩>>続きを読む
映画の中で描かれる「現実」に圧倒され続けて、でも、ドキュメンタリーでは描けないことをちゃんと映していて、流石の吉田恵輔監督×河村光庸企画。刃は犯人ではなく、マスコミやSNSや観ている観客自身に向かう。>>続きを読む
前半は、あまりのリアリティラインの定まらなさから頭を抱え放しだったが、タネ明かしをされて以降、納得いかない展開はありつつも、グッと来るシーンも多々。何より、単独初主演の見上愛と佐藤寛太を、これだけ魅力>>続きを読む
こんなに静寂に包まれた映画館は貴重。前目の真ん中で見たのも大正解。坂本さんと一対一で、目の前で演奏される感覚。息遣いや衣擦れ、ピアノの細やかな音まで聴こえてくる。そこに来て戦メリの精魂込めた演奏からの>>続きを読む
これは秀作と言って良いのでは…!粗は多いけど、2020年代にクラシックをリブートさせた意義は有った。ゼルダ映画を控えるウェス・ボールのお手並み拝見な作品としても、ポストアポカリプス感がある本作はピッタ>>続きを読む
何なんだ、この映画は…。1900年(日本では明治33年!)を舞台にした映画とは言え、創作としても妙にリアルだし、現実としたら不可解過ぎる。原作者がそもそも事実かを公言しないスタンスだったそうで映画もそ>>続きを読む
やっぱり最高。山田太一×大林宣彦という交わらなさそうな個性が、たまたま交わったが故のオリジナリティ。終盤の展開のインパクトが強くて珍作感があったけど、それ以外の風間杜夫×秋吉久美子×片岡鶴太郎による人>>続きを読む
奇しくもエドワード・ヤン最後の長編となったが、最高傑作と言って良い見事な群像劇。自身を投影したようなヤンヤンの視点から見る大人たちには、キュアロン『ROMA』やスピルバーグ『フェイブルマンズ』を想起し>>続きを読む
あまりに評判が悪いので、ハードルを下げ切って観たら、途中から呆れ笑いが止まらなかった。バカが考えたプロットを、真面目なスタッフが、なるべくモナークでのロジックが崩壊しないように調整したけど無理だった感>>続きを読む
藝大院の修了制作とは思えないクオリティで、PFFでも感じた蘇鈺淳監督の確かな手腕を実感。しかも、他の監督はやらないような遊び心も垣間見られて、それは立派な作家性になっていきそう。主人公が、若き苦悩する>>続きを読む
圧巻。終始、映画を観る快楽に満ちている。長回しを多用し、何も起こっていないように見えるシーンの連続にも関わらず、驚かされ続ける。濱口竜介らしい、感情を込めない発話が繰り返されるのに心揺さぶられる。石橋>>続きを読む
期待していたアンドリュー・ヘイの新作だったので、ピンと来なくてビックリ。『WEEKEND』も『aftersun』も『異人たちとの夏』も好きなので、組み合わせが今ひとつだったとしか…。原作踏襲とは言えあ>>続きを読む
予告編からの期待通り、良い!村瀬大智監督、これは、また日本から新たな映画の才能が出て来たと言って良い。現代日本における山深い田舎を舞台にした映画を観たのは久々。ファンタジーとしての『わたくしどもは。』>>続きを読む
改めて傑作。これは絶対に当時、劇場公開すべきだったな…。これから先、生きている間は何度でも見返したくなる、死後から考える人生の美しさを描いた寓話。生きる理由たる煌めき(スパーク)は、案外と身近にある。>>続きを読む
久々のソフィア・コッポラ作品で楽しみにしていたが、盛り上がらないまま終了。全体に職人監督に徹した印象。EPにも入っているプリシラ本人の意向が強かったのか、淡々と彼女がエルヴィスと会ってから別れるまでを>>続きを読む
こんなに嗚咽したのは久々。こんな話、泣くしかない。有害な男性性は健全な肉体にも精神にも宿る。そして、有害な男性性は人を死なせ得る。親のコンプレックスのために人生を狂わせられる兄弟。感情を押し殺してはい>>続きを読む
たまに、こういう思いも寄らない傑作に会えるから映画を観続けるのは止められない。予告編のイメージから全く異なる予想もつかない展開の連続。ラブコメとして笑いながら楽しめるけど、それだけに終わらない人物描写>>続きを読む
【2回目:劇場(吹替版)】
本作もまた、原語で観ることに意味がある作品なので吹替だけは残念だけど、映画館で観て、大幅に評価は上がった。脚本の荒さやリアリティラインの欠如は、感動を損なうには十分なレベ>>続きを読む
奇しくも、国立西洋美術館でのデモ直後に公開されることに意義を感じる映画。デモ自体についてはモヤっていた(スポンサー視点では損が無いと思った)自分が、その背景と先を見れていなかったと気づけた。何もしない>>続きを読む
これだけ面白くないハリウッド映画は久々。GBシリーズに思い入れもないのに、なんでまた観てしまったのか…。大好きなジェイソン・ライトマンが退き、前作の脚本だったギル・キーナンが監督。子ども向け映画にして>>続きを読む
【2回目:DolbyCinema字幕】
IMAX以外でも映画としての魅力は全く損なわれなかったし、2回目を観てこそ作品として完成した感。初見では理解しきれなかった箇所もスッと入って来て、改めて編集の上>>続きを読む
『人数の町』が一部で好評だったとは言え、良く、こんな企画が日本映画で通ったなと。木下グループ、懐がデカい。面白くはないループシーンの連続の先で、待っているのは徒労感。でも、映画でしか、この感覚は表現し>>続きを読む
原作好きなので、アニメ化する意義が疑問だったけど、あったわ意義。あの宇宙人に声(言葉)を与えること。彼らだけでなく、すべての登場人物に血を通わせることに意義があるし、梅林太郎の音楽も良かった。脚本は流>>続きを読む