岩嵜修平さんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

岩嵜修平

岩嵜修平

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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

3.4

スピンオフとかやった方が面白くなりそうという意味では、ローラ・ダーンもハワード監督も関わってるSW化してるのかな。映画は監督次第(スタッフィング含め)というのも同じ。全部、コリン・トレボロウが悪い。脚>>続きを読む

ムーンフォール(2021年製作の映画)

2.9

やっぱり、規模的には映画館で公開した方が良かろうに、配信に回される大作映画って、大抵、公開された映画より劣るな…。傑作『ドント・ルック・アップ』と同じような題材を、バリバリ陰謀論で味つけたしょうもない>>続きを読む

こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.8

序盤は正直、あみ子のヤダ味(病名を充てるのは安易)が目立ち過ぎて、辛かった(実子が居ると違うんだろうな…)が、徐々に、彼女を取り巻く社会の問題が浮き彫りになっていく作り方が見事。良かれと思った行動が周>>続きを読む

Blue Island 憂鬱之島(2022年製作の映画)

3.6

『時代革命』で描かれた現代の香港に至る歴史を描いたドラマドキュメンタリー。ウクライナもそうだが、香港も数十年前から今の惨状に至る火種はいくつも立っていた。当事者たる住民の多くが問題を把握していながらも>>続きを読む

グレイマン(2022年製作の映画)

4.0

これは映画館以外の選択肢ないだろう。凡ゆるアクション映画はルッソ兄弟か87Elevenに任せて欲しいと思えるほど、アクションのスピードも動き方も撮影も編集も段違いに興奮させてくれる。ディズニーはルッソ>>続きを読む

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

3.5

神々の話らしいから、展開自体は文句ないし、終盤のバトルも個人的には何も思わなかったけど、端的に面白くなかった。序盤はワイティティネタに何度も笑ってたけど、途中から、それも無くなって、プロットも編集もこ>>続きを読む

呪詛(2022年製作の映画)

3.5

笑える要素は無く、ひたすら怖くてグロくてエグいけど、それだけではなく、伝統的な文化や宗教や風習などをちゃんと考証してるだろうし、物語もキャラ設定もちゃんと有る。基本的に、監視カメラを含め、撮影されてい>>続きを読む

希望と絶望 その涙を誰も知らない(2022年製作の映画)

3.5

あの明るさ(とある種の未熟さ)を魅力とした日向坂でさえ、まだ、こんな残酷ショーをやってるのかと残念だった。どれだけ仕事を入れるのか、ハードなセトリを組むのか、全ては運営次第な訳で、東京ドームで夢を達成>>続きを読む

劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明(2020年製作の映画)

3.7

「 #メイドインアビス 烈日の黄金郷」がスタートしたので、アマプラで見てみたら、総集編じゃなくて完全新作でビックリ。しかも、今回の新シリーズに、完全につながる話なので必見。案の定、トラウマ展開からの号>>続きを読む

バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)

3.4

これは企画段階でダメなのでは…。アンディが観た映画という設定がある以上は、バズの冒険は全て撮影な訳で、カメラマンが居るし危機的な状況も脚本通り。人形が生命を宿すという嘘を更にメタで描いて訳が分からなく>>続きを読む

エルヴィス(2022年製作の映画)

3.9

これは最高級の音響で観ないと勿体ない音楽映画。いくらでも懐古的な映画に出来たところを、まさに分断が再び進む世界において、音楽(アレンジ)的にもテーマ的にも"今"の映画として、描くことを決めたバズ・ラー>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.0

これこそ哲学恋愛映画なのでは。明晰な頭脳と撮影や文章のセンス、周囲を魅了するビジュアル、裕福な実家を持ち合わせながら、興味の赴くままに動き続けるあまりに、幸福を実感出来ない現代的な主人公。 #恋は光 >>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.7

PTAの近作を観てると、主人公2人のどちらかがいつ死ぬのか、みたいな見方をしちゃって、危なっかしい2人をハラハラしながら見守ってたけど、なんだよ、この純愛映画は。右に左に動き続ける2人の心も揺れ続け、>>続きを読む

恋は光(2022年製作の映画)

3.5

小林啓一監督は俳優(特に女優)の演技力を引き出すのが上手い監督というのを改めて実感したけど、TL上の絶賛ほどハマれなかった。『殺さない彼…』は原作からして極めて記号的なキャラ付けが面白かったけど、そこ>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.8

是枝監督作品にしては、序盤は説明過多で、あれ?と思ったけど、終盤の赤ちゃんの顛末には案の定、泣かされた。初の韓国チーム製作映画としては驚きの完成度で、韓国映画のルックにも関わらず、物語も演技も確かな是>>続きを読む

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.7

『ばしゃ馬さんとビッグマウス』路線のシニカルながら優しい目線の吉田恵輔が帰ってきた!と最初、喜んでいたら、全然エグかった。上の世代から、なるべくYouTuberという存在をフラットに描こうとしていて、>>続きを読む

あなたの顔の前に(2020年製作の映画)

3.8

ホン・サンス監督作2本同時公開ということで、商業目的かと思いきや、これは歴とした二部作(+α)なのでは。この順で観ると、後者を観た時の味わいが増す。今泉力哉監督作とも共通するが、更に歳を重ねている分、>>続きを読む

イントロダクション(2020年製作の映画)

3.6

ホン・サンス監督作2本同時公開ということで、商業目的かと思いきや、これは歴とした二部作(+α)なのでは。この順で観ると、後者を観た時の味わいが増す。今泉力哉監督作とも共通するが、更に歳を重ねている分、>>続きを読む

三姉妹(2020年製作の映画)

3.7

ほぼ知らない監督・キャストながら、演技合戦に圧倒された。三姉妹それぞれが様々な形で子を持ち、娘として、姉・妹として、母としての問題を抱えている。作中では目立たない男どもの問題が、逆に際立つ構成。一見、>>続きを読む

わたし達はおとな(2022年製作の映画)

3.8

大好きだけど、邦画としては、かなり異色。覗き込むようなカメラワークで、恋愛の終わりが予見されるカップルをひたすら映し続ける。その時系列は頻繁に移ろい、未来が見えたからこその悲哀が、過去を見たからこその>>続きを読む

ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行(2021年製作の映画)

3.6

2010〜21年の傑作映画を紹介、その時代における画期性を批評する映画を観続けて来た人への褒美のようなドキュメンタリー。いきなり『アナ雪』『ジョーカー』の共通性の話から始まり、アピチャッポン『光の墓』>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

3.6

相模原障害者施設殺傷事件を想起させるスタートからハードな展開が予想されたが、その後は見やすく、しかし、気持ちはどんどん沈んでいく。今の日本の延長線上にしか見えないディストピア近未来で、75歳以上の生死>>続きを読む

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

3.8

想像より、ずっと多層的。新旧の作家-ファン論であり、現代の孤独とつながり方を描く。小さなファンコミュニティの誕生と醸成を目撃して感動したし、まさしくBL的な関係性萌えがいくつも見えた。芦田愛菜も宮本信>>続きを読む

アメリカから来た少女/アメリカン・ガール(2021年製作の映画)

3.6

まさにコロナ禍の今が重なるSARS感染拡大期の台湾を舞台にした家族ドラマ。金馬奨で新人監督賞に輝いた、ロアン・フォンイー監督本人の経験がモデルになっているということで、極めてリアルで、だからこそ胸が痛>>続きを読む

鬼が笑う(2021年製作の映画)

3.6

流石の国際コンペ作品。家族のために犯した犯罪で、家族自体を崩壊させる生き地獄のその先。最近観た #空白 にも重なる、逃れようのない現実。ジョビジョバ坂田聡の怪演と、岡田義徳の無自覚な偽善者っぷりの演出>>続きを読む

ばちらぬん(2021年製作の映画)

3.4

"与那国の持つ記憶や文化を、個人の経験に重ねた実験作"ということだが、正直、配信で観るには集中力が足りず、ながら見だったが故に、話の展開が分からず。しかし、与那国の風景は非常に魅力的で、描かれる伝統的>>続きを読む

距ててて(2021年製作の映画)

3.4

他人同士の共同生活の嫌な感じと面白さが丁寧に描かれており、音楽を通じた人の繋がり方も興味深く観た。最後の展開が突飛ではあるが、タイトルと重ねて、物語としての広がりには繋がったと思う。劇映画として1番楽>>続きを読む

ナワリヌイ(2022年製作の映画)

3.7

リアルタイムなロシアの暗澹たる現実を知りながら、数年前の希望を見るのは何とも悩ましかったが、自らの命を懸けて抵抗しようとしていた人物を知ることには意味がある。CNN×HBOだからこその、清濁両面を映す>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.7

TIFFで舞台挨拶付を買ってたけど予定が合わず譲り、上映中も行けず、と見逃してたのを後悔するレベルにはクらった。観終わった後から、何だか気持ちが落ちてるのは"人生"を観てしまったからかもしれない。物語>>続きを読む

ルッツ 海に生きる/ルッツ(2021年製作の映画)

3.6

序盤の展開がやけに既視感があったので、「マルタ共和国発の映画、日本初上陸」って有ったけど、リメイクかな?って思ったら、今年のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭のコンペ最優秀賞作か。オンラインで観てたけど>>続きを読む

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(2022年製作の映画)

3.8

ほぼガンダム初心者だけど面白かった!完全にククルス・ドアン族側に思い入れたので、ジオン公国は勿論のこと、地球連邦軍までも敵に見えて来て、ずっと他国同士の戦争に巻き込まれる市民の気持ちになり、アニメなが>>続きを読む

夜を走る(2021年製作の映画)

3.7

自分とは隔絶した世界と思いつつも、紛れもなく日本の、それも、東京都内の片隅にある日常。閉塞感を過度に演出することなく、人物一人一人もそこまで嫌な存在に描くこともなく、息が詰まる世界を映す。唐突に表れた>>続きを読む

サイバー地獄 n番部屋 ネット犯罪を暴く(2022年製作の映画)

3.5

演出が過剰で、問題の切実さに比してエンタメ寄り過ぎるきらいもあるが、同様の犯罪が世界中で広がっていることからも、なかなか防ぐことが難しい現状で、犯人側の手口を分かりやすく映像化することには意義を感じる>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.2

いやー、最高の連続。最後まで期待を上回り続けた。2022年に、これ以上の映画体験があるだろうか。正直、前作は配信でしか観てないし、思い入れがない古い映画という印象だったけど、紛れもない続編(ほぼ同じ構>>続きを読む

犬王(2021年製作の映画)

3.6

世界一好きなアニメ監督である湯浅政明監督最新作×松本大洋ということで、そのアニメ表現の多彩さと斬新さと細かさに驚かされ続けつつ、麻痺して、正気を取り戻してはアヴちゃんの狂声に鳥肌したが、結果として、近>>続きを読む