spacegomiさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ピアニストを撃て(1960年製作の映画)

3.7

ピアニストがギャング抗争に巻き込まれる犯罪映画だが、突発的に物語が進む感じだとか、喜劇とも言えそうなギャングの描かれ方だとか、いろんな遊び心が見られて楽しい。『快楽』3話のオマージュもある。雪山のシー>>続きを読む

童年往事 時の流れ(1985年製作の映画)

4.6

悲情城市でもたくさんあった素晴らしい縦構図がこれでもかというほど見られる。障子や襖といった日本家屋の佇まいを活かした構図、蚊帳や障子を前景に置いて奥を覗き見るような屋内のショットがいちいち冴えてる。夜>>続きを読む

上海から来た女(1947年製作の映画)

4.4

ちぐはぐな繋ぎや話の出鱈目さなど気にもならない圧倒的なラストシークエンス。

オーソン・ウェルズのフォルスタッフ(1966年製作の映画)

3.6

合戦のシークエンスの荒々しいカット割り、室内の狭苦しい中で存在感のますウェルズの巨体。

浮草(1959年製作の映画)

4.3

クロースアップが矢鱈と多かったりだとか、土砂降りの雨の中で罵り合うシークエンスだとか、小津っぽくなくて妙に新鮮だった。

ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

3.2

クローネンバーグはマクルーハンがやりたかったってのを読んで思わず膝を打つ。でもそんなにノレなかった。ビデオで見た方が楽しめたかな。

無垢の祈り(2015年製作の映画)

1.5

自分には関係のない映画だった(ここで描かれてる話がって意味じゃないよ)。題材のショッキングさに下駄を履いたような単調な演出で、人形と音響以外はそんなに。魅力的なロケーションのわりに長回しもちょっと厳し>>続きを読む

顔のない眼(1959年製作の映画)

3.9

何気にキャストが豪華。見せないことで恐怖を煽るわけでもなく、グロテスクな描写をわりとがっつりやるのでちょっと関心してしまった。ビジュアルの気持ち悪さや倫理的な嫌悪感にもかかわらず、そこに美しさを見出し>>続きを読む

断絶(1971年製作の映画)

4.0

のらりくらりと男たちをかわす気怠そうなヒッチハイク少女がとても魅力的で、調べてみると、このローリー・バードという女優さん(当時17歳)は26歳にして自殺したみたいで、作中の倦怠感や刹那的な生き方と重ね>>続きを読む

羅生門(1950年製作の映画)

3.5

説話的な面白さに対する評価をそんなに低く見積もることもないというか、あんまり元の話を知らなかったのもあるけど、それなりに楽しめた。土砂降りの雨が晴れて……という演出はちょっと。

リバティ・バランスを射った男(1962年製作の映画)

4.4

暴力から法の支配へと移りゆく過渡期の時代が要請する、秩序の象徴としてのヒーロー、および、若干の虚構を含む伝説・神話。自分自身の生き様と多分に重なる一時代を、自らの手で過去のものへと追いやるジョン・ウェ>>続きを読む

早すぎる、遅すぎる、(1982年製作の映画)

4.8

バスティーユ広場をぐるぐると回り続ける長回しから映画は始まり、のっけから楽しい。解釈の手助けをするような画面の親切心は欠片もなくて、観客にはただその土地を眼差し、テクストと自然音に耳を傾け続けることを>>続きを読む

火事だよ!カワイ子ちゃん(1967年製作の映画)

3.5

ネックレスの真珠が零れ落ちるシークエンスをまったく美しく撮らないところが本作の本質だと思う。そういう類のユーモア。皮肉たっぷりにバカバカしく描かれるおっさんたちだが、火事場ではその職務をしっかりと果た>>続きを読む

戯夢人生(1993年製作の映画)

4.4

風に揺れる木々、吊り橋のロングショットの異様な美しさ。画面の静謐さや淡々と粛々としたリーティエンルーの語りが印象的だが、警報や花火のような怒号が記憶を呼び覚ますような感覚も素晴らしい。一人の人生と日本>>続きを読む

厳重に監視された列車(1966年製作の映画)

3.8

戦時中で死が隣り合わせの状況下にあっても、早漏に悩み童貞を捨てるために駆け回る少年や、ソファで情事に耽る大人たち。シニカルでゆったりとしたテンポで描かれるが、アクションまでトロいのがなんとも。もくもく>>続きを読む

ザ・デッド/「ダブリン市民」より(1987年製作の映画)

4.3

ラストの雪をバックにしたナレーションがあまりにも心地よすぎて、エモすぎて、何度も繰り返し見ていた。詩の朗読、ピアノ演奏、ダンス、晩餐会、などドラマティックな出来事はさして起こらずたわいもない場面が続く>>続きを読む

荒野の決闘(1946年製作の映画)

3.9

ザナック版。広大な風景を映す屋外のショットよりも、夜の酒場の喧騒や、理髪店での小洒落た会話の方が印象的。陰影を活かした奥行きのある廊下や室内のショットが白眉。

WR:オルガニズムの神秘(1971年製作の映画)

2.3

人間性の解放のために自由にファックせよと説く、ヴィルヘルム・ライヒ。『モルダウ』が流れながら、石膏を固めていくところが面白かった。

紳士は金髪がお好き(1953年製作の映画)

4.2

突き抜けた過剰さを身に纏う人物たちが、そしてやはり人の手を行き交う小道具が物語を推し進める。諸々を気にすることなく演出の鮮やかさをただ無邪気に楽しめるので、ホークスはコメディ寄りの作品の方が好み。

赤い河(1948年製作の映画)

3.6

スタンダードの画面を占める牛、牛、牛。静と動の緩急。人の手を巡り巡る腕輪という小道具一つで人物の関係性を鮮やかに明示する。

4番目の男(1979年製作の映画)

2.5

バイセクシャルでアル中でカトリックの小説家が主人公の猥雑な不条理もの。示唆的なモチーフに頼ってばっかりであまり好みじゃなかった。氷の微笑の前身らしいけどそちらは見てないのでまた今度見ようと思う。

ローラ(1961年製作の映画)

3.7

「マックス・オフュルスに捧ぐ」という文字とともに流れる『快楽』2話のテーマ。ローラという名前はたくさんの映画に出てくるのでどれが引用元なのかよくわからないけれども、『ローラ・モンテス』からとってるのだ>>続きを読む

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

4.2

桟橋が壊れて男が流されるところなど、その姿をほとんど見せることなく水中のサメの存在及び恐怖を積み重ねていくのが巧い。浜辺のシークエンスのカットバックやズームがもたらす緊張感。もはやお決まりな顔。音楽は>>続きを読む

キング・コング(1933年製作の映画)

3.9

ドラマパートも丁寧に撮られてるし、オブライエンの特撮だけの映画ではない。コングは変に愛らしさなどを含まずしっかりと残忍で無慈悲。