すごすぎ。やってることはバードマンも近いんだろうけどなんでこうも別物に見えるのか。
薄赤色の照明がキレキレ。幽霊と猿と人間が同じ食卓を囲む破天荒さとリアリズムの同居。わけがわからない。劇場で見直したい。
女性のオフの声のみで構成される。朧げで虚ろなナレーションが心地いい。大使館邸の人物は画面内に現れ、横切り、消えていく。夫人や副領事のダンスは夢のよう。人物に生気はなく気怠さと退廃が溶けて混じり合う。画>>続きを読む
前半パート、公園や病院の庭?といった屋外のショットはもちろん、屋内のショットでも必ずガラス越しに木々がある。木々が揺れるたびにたちあがるエモーション。歯科医師のコンサートのとことか最高だった。後半パー>>続きを読む
階段の昇降、ベランダを介した隣の部屋への移動の反復で家の構造をいやでも見せつけられるし、一階と二階を介する階段が不吉さの象徴になるのも納得というか。ピアノの音とミシンの音の対比も面白い。イエでの下女と>>続きを読む
ハンセン病療養所(コロニー)を映したドキュメンタリー。モンタージュの多用など映像自体も見応えがあるが、詩人でもあるファッロフザードによるナレーションがもたらす詩的宇宙は白眉。母語じゃないのでテクストは>>続きを読む
怪奇映画ってより白昼夢モノの幻想映画だな。ときどきギョッとするようなカメラの動きがあったりして面白い。画質粗くてヘンテコな英字幕がついてたので紀伊国屋のソフトでちゃんと見直したい。
問答無用で面白いパントマイム。音に対する拘りは相変わらず凄まじい。観客も含めたサーカスの「場」を全てコントロールしようという気概すら感じる。宴の後の静けさは、これが遺作ということも相まってグッとくる。
大傑作。動物が動いているのを見ているだけでもめちゃくちゃ面白いんだが、中盤以降はぶったまげるシーンの連続。子サイの死産を嘆く口が乾かぬうちにホルマリン漬けのセールス電話をかけ、賑やかな解体作業を始める>>続きを読む
マッチポンプで冤罪被って司法制度の欺瞞と業績にしか目がない検事の不正義を暴いてやろうぜって話なんだが、関わる人物それぞれの私情が巧く絡み合う点も見もの。これだけのボリュームを80分に収めるだけでもうエ>>続きを読む
ヴィゴ、キアロスタミのような瑞々しいこども映画でありながら、夜のシーンの影の伸び具合、繰り返される落下、ボイスオーバーなどなど、演出はまっとうなノワールしててすんごい面白い。ファムファタルとの邂逅シー>>続きを読む
ゴルベワの煙草は世界一美しい。夜の街、都市の孤独、異邦人。はよBlu-rayだしてくれ。
ファスビンダーの言を借りると、体制への不満や無力感を原動力に、理想や信念を掲げて行動したのが第一世代。その第一世代から多くを学び強い影響を受けながら行動したのが第二世代。そして、行動の拠り所となる理念>>続きを読む
イタリア男が出てきてからだいぶ面白くなる。即興演出だったりアフレコだったり、編集の無秩序さ、無軌道さは彼女たちの生き様とも重なるのかな。人物は『オルエットの方へ』の方がずっと魅力的。アルジェリア戦争と>>続きを読む
食器の重なる音。鳥、犬、馬の鳴き声。窓から射す光と影。並べられた裸体。窮屈な家に充満する息苦しさや不穏さから一転、屋外のシーンの開放感たるや。他のバルタス作品に比べて東ヨーロッパの地政学的なものへの関>>続きを読む
ファスビンダー版『サムライ』とでもいうか、からっからに乾いた無機質なノワール。メロドラマの片鱗はまだあんまりないが、ちょっとヌーヴェルヴァーグを思わせるこの頃の作風も面白い。鏡やフレームの使い方も巧い>>続きを読む
生、出会い、別れ、老い、死といったプリミティブないのちの円環構造を、研ぎ澄まされた端正なスタイルで描く。その単純明快な主題は、何らの記号的な意味にも還元され得ない根源的なもので、それを真正面から物語ろ>>続きを読む
精神病棟という舞台設定がメタ的な構造やはちゃめちゃ二次創作を成立させるのに一役買ってる。大真面目な顔して冗談みたいなことをやらせたらオリヴェイラの上をいくものはいないんじゃないかって、イヴァンがバカで>>続きを読む
家族という共同体の機能不全に対して、破壊という手段しか取り得ないアレッサンドロも、それを傍観するアウグストもみんな狂ってるんよ。近親相姦の香り、家族愛とも絆とも形容し難い兄弟たちのアンバランスな共犯関>>続きを読む