柵/扉やガラスの壁といった構図の演出も興味深い(ラストカット!)のだが、何より素晴らしいと思ったのはやはりその語り口。
猛スピードでテキパキと出来事を処理していく、このスピード感が今回の題材と完全にマ>>続きを読む
あまりに無茶苦茶な話をあまりにスムースに語ってるもんで笑ってしまった。とはいえ、二面性ある殺し屋のアラン・ラッドも運命の女のヴェロニカ・レイクもマジで魅力的。
B級ノワールらしい演出がキマっている作品>>続きを読む
虚ろな顔をした女性が歩く姿を正面から捉えるオープニング。『暴行』でもそうだったけど街を彷徨う女性のよるべなさを一発で描いてるのが巧みだなと。
メロドラマとノワールを行き来する話運びもシンプルに面白かっ>>続きを読む
性犯罪被害者の回復を描いた話。
主題の珍しさと現代にも通用するその鋭さは確かに興味深い。が、肝心の回復パートは割と平坦で、映画としては若干の停滞感があるように思えた(とはいえ75分)。
むしろ凄いと思>>続きを読む
些細な積み重ねで不仲になって、10年くらいしたらわだかまりが無くなっててまた元に戻るの、劇的じゃないところがリアルだなあと。
そういうわけで淡々と進むためドキュメンタリーとしては大したことはないのだが>>続きを読む
めちゃくちゃ面白かった。これ以上無いくらい削り落とされたシンプルな話なのだが、西部劇としてアツいしメロドラマとしても泣けるのである。
車内でいがみ合ってる2人が襲撃された瞬間、見事に連携して危機を切り>>続きを読む
赤いアメ車が画面に映えること映えること。奇妙な艶かしさすらあって、街を滑走する姿はさながらカーペンター版『ドライブ・マイ・カー』である(嘘)。
いじめられっ子が徐々に車に取り込まれていく前半もまあ退屈>>続きを読む
『ホステル』+『グリーン・インフェルノ』に女性視点を入れつつオシャレに調理してみました、的な。
支配的な男のクリーピーさを描くことに注力しすぎる余り、我慢我慢我慢……からの暴力!というジャンル映画とし>>続きを読む
抑えられた色彩と暗さによる歪なルックだけでなく、汚職に塗れた公共事業とマフィアたちの構図は強烈にフィルム・ノワールを想起させる。だがこの街にはバットマンと、ヴィランたちがいる……ということで、そんなん>>続きを読む
航空事故と疑惑のパイロット、というストーリーラインながら『ハドソン川の奇跡』とは全く異なるゼメキスのスピリチュアル路線が炸裂している映画。
『フォレスト・ガンプ』や『キャスト・アウェイ』くらいならとも>>続きを読む
確かに感動した。
関係性が明らかになる場面で挿入される回想は抜群に上手いし、時間と世界すら超えて反復されるポップソングが家族の記憶を想起させるラストなんて、曲自体の強度も含めて、感動しないヤツがいるの>>続きを読む
比較するもんでもないのだろうが、同じアプローチの『気仙沼』よりも率直に面白かった。
いかにも、な風貌な消防団の男性の強靭さや、異質なまでに抽象的なことを言っている図書館職員の女性が言葉を探していく姿に>>続きを読む
ここにおさめられているのは、教訓や道徳などとは無縁の、市井の人びとたちによる単なる会話。なのだが、それをただ受け止めることの出来るドキュメンタリーがどれだけあろうか。
なので、どれもこう言っては何だが>>続きを読む
相次いだボーイング737Max墜落事故の背景には、本来必要なコストを削減し利益を優先するボーイング社の姿勢があるとするドキュメンタリー。
私企業であるとはいえ、ボーイング社のような世界のインフラと直結>>続きを読む
いや〜怖かった。同じダン・オバノン脚本作なら『ダーク・スター』のリリシズムや『スペース・バンパイア』のB級活劇性を推したいが、このホラー映画としての洗練は流石と言う他ないだろう。
終盤の、自爆スイッチ>>続きを読む
女が彷徨い、変容してしまう映画。オープニング、何らかの意図を持っていることを思わせる筒井真理子の佇まいと「横顔」の怪しさにまずはやられてしまった。この不穏な怪しさを全般にわたって持続させる手腕も見事だ>>続きを読む
後半の鮫vs人間のところばかり記憶に残っていたが、前半のビーチ描写も南仏バカンス映画のように豊かで微笑ましい。もちろん後半の人体と船の破壊描写は記憶のとおり豪快。
人間ドラマとしては中途半端でそこまで>>続きを読む
これは結構食らってしまった……。
とりあえず未読だった原作と大学以来のチェーホフを読みながら消化していきたいと思います。
これ凄いなー、後半はやり過ぎ感もあるけど率直に面白すぎた。流石ディズニー。
あまりにドライブしなさすぎる脚本にビビった。持つ者と持たざる者の話にしてはあまりに中途半端すぎるのでは……。
ミュージカルパートは豊かな色彩によるぶっ飛んだアイデアとラテン・ポップスが融合していて見応>>続きを読む
いい話を真っ当に映画にしたやつ。
特筆すべき点としては、チャキチャキしすぎた無駄にスピード感がある映像描写が懐かしい。流れる音楽と合わせて、00年代中盤の雰囲気を濃厚に今に伝えてくれる。Ashanti>>続きを読む
いい映画。
ハンディキャップ家族モノかと思いきや、ジョン・カーニー作を思い出させる青春音楽モノとしても楽しめて一口で2度おいしい。
同じ人物が同じ歌詞を歌っていても違う寓意で聞こえてしまうというポップ>>続きを読む
『許されざる者』の後に撮られたイーストウッド主演作。
80年代〜90年代アメリカ映画によくある間伸びした感覚はある。が、イーストウッドのカッコいい佇まいはその余剰さを心地良くさせるものがある。マルコヴ>>続きを読む
ホン・サンスのような、ルメールのような軽妙な会話劇。なのだが相変わらずショットと演出の決まり具合は健在という、濱口竜介はもはや無敵の映画作家なのではないだろうか。
脚本が明らかに秀逸で、『PASSI>>続きを読む
「少年とイーストウッド」モノだが、この肩の抜け具合。物語も演出も簡潔であっさりしている。研ぎ澄まされているわけでもなく、旅、少年との交流、刺客との対峙、親子の再会、全てをポーンと撮ってしまい次へ次への>>続きを読む
『サイコ』の続編てwみたいなノリで見てみたが、これがとても面白かった。名匠トム・ホランド筆頭に、作り手たちが前作に敬意を捧げながら、しかし、新しい映画を志向する意志を感じた。ハッタリ、フェイクを積み重>>続きを読む
徹頭徹尾怖すぎ&おもしろすぎ。
名高いシャワーシーンの鮮烈さは今見ても(わかっていても)古びないおぞましさがあるし、そこからアンソニー・パーキンスが死体を処理して車を沼に沈めるシークエンスもゾクゾクす>>続きを読む
最初の4,50分くらいずっと説明で史実モノ特有のダルさはあるものの、後半友情スパイ展開に集束していくとそれなりによい。
早急なカット割とひたすら揺れるカメラで緊迫感を煽るやつ、要所で使うならともかく、>>続きを読む
『ザ・グランド・ブダペスト・ホテル』でそうであった以上に、語りの構造が入り組んでいる(『犬ヶ島』も時系列的には意外と複雑だったな)。加えて、スクリーンサイズやカラーさえも演出のために脈絡なく変えてくん>>続きを読む