tackyさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

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スキャナーズ(1981年製作の映画)

3.8

クローネンバーグの作品の中では、この作品だけ何故か観ていなかったが、とても良かった。
ただの超能力合戦だと思って、ついつい遠慮していたが、もっとスケールの大きな物語であり、マイケル・アイアンサイドの怪
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エクスクロス 魔境伝説(2007年製作の映画)

4.5

B級アクション・ホラー?・コメディ。頭空っぽにして、楽しめた。

原作のファンであったので、映画化はどうかと思ったが、ここまで吹っ切れられたら、むしろとても清々しかった。
主役の二人、松下奈緒の華麗さ
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娼婦ベロニカ(1998年製作の映画)

4.0

この映画の良いところは、女性蔑視の矛先が、娼婦の主人公だけではなく、物語に登場しているすべての女性たちに向いていることを、描いているところである。

この時代に女性が愛する人と想いを遂げる為には、高級
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ぼくらの七日間戦争(1988年製作の映画)

1.5

この当時の角川映画なので、宮沢りえをメインにしたアイドル映画かと思ったが違った。むしろ、中学生の妄想や現実を茶化すコメディだった。
だから、学校教育を真剣に語っていない。やはり角川映画だった。とても青
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陰日向に咲く(2008年製作の映画)

3.5

「晴天の霹靂」もそうだったが、劇団ひとりの作品は、特に父親との関係に重点をおいているのだが、この作品の岡田准一もその父との関係が人生に深く影を落としている。
岡田准一は、母を通しての父に対する嫌悪感で
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ハンサム★スーツ(2008年製作の映画)

3.5

「人は外見が大事じゃない」と語っているようで、外見重視の矛盾した作品。
今の時代には、ちと辛い。

全ては北川景子扮するヒロインが、「私は美人だけど、性格の良さを見て見て。」っていう嫌な女性で、魅力が
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マン・アップ! 60億分の1のサイテーな恋のはじまり(2015年製作の映画)

3.8

冒頭のパーティー会場までのワンショットに始まり、ラストの両親の結婚記念日パーティーのワンショットで終わるところなんて、まるでヒッチみたいで、「卒業」のオマージュもあるし、映画愛に満ちた演出だった。>>続きを読む

味園ユニバース(2015年製作の映画)

3.5

すばるの歌唱力ありきの作品。

突然の「古い日記」。
皆んなの前での「赤いスィートピー」。
そして赤犬との「ココロオドレバ」。
身体がゾクゾクして、鳥肌が立った。
ただ上手いだけなら他にもいるが、これ
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サンダカン八番娼館 望郷(1974年製作の映画)

4.0

山崎朋子のノンフィクション小説を、社会派監督の熊井啓が監督した、「からゆきさん」の物語。

作品中、当時の議員や軍部が出てきて、裏で日本自体が海外慰安婦を後押ししていた様を描いている。その為、憤懣やる
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ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

4.5

人は本当に悲しい時に涙が出ないものなのか?ラストの二人がそうだった。

前半で、体が前のめりになるほどの高揚感と、人間同士の信頼関係の大切さに感動し、
後半、人生をどう生きるのか、生と死について深く考
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カリガリ博士(1920年製作の映画)

3.8

ドイツ表現主義の代表的な作品。
ホラーやサスペンスの先駆け的な作品であり、後にたくさんのフォロワーに影響を与えた作品でもある。

舞台がすべて不安定な斜線の建築物で、そこに重なる心理描写。まるで、こち
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ナビィの恋(1999年製作の映画)

4.3

ユタの占いや、島の因習にサンラーとの間を引き裂かれた、ナビィの恋。
50年も連れ添った夫より、初恋のサンラーを選ぶほどの、激しい恋心に感動した。

愛は50年間で育んできたが、好きという気持ちは、年月
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僕の彼女はサイボーグ(2008年製作の映画)

1.5

綾瀬はるかと小出恵介でしょ。良い映画になるはずでしょ?

んー。この監督の作品は汚いシーンが多々出てくるし、ギャグはつまらないし、ラブストーリーは中途半端だし、突拍子もない展開が悪い方へと行くし、オチ
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アイ・アム・ナンバー4(2011年製作の映画)

3.5

前半、青春高校物語、後半、エイリアン・ヒット・アクション・ムービー。

冒頭のシーンから、とてもミステリアスで、いきなりナンバー3がフェードアウトで、謎めいてとてもワクワクしたが、その後の前半はどこに
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スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)

4.0

クラスがまとまって一つになる、そういう作品では、たいがい数人の目立つ子達が、やたらフューチャーされるのだが、
この作品は、演奏する子、歌う子だけで無く、照明係や警備係や衣装係などにもスポットを当ててい
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稲妻(1952年製作の映画)

4.8

この物語は、それぞれ父の違う母子家庭の四兄弟の末娘が、家族から離れて自立しようとする物語である。

高峰秀子演ずる末娘は、無神経な長女、押しに弱く頼りない次女、働きもせず愚痴ばかりの長男など、周りにウ
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乱れ雲(1967年製作の映画)

4.5

成瀬巳喜男の遺作である。
交通死亡事故の加害者の男と、被害者の妻との、禁断の恋愛を描いた作品。

とてもインモラルな題材だが、そこをあえて誠実な愛を貫く姿を通じて、人を愛する事とは何かを訴えかけている
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トランス・ワールド(2011年製作の映画)

4.0

ほぼ山小屋のワンシチュエーション、主要登場人物4人、画面は始終冬枯れの山林に、どんよりした天気。
これで、90分をあっという間に観せる脚本と演出力に脱帽した。そうか。そうくるか。

最初噛み合わない3
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デンジャラス・ビューティー2(2005年製作の映画)

2.2

一作目と違い、有名人になってしまったせいで面が割れ、潜入捜査が出来ず、作品の面白さを損ねているように思った。

敵も小粒過ぎるし、物語があまりにも単調で、スケールダウンは否めない。
一作目ほど、コメデ
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デンジャラス・ビューティー(2001年製作の映画)

3.5

ミスコン+サスペンス映画なんて、現在では制作はかなり難しいだろうが、むしろこの作品は、ミスコンを皮肉っているようにも思える。

主人公が結局「ミス・ベストフレンド」(原題は、とても性格の良い人)である
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夜歩く男(1948年製作の映画)

3.5

あらためて、
映画に古い、新しいは無い。
楽しいか、つまらないかであると思った。

ラスト20分のたたみかけが素晴らしい。

隠れ蓑のアパートのシーンから、ワンショット、BGMの無い静寂、犬の鳴き声で
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リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(1960年製作の映画)

3.5

この作品は、リメイク版や、ミュージカルとは、別物と考えるべきだ。

さすがロジャー・コーマン。
移動の無い花が主役なので、ほぼ花屋と歯科医院の二場で物語が続く。
録音も同時録音だし、どんだけ金をかけな
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総理の夫(2021年製作の映画)

3.3

前半のコメディを最後まで貫くべきだった。後半シリアスになってから、矛盾点が出てきたと思う。

日本初の女性総理の夫の苦悩をドタバタで観せたなら、素晴らしい作品になっていただろう。もしくは、一国の総理と
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ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)

4.8

「たとえ紙の月でも、あなたが信じてくれたら本物の月になる。」

オープニングで流れるこの曲は、元々熱烈なラブソングなんだけれど、主役の二人の関係を的確に表している。この映画の原作のタイトルも、「ペーパ
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EVA エヴァ(2011年製作の映画)

3.5

これから先の時代に起こりうるであろう、意志を持ったロボットやAIを、どう人間が管理していくのか?というテーマを扱った作品。

「眼を閉じれば、何が見える。」この一言は、非常に重たい。
たとえ人工知能で
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キューティ・ブロンド(2001年製作の映画)

4.0

観終わって、とても爽やかな気分になった。

女性が社会進出する時に、いつも大きな壁になる、セクハラやパワハラやモラハラなど、自分を抑えて我慢するしかなかった時代から、この主人公のように、断固拒絶できる
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キラー・メイズ(2017年製作の映画)

2.0

予告編につられて観たが、それ以上のものは何一つ無かった。

密閉空間ホラーとしても、
コメディ?としても、
30男のファンタジーとしても、
全部中途半端だった。

何故モンスターは生身で、タンポールで
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極道戦国志 不動(1996年製作の映画)

3.5

ここ最近の三池作品に物足りなさを感じていたので、久しぶりに鑑賞した。
ここまでぶっ飛んだバイオレンスを観せられると、逆に清々しい。
物語なんてどうでもよくて、三池節全開の暴力描写、コンプライアンス無視
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めまい(1958年製作の映画)

4.3

メル・ブルックスの「高所恐怖症(新サイコ)」を観たので本家を久しぶりに鑑賞。

二転三転するストーリーや、ヴィスタヴィジョンを使った色彩の艶やかさ、高所からのドリーズームのショット、「めまい」を想像さ
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セルラー(2004年製作の映画)

4.5

もし突然携帯に「今誘拐された、助けて欲しいので、この電話を切らないで、警察まで持って行って欲しい。」って、かかってきたら、あなたならどうしますか?
という映画です。

これがなかなか大変で、電波が届か
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ファーゴ(1996年製作の映画)

3.3

コーエン兄弟の偽実話クライム映画。

まず、脚本が凄い。
追い詰められた人物が、ドンドン拙い行動を重ねて、とんでもない事になっていく様を、白い雪の街をバックに丁寧に描く。

主犯の夫、変な顔の小さい方
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メル・ブルックス/新サイコ(1977年製作の映画)

4.0

「サイレントムービー」で無声映画を、「ヤングフランケンシュタイン」でホラーをパロディとして制作して、その映画愛をコメディに込めて発表し続けるメル・ブルックス。
彼がヒッチのパロディとして制作したこの作
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映像研には手を出すな!(2020年製作の映画)

1.0

たとえどんな映画でも、最後まで観て判断しなければならないと思うので、最後まで観た。いや、見た。そして、どんな映画だろうと、1点は入れます。

もうこれが最大、全てのギャグの空回り。

セリフで全部の説
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グレンとグレンダ(1953年製作の映画)

3.3

サイテー映画を観て、ゲラゲラ笑おうというブームが、20年ぐらい前に映画秘宝辺りから火がついて起こった時、真っ先に取り上げられたのが、エド・ウッド監督だった。
「ブラン9」を観た時に確かにそう思ったが、
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偶然の恋人(2000年製作の映画)

4.0

成瀬巳喜男の「乱れ雲」を思い出した。加害者と被害者の妻が恋愛に落ちる物語は、禁断の魅力がある。

「乱れ雲」は知っていて惹かれるのだが、こちらは隠していたので、真実を知った時、何故許せたのか?がつきま
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三十路女はロマンチックな夢を見るか?(2017年製作の映画)

2.4

ラストのドンデン返しがすべてでしょう。

しかし、そこまでいく過程が酷すぎる。伏線の貼り方もルール無視で、演出もテンポが無い。オチだけ良ければ全て良しとはならない。これでは、最初の三十路女の話自体、意
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